5月23日(日)


 午前6時。朝早く目が覚める。
 やっぱりまた、心臓が苦しくなってきている。
 それでも起きたついでに『さくま式人生ゲーム2(仮)』の仕様書作りを始めて
しまう。
 少しでも早く進むと、身体も楽になるような気がする。

 しかしもうこういうやり方のゲームの作り方はやめないとなあ。
『さくま式人生ゲーム2(仮)』を始める前も、この身体への負担を考えて、ずっ
と辞退しようと思っていた。
 引き受けたら、膨大な量の内容を盛り込まないと、今のゲーム業界について行け
ない。
 ほかのゲームメーカーは、社員を動員して、パートごとに分けて、ボリュームを
増やすことができるが、こっちはひとりだ。
 まるで、1万人の軍勢にたったひとりで戦いを挑んでいるようなものだ。

 おそらくこの『さくま式人生ゲーム2(仮)』が、陣頭指揮を取って、作る最後
の作品になるだろうと予測していたが、本当にそうなりそうだ。完成直前で死亡と
いうと、ブルース・リーみたいで格好良くて、編集された作品が発売されるんだろ
うけど、うちのはギャグだからなあ。
 とにかく完成させないと。

午後12時。あまりにも天気が良すぎるので、今年初めての半袖に着替えて、昨日
行った、代々木公園の「森林(もり)の市」に家族ででかける。
森林の市
   暑い、暑い。とにかく暑い。  夏の海水浴場にいるぐらい暑い。てりてり。ちりちり。  適当に昼飯代わりに、いろんなところの市町村の名物を食べようと言ったら、グ ルメ・バカ娘の調子は、絶好調!  鮎の塩焼き、五平餅風焼きだんご、おやき(野菜味、あんこ味)、北海道のかに 汁、とろろ昆布巻きおにぎり、コーヒー牛乳、りんごジュース、六合ハムのウイン ナーソーセージ、清里の牛乳ソフトクリーム。 「ふう、苦しい!」  あたりまえだ、またたくまにそれだけ食えば!  お相撲さんの食事みたいだぞ。
かに汁
   暑い、暑い。陽に焼けて顔がつっぱっ来た。  きょうの気温は28度まで上がったそうだ。  グルメ・バカ娘はすでに、顔が猿のお尻のように真っ赤っかだ。  午後1時30分。帰宅。『さくま式人生ゲーム2(仮)』の仕様書を書き始める が、さすがに日光を浴びて、疲れた。  眠くなる。そういえば、今朝は4時間ぐらいしか寝ていない。  TVで、西武VSロッテ戦を見ながら、寝てしまう。  松坂くんは、またしてもすごい!  高校出て、すぐ一軍に上がれる選手なんて、ほとんど皆無の時代に、1年目から おもしろいように、プロの選手を手玉に取っている。  松坂くんの失敗して学ぶやり方は、本当に王道だと思う。  人間、絶対失敗からしか何も学べないと思う。  午後3時30分。午睡から覚める。頭がぼうっとしている。  再び『さくま式人生ゲーム2(仮)』の仕様書を書き始めるが、ミスが増えて来 る。  いよいよカードの仕様書を書く段階まで来た。  前作のカード仕様書がかなりそのままつかえるので、けっこう楽だ。とはいえ、 フィギュアカードは、その場で見えるようにするなど、口で言わずに、文章にしな いといけないのが、面倒。  午後5時30分。最近減量中のため、お腹が空いて仕方が無い。  グルメ・バカ娘が「夕飯もう食べる〜?」と、クレヨンしんちゃんみたいな声で やってくる。  きょうは、以前池袋ナンジャタウンで買って来た、オリエンタルカレーを作って もらった。  60年代に一世を風靡した、カレーである。  野菜は、きょうの「森林の市」で買って来た、ジャガイモ、たまねぎ、まいたけ と、非常に新鮮で豪華!  さて、レトロなカレーのお味のほうは?  はっはっはっは。やっぱり学生食堂の味か!  だと思った!  グルメ・バカ娘を見ると「まじー!」という顔をしている。 「こういうのは、ソースをかけると、おいしいのだよ」と教える。 「ソースっか(そうするか)!」と、くだらないだじゃれを飛ばしながら、ソース をかけるグルメ・バカ娘。 「ほんとだ、おいしい!」  そうだろ、そうだろ。  食後、グルメ・バカ娘が学校の勉強をしている。  珍しいと思ったら、明日からテストだという。  早くも一夜漬けかい!  わが家の方針は、勉強はしなくていいというので、娘のほうが危機感を持ってい る。  まあ、たっぷりこれからあと数年苦しむんだな。ふっふっふ。  それにしても学校の勉強のほうが楽だよなあ。  教科書に書いてあることを暗記すればいいんだから。  ゲームの仕事は教科書に書いてあることを元に、新しいことを作らないといけな い。  作ったとしても、満点がもらえるかどうかの保証が無い。  教科書通りのゲームってのも、それはそれでつまらないけどね。  おや。また横浜ベイスターズが、ぼこすか打たれてる。  大変だなあ、あの人たちも。  武蔵丸が2場所連続優勝か。横綱にしてあげるのかなあ。  外国人横綱がイヤなら最初から、外国人を角界に入れなければよかったんだ。  入れといて、難癖付けて横綱にさせないのは、往生際が悪い。  さあ、きょうももう少し、ひと踏ん張りだ!  再び『さくま式人生ゲーム2(仮)』の仕様書作り。


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