4月12日(月)


 昨日の都知事選は、石原慎太郎さんの圧勝。 
 最近スポーツ以外に僅少差ということが少ない。
 宇多田ヒカルも売れ始めたら、止まらないし、だんご三兄弟もそうだ。最初は都知事選
もだんごレースだったんじゃなかったっけ?
 選挙の前から、新聞や雑誌が勝手に予想して、その時1位だった人が、日に日に1位を
確定していくだけのような気がしてならない。
 選挙速報もいきなり、当選確実が出て、ちっともおもしろくない。
 
 午前11時。表参道、富士銀行。
 貯まっていた小銭を貯金。8万円ぐらいあると思っていたら、2万円に届かなかった。
持って来るまでがとっても重たかっただけに、がっくり!

 午前11時30分。表参道のオープンカフェ「アニバーサリー」で、コーヒーとサンド
イッチ。
 少しずつ表参道の木々も、緑色が増えて来て、オープンカフェが心地よい季節が近づい
て来ている。

 食後、表参道の裏道を、自宅に向かって、歩いて行く。

 午後12時30分。帰宅。
 午後1時45分。税理士の赤根豊くんが来る。
 今後のサマープロジェクトの経営についてのお話。
 
 午後2時。イースの蝦名規功さん、北川裕美子さんが来る。
 まだまったく経営の話が本題に入っていないので、3軒先の喫茶店で待ってもらう。
 でもって、経営の話。
「美味しい物を食べる余裕はある?」
「ありますよ」
「なら、いいや」
 いつもの通り、これで終わり。
 
 午後2時30分。宮路一昭くんが来る。
 赤根豊くんと宮路一昭くんが経営の打ち合わせ。宮路一昭くんの経営も、赤根豊くんが
見ている。
 赤根豊くんは、これから原口一也のところに行くという。
 私の仲間は、みんな赤根豊くんに経営を見てもらっている。世間ではさくまグループと
呼ぶが、完全に赤根豊くんに牛耳られているだけである。
 いずれにしても、業界人は金に疎い。

 午後3時。タカラの高田さんが来る。
 土居ちゃん(土居孝幸)が来る。
『さくま式人生ゲーム2(仮)』の打ち合わせ。
 
 いきなり私が変節してしまって、会議は、煮詰まる方向へ!
 どうも最近ゲームをやりすぎの子と、あまりやらない子との、ゲームに対する気持ちの
格差が激しくなっているので、作る側の狙いをどこ絞ったらいいのか、ものすごく難しく
なっている。
『ドラクエ』でいうと、どうせみんなホイミしかつかわないくせに、魔法の数は多いに越
したことは無い。
 ボードゲームもMAPが1面しか無いと、すぐに批判の的になってしまう。
 何面もあるMAPをどうやってチューニングするんだろうと思うけど、買う側にとって
は、面数が多いに越したことはない。
 こういう風潮に、ゲームデザイナーはすごく苦しめられている。
 もっと本編に力を注ぎたい。
 でも今の風潮は、オープニングのCG重視、裏技の数、物量重視だ。
 何だかゲームの魅力が本末転倒しているような気がするけど、今のところ世間はこうい
う意見が席巻している。

 といったことなどを話して行くうちに、思いきり会議が堂々めぐりに入ってしまった。
 いいアイデアや、意見はたくさん出るんだけど、じゃあ、それを1年で作れる?という
話になると、誰も「出来ますよ!」とは言えない。
 3年ぐらいかければ、ある程度望み通りのゲームが作れることはわかっているが、その
お金はどこが払うのかということになる。
 もちろんタカラさんになるわけだけど、3年かけるなら、それこそ最低でも50万本以
上売れないと、採算が合わない。
 いまどき50万本以上のゲームなんて、年に10本も無い。
 ましてや、3年もかけて作ってると、そのハードが新機種に移行してる場合のほうが多
い。
 ファミコン時代なら、おなじ内容でも、1年で完成した。
 グラフィック重視の風潮は、こうしてゲームデザイナーたちの夢を奪って行く。

 午後7時。近所のお好み焼き屋さん兼飲み屋さんの「ブルドッグ」で食事をしながら、
会議を続行!
 場所が変われば、気分も変わると思ったのだが、なかなか変わらない。
 もう12年間もずっとゲームを作り続けていると、作る楽しさよりも、作る苦しさのほ
うばかり、予想がついて、おっくうになる。
 東京の人間が雪が降ると、思わず外に出て、庭を駆け回るなのだが、北国の人は、雪が
降ると、眉根にシワが寄る。
 そんな感じかなあ。

 午後10時。土居ちゃん(土居孝幸)が、難しい話の連発で頭が痛くなって来たので、
解散することに。はっはっは。土居ちゃんらしいとみんな大笑い。

 午後10時30分。嫁と話して行くうちに、なんとなく『さくま式人生ゲーム2(仮)』
の形が見えて来た。
 あとは荒海にこぎ出す勇気かな。
 とりあえず疲れた。



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