2010年4月28日(水)


 午前6時。朝から、雨。

 天気予報どおりなのに雨なのは、昨日で取材が一段落した私のせいかと
思ってしまうよ。

 今朝は、取材した場所の後追い調査と、日記の下書きで4時間もかか
ってしまった。
 確か、白神山地のほうで「虫」偏に「聖」と書いた山の名前があって、
何と読むのかわからなかったので探すが、見つからない。

「虫聖」は、マテ貝の「まて」と読むようで、正解は「マテ山」だった。
 マテ貝は、馬刀貝でしょ−。
 いろんな漢字があるもんだ。
 観光地の看板には、ルビを振ってほしいよ。

 午前10時30分。まだ雨がぽつぽつ…。

 ホテルのロビーで、嫁、土居ちゃん(土居孝幸)、青森県観光振興部
誘客宣伝課の斉藤直樹さんと待ち合わせ。

 午前10時35分。堤橋の「鈴木やきそば」へ。

 青森に来て、このお店に寄って行かないと気分が悪い。  熱海の「ナチュラル」、京都の「イノダコーヒ」みたいなものだ。

 焼きそばが出来上がるまで、サクラマスのおにぎりを食べる。  黒ごまの粒がたっぷりついていて、ぷちぷち、おいしいのだ。  焼きそばが来た!  太麺のもちもち感、これが、いいんだ。  甘辛いソースのからまり方が、実に絶妙!

 午前11時30分。雨が降ったり、やんだりになって来た。  ワシントンホテル青森まで、歩く。

 喫茶室に、ピットイン。 「土居ちゃん! この後、アスパムの丼まつり、食べに行くの?」 「食べに行こうかなあ…」 「えっ! ほんと! 冗談で言ったのに!」 「私もごいっしょしましょうかね!」 「斉藤直樹さんまでー!」  午後12時30分。私はいったん、JALシティホテル青森に行って、 VAIOを取ってきてから、青森観光物産館アスパムへ。

 アスパムについたときには、すでに土居ちゃん、斉藤直樹さんが、丼 をすでに食べ終えていた。  しかも、ふたりとも、丼を2種類ずつ食べていた!  さっき、鈴木やきそばで食べたばかりだぞ!  斉藤直樹さんは、大盛りだったんだよ。  どういう胃袋してんだ?

 私はVAIOを取り出して、『桃太郎電鉄AOMORI』の物件一覧表の最 終チェックを斉藤直樹さんにしてもらう。 「うわー! もう、わさおのお店が入ってる〜!」 「あれだけ話題になれば入れるでしょう!」 「サザエちらし寿司屋も入ってる〜〜〜!」 「広〆(ひろしめ)です!」 「つるつるわかめ屋がいっぱい!」 「名前がいいですからね!」 「さくまサン、不老ふ死温泉の駅は、深浦にしたほうがいいですね」 「そうですね! 住所も深浦ですもんね」 「もう少しこの続きを、『赤い林檎』でやってもいいですか?」 「いいですよ。歩いて行けますもんね。行きましょう!」  みんなで、アスパムの外に出たら、すっかり晴れていた。

「あ〜はっはっは! さくまサンが仕事始めたら、雨の予報を吹き飛ば して、晴れちゃいましたねー」 「何でなんだろうねえ…」

 午後1時30分。『赤い林檎』で、『桃太郎電鉄AOMORI』の物件一覧 表の続き。

「あ〜はっはっは! 小泊に、ヤリイカドッグが入っている!」 「入れますよ、あれは!」 「200%ですよ!」 「揚げ鯛焼きに準じる収益率です」 「あげたいは、300%ですよね!」 「300%は、あげたいだけのもの!」 「そりゃあ、特別ですよ!」 「さくまサン! 石炭クッキーは、津軽中里にしたんですか?」 「本当は、五所川原製なんですけど、もう五所川原の物件は、パンパン なんですよ!」 「それで、津軽中里に!」 「津軽鉄道の終点ですからね。津軽中里に、りんごどら焼きも入れよう かと思っているんですよ!」 「菊池忠さんが売っていたやつですね!」 「あれ、リンゴ餡で、すごくおいしかったんですよ!」 「へーーー! 今度食べてみよう!」 「津軽鉄道の車内で売っているということで、津軽中里駅に売店ができ て、そこでも売ってほしいという願いを込めて…」 「津軽中里駅では、何も売ってなかったですからね」 「終点だから、お客さんも少ないしね」  斉藤直樹さんと物件一覧表を丹念にチェックしているうちに、取材し たい場所を1ヶ所思い出した。 「斉藤直樹さん、急なお願いなんですけど、大鰐温泉に行ってもらえま すか?」 「大鰐温泉なら、高速でピューッと行けば、すぐですよ!」 「ありがとうございます!」  午後2時。大鰐温泉に向かう。  気温は、16度にまで上昇!  高速道路の脇の桜がけっこう満開になって来た。  弘前城の満開は、5月1日からだって言っていたからなあ。  あと3日足らなかった。  この時期に来たのに、弘前城の桜を見られないなんて!  去年はもう、この時期、桜吹雪で、散ってたのになあ!  午後3時。大鰐温泉へ。

