2010年9月17日(金) 午前6時。『桃太郎電鉄AOMORI』の仕様書の手直し。ショ〜〜〜ック! 仕様書の一部が吹っ飛んでいた。 カードバンク駅と、新登場の駅の仕様書がない! はたして仙台に来てから飛んだのか? 仙台に来る前の自宅で、外付けハードディスクに保存したとき、すで に飛んでいたのか? それとも、ファイル操作のときに、ゴミ箱に捨てたか? 混乱するといけないから、しょっちゅうゴミ箱つかうからなあ…。 ホテルで借りたモデムで、送信がエラーになってしまうのは、関係な いよね。 いまのところ『桃太郎電鉄AOMORI』の仕様書のなかで消滅したのは、 2文書のみ。 ほかにもあるのか? まあ、東京に戻れば、しょっちゅう外付けハードディスクに保存して いるのがあるし、札幌開発スタッフとの掲示板「桃の木」に仕様書のす べては保存されている。 ただ旅先では、「桃の木」にアクセスできないので、いま確かめるこ とができない。 一瞬、肝を冷やした。 午前10時。仙台国際ホテルの喫茶室で、カフェオレ。 すぐ嫁と、ビー・ブレーブの岩崎誠が到着。 「まったく、さくまサンいるから快晴ですよ!」 「私のせいじゃないだろ!」 「だって本当に晴れるんだもん!」 午前11時30分。NTTDoCoMo東北へ。
ハドソンの三井啓介くんと待ち合わせ。 NTTDoCoMo東北へ。 桜田昌志さん、長内正信さん、横田孝治さん、豊田誠一くんにご挨拶。
11月に、『桃太郎電鉄AOMORI』を配信するので、ご協力をの表敬訪 問。 三井啓介くんが、『桃太郎電鉄AOMORI』の資料を見せて説明する。 横田孝治さんが「波岡の文字が違ってますね!」という。 「はっはっは! それはまだ開発中の画面で、現在開発中のこの画面で はもう直っています」と、現在チューニング中の画面を見せる。 桜田昌志さんは、DoCoMoの五所川原市支店にいたことがあるそうだ。 いちばん若い豊田誠一くんは、見るからにジャンプ世代のようで、す でに『桃太郎電鉄』を携えていた。 午後12時。NTTDoCoMo東北を出る。 岩崎誠と、三井啓介くんは、新幹線に乗って、DoCoMo青森に向かった。 私と嫁は、昨日乗ったタクシーの運転手さんの知り合いを呼んで、東 北自動車道へ。 運転手さんは、長いこと観光バスを運転していて、いまは仙台の秋保 温泉の日本旅館「茶寮宗園」を中心に個人タクシーをしているそうだ。 「茶寮宗園」なら、私は7年前に行っている。 あの格式の高い「茶寮宗園」で仕事しているなら、安心だ。 日本じゅうの観光地を回っているので、次々とおすすめの観光地、お いしいもの屋さんの名前が、ぽんぽん出て来る。 まあ、そのうちの80%は、すでに私が行ったことのある場所だった んだけどね。えっへん! えっへん! 増長天! それでも、塩竃の「亀喜寿司」、石巻の「友福丸」といったお店を紹 介してもらう。 ガイドブックよりも、食い道楽の人の意見がいちばん正しい。 旅行ガイドの本は、お店からお金をもらって掲載してるだけの本があ るから、信用すると危険だ。
午後12時。村田インターから村田町物産交流センターへ。
抜けるような青空が広がる。 これで青森に向かった岩崎誠が大雨に降られたら、大笑いなのだが…。
レストラン「城山」へ。 私は、かき揚げそら豆うどん。 嫁は、そら豆とろろざるうどん。
