5月12日(水)


 午前11時30分。白金6丁目の和食料理「箒庵(そうあん)」に初挑戦。あとで
わかったことだが、このお店はお寿司が自慢料理だったようだ。
 ランチ・メニューに和牛ステーキとあったから、ついそれを注文してしまった。和
牛となると、自分の舌が肥えまくっていることを忘れていた。
 悪くはないが、絶品ではない。もう絶品しか受け入れられない身体になってしまっ
たかしれない。またはみんなが滅法まずいと顔をゆがめるものが好きになってしまう。
 グルメが陥る末期症状かも知れない。

 午後1時。作曲家の宮路一昭くんが来る。
 新作『桃太郎電鉄』の数曲をチェック!
 MAP曲は重要なので、もう何曲か作ってみてほしいと厳しい注文を出す。
 
 午後1時30分。ユイ音楽工房の篠宮勝さんが来る。
 例によって、篠宮勝さんのだじゃれが連発する。
 きょうのネタは、篠宮勝さんのお母さんが「タケ」で、タケノコと自分は言われて
いたというやつ。まただじゃれのために作った嘘だと思ったのだが、本当のようだ。
しかもこうして文章にしてみると、ちっともおもしろくないのもわかった。
 午後2時。ビー・アール・サーカス出版社の新見知明さん、森澤明夫さんが来る。
 午後2時30分。ムサシノ広告の伊東正義が来る。
 全員揃ったところで、私の本の打ち合わせ。
 このインターネットの日記を膨らまれた形のバラエティ本を予定しているそうだ。
 思えば、自分が中心の本は、ずいぶんとひさしぶりのような気がする。
『ジャンプ放送局』も厳密に言えば、自分ではなく読者が中心。『チョコバナナ』は
投稿者、ゲーム攻略本は、ゲームが主役。
 ひょっとすると漫画評論家の頃の本に遡ってしまうのか?
 そういえば、夏目房之介さんが「手塚治虫文化賞」の特別賞を受賞した。漫画では
なく、漫画批評での受賞であった。
 夏目房之介さんとは、漫画と漫画評論家の形でずっとお付き合いして行こうと決め
ていたのに、20年近く経て、漫画コメンテーターとゲーム作家になってしまった。
 余談が長い。
 というわけで、ビー・アール・サーカス出版社の新見知明さんのおかげで、ひさし
ぶりに本が出そうである。
 やっぱり魂はまだ出版界の人間のつもりなので、本を出していただけるのは、横浜
ベイスターズが勝つのとおなじぐらいうれしい。
 年内発売を予定している。お楽しみに。

 午後3時30分。高内優向(旧・えんらえんら)さんが来る。
 きょうから『チョコバナナ』投稿者では初めて、プロ扱いをする。
 今後はイラストレーターの高内優向(たかうち・ゆうが)さんである。

 午後4時。タカラの高田さん、ヴィアール・ワン(旧・POW)の本山博敏さん、
荒堀明弘さんが来る。
『さくま式人生ゲーム2(仮)』の打ち合わせ。
 ゴールデン・ウィーク中に、苦しみ抜いたあの仕様書を元に、本当にこれからゲー
ムを作っていくか、作るとしても内容的に問題があって、不可能かといったことをチ
ェックする大事な会議。
 結論からいうと、私の人間労働力の限界以外、何ら問題なく「やりましょう!」と
いうことになってしまった。
 要するに、ゲーム5本分のボリュームのまま、GOサインが出たってことだ! 
う〜む。面倒な公式をたくさん作ってしまったので、ほかの人に手伝ってもらうこと
ができない。
 しかも出来上がりを想像すると、プレイヤーには非常にシンプルでわかりやすい。
その代わり何度やっても新しいイベントを見ることができる内容になるのだ。
 ねっ。何度やっても新しいイベントが見れるってことは、その数だけ私が作らない
といけないってわけなんだ。

 午後7時。原宿ふるさとプラザで、タカラの高田さん、高内優向さん、宮路一昭く
ん、嫁、グルメ・バカ娘で食事。
 
 夜はひさびさに鍼灸師の弓削くんが来る予定。



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