10月28日(日) 今回、京都に来たいちばんの理由は、きょうのこの日のため。 年に一度の大人の修学旅行の日だ。 またの名を、紅白歌合戦。 もう何年間も私の日記を読み続けている人なら、そろそろあの日か?と 思っている、そう! 「松茸紅白歌合戦」の日なのだあ! まったく昔は松茸なんか、不味いものだと思っていた。あの匂いが好き になれず、何が「香り松茸…」などという言い回しが流布しているのだろ うと思ったくらいだ。 でも本物を見てしまうとねえ! クラシック・コンサートだって、安っぽいコンサートを見ていると、ク ラシックなんかのどこがいいんだ?と思ってしまうものだけど、朝枝信彦 さんのコンサートを見たりしているうちに、本物の魅力のとりこになって しまうものだ。 その本物志向が、たまたま松茸という高価なものに魅入られてしまった のは、不覚である。今年で4回目の出場、いまやこの「松茸紅白歌合戦」 に出場できることは、我が家にとって、毎年の目標になりつつある。 午前10時30分。京都ロイヤルホテル脇の「すぎとら果物店」で、家 族3人、フルーツサンドに、柿ジュース。きょうはお腹が破裂するほど、 松茸を食べるので、極力少食にしておいて、本番に臨みたい。午後1時。東京から、「松茸紅白歌合戦」初出場の土居ちゃん(土居孝 幸)と、2年連続2回目の出場の柴尾英令くんが到着。 今年もサザンオールスターズのベーシスト&ウクレレ伝道師のカズ坊 (関口和之)が無念の辞退。ラジオ出演がどうしても動かせないと悲痛な 叫び。 ほかに、おもしろい理由で辞退は、菅沼真理(通称:すがねまチャン) さん。 なんと出身が長野県飯田市なので、子どもの頃から、裏山にいくらでも 松茸があって「松茸は珍しいものではない!」とのたまわるではないか! 「わざわざ遠くまで食べに行くものではない!」という価値観は、東京生 活49年の私には悔しいやら、うらやましいやら、でも新鮮な驚き。 成沢大輔くんは、本職の?天皇賞とぶつかったために、辞退。 われわれは彼が天皇賞で万馬券を当てて、その足で「松茸? どうぞ! どうぞ! みなさん、全部ボクがおごりますよ!」と駆けつけてくれるこ とを期待したのだが、何の連絡もなかったということは、ハズしたのだろ う。 午後3時。すぎやまこういち先生ご夫妻のマンション前に集合して、 まずは記念写真。プティ・ポワンの北岡さんの奥様が都合で来れなくなっ てしまったのは、残念至極。白組4人、赤組3人の出場になってしまった。 そんなところで、人数を揃えようとするな! ジャンボタクシーの運転は、おなじみヤサカ・タクシーの宮本さん。 --みんなで松茸のポーズ-- 雷雨が予定されていた空模様も、このメンバーの気迫に吹き飛ばされた のか、どんどんいい天気になって行く。 颯爽と、高速道路をひた走り、兵庫県三田(さんだ)へと向う。 なかなか大人になってから、こういう風に大人数でわいわいがやがや言 いながら、旅ができることなんて少ない。毎年この「松茸紅白歌合戦」に 参加して、騒げることの喜びは格別である。 だから大人の修学旅行! 午後5時。途中、少し雨が降って来たものの、今年もやって来ました! 三田(さんだ)の藤の坊山荘! 「松茸紅白歌合戦」と呼ぶには、ステージは、あまりにも民宿っぽい作り なんだけど、そんなことはどうでもいい。4年連続4回目の出場を果たせ た喜びのほうが大きい。すぎやまこういち先生ご夫妻と北岡さんは、もう 6回目の出場だったかな。北島三郎さんや都はるみさん、五木ひろしさん といったところか。 うちはまだMAXとか、DA PUMPの回数ですな。 松茸というのは、その日、その日の温度による影響が強くて、ここ2〜 3日の温暖な気候は、ほとんどの松茸の旬のシーズンを終らせてしまって、 きょうわれわれのための松茸をかき集めてくるのは相当、大変だったよう だ。 京都の和食料理のお店では、もう松茸を出すのを終了させたお店が多い とか。 それにしても、松茸以外の用で来ることのない、この集団を、藤の坊山 荘の人たちは不思議に思っているだろうなあ。年齢はバラバラ。とても おなじ会社の人たちには見えないだろうし。そのくせ仲よさそうに、毎年 きっちりこの時期になるとやって来る。ほとんど渡り鳥のツバメのような ものだ。 『松茸を抱いた渡り鳥』。映画の題名にもなりそうもない。「うわあああああっ。うめ〜〜〜! 幸せだあ!」という柴尾英令くんの 第一声で、今年の「松茸紅白歌合戦」はスタート。 北岡シェフが、ナイフと手で、松茸を引き裂くと、手際のよさ、手つき の良さで、松茸の美味しさが一段と増す。 「そうかあ。こういう味だったんだあ!」と、初出場の土居ちゃんが感動 する。 「大きさとかは、日記で見て覚えていたんだけど、松茸って、こんなに重 いんだねえ! 初めて知った。美味しいなあ!」 土居ちゃんの言う通り。私だって、ここ来るまで、松茸は乾いていて、 軽いものだとばかり思っていた。 ずしりと重くて、いっぱい水を吸っているのだよ、松茸というやつは。 世の中、実際にこの目で確かめてみないと、わからないことだらけだ。 軽々に物をいう人たちが、うらやましく思えるほど、世間は広く、言葉 は慎み深くないといけないと思う。 例年通り、松茸だけで、お腹がいっぱいになるレッド・ゾーンに突入す る。 まだこれから、松茸に続いて、三田牛が待っている。 三田牛をたくさん残したら、牛食い絶叫男・柴尾英令くんの思う壺であ る。 「いやあ、去年は初出場で、味を楽しむまでいかなかったけど、今年は落 ち着いて食べられて、幸せだなあ!」と、柴尾英令くんが、本当の『NH K紅白歌合戦』の出場歌手みたいなことを言っている。 ただでさえ、美味しい松茸なのに、実はすぎやまこういち先生の奥様が、 豊後竹田のとびきり大きいカボスと、「澪つくし」という醤油を持参して いらっしゃったので、スペシャル松茸になってしまう! 三田牛は、まんまと食べきれずに、牛食い絶叫男・柴尾英令くんの思う 壺になってしまった。日本でいまいちばん狂牛病と戦っているのは、彼か もしれない。 最後の松茸ご飯は、もうお腹に入らないよ〜!と思っていたのだけれど、 ご飯に先ほどのカボスとお醤油のブレンドをたら〜りたらたらかけると、 すいすいすいっと、松茸ご飯はパンク寸前のお腹のなかに、うれしそうに 入って行くではないか! 「来年も来れるといいなあ!」 「来れるように一生懸命働くんだなあ!」 「家を売ってでも来たい!」 お土産に丹波の黒豆をもらって、帰路へ。 午後9時30分。もはや好例になりつつある、宝塚の「サンマルク」で お茶。初出場の土居ちゃんのおごりで、コーヒーにケーキ。まだそんなも の食べるんかい! ケーキは別腹! 宝塚だけに「ベルばら」。ちょっと ギャグが古い〜! 午後10時30分。阪神高速から東名高速道路で、京都へ。 それぞれのマンションへ、ホテルへ。 今年もこれでめでたく「松茸紅白歌合戦」は無事、終了。 しかし、このご一行様は、明日も何やら企んでいる様子。 それはまた明日の日記にて!
-(c)2001/SAKUMA-