2010年3月27日(土)


 午前9時。ぐっすり寝てしまった。
 というより、昨夜、録画しておいた『金スマ』の近藤真彦スペシャル
を全部見てしまったから、遅く起きた。

 近藤真彦(マッチ)も、もう45歳になるのか。

 実はマッチが15歳でデビューから、2年間ぐらい私は週刊誌のライ
ターとして、ずっとたのきんトリオの記事を書いていたので、けっこう
思い入れがある。
 1年間で、400ページ以上彼らの記事を書いたこともある。

 マッチの母親が交通事故で亡くなった頃は、すでにゲームを作ってい
たので、外側からしか情報を知らなかったけど、マッチの母親思いの記
事は何度も書いた。

 やっぱり、レコード大賞、レコード大賞新人賞まで取るような強運の
人間は、ふつうの人間には耐えられないような悪夢も見るはめになって
しまうんだなあ…と、しみじみ思う。
 芸能人は、その頂点とどん底を、世間一般に一部始終を見せてしまう
から過酷な職業だよ、ほんと。

 午前11時。嫁と、六本木に向かう。

 最近、ひどいタクシー運転手さんに会うことが少なくなっていたけど、
きょうのはひさびさに強烈だった。

 まず、シートベルトが無い。

「シートベルトがないですよ」
「……………」
「シートベルトないですよ」
「……………」
「シートベルトが、ないんですけど!」
「ああ! シートベルトしなくていいですよ」
「そういう問題じゃないでしょ!」

「アークヒルズって、わかりますか?」
「……………」
「サントリーホール!」
「……………」
「ダメだ。全然人の話聞いてない」
「えっ!? 私、耳が悪いんですよ!」
「耳悪い人が補聴器なしで運転しないでよ−! もうここで降ろしてください」
「……………」
「本当に、耳が悪いんだ。怖いなあ…」

 怖いタクシーだ。
 タクシー会社の名前は、山手タクシー。
 この会社のタクシーは乗らないようにする。

 タクシーを降りた場所が、六本木1丁目のVの字形に二股に分かれた
大きな交差点。
 これがまた歩道橋だらけで、まったく横断歩道がない。
 歩道橋が終わって、また歩道橋みたいにいくつも歩道橋が続いている。
 私は新潟中越地震を長岡駅で喰らってから、薬を飲まないと、歩道橋
を渡れなくなっている。
 歩道橋の揺れが苦手になった。
 タクシーで、サントリーホールの裏まで直接行くつもりだったから、
薬を飲んでいない。

 あっちに行ったり、こっちに行ったりしても、歩道橋にぶつかるか、
行き止まり。
 バリアフリーとか言ってるけど、歩道橋で寸断されて渡れない道路は
意外と多い。

 けっきょく、目の前の道に行くために、タクシーに乗った。
 アークヒルズまで行って、Uターンして、スペイン坂を登ってもらう。

 あれ? この辺にオムライスのおいしい「旬香亭」があったはずなん
だけどなあ…。

 たまたまおいしそうなお店を見つけたので、車を止めてもらう。

「RANDY」というお店。  なんと3日前に開店したばかりのお店だった。  以前、「キハチカフェ」があった場所だ。  私は、えびかつサンドイッチ。  嫁は、ぐつぐつ焼きカリー。

 桜は、まだ1分咲きから、3分咲き程度だけど、それでもかなりきれ いだ。

 えびかつサンドイッチ、ぐつぐつ焼きカリー、共においしい。 「えびかつサンドは、ちょっと量が多すぎましたか?」 「あ、はい。でもおいしいですよ」 「ありがとうございます!」  私が食べきれないのを、ちゃんと気にしてくれる。  こういう些細なことが出来るお店と、出来ないお店とでは、巨人と横 浜ベイスターズぐらいの差がある。  嗚呼! 今年もまた嫌なことはすべて横浜ベイスターズにたとえる季 節が来てしまっった。

