4月28日(水)


 京都のマンション。
 朝から『さくま式人生ゲーム2(仮)』の仕様書作り。
 さすがに昨日のお城めぐりダブルヘッダーがこたえて、不調。
 二度寝する。

 午前11時30分。すぎやまこういち先生ご夫妻とお食事をごいっしょさせていた
だく。タクシーで長岡京に向かう。
 タクシーの運転手さんは、もちろん宮本さん。
 もはや京都での、レギュラー・メンバーとなってしまった。
 しかも宮本さんから、とっても貴重な歴史資料までいただいてしまった。京都木屋
町付近が、幕末の頃、どこの藩邸だったかとか、ここには桂小五郎が住んでいたとい
ったことが綿密に書かれた資料なのだ。
 タイプ印刷の非売品。これはレア物でっせ! 歴史好きのみなさん!
 
 午後12時。長岡京の「錦水亭(きんすいてい)」。
 ここはタケノコづくしの料理を出すことで有名なお店。
 ツツジが満開な大きな池に、座敷がせりだしていて、そこでタケノコ料理を食べる
ことができる趣向になっている。
 もちろん、きょうは行き当たりばったりで、でかけたので、いい部屋が取れるわけ
もなく、別館の「秀山閣」に案内される。
 目の前は、池ではなく、マンションの壁。
 それでも入れたことのほうが不思議だ。
 ツツジのシーズンは、まず予約でいっぱいなのだから。

 実はこの「錦水亭」は、5〜6年前に来たことがある。私がまだタケノコを好きに
なっていないときで、とっても難儀した。
 苦手な木の芽と、当時はまだ苦手なタケノコの大軍に、気持ち悪くなって、10品
ほどのコース料理の3〜4品目でリタイアした。
 あれから年々京都に来るたびに、タケノコを好きになって行っているから不思議だ。
 いろいろな和風料理のお店で、ちょこちょこと、掘り立てのタケノコのお刺身なん
かを食べているうちになれてしまったせいなのだろうか? 
 という意味でも、きょうはどのくらい食べられるものなのか、自分でも興味津々。
けっこう予習復習を万全にしたときに臨む中間テストのようだ。
 お献立表を公開。

    ・木の芽あえ
    ・のこ造り
    ・若竹すまし汁
    ・じきたけ
    ・田楽
    ・焼き竹
    ・むしたけ
    ・天ぷら
    ・酢の物
    ・のこめし
    ・メロン

 メロンを除いて、全部タケノコ!
 大勢の観光客相手の大型店舗にしては、かなりいいお味。
 ここの名物の、じきたけは、大きなタケノコなのに、苦みもなく、甘さがくどく
なくて、美味しい。
 前から一度食べてみたいと思っていた、焼き竹も出た。
 タケノコに醤油をたらして、焼いた物。想像しただけで、醤油の焼けた匂いを想
像するでしょ? その美味しさ!
 前回3〜4品でダウンしたはずなのに、今回はなんなく10品クリア。すっかり
味覚だけは、年々成長しているようだ。
 美味しい、美味しいといいながら、先生ご夫妻にごちそうになってしまう。

 食後、錦水亭に隣接する、長岡天満宮を散歩。
 池にかかる参道は、キリシマツツジと呼ばれる、深紅のツツジで花道になってい
て、これほど美しい天然の赤い色というのは、見たことがない。
 紅葉の赤より、明るい赤なのだ。
「真っ赤っか!」と地元の人が表現するのが、わかるような赤だ。
  すぎやま先生と。 うれしそーなさくま!  満開のツツジの参道で すぎやま先生の奥様と。
   池にかかる豪華なツツジの参道を抜けると、長岡天満宮なのだが、これがまた 「どうしたんですか?」と聞きたくなるような地味な神社。石畳もなく、うす茶 色の地肌そのままの地面。  これはちょっとこの先の社務所まで行く気にもなれないなあと思っていると、 目の前に、「西山名物・タケノコ入りたこ焼き」の看板が。  タケノコ入りのたこ焼き?  すぎやまこういち先生の奥様と目が合って、思わずふたりで、足はたこ焼き屋 に向かう。  東京で、こういう物があっても、タケノコ風味の香りが入っていたりといいか げんな露天が多いだけにちょっと心配。まあ、失敗しても、関西のたこ焼きは圧 倒的に、関東のより美味しいのだからと、たこ焼きを食べるつもりで、つまよう じを刺す。  ん? ん? やっぱり入っていないのかな?  お、お、あった、あった!  盤ゲームなんかの、ふつうのサイコロの大きさより小さいサイコロってあるで しょ? あのぐらいの大きさのタケノコがちゃんと入っていた。これは美味しい!  8個400円。長岡天満宮に行ったら、これはお勧めだ。  露天でタケノコも売っていたけど、1本2000円と楽しそうな値段がついて いる。  午後3時。すぎやまこういち先生が、京都のソフトハウス「T」にお仕事で向 かう。  奥様と私は、京都のマンションに向かう。  途中、喫茶店でコーヒーなど飲みながら、さらに宮本さんの運転で、快適な乗 り心地。  まったくもって、いつもながら贅沢な小旅行である。    午後4時30分。京都のマンションまで送っていただく。  午後5時。御池地下街のクイックマッサージ「ナチュラル・ボディ」に行く。 ここは歩き疲れた足をリフレッシュしてくれる、私にとっても大事なお店になっ てきた。    午後6時。帰宅。宮本さんからいただいた歴史資料を読む。読めば読むほど、 すごい資料に、愕然とする。  放っておくと、宮部鼎蔵、本間精一郎、吉村寅太郎といった、幕末マニアでも あまり知られていない人の名前を連呼しそうになるので、歴史話は終了。  午後7時。またまたすぎやまこういち先生ご夫妻の夕御飯にごいっしょさせて いただく。まったくもって、私は金魚のフンである。  四条河原町近くの「志る幸(しるこう)」へ行くが、定休日。  そうだ、京都は水曜日が定休日のお店が多いということを忘れていた。  仕方なく、近くの「たき井」という割烹小料理さんで食事。  これが意外と、値段のわりに、どの料理も切れ味よく、大正解。  すぎやまこういち先生と、横浜ベイスターズでたとえると、五十嵐投手みたい なお店だ、阪神だと葛西投手みたいなお店だと、評価する。  お店の格と味を、プロ野球でたとえると、野球好きの人には伝わりやすい。で もお店の良さを、人に伝えるというのは難しいものだ。誰もが野球ファンなわけ ではないんでね。  午後9時。マンションに戻る。 『さくま式人生ゲーム2(仮)』の仕様書作り。   


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