 大鰐温泉の商店街を取材していなかったので、車で回ってもらう。

 備忘録代わりに、日記にメモ書き。 ・まみやせんべい屋。 ・焼き肉ハウスささき。 ・マルシチ味噌醤油。 ・ゆけむり通り。 「湯魂石(ゆだまいし)薬師堂」へ。

 津軽藩を開いた津軽為信公が眼病にかかり、「大鰐の湯で目を洗えば 治る」という薬師如来のお告げを夢に見て、大きな石の下から湧き出る 熱湯を発見して、目の病気も治ったそうだ。  津軽為信公は、津軽の人に本当に愛され続けている。  いまの政治家で、地元に愛され続ける人なんているんだろうか?  湯魂石(ゆだまいし)、ちょっといい名前だな。  何かにつかえないかな。  目が治る…。目が治って、カードがもらえるの変だよなあ…。  午後3時40分。料理旅館「南津軽 錦水」へ。

 実は、大鰐温泉で、一度泊まってみたいと思っていた高級旅館だ。  どうせなら、ちょっとお茶を飲むついでに、どのくらいのレベルの旅 館なのか知っておきたかった。  うわっ。これは、高級だ!  美術館に来たみたい。

「さくまサン! 青森では、山の八甲田ホテル、陸の錦水というくらい、 高級なホテル、旅館の双璧と言われているんですよ」 「へ〜〜〜! そうなんだ。写真で見ても素晴らしかったんだけど、旅館 の写真って、オープン当時のきれいな頃の写真をずっとつかってる場合が ありますからね!」 「ありますねー!」 「土居ちゃんも、よく写真を載せるというと、痩せてた頃の写真を出すこ とがありますよ!」 「あ〜はっはっは!」 「最近じゃ、とうとう痩せてた頃の写真が、20年以上前のしか残ってい なくて、出せなくなっちゃったみたいだけど」 「ハハハ! そうですんね!」 「土居ちゃんは、何を言われても、否定しない!」

 うん。この旅館は、ぜひ一度泊まりに来たい。  大鰐駅の物件にも加えよう。 「土居ちゃん! 私がよく行く道の駅の温泉に入って行く?」 「うん? いいですよ!」  午後4時30分。道の駅「鰐.COM(わにかむ)」へ。

 この日記でも何度も登場している道の駅のなかにある温泉だ。

 私はちょっと『桃太郎電鉄AOMORI』のことで、考え事をしたいので、 みんなに無理を言って、家族風呂にひとりで入る。  土居ちゃん、斉藤直樹さんは、大きな露天風呂へ。  嫁も、露天風呂へ。  私は、ここの家族風呂が大好きなのだ。  湯船は小さいけれど、露天で、すぐ脇を電車が走っているので、この 電車の音を聞いていると、アイデアが出る。

 ぽけ〜〜〜っと、温泉に浮かんでいると、やっぱりアイデアが湧いた。  贅沢なアイデアの出し方だ。  でも、1時間1000円なんだもん。  東京の銀座で、コーヒー飲んだら、1000円取られる店あるからね。  午後5時。休憩室で、待ち合わせ。 「温泉入るのに、スーツ姿は、やっぱりきついですね」と、汗だくの斉藤 直樹さん。 「せめてネクタイ外したら、どうですか?」 「いやー。うっかり誰と会うかわかりませんから…」 「観光課の人は、公人ですもんね!」 「そーなんですよー」 「あー! 気持ちいいけど、汗が出るねー!」と言いながら、土居ちゃん が甘王のいちごソフトを持って休憩室にやって来た。 「さくまサン! ひとくちなめる?」 「うん! ひとくちだけね!」 「さくまサン! アイデア出たの?」 「出た、出た! ふたつも出た!」 「温泉来てよかったですねー」 「あと3個くらいイベントが浮かべば、『桃太郎電鉄AOMORI』は完成し ちゃうんじゃないかな」 「速い!」 「あとは、土居ちゃんが絵を描くだけ!」 「うっ! やばい!」  午後6時。黒石市へ。

