6月12日(土)


 一昨日、讃岐日帰り。昨日、姫路城。
 さすがにきょうは…おとなしくしない! ははは!
 横浜ベイスターズ佐々木様の3連投みたいなもんだ。
 
 きょう行くところは、安土城!
 また安土城かいなっ! 先週のきょう行ったばかりじゃないか!と、賢明なる日記
マニアの方は言うかもしれない。
 まあ、あとをお楽しみに。
 安土城に行くとだけ覚えておいてね。

 午前10時。毎度おなじみ最古のさくまにあ・戸田圭祐が来る。
 近所の喫茶店「10oz(10オンス)」で、ホットドッグセット。
 そのまま京都駅へ。

 午前11時15分。京都駅。近鉄特急で、伊勢に向かう。
 少し地図に親しむ人なら、京都から伊勢?と思われるかもしれないが、この近鉄特
急は、京都を出て、西大寺、大和八木、松阪、伊勢と4駅目なのだ。そのくらい近い。
 ちなみにきょうどこに行くかグルメ・バカ娘に伝えていなかったばかりに、途中の
松阪に着いたとき、ここで降りるのだと思ったらしい。おまえはどこまで松阪牛なん
だ!

 午後1時14分。伊勢駅の次の宇治山田駅着。
 午後1時30分。伊勢神宮おかげ横丁に行く。
 伊勢神宮の内宮にある、レトロ調のこのおかげ横丁は、まるで映画のセットみたい
だ。
 10年前ぐらいから、この通りを計画的に軒並み揃えて、家を建てた。当時は白木
がやたらとまぶしくて、作りすぎの感が強かったのだが、今回見ると、しっくりして
来た。
 町というものは、こうして定着して行くのだな。
 伊勢というのは、私の『桃太郎電鉄』の臨時収入で優遇されることの多い場所だ。
 伊勢うどん、てこね寿司、ふくふく餅(もちろん赤福餅のこと)と3つも臨時収入
に登場する。
 できることなら、伊勢たくわん屋という物件も加えたい。

 それにしてもいつもどういうわけか、今まで10回近く私は伊勢に来ているのだが、
いつもかんかん照りの日にばかり来ている。
 だからも伊勢=暑い、汗びっしょりのイメージが強い。
 きょうもけっこう日射しが強いのだが、今まででは初めて心地よい快晴である。
 初めて歩くのが楽しい伊勢となった。

