2月20日(土)


 午前11時。杉並区上井草駅前の細見デンタルクリニックへ行く。
 奥歯の王冠が抜けたため。私の歯はもうぼろぼろで、ほかの歯医者では治すことが
できなくて、この細見さんだけは治してくれる。
 細見といっても、細身じゃなくて、太めな院長さんなんだけどね。

 午後12時30分。杉並区から、ワープして、代官山へ。先日行って美味しかった
「HISAMA」の人が「ランチのコロッケが美味しいんですよ」と力説していたので、嫁
とふたりで行ってみる。
 昔懐かしい味のコロッケと書いてある通り、なつかしい美味しさ。
 備え付けのふりかけが、上品な味で美味しい。このふりかけだけで、ご飯を一杯食
べてみたいぐらいだ。

 午後1時30分。向かいのおにぎり専門店「ベリー・グッドマン」でおにぎりを買
う。グルメ・バカ娘の昼ご飯だ。土曜日だからね。
 家に電話して学校から帰ったばかりのグルメ・バカ娘に「おにぎりを買ったから、
甘い物を食べるな!」というが、すでに遅し。チョコクッキーを始め、甘い物をしこ
たま食っていたそうだ。
 なのにこのあとおにぎりを3個食べたという。
 太るぞ、グルメ・バカ娘。最近おまえのことをバボちゃんと呼ぶぞ。バレーボール
のマスコット、バボちゃんだ。まん丸!

 午後2時。嫁は帰宅。私は原宿の美容室へ行く。
 
 午後4時。帰宅。
 嫁はこの日記でおなじみのフランス料理のお店「プティ・ポワン」にインターネッ
トの件で行っている。最近嫁はすっかりホームページつかいとして、認知されてきた。

 午後6時。きょうは嫁が夜、インターネットの友だちたちと会うので、グルメ・バ
カ娘を連れて、新宿西口へ。
 柴尾英令くんと、弟子の原口一也と待ち合わせ。
 昨日突然原口一也から電話が入って、きょうの集まりが電撃的に決定した。そのせ
いでグルメ・バカ娘も連れて来ることになってしまったのだ。
 グルメ・バカ娘はさすがに小学生なので、食事だけして私といっしょに帰る予定で、
小田急デパート14Fの「なだ万賓館」で食事。 
 ここでは必ずシェフ・スペシャルを食べる。これは比較的値段が安くて豪華だから、
ちょっといいことがあった時に食べるのにいい。
 きょうはさしずめ『レガイア伝説』クリア記念。

 もう柴尾英令くんには、同業者として、聞きたいことが山ほどあったのだが、いき
なりゲームデザイナーならではの苦渋の部分を聞いて、すっかり「わかる、わかる!」
の連発になってしまった。
 どういう内容だったかは言えないんだけど、私のゲームでいうと、『新桃太郎伝説』
のときとおなじかな? ちょっと遠いかな?
 とにかく当時、氷の塔のダンジョン・デザインが気に入らなくて、マップ・デザイ
ンをしていた若いやつに「直せ! これじゃユーザーにわかりづらい!」と言い続け
ていたのに、「これでいいんです!」の一点張りで、とうとう締切りのほうが大事に
なって、押し切られてしまったことがある。
 でもその後6、7年になるが、いまでもゲームをやった人に「あの氷の塔のダンジ
ョンは嫌味でしたよ」と苦情を言われる。押し切られた私の責任なのだから、言い訳
をしてはいけないから、いつも「そうですね、すみませんねえ」と答えているが、心
のなかでは「だから言っただろうが〜〜〜!」と叫んでいる。
 しかも押し切った若者はもういない。
 この苦しみは、人に言えないし、ゲームを作ったことのある人にしかわかってもら
えない。

 午後9時。とてもここで「ハイ、それじゃあね!」と別れるのがもったいないので、
つい原口一也行きつけの飲み屋まで行ってしまう。原口一也得意の「牛たんのねぎし」
の隣りなのが、笑えた。
 本当はグルメ・バカ娘を寝かせないといけないのだが、許せ。しかもよく考えたら、
小学生を飲み屋に連れて行っちゃいけなかったよなあ。
 業界話から、映画の話、TVのバラエティ番組の話、まったく話が尽きない。

 午後10時。さすがにこれ以上グルメ・バカ娘を付き合わせるわけにはいかないの
で「あとは若い人たちだけで」と、つまらないおやじギャグを言って、私とグルメ・
バカ娘は家路に着く。
 いやあ、やっぱり柴尾英令くんのような同業者との会話は楽しいし、最近の原口一
也の向上心の燃えっぷりは小気味いいものがある。
 この日記を読んでいるでいるであろう、宮路一昭くん、最後に「今度は宮路一昭く
んも呼んでまたこういう会をやろうね」と言っておいたからね。


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