5月4日(火)


 天気予報通り、京都は朝から雨。寒くはない。
 情けないことに、まだ足が痛い。
 安土城跡の登山は、予想以上にビッグ・イベントだったようだ。

 午前8時。イノダ・コーヒ本店亡きあとの朝食を食べるのにふさわしいお店を物色中。
 きょうは河原町通りのパン屋さん「志津屋(しづや)」に行ってみる。1Fが最近イー
トイン・コーナーになった。
 とりあえずミックス・サンドイッチ450円と、コーヒー200円。安くていいでしょ?
 ここは「進々堂」「ボローニャ」と並ぶパン屋さん3本柱のひとつだけに味はいい。
ビフカツサンドもあるようだ。
 午前7時からオープンしているのも、イノダ・コーヒ本店とおなじだし、朝早くから開
いているお店の少ない京都では貴重。
 かなりいいぞ、これは。
 ただ1Fの隅っこを利用して作ったスペースだけに、8人分ぐらいの席しかないので、
仕事をするには適さない。
 やっぱりイノダ・コーヒ本店に勝るお店は、なかなか見つからないものだ。
 でも、ひとりで京都にいた場合、けっこう役に立ちそうなお店だ。

 午前11時。嫁のインターネット友だち、出井くんと待ち合わせて、北野天満宮近くの
「おひるや豆魂(とうこん)」に行く。戸田圭祐も合流。
左から、出井くんと戸田圭祐
   いつもいうけど、ここのおぼろ豆腐に、おからのふりかけ、数々の豆腐料理は絶品。 デザートの豆腐ゼリーも、黒豆珈琲もほかでは味わえない美味しさ。  このお店、本当に大人気になってしまって、お店を出る頃には、長蛇の列。場所は悪い んだけどねえ。美味しいお店だけは、場所が悪くても繁盛するねえ。  午後12時。「おひるや豆魂(とうこん)」の斜め前の「大将軍八神社(だいしょうぐ んはちじんじゃ)」に行く。  たまたま「おひるや豆魂」の斜め前だから行くようになったのだが、方位除けの神様と して有名らしい。私は旅行が多いので、なんとなく縁を感じてよく行く。  たまたま特別拝観があったので、宝物殿までみんなで見る。  80体もの神像は、圧巻。あまり知られていない神社なのが不思議なくらい。神社の方 も、いちいち説明してくれて、親切。  京都は奥が深い。  午後1時。祇園の京都クラフトセンターに行く。  ここは若き芸術家さんたちの工芸品を売っているお店。  だからデザインのいい品がけっこう安い値段で買える。  きょう買ったのは、螺鈿(らでん)模様の入ったルーペ。  螺鈿模様が気に入ったせいもあるけど、必要にせまられて買ったのが悔しい。京都駅で 売ってる便利な観光案内地図で、トイレに貼ってあるんだけど、お寺の名前の赤い文字が 小さくて見えなくなってきたのだ。    午後2時。四条通りの葛きりのお店「鍵善良房(かぎぜんよしふさ)」に行く。このと ころずっと高台寺店のほうに行っていたのだが、昨年改装していたので、どんな具合にな ったのか見たかった。  店内がぐんと広くなって、しかも1階で食べられるようになったので、気分がいい。  でも混雑するのは相変わらず。GWだしね。夏の暑いときなんか、30分以上待つから ね。    食後、四条通りを寺町方面に向かって歩く。祇園からなので、けっこう距離がある。雨 も降っていて、GWで観光客も多いから、歩きづらい。京都の歩道部分はすごく狭いせい もある。  実は数日前この日記で話題にした、五月人形の桃太郎がどうしてもほしいのだ。85万 円の桃太郎…ではない。  桃太郎人形を京都のマンションの玄関に飾ろうと思ってね。  午後3時。四条富小路あたりの「田中彌(たなかや)」。  五月人形を売ってるお店だ。  嫁や娘、戸田圭祐、出井くんは初めて見るのだが、やっぱりみんな85万円の桃太郎人 形を気に入る。  嫁が「でもこっちのほうがもっといい」と言った桃太郎の人形は木製で、ギャグをいう のも面倒なので、金額をそのまま言う。  290万円である!  何じゃい、その値段は!  学生カバンよりも小さいぐらいのサイズなんだよ。  あまりにも金銭感覚がマヒして来て、買う予定だった5000円の陶器製の桃太郎を買 う気がしなくなって来た。こう思わせるために、値段の高い人形を置いているのかな。  けっきょくかなり値段の高い、りりしい桃太郎人形を買ってしまった。
   午後4時。京都のマンションに戻り、『さくま式人生ゲーム2(仮)』の仕様書作りの 続き。  午後5時30分。マンションの2軒先の和風料理屋さん「京四季(きょうしき)」に家 族3人で初挑戦。  有名なお店なのだが、どうも2軒先のお店というのは、なんだか有難味がなくて、つい 足が向かないものだ。その隣りの「晦庵河道屋(みそかあんかわみちや)」もタクシーで、 「河道屋」というだけで、行ってくれるぐらい有名な、おそばのお店だ。  というわけで、「京四季」。  雨だけに、近いのは便利だ。  しかも有名なお店にしては、値段が安い。私にしてはね。  味もしっかりしている。お刺身もちゃんと脂の乗ったものが出た。  しかもデザートがついて、抹茶と和菓子まで付く。  かなりお腹がいっぱいになって、1万円よりかなり安いお値段は、1万円以上が当たり 前の京都の晩御飯では、貴重なお店だ。  これは京都の先発ローテーションに十分入るぞ。  横浜ベイスターズの福盛投手か、川村投手ぐらいの評価は与えたい。横浜ベイスターズ の選手でたとえてもほとんどの人がわからないなあ。巨人でいうと、二岡内野手ぐらいか なあ。  午後7時。マンションに戻る。お店の人に「帰り道、お気をつけて」と言われたが、2 軒先なのだ。よっぽど言おうかと思ったけど、うちのマンションが建設中の時、マンショ ン建設反対の張り紙が貼ってあったお店だけに、ちょっと言いづらい。  もう少し常連客になったら、言ってみよう。  本当に大反対だったのは、ここのお店ではなく、ほかのお店だということもわかってい るんでね。  引き続き『さくま式人生ゲーム2(仮)』の仕様書作り。  いよいよ明日、東京に帰らないといけない。  早いなあ。  いつも帰る時になると、もっと京都にいたいなあと思う。  京都からいろんなところに旅行がしたい。  まあ、「戻る家があるから、旅は楽しい」と昔の人が言っていたっけ。


-(c)1999/SAKUMA-