3月2日(火)


 足が痛くて、何度も目が覚める。
 ここ数日の彦根城と尾道の因島村上水軍城に登ったのが、相当こたえたようだ。
早いうちに、日本全国のお城めぐりをしておかないと、登りたくても登れなくなり
そうだ。

 午後12時。ダメもとで、あるお店に電話したらOKだという。こいつはしめた!
 何しろこの店は、午前11時〜午後2時30分までのわずか3時間30分間しか
営業していないので、まず当日に予約を入れようとしても無理。観光シーズンなど
は、何日も前から予約してもまったくダメ。そういう人気のお店なのだ。
 私にしても、きょう行けることになったので、5〜6年ぶりの訪問になる。

 そのお店の名前は「玉置半兵衛麩(たまおきはんべいふ)」!
 すごい名前でしょう?
 私はこのお店と、おそばの「竹邑庵太郎敦盛(ちくゆうあんたろうあつもり)」と、
パン屋の「山形屋市兵衛(やまがたやいちべい)」の3つを『京都三大・いかにも
京都らしい仰々しい名前だけど、美味しすぎるお店だぞ!』と名付けている(長い!)。

 この「玉置半兵衛麩」は、名前の通り、お麩の専門店。お麩というと、鍋物に入れ
る物しか思い浮かべない人のために、いろいろ料理法があることを伝えるために作っ
たお店だそうだ。
 いわばアンテナ・ショップ。だから営業時間も短いのだ。
 お店はいかにも古い佇まいで、ご飯をいただくところだけが、きれいな内装なのが、
うれしい。古い佇まいのまま、なかまで汚いお店というのは、ちょっとね。
 席も20席以上あるのに、いつも予約でいっぱいなのだから、本当に人気があるの
だろう。実姉は私といっしょに行って以来、一度も予約できたことがないそうだ。
 
 とにかく美味しいよ〜!
 5〜6年ぶりの料理に感激〜〜〜!

    ・湯葉豆腐。
    ・田楽三品。
    ・お麩の唐揚げ。カリカリッと美味しい!
    ・お麩のつくだ煮。お土産に最適!
    ・ゆり根と銀杏の炊きあげ。
    ・山椒のお麩。これは私は苦手!
    ・生湯葉。
    ・お麩のみぞれ和え。
    ・白みそ仕立てのおみそ汁。よもぎ麩入り。んまいっ!
    ・麩まんじゅう。
    ・ご飯。
   お麩の連続なだけに、軽いと思うかもしれないけど、かなりお腹にたまるボリュー ム。  京都マニアを自認したい人は、ぜひ一度ここを訪れたほうがいい。  京都は詳しいという人に、かなりの確率で勝てるはず。  とっておきの穴場だ。  午後1時。五条通りを清水寺のほうに向かって、散歩する。  器屋さんが並ぶ。何件か見て歩く。  河井寛次郎記念館の先の前にも入ったことのあるお店で、コーヒー茶碗を買う。  こういう衝動買いをするのが、京都を楽しむ最高の喜び。  以前、箸を作ってるおじさんから、竹の箸を買ったことがあるけど、おじさんが 自分の財布から、お釣りをくれるのが、うれしかった。こんなことができる京都が 好きだ。  さらに五条通りの裏道を歩く。  馬町というところで、和食器のミニチュアを売るお店を発見。 「彩麗(さいれい)」というお店。  ドールハウスのように、洋風のミニチュアを売るお店は、東京などでもけっこう 見かけるのだが、和風のミニチュア専門店は珍しい。  グルメ・バカ娘がこういうお店は大好きなので、何品か買ったようだ。  私はもうすでに足がへろへろで、ミニチュアばかりの店内で倒れたら、小さな陶 器たちが、みんな吹っ飛んでしまうなと心配になる。  午後3時。御池地下街のクイック・マッサージ「ナチュラル・ボディ」に行く。 足を復活させるにはここが一番。足のマッサージもしてくれる。案の定「ずいぶん 歩いてますねえ」と言われる。やっぱりわかってしまうくらい歩いたんだろうな。  生き返る。  ただ眠くて仕方がない。  午後4時。京都のマンションに戻る。  グルメ・バカ娘と嫁が、ご飯を食べてから東京に戻るか、悩んでいる。この時間 から食べられる店は少ないし、まだお昼の「玉置半兵衛麩」の料理が意外と重くて、 お腹が減らない。  それより、とにかく眠い。  午後5時。けっきょく2人は何も食べずに、帰京。     午後6時30分。寺町蛸薬師の「有喜屋(うきや)」で、有喜そばを食べる。クリ ームシチューにおそばのような美味しさで、最近ここはごひいき。  きょう家族が帰ったので、美味しいお店には入りづらくなる。  ひとりで懐石料理というのもねえ。  まあ、食べ過ぎなので、チープな食べ物も開拓しておきたい。  それより今週いっぱいぐらいまで、アイデア出しに苦しむことのほうが大問題。合 宿は何人かでやるから、合宿なので、ひとり合宿といえないのだが、内容はひとり強 化合宿。  最近仕事に対して、アイデアが出なくなって来ているので、がんばりたいところで はある。  ゲームもやらないと。せっかく続いた習慣だ。やめると危ない。  さて、はたしてこの日記が、日付通り、3月2日にアップできたであろうか?  ついに私ひとりで、iMacを起動させて、メールにして、東京まで送り、嫁に日記に 加工してもらう予定なのだ。  子どもの頃、大人たちが、ワンマンバスのどこにお金を入れるのかを苦しむ光景を 何度も見てきたけど、いよいよそっち側に人間になってきた証のようだ。  うまく行ったら、おめでとう!のメールをちょーだい!  …と意気込んだら、まんまとダメだった。  どうやら、フロッピー・ドライブの調子が悪いようだ。フロッピーは入るのだが、 読み込んでくれない。これでは送れるかどうかの問題ではない。  一応、嫁が送って来たメールを受け取るところまでは出来た。でもフロッピーに落 とせない。  知り合いのホームページでも見てみよう。  むむ。左腕がビリビリする。やばいぞ! かつて数年前に煩った、頸椎椎間板ヘル ニアの症状が出て来た。パソコン画面やテレビの見過ぎで生じるやつだ。また新たな ピンチか。もういいかげんおとなしい人生を送らせてくれ〜。

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