 食後、桜を誘蛾灯に、霊南坂を下り、オテルオークラ方面に行き、江 戸見坂を歩く。  この辺もキムタクが、全力坂したんだろうなあ…。

 陽射しが当たっている場所は、暖かく、日影はかなり寒い。  虎ノ門タワーズのあたりで、完全に道をふさがれる。  どこを通っても、抜けられない。

 仕方なく、ナイジェリア大使館から、桜田通りに出る。  このあたりは、大きいビルが大きいだけで、お店というものがまった くない。  愛宕神社のトンネルを通った。

 御成門を右折して、地下鉄神谷町駅あたりで、へばる。

 地下鉄神谷町駅近くの「スターバックス・コーヒー」で、休む。  ひー。疲れた…。  午後3時。帰宅。  部屋を片付けながら、スカパーで「横浜×阪神」。  延長戦までもつれ込んで、阪神・城島捕手のさよならホームランで 負ける。  今年もスターと脇役の位置をきっちり守る横浜ベイスターズであっ た。

 午後6時30分。嫁と、東麻布商店街へ。  このまま粗食で夕食だと、横浜ベイスターズのさよなら負けだけの 1日の印象で終わってしまうので、前から行ってみたかったステーキ ハウス「蘭麻(らんま)」へ。

 あれ? この景色…。

 でぶちんマン(石川キンテツ)の家の近所じゃないか!  はっはっは! もろに、でぶちんマンの家の近くのはずだ。  石川キンテツの家自体は、どこだかわからないけど。

 でぶちんマン(石川キンテツ)にメールしてあげよう。 「このお店ど〜こだ?」  石川キンテツは、メールの返りが遅いから、このお店に気づいたと しても、デザートの頃だろう。

 う〜〜〜ん。アワビの海藻焼き。  アワビって、生だと硬いのに、焼くと何でこんなにやわらかくなる んだろうねー。

 野菜も、おいしい。  でも、お肉の前にあれこれ食べたので、お腹が苦しくなって来た。

 ふっふっふ。やっぱり石川キンテツからの返事がない。  運のないやつよ。  横浜ベイスターズ・ランクの和牛だ。  お肉が焼けた。  A−5ランクのおいしい松阪牛だ。

 このお店は、お肉の後に、ウイニング・ショットの料理を持ってい る。ガーリック・ライスなんだけど、名古屋のひつまぶしのように、 出汁を入れて食べるのだ。  ご飯を鉄板の上で、焦げたおせんべい状にしたのも添えてね。  これが食べたかった!

 ああ! 想像どおりのおいしさ!  しあわせだ。  横浜ベイスターズのさよなら負けを忘れるおいしさだ。  午後7時46分でぶちんマン(石川キンテツ)から、ようやく返信が とどく。1時間以上だ。返信まで、モタモタ。 「これは、熱海のステーキはまだでしょうか?  自信は無いのですが、写メを拝見して、はまだかなと思いました! それにしても、鉄板の上のステーキ、おいしそうです!」  ふっふっふ。ここで正解する聡明さは持ち合わせていないようだ。  石川キンテツにとって、熱海の「ステーキハウスはまだ」は、ランク が高いんだな。  正解したら、呼んであげようと思ったのに。  おっ! デザートが来た。  石川キンテツに、デザートの写メを送ってやろう。

「東麻布商店街なう。もうデザートの時間になっちゃいました。蘭麻」  今度は、すぐ返事が来た。 「蘭麻ですか! 夜は、いいお値段なので、たまに昼間にランチにうかが ってます。ランチも、おいしいです。いま、新宿なのですが、蘭麻は、 ボクん家から歩いて一分くらいです」  お昼に来ているんだ。  贅沢な黒豚(でぶちんマン)だ。  まあ、家にいなかったし、石川キンテツに値段の高いお肉をごちそう しなくてすんで、よかった、よかった!  このお店、子どももOKだというので、今度来るときは、石川キンテ ツを誘わずに、孫と来よう。はっはっは!  午後8時30分。帰宅。  亀田興毅×ポンサクレック戦でも見るかな。

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