4月20日(火) 商売柄、贈呈本の類は、たくさん来る。 でもきょうの贈呈本は格別な想いがあった。 週刊少年ジャンプで『ジャンプ団』を連載する、どんちゃん(現・井沢どんすけ) からの贈呈本である。 もちろん、『ハガキ戦士 ジャンプ団』第1巻の贈呈本だ。 どんちゃんは、原口一也と並ぶ私の弟子である。 優等生の原口一也に比べて、どんちゃんは世間知らずの王者であった。 冗談ではなく、私はどんちゃんのせいで何度か死にかけた。今は笑い話だが。 そのどんちゃんから、贈呈本が送られて来ること自体、本当に1999年7月で やっぱり地球は終わってしまうのかと思えるくらいの大事件である。 同封の文章は、驚くほど長文であった。 内容は、苦労話が綿々と書かれてあって、その上で「恥も外聞もなく正々堂々『ジャ ンプ放送局』のコミックスを参考にして作りましたっ」「僕が13年前に熱中していた 『ジャンプ放送局』のおもしろさを今の時代にも伝えてあげたいという気持ちが強くあ ります」と書かれてあった。 あのどんちゃんがねえ………。 ここまでの手紙を書けるようになったんだねえ………。 不覚にも、初めて、弟子の仕事っぷりに涙ぐんでしまった。 昔は、どんちゃんにひどい目に会って、泣くに泣けなかったのに…。ははは。 1999年7の月には、地球滅亡ではなく、銀河系が滅亡しそうである。どんちゃんには、そろそろ読者ページの奥義を教えてあげよう。 どんちゃん、もしこれを読んでいたら、電話ちょうだい! 今週の土曜日、美味しい物を食べながら、奥義を教えてあげたいんだけど、どう? 午後10時30分。恵比寿駅ビル。神戸屋キッチン。ミートコロッケ・サンドとコ ーヒー。 帰りに、忘れずクルミバンズを買う。このクルミバンズを買った日の美味しさは格 別だ。3日目ぐらいになったら、焼くと、これがまた別物の美味しさ。今のところ一 番好きなパン。 食後、駅ビル5Fの本屋さんでウスバカゲロウの資料を探す。 ギャグのために難しい専門書を買うのだから、イヤになってしまう。でも専門知識 を貯えた上で書くギャグのほうが、やっぱり受けるんだから仕方ない。 さらに『星を見に行く』(えびなみつる・誠文堂新光社)を、正・続2冊買う。え びなみつるは昔からの、私の相方である。 近年すっかり天文関係のイラストで根を張っているので、仕事でいっしょになるこ とは少ないのだが、今もずっと相方といえば、この男である。 天文という非常に地味なジャンルなので、天文に興味のある人は、ぜひ買ってくだ さいな。 午後1時。帰宅。 午後1時30分。税理士の赤根豊くんが来る。『さくま式人生ゲーム2(仮)』に、 また私が莫大なお金をつかいそうなので、警告を受ける。 映画監督なんかも、予算があるに越したことがない。 かといって、予算があれば誰にでもすごいものがつくれるとかぎったことではない こともわかっているつもりだ。 ほかにも、あれこれ経営のお話。 途中、ついつい脱線しながら、歴史の話。 桶狭間の合戦はどうだった、ああだったと、しまいには陣形図まで引っぱり出して 来て、議論。 どうも私は経営の話から逃げたいようだ。いかん、いかん。 午後7時。グルメ・バカ娘が学校から帰って来る。 どうも中学生になってから、帰りが遅いので、食事をするタイミングが、ガタガタ になってしまっている。 午後8時。放送作家の福本岳史くんと、アリtoキリギリスの石塚義之くんが来る。 3人で、近所の「ブルドッグ」で食事。 福本岳史くんには、『さくま式人生ゲーム2(仮)』のシナリオのサポート・メン バーとして参加してもらおうと思っているので、 きょうの飲み会。 石塚義之くんにも、アイデア・ブレーンとして、参加してもらえないかなあと思っ ている。 弟子の原口一也が、到着。たまたま電話したら、ちょうどご飯を食べるところだっ たというので、呼んだ。 嫁とグルメ・バカ娘も到着。 全員揃ったところで、原口一也の「歴史好きになる奮闘記」をみんなで聞いて、爆 笑する。まるで受験生のように、大宝律令が何年といった勉強方法をしているのだ。 しかも古代から。 それはつらいぞ! それはやめたほうがいいよ! ということになって、原口一也 は、どの歴史上の人物を研究すればいいかという話題に移る。 織田信長と豊臣秀吉ならどっちのほうが漫画とかドラマで見た覚えがある? 織田 信長と坂本龍馬ならどっち? というやりとりを何回かやって、けっきょく坂本龍馬で行こうということになった。 歴史を好きになるきっかけなんて、そんなもんなんだよ。 私だって、NHKの大河ドラマを子どもの頃、見てたのがきっかけで歴史に興味を 持つようになったんだから。 今も一番尊敬する、豊臣秀吉の参謀・黒田官兵衛は、NHKの大河ドラマで、江守 徹さんが演じてたんだよ。 すごくしぶい役者さんで好きだっただけに、最近バラエティ番組で、やたら奇人ぶ りを発揮してるのを見ると、がっくりくる。 石塚義之くんもけっこう歴史が好きだったというので、みんなで考えて、新撰組が 似合うなあ、石塚義之くんが沖田総司を演じたら合うなあとみんなで納得。 福本岳史くんは、もともと歴史大好き少年で、意表を突いて、前田利家を持ちネタ にしようと、すでに企んでいるようだ。 などという話をしていたら、あっというまに午後11時すぎ。 前回もこの店で、原口一也と午前1時すぎまで話し込んでしまったので、きょうは 早く帰ることに。 さ〜て、このあとは、風呂に入って、録画しておいた『古畑任三郎』を見ないと。