村田町は、そら豆が名産。 「そら豆うどん」って、いかにも『桃太郎電鉄』の物件にふさわしいの で取材に来た。 うどんと言っても、おそばのように比較的細い麺で、麺に空豆が練り 込んである。 けっこう腰があって、おいしい。 最初、かき揚げそら豆うどんとあるから、かき揚げもそら豆だと思っ ていた。そら豆のかき揚げって、おいしいからね。 でも、ふつうのかき揚げが意外とおいしかった。 これ、本気で売ったら、売ったらヒットするような気がする。 あとでそら豆うどんの半生麺を買ったほど。 「そら豆アイス」も売っているので、楽しみにしていたら、このレスト ランではメニューになく、隣の物産コーナーで、そら豆カップアイスを 売っているそうだ。
そら豆ソフトクリームだったら、おいしそうなのにー! 銅像があるので、誰だろうと思って見に行ってみると、東京オリンピ ックの重量挙げ金メダリストの三宅義信さんだった。
私は、東京オリンピックのとき、小学6年生。 三宅義信さんは、大スターだった。 この町の生まれだったのか。 午後1時30分。蔵の町・村田の中心地へ。 中心地といっても、商店街はほとんど閉まっている。
蔵のある家は、3〜4軒固まって立っていて、しばらく歩くとまた蔵 が3〜4軒並んで建っている。 どの蔵も、まったく昔のままで、手を入れた形跡がない。 もう少し新しい蔵を何軒か入れて、和カフェや雑貨屋さんでも入れれ ば、あっという間に一大観光地になりそうな町だ。
家の玄関に表札とおなじくらいの大きさの「電話一番」「電話二番」 「電話三番」という板が貼られている。
町の人が、蔵の案内をしてくれるという。 町でいちばんお金持ちだった人の家を案内してくれるという。 案内してくれる人は、この家の分家の人だそうだ。
「何で、あちこちの家の玄関に『電話一番』、『電話二番』って書いて あるんですか?」 「電話は昔、高価なものだったからね。もちろんこの本家の家が、当然 のように『電話一番』です。うちは、『電話二十一番』ですからねー」 本家に入る。 で、でかい!
家のなかに入る。 広い!
大きな梁の太さに、昔は相当お金持ちだったことが伺える。 「この町は、何で栄えたんですか?」 「紅花です」 「えっ。紅花って山形県じゃないんですか?」 「ここらでもずいぶん栄えたんですよ! で、みんな儲かって、儲かっ た家の息子や娘はみんな東京に行って、東京で結婚して帰って来んよう になって、村田には誰もいなくなったんですじゃ」 いい町なのに、町に人影も少なかったのはこのせいだったんだね。 観光案内所で、パンフレットをもらう。 案内所の若いほうの人は、観光客に慣れていない感じがした。
ここから再び、東北自動車道に戻る。
ここから行く場所は、まず地元の人じゃないと、読めない。 「門」のなかに「水」と書いて「閖上」という場所。 絶対、読めないよね? 「閖上」と書いて「ゆりあげ」と読む。 「門」のなかに「水」と書く「閖」という文字は、辞書にないからね。 もともと浜辺に、いかだに乗った観音像が揺り揚げられたことから、 この浜を「ゆりあげ浜」と呼ぶようになった。 でもその後も、漢字を当てはめることなく「ゆりあげ浜」と呼んでい たところ、仙台の四代目伊達綱宗公が、通りがかったときに、遠くに、 ゆりあげ浜を見て、漢字がないなら、「門」に「水」と書いて、「閖上 と呼ぶように」と言ったことから、「閖」の文字が出来たそうだ。 現在、ガイドマップなどでは、再び「ゆりあげ」と平仮名で表記する ことが増えて来ているが、町中は、みな「閖上」と漢字を用いている。 午後2時30分。閖上(ゆりあげ)の「魚亭浜や」へ。 お店のお昼時間が終了の時間だったけど、運転手さんがわざわざお店 に交渉してくれて、入ることが出来た。
この「閖上(ゆりあげ)」は、日本一、赤貝が取れる町なのだ。 赤貝は、いまや輸入物が、9割。 国産は、わずか1割。 国内産の赤貝水揚げ高一位を誇るのが、宮城県のこの「閖上(ゆりあ げ)」なのだ。 お寿司好きの人なら「すきやばし次郎」を知らない人はいないと思う。 日本版ミシュランでも、★★★(三つ星)を獲得している。 その「すきやばし次郎」の小野二郎さんが閖上(ゆりあげ)の赤貝を 絶賛している、 赤貝丼、赤貝の握り、はらこめしを注文。
