2月1日(月)


 京都のマンションで起床。
 朝から『レガイア伝説』をやる。

 大阪での打ち合わせのために、Macのパワーブック2400を鞄にやっとの思いで詰め
込むが、重いのでやめる。まだパワーブック持って動き回るのは無理そうだ。

 午前11時。阪急梅田駅。
 午前11時50分。駅前第3ビルの地下2階にある「はがくれ」に行く。きっしいサン
におしえてもらった店だ。
 店の前には、20人以上の行列が並んでいる。
 こういう行列ができるお店というのは、好きではないのだが、わざわざここまで来たの
だし、うどんが美味しいお店だというので、並ぶ。
 15分待った。
 生しょうゆうんどん 650円。
 これが生涯忘れられない味になろうとは思ってもみなかった。
 ゆっくり説明する。
 お店の人が、初めての客と見抜いて、わざわざ食べ方を教えてくれたのだ。

 まず丼に、讃岐うどんの麺がで〜ん!と横たわっているが、おつゆは無い。
 これに、大根おろしの山をつかんで乗せる。
 さらに、きざんだ青ネギの山を乗せる。
 ここで、すだちを、レモンを絞るように、丼のなかにたらす。
 最後に、特製醤油を、2周。多からず入れる。
 そして、かきまわす!
 食べる。
 
 んんんんんまいっ! びっくりするくらい、んまい!
 すだちのせいで、見事なまでに上品な味になっている。
 大根おろしと醤油が合うのは、わかるだろうけど、この少ない品数が、びっくりするく
らい美味しいハーモニーを奏でるとは、予想できなかった。喉越しのつるっと感も抜群で、
麺の歯ごたえもしっかりしている。
 世の中には、まだまだ探せば、美味しい物がたくさんあるものなのだなあ。しか650
円。

 思わず、食べ方を教えてくれたご主人に向かって「美味しい!」と叫んでしまった。し
てやったりという顔でうなづく、ご主人。
 帰りにしっかり、いつの時間帯がすいているかを教えてもらう。
 お店を出る頃には、行列は30人を越えていた。
 大阪の人たちが味にうるさいのが本当によくわかった。安くて美味しくなければ、行列
しないのだろう。

 食後、近松門左衛門の『曾根崎心中』でおなじみの、お初天神に寄る。厄払いのはずだ
ろうに、ここで、原因不明の喉にタンがからまり、苦しむ。エヘン虫ってやつだね。苦し
い。
 何度もせき込むが、エヘン虫が居座って、動かない。
 ミネラルウォーターを飲んだりもしたけど、まったくダメ。
 あれだけさわやかな生しょうゆうどんを食べたばかりなのになあ。

 午後1時。そうこうするうちに、メイクソフトウエアさんでの会議が始まるので、南森
町まで行く。まだ苦しい。声が出づらい。
 土居ちゃん(土居孝幸)、宮路一昭くんがすでに来ていた。
 ハドソンの浦さん、高津くんも到着。
 会議が始まるも、喉が苦しい。
 ボルビックでうがいをするという贅沢をするが、効果無し。

 会議の方は、みっちり。年末年始、私が必死に書いた新作『桃太郎電鉄』の仕様書を、
ひとつひとつ検討して、穴を探したり、グラフィックをどうするか? 音楽をどうするか?
 ウインドウ・デザインをそうするか?といったことをすべて議論する。
 100近いイベント、100以上のカード、このすべてを検討するのだ。

 午後1時から始まった会議は、途中、休憩も無しで、ノンストップ! 午後8時まで続
いた。
 もうへとへと。それでもほとんどのイベントやカードについても、チェック終了。まず
はほぼ全体のおおまかな内容が決まる。
 大きな問題は発生しなかったものの、手直しの箇所はたくさん出て、今後の仕事はけっ
こう多くなってしまった。

 午後8時30分。メイクソフトウエアさんの近所の鉄板焼のお店「一富士(いちふじ)」
で、串焼きをごちそうになる。
 大阪らしい、美味しいんだけど、こってりした味。
 ホタテのベーコン巻き、カキのバター揚げ、マヨネーズをつかったものが多いので、カ
ロリー高そう。
 勢い話は、体重の話題に。
 土居ちゃん(土居孝幸)は、この10年間で、毎年1キロずつ、体重が10キロ増えた
そうだ。宮路一昭くんは、この1年間で10キロ増えたという。ゲームの仕事は、ストレ
スがたまるから、どうしても甘い物や、濃い味で、解消させたくなるのだ。
 ちょっと会っていないと、急激に太っている人が多い。
 私なんかも、ゲームを作り始めてから、10キロぐらい増えて、病気してから、16キ
ロ体重を落とした。
 
 午後11時。京都のマンションに戻る。
 もうくたくた…。
 ジャイアント馬場さんが亡くなってしまうし、気持ちが高ぶっているせいか、なかなか
寝つけない。


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