3月20日(土)


 昨日は、どうやら風邪を引いていたようだ。
 夜中何度も寝汗をびっしょりかいて、3回ぐらい下着を取り替えた。

 午前10時。さあて、起きるかと着替えて、新聞を読み始めたら、すさまじい悪寒に
襲われる。
 あわてて、ベッドに戻るが、震えが尋常ではない。
 冷凍庫に入ったような寒さに、唇が震え、身体がガタガタ来たぐらいまではよかった
のだが、そのうち、アポロ13号が、大気圏に突入するときみたいに、身体がガクン、
ガクン! ガクガクガク!と揺れる。
 唇はもうカタカタ、鳴りっぱなし。
 これはやばいぞ!

 尿管結石、脳内出血と、入院した時とおなじぐらいの症状だ。
 とにかく嫁に連絡をしないと…。
 自分の家から、家にいる嫁の携帯に電話するというのも変なのだが、私が1階、嫁が
3階と、家庭内別居なので、電話が一番早い。
 それにしても、もはやF1のフォーミュラカーの車載カメラみたいに身体が揺れてい
る時に、携帯電話のボタンを押すのが、これほど大変だと思わなかった。携帯電話のボ
タンは小さい。
 なんとか押せた。
 しかししゃべることができない!
「た、た、助けてくれ!」
 やっぱり、ピンチの時は「助けてくれ!」が、一番わかりやすいし、伝わりやすい。
言葉も聞き取りやすい。

 嫁が1階に降りて来たが、震えは止まらない。
 しかもまだ左半身が、完全には回復していないので、足と腕が思いきり縮む。縮み
過ぎて、痛いのだ。こんな経験は初めてだ。
 左半身だけが、スルメをあぶった時みたいに、縮む。
 痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い!
 これは本当に痛い!
 痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い!
 左足が吊ったように痛い!
 痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い!
 左半身が縮んでいるので、寝返りが打てない。

 なんとか血圧の薬を飲み、嫁に足と手をさすってもらっているうちに、少しずつ震
えが収まって来た。
 ひ〜〜〜〜〜! おっと、また震える。
 おお、止まった、止まった。
 まいったね〜〜〜〜〜!
 この間わずか20分ぐらいなのに、1時間以上に感じるくらいつらかった。
 一体自分はどうなってしまうのかと思った。
 まだまだ無理をしてはいけないんだろうなあ。
 今週人に会う機会が多すぎたからなあ。

 午前11時。とにかく寝る。
 寝てもすぐ汗をかく。
 寝る。汗をかく。これの繰り返し。
 何リットルの汗が出たんだろう。

 午後2時。少しはご飯を食べないと。
 2階に上がろうとするが、左足の股関節が縮んでしまって、歩くことができない。
 必死に、2階に上がり、コーンスープとサンドイッチを食べる。
 無性にリンゴの糖分が美味しい!
 食べているうちに、またダラダラ汗が出てくる。
 首がびっしょり!

 さて、1階に戻ろうとするのだが、左足のふくらはぎが、筋肉痛のように痛いので、
階段を降りることができない。
 わずか10数段の階段を何分もかけて、やっと1階に戻る。

 とにかく寝る。汗をかく。

 午後3時。最古のさくまにあ・戸田圭祐が来たらしい。
 1階にいたので、わからない。
 きょうから部屋の模様替えを手伝ってもらう予定だったのだが、私がこの状態なの
で、何も頼めない。
 グルメ・バカ娘と遊んでいたようだ。

 午後6時。少し身体が楽になったので、4人で西麻布の「内儀屋(かみや)」に行
く。
 以前だったら、寝込んでまったく直らなくなるのだから、ずいぶんと体力がついて
来たものだ。

 午後9時。帰宅。
 ベッドに倒れて、休む。
 きょうこそ風呂に入らず、休むぞ。やっぱり昨日風呂に入ってしまったのだ。
 日記なんて書いてないで、寝ろよな。


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