 黒石市といえば、いまや「つゆ焼きそば」の町だ。

 きょうはブームのきっかけになった「妙光」ではなく、ほかのお店に 行ってみる。  何たって、黒石市だけで、70軒もの焼きそば屋さんがあるのだ。  ここ数年で、20件ぐらい増えている。

御幸(みゆき)」というお店へ。  ちょっと団体さんが来るような内装が気になったのだが、斉藤直樹さ んおすすめのお店だというので入ってみる。

「あれ? 何だこれ? 黒石つゆ焼きそば?」 「さくまサン、どうしたの?」 「いや、つゆ焼きそばなんだけど、やけに豪華なんだ。石焼きビビンバ みたいな石鍋がついている!」 「何だろうね?」

 店長の村上陽心(あききよ)くんが説明してくれた。 「へー! 自分で作るつゆ焼きそばなの? おもしろいね!」 「最初は、石鍋で黒石焼きそばを焼いて、そのまま食べます。次に、石鍋 のなかに、和風スープを入れます」 「へー! ラーメン・スープじゃないんだ!」 「この石鍋は、300度ですので、さわらないでくださいね!」 「300度!」 「で、この石鍋に、温泉卵と、紅しょうがと、海老天を入れます」 「ゴージャスだねー」 「最後に、このつゆ焼きそばのなかに、ご飯を入れます」 「わー! 血圧高くなりそー!」 「ひつまぶしみたいな食べ方ですね!」  このつゆ焼きそばを作るのは初めてなので、お店の人が実演してくれ て、みんなが真似た。

 まず、つゆに漬けない黒石焼きそばからしてもう、うまい!

 つゆ焼きそばは、ラーメン・タイプよりも、上品。

 最後に、ご飯をおつゆに入れるときになると、みんな、ためらう、た めらう。  おいしいのは、わかっているけど、おつゆを吸ったご飯ほど、塩分濃 度が高いことを、高血圧の人たちは、熟知している。  とはいえ、そのおいしさもわかっている。

「わー! やっぱり止まらない−!」と、斉藤直樹さん。 「これは危険だ! 非常に危険だ!」 「でも、おいしいね!」と、土居ちゃん。 「また危険な食べ物を発見しちゃいましたねー」 「さくまサン、これ『桃太郎電鉄AOMORI』に加えるの?」 「さっきからネーミングを考えているんだけど、浮かばなくてね! 石鍋 焼きそばじゃ、つゆ焼きそばじゃなくなっちゃうし。黒石石鍋つゆ焼きそ ば屋じゃ、11文字になっちゃうし、石がふたつ続くの嫌だしなあ…」 「自分で作る焼きそばな雰囲気も出したいですよね」 「長くなる一方だ。『黒石のつゆ焼きそば、自分で作るタイプ』…って、 メニューに載せるにはいいけど、『桃鉄』だと9文字制限の壁がある」 「どっちみち、つゆ焼きそばを食べたことがある人が、このつゆ焼きそば を見て、びっくりすると思うんで、これからクローズアップして行けば いいんじゃないですか?」 「自然に名前がついているかもしれないしね」  店長の村上陽心(あききよ)くんは、つゆ焼きそばを広めようと、一生 懸命研究を続けているそうだ。  何でも自分からは言わないようだけど、フランス料理屋で修行したらし い。自分から言わないのは、えらい!

 午後7時。ふー! 喰った、喰った! 満腹! 満腹!  青森に向かう。 「きょうは1日、焼きそばだったねだったね」と、土居ちゃん。 「あっ、そうか。朝は鈴木やきそばだ。焼きそばづくしだ!」 「ハハハ! 昨日とおなじこと言ってる!」 「まてよ。私は焼きそばづくしだけど、お昼に、丼を食べてた人がいたな あ…」 「あ〜はっはっは!」 「ハハハ!」  午後8時。JALシティホテルに到着。  お疲れ様〜〜〜!  本当に、毎日、毎日、斉藤直樹さんにお世話になりっぱなし。  大鰐温泉で浮かんだアイデアを、VAIOの備忘録にまとめておく。  明日、東京に帰るので、帰り支度も!  すごいね。明日で青森1週間滞在だよ。  過去最高記録の樹立だ。  私にとっては、スペースシャトルに滞在ぐらいの価値があった。  東京に帰るのが、もったいない。

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桃太郎電鉄2010 戦国・維新のヒーロー大集合! の巻

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