私はさほど赤貝が好きなほうではないけど、このお店の赤貝は、うまい! 銀座の高級店で出るようなレベルのおいしさだよ。 というより、銀座の高級店は、この閖上(ゆりあげ)の赤貝を出してる ってことなんだろうね。 ちょうどいまの時期から、3月までが、赤貝の時期で、閖上(ゆりあげ) に来れば赤貝がいつでも食べられるってものではないようだ。 でもね。それ以上においしかったのが、はらこめし。 鮭といくらの親子丼。
ご飯が炊き込みごはんになっていて、ふっくらとしたご飯がうまいのな んの! 鮭も甘くて、こんなおいしい鮭といくらの親子丼を食べたのは、 初めて。 きょうから、くっきり閖上(ゆりあげ)を覚えてしまったぞ! 車に乗って、帰ろうとしたら、お店のご主人がわざわざ見送りに来た。 いいお店は、ご主人が、お客さんが角を曲がるまでお時期をする。 地方に来ると、この習慣、ほとんどないのだが、ご主人は、いいお店 で修行された方なんだろう。 午後3時15分。名取駅で、タクシーの運転手さんとお別れ。 宮城県をまた取材するときは、この運転手さんにお願いしたほうがよ さそうだ。
名取駅の大きさにびっくり。 名取市には仙台空港があるせいかな? サッポロビールの工場もあるので、乗降客が多いそうだ。 企業誘致が大切なわけだ。 午後3時23分。名取駅から、東北本線仙台行きに乗車。
午後3時37分。終点、仙台駅に到着。 名取駅からは、鈍行でわずか14分だ。 仙台駅ほど、買い物が楽しい駅はないので、新幹線に乗る時間を遅ら せて、地下の「エスパル」へ。 必ず買うお土産、塩竃のとうふかまぼこを買う。 孫には、ずんだじゃがりこ。 午後4時15分。昨日も行った「ずんだ茶寮」へ。 昨日飲めなかった、ずんだシェイクと、コーヒー。
やっぱり仙台駅で絶対訪れないといけないお店は、この「ずんだ茶寮」 だね。 ずんだ餅を本格的に食べたいなら、「源吾茶屋」だけど、ちょっと遠い。 ここなら帰り際、新幹線を待っている間に入れる。 私はこのお店を「ズンダーバックス・コーヒー」と呼んでいる。 新幹線に乗る直前、「海宝漬」を買う。 おっ! 「海宝漬」の小さいサイズが新発売だ! 以前は、3000円のしか売っていなかった。 井沢どんすけが、仙台駅で全財産3000円しかなく、海宝漬を買っ たら、東京中野駅まで行けてもそこからタクシーに乗れないので、海宝 漬を買うのを断念した、海宝漬のミニサイズだ。 さっそく、井沢どんすけに写メしてあげよう。
井沢どんすけから、返事が来た。 「これなら! これなら買えますね! キラリ(目の光)。 あわびが! いくらが! 美味しそう〜〜〜!」 午後4時49分。仙台駅から、東北新幹線はやて86号東京行きに乗車。
しばらく本を読みながら、熟睡。 午後6時36分。終点、東京駅に到着。 さすがに、夜の景色だ。
午後7時30分。帰宅。 村田町でもらって来たパンフレットを読む。 もったいないなあ、村田町。 あの蔵の風景を生かしたら、大学の多い仙台市から車で20分なんだか ら、いくらでも町おこしが可能だ。 そら豆、蔵。 仙台市じゃなくて、柴田郡だから、政治が手伝ってくれないのかなあ…。 IT企業がここに来て、ついでに町おこしをしたらおもしろいと思う んだけど…。 『桃太郎電鉄TOHOKU』の続編を作ることがあったら、フィーチュアしよう。
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