2月25日(木) 午前10時。ゲームをやらなきゃ!と思って、『ポケットムームー』を引っぱり出して来る。 ありゃ? ちっともゲームを始められないぞ! どこへ行けばいいんだ? ふう〜〜〜っ! 初めてのゲームは面倒だなあ。 げっ! どうもポケットステーションが無いとできないんだ、このゲームは! 最初から そう言ってくれ!と言いながらも、偶然メモリーカードの部分に刺さっていたのは、ポケット ステーション。道理で何にも言わないわけだ。 おや? グルメ・バカ娘がいるぞ。そうか、やっぱり歯が痛くなって休んだのか。痛い歯の 上に、もう一本虫歯が見つかったせいだ。 病気ではないので、面倒だから、連れて行くことに。 午後12時。お茶の水山の上ホテルの、天ぷらのお店「山の上」に行く。ここはいつも登場 する、わが家の天ぷらランキング1位の銀座「近藤」のご主人・近藤さんが独立前に修行した お店。 なるほど、銀座「近藤」とおなじ形式、おなじ構成で、天ぷらが出てくる。活海老の頭から 始まって、小さいタマネギに移っていく順番などほとんどおなじだ。 食材、特に野菜の選別に命を賭けるという、近藤のほうが甘味があって美味しかったけど、 十分匹敵する味。この伝統の味を今もこのお店が受け継いでいることのほうがすごいのかもし れない。 ここでちょっと余談。 料理人さんが、食い道楽家族の食事が終了したので「デザートを!」と、ウエイトレスに命 じたら、そのウエイトレスがものすごく嫌な顔をしてうなづいたが、料理を片づけに来たのは、 その後ろにいた女の子。ところがこの子が、グルメ・バカ娘の天つゆを倒してしまって、グル メ・バカ娘のスカートが汚れてしまった。 その女の子は「すみません! すみません!」と何度も言いながら、必死にタオルで、拭い ている。 この女の子は、この店に入って来た時から、ずっと必死に働いているえらい子で、好感を持 っていただけに、無情を感じる。 場面だけ見ると、この女の子は、娘のスカートに、天つゆをこぼしただけの子と映ってしま う。でも本当に悪いやつは、むっとした顔でうなづいただけで、何もしなかった女のほうであ る。 何とも釈然としない一場面だ。 しかもお詫びの印なのだろうが、最後のデザートが、抹茶アイスクリームの予定が、大きな メロンの切り身になってしまった。私は抹茶アイスが食べたかったんだよ〜〜〜〜〜! 午後2時。『チョコバナナ』投稿者の岩岡目々さんが、遠路はるばる札幌から、山の上ホテ ルに到着。 きょうはこれから週刊少年サンデーへの持ち込みに付き合う予定なのだ。緊張する岩岡目々 さん。 午後3時。小学館の週刊少年サンデー編集部へ。 編集の石川くんが、岩岡目々さんの新作を熱心に添削してくれる。 私は編集長の奥山くんと、世間話。 グルメ・バカ娘はこういう雰囲気が大好きな変なやつなので、自分が持ち込んだような顔を して、一生懸命聞いている。おまえは、学校を休んだ不良だろうが! うなづくな! でも横で聞いているだけで、私もいろいろと勉強になった。 目的のない主人公の漫画はつらい。 当たり前のことだけど、非常に重要なことを再確認した。 午後5時。お茶の水で、岩岡目々さんのお兄さんと挨拶をして別れ、わが家族は、淡路町に 向かう。 午後5時30分。うろ覚えのまま、散歩のつもりで歩き、洋食のお店「松栄亭(しょうえい てい)」を発見する。 このお店もわが家族にとって、グルメの師匠である、すぎやまこういち先生ご夫妻推奨のお 店。 とにかく弟子は、師匠のマネをするのが役目だと思っているので、すぎやまこういち先生か ら教わったお店にとにかく行く! ただ困ったことに、すぎやまこういち先生は、こっちが行っても、行っても、まだ新しいお 店を教えてくださる。これだけ行っても、まだ現在5〜6軒行っていないお店がある。 さて、このお店の美味しい料理を先生からお聞きしていたのだが、名前を失念してしまった。 失念するわけだ。確かメニューにない料理が美味しいとおっしゃっていた。う〜ん。 何だろうと思いだそうとしていると、お店の人が「すぎやま先生のですね。ちょっと待って ください」というではないか。 なかのご主人が「きょうはその肉が終わってしまったんで、ないんですわぁ」という。 昨日の中華料理のお店「CHEF’S」でもそうなのだが、すぎやまこういち先生の名前はまる で、水戸黄門の印篭のようだ。 まだまだわが家族は、すぎやまこういち先生を水戸黄門とすると、助さん、格さんにも到 達していないなあと思う…と書いて、うっかり八兵衛が妙に似合うなあと思ってしまった。 で、私はロールキャベツを注文して、嫁と娘はハヤシライス。 ロールキャベツの柔らかいこと! ナイフを添えただけで、すうーーっと切れてしまう。 これにはびっくり! 鍋でぐつぐつ煮た、白菜ぐらい柔らかいロールキャベツを食べたのは、初めてだ。美味しい! 午後6時30分。錦糸町すみだトリフォニーホールへ。 ムサシノ広告の伊東正義の招待で、なつかしのフォーク・コンサート。若者にはわかるよう な人が出てこないコンサート。 『風』『希望』『岬めぐり』『悲しくてやりきれない』『遠い世界に』といった、現在学校の 教科書の副読本に登場するような曲を歌った人たちが出演者だ。 いつもの私にとってのなつかしシリーズだったのだが、どうもきょうは何だかピンと来なか った。なぜだろう。サービスで歌詞をスクリーンに表示してくれて、おじさん、おばさんたち が合唱できるようにしてくれたのはいいのだが、当時の歌詞の矛盾ばかり気になって、なつか しく思えなかった。 この感覚はちょっと今後の私の創作活動にけっこう大きな影響を与えそうだ。どうなるか、 まったくわからないけど。 午後10時。帰宅。あわただしい1日で疲れた。ちょっとぐったり。明日から京都なのに。
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