 まずは、中井屋で、伊勢うどんを食べる。
 戸田圭祐は、伊勢うどんを食べるのは初めてのようで「すき焼きの最後にうどんを
ぶっこむような、美味しい食べ物でんなあ!」とのことだ。
 非常に庶民にわかりやすい言い方だ。
 貧しい頃、すき焼きの最後に入れるうどんは、格別のごちそうだった。わずかにみ
りんをたらすと、さらに美味しかった。
 そうか、あの味を思い出すから、私は伊勢うどんが好きだったのかもしれない。ふ
むふむ。
 単に醤油風味はもともと大好きということもある。
 午後2時。「赤福」内宮(ないくう)前支店で、赤福餅入りかき氷400円を食べ る。  有名な赤福餅が白玉と、餡と分かれて、抹茶風味のかき氷に入っている。このかき 氷が好きで、夏季限定だから、どうも私は伊勢というと、必ず夏に来ていたようだ。  本当に食べ物に左右される男だ。  ちなみに、この赤福餅。本店では7月上旬にならないと食べることができない。  でもこの支店のほうは、ちょっと海の家みたいな雰囲気で、風情も楽しみたいムキ には、本店の解禁を待ったほうがいい。
赤福氷
 さて、赤福餅入りかき氷。  思えば、脳内出血後、初めてである。  うわっ! 甘〜〜〜〜〜い!  ええ〜〜〜! こんなに赤福餅の餡(あん)って、甘かったっけ?  体質改善で常人の身体になったら、こんなに甘く感じるんだ!  これはニュートンが万有引力を発見して以来の発見だよ。  え? オーバーだって?  それこそ私を甘く見てるね!  「箱食い」って、知ってる?  赤福餅の9個入りの箱を、その日にひとりで全部食べてしまうことだ! どうだ、甘 い物が苦手の人は「うえ〜〜〜〜〜!」だろ!  私はこの「赤福餅の箱食い」を得意としていたのだ。  まあ、この辺で許してやろう!  夏は、やっぱりかき氷ということで、まとめよう。  食後、お土産を買う。伊勢うどんに、伊勢たくわん。    午後5時。伊勢戦国時代村。
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   最近「にゃんまげに飛びつこう!」のCMでおなじみの、あの日光江戸村のチェーン 店である、戦国時代村だ。  土曜日だというのに、村のなかは、観光客がめっぽう少ない。  入村料だけで、2300円だが、2300円というのは、ちょっと高すぎる、これに いろんな劇場のショウなどを見ると、1000円とか加算されて行く。  この伊勢戦国時代村の目玉である、安土城に登るには、入村料に1200円プラスで ある。  おっと、伏線だった、安土城がついに登場したぞ!    そう。この安土城に登りに来たのだ。  詳しいことはよく知らないのだが、この安土城は、歴史マニアのオーナーが、自分で 安土城の資料を集めて、お城を建ててしまったそうだ。  5年ぐらい前にも、ここを訪れたのだが、そのときはまだ石垣と城郭は完成していた が、内部ができていなかったのでなかに入るこ とができなかったのだ。  やっと来ることができた。  とはいえまあ、こういう戦国時代村に建てるようなお城だから、あまり期待はしてい ない。  しかし、外から見る分には、先週本当の安土の信長の館で見た、安土城天守閣の原寸 大模型と遜色が無い。  ひときわ高いところで、金色に輝いているので、はっきりいってきれいだ。「綺麗」 と漢字で表現したいくらい。  森の緑のなかに、ぽつんと金色だからね。目立つよ。  伊勢戦国時代村から、ビルの3〜4階分の長さのエスカレーターに乗る。登り切った ところが入口ではなく、そこから、駕籠(かご)の形をした趣味の悪い大きなバスに乗 る。  バスに乗って、ひときわ高い山のてっぺんにそびえ立つ、安土城に向かうのだ。  何だか本当の安土城に向かうみたいだ。  先週本物のほうに行って来ているので、まわりの景色もよく似ていることがよくわか る。おそらくオーナーは、似た地形を日本中で探したんだろうなあ。  でないと、安土城を伊勢に復元する意味はまったくないからね。  歴史マニアから言えば、この伊勢は、信長に最後まで抵抗していた地方として有名な くらいだからね。  初めて内部に入る。  各フロアに、バーチャルシアターがあって、天下統一をめざした織田信長の人生を映 像で見ることができる。  これがけっこうハリウッドなどにある映像システムをマネていて、劇場の真ん中に観 客は立ち、両側で、NHKの大河ドラマのようなものを見る。  大砲が鳴ると、地面がぐらぐら揺れる。  お城が燃えるシーンでも、地面がぐらぐら揺れる。  基本的には、陳腐だ。  陳腐だということを前提に語るなら、このアトラクションは抜群におもしろい。  ストレートなおもしろさではなく、思い切り変化球のおもしろさだ。ちょうど、にゃ んまげのCMのあまりのくだらなさに、終いには笑ってしまうようなのおもしろさ。  けっこう大河ドラマ風の映像も、制作費がかかっているし、エキストラの数も、馬の 数も多い。  これは一見の価値があるよ。  一度見たら、もう二度はいらないかもしれないけど、一度は見ないと絶対損だ。  絶対見てほしいので、各階の映像構成をここに記す。     1階・桶狭間の奇襲     2階・美濃平定、稲葉山城の攻防     3階・小谷城の攻防、お市絶叫     4階・本能寺炎上  この題名だけでも、かなり笑えるでしょ?  しかし笑ってるうちに、4階まで登ってしまって、さらに6階の天守閣展望台、7階 の黄金の間まで登り、またしてもへとへと。  このお城はエレベーターで上がれると思っていたのだ。  このお城を作った人は、本当にこてこての歴史マニアだよ。  露悪趣味はもちろん、ふんぷんとしているのだけれど、このお城を建てたかった執念 が随所に感じられる。  完成したときは、得意満面だっただろうなあ。  天守閣から眺める景色は、まさにあの本物の安土城跡から眺めたときの景色とまった くおなじなのだ。  琵琶湖の代わりに、伊勢の海が見える。  だからこのお城はこの場所で、わざわざバスを走らせてでも、この高さに建てないと いけなかったんだろうな。  すごいこだわり方だ。  歴史価値的には問題がたくさんあるらしいけど、一向に安土城を復元しない、近江八 幡市よりも、個人でこのお城を建てた人のほうがよっぽど偉いと思う。  日本の城郭の本はたくさん持っているけど、この伊勢戦国時代村の安土城完成までの 秘話が知りたいよ。  お土産屋さんには、売っていなかった。  もし売っていたら、ぜひ教えてほしい。  もう一度買いに行ってもいい。  午後4時。こうして今回のお城めぐりのシリーズもひとまず終了。最後がこの作り物 の安土城ってところが、私らしいでしょ?  午後5時9分。宇治山田駅から再び近鉄特急に乗る。  本当は駅前の割烹「大喜」に寄ってご飯を食べて行くことになっていたのだが、午後 2時の伊勢うどんからまだ2時間ちょっとなので、さすがにお腹が空かない。  というわけで、戸田圭祐はここから大阪に直接帰る。  午後7時19分。京都駅着。  この3日間京都らしい食べ物を食べていないので、毎度おなじみの「忘吾(ぼあ)」 に行く。  近鉄特急でしこたま寝たグルメ・バカ娘は、もう「腹減った」を連発していて、忘吾 (ぼあ)で「あゆの塩焼きは時期はまだですか?」と聞く。こういうことになると、 まったく物怖じしない!  このひとことで、ご主人があゆの塩焼きを出してくれることに。  もちろん美味しかった!  このお店の味も、青山「穂積」のように、来るたびに、どんどん味がよくなっている。  もはや京都では、三嶋亭、Mと並ぶ、先発三本柱である。  食後、マンションに戻り、すぎやまこういち先生の奥様から、今回の旅行中の写真を いただく。  明日、先生も、うちの家族も東京に帰る。  うちのほうがわけあって、早めに東京に帰らないといけない。  その話はまた明日。  またまた密度の濃い京都旅行であった。  京都旅行といいながら、ほとんど京都にいなかったけど…。 

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