2009年10月12日(月)


 午前3時30分。うっかり目が覚めた。
 昨晩から読み始めた『一澤信三郎帆布物語』(朝日新書)でも読めば、
また眠くなるだろうと、読み始めると、これがおもしろくて、眠れない。

 午前8時。館内ののれそれ食堂「ぬくもり亭」へ。

 旅館が本当に大きいので、バイキング会場まで歩くのが大変。
 私は万歩計が進むので、うれしかったりする。

 この旅館は、通路に古い農耕具や、昔の食卓などを展示していて、旅館 自体が、昭和博物館だ。

 仮面ライダーといった古いおもちゃまで展示している。  青森県のみなさんは物持ちがいい県民性なので、こういう古いものを展 示するのに、非常に適している。  バイキング朝食。  私は片手なので、お盆も持てない。  すると従業員の女性が、「私がお盆を持ちますので、料理を選んでく ださい」と実に親切。  しかもテーブルまで持って来てくれた。  教育が行き届いているなあ。

 お昼に念願の場所で食べたいので、軽くすます。  りんごジュースを飲むのは忘れない。  青森県では、どのホテルのバイキングでも、りんごジュースは間違い なくおいしい。

 午前9時30分。チェックアウトを終えてすぐ、青森県観光振興部誘 客宣伝課の斉藤直樹さんが車で迎えに来てくれた。  午前9時45分。三沢のアメリカ村を通って、三沢空港の先にある 「三沢航空科学館」へ。

 うわ〜〜〜! 大きい!  空が広い!  北海道みたいだ。  芝生に、飛行機が展示してあるよ。

 飛行機が苦手な私が、航空博物館に行くこと自体、違和感があるのだ けれど、この芝生の広さと、どこまでもつづく青空は気持ちいい。  ただ飛行機マニアなら小躍りするんだろうけど、人類初の太平洋無着 陸横断飛行に成功した飛行機ミス・ビードル号の復元機が置いてあって も、私にはピンと来ない。

 ここで貴重な写真を公開。

 飛行機嫌いな私が、YS−11に乗り込む姿。ハハハ!  私だって、昔はこのYS−11に乗ったことがあるのだ。  しかし、いま見るとこんな小さな飛行機だったのかと、よけい怖さが 倍増してしまった。  車内…いや、機内は、新幹線の1両分よりも狭い。

 航空科学館に入ってすぐのエントランスホールにあった、からくり飛 行機も非常におもしろかった。  木のアートで、八戸出身の造形作家・高橋みのるサンという人が作っ たもので、スイッチを入れると、動き出す。  高さ4m。意外と青森県の人は、大きなものを作るのが好きだ。  私としては、飛行機本体にはあまり興味がなく、子ども向けの科学実 験工房のほうが、おもしろかった。  声を出すと、どういう波紋が動くのかとか、竜巻ができる仕組みとい ったもので、遊びながら学べるタイプ。

 私が子どもの頃のこういう科学館は、文章が硬くて、漢字だらけで、 難しいものばかりだった。  最近の博物館の文章は、わかりやすいし、立体で見せてくれるから素 晴らしいとおもう。  こういう科学館に来た子ども100万人のなかから、たったひとり、 ノーベル賞を取ってくれたなら、箱物行政も利益率がいいとおもう。

 午前11時15分。「寺山修司記念館」へ。  劇作家で、映画監督で、詩人で、歌人で、エッセイストで、『あした のジョー』の作詞をした人だ。  演劇実験室・天井桟敷を結成した人というイメージが強い。

 この「天井桟敷」を結成したのが、私さくまああきらが中学3年生の とき。  いわゆる前衛芸術で、中学3年の私には、さっぱりわからないものだ った。

『書を捨てよ、町へ出よう』という本が話題になったので、読んだだけ ど、やはりちんぷんかんぷんだった。  私が高校を出て、予備校に通った時期に、『書を捨てよ、町へ出よう』 が映画になって、これも見に行ったけど、さっぱりわけがわからなかっ た。  私が大学3年生のときに、『田園に死す』が映画になった。  これも見たけど、ダメだった。  どうも私は、寺山修司という人を追いかけて、結果、どうにも受け入 れることができなくて、わかりやすいものを作る(ジャンプ放送局、桃 太郎電鉄)方向へ逆走したような気がする。  あれから30数年が経つ。  それなりに私も成長したから、寺山修司さんに対する苦手意識が払拭 されるのではという期待も含めて、訪れてみた。  結果は、やっぱりダメだった。ハハハ!

この顔出しのみ撮影OK!でした

 でも、ひとつだけ謎が解けた。  寺山修司さんが、写真家の荒木経惟(アラーキ−)さんに強い影響を 受けたという一文が、この美術館にあった。  荒木経惟(アラーキ−)さんの一番弟子・田宮史郎は、私の同級生だ。  田宮史郎から、アラーキーさんのことはよく聞いていて、読み解く方 程式はわかっている。  なので、寺山修司さんとの距離は、1mくらい縮まった気がするけど、 まだまだ寺山修司さんとの距離は、1キロ先くらいまであるような気が した。 「好き」と「嫌い」は、紙一重というから、まだまだこれから先、どこ かで距離が縮まるのかも知れない。  ひょっとすると、すでに裏口から回って、玄関の前にいるのかもしれ ない。

 午後0時30分。道の駅「みさわ」へ。  副題として「くれ馬パーク」とある? 「くれ馬(うま)パーク」?  なんだろう?

 嫁が「来れば?パーク」のもじりではないかという。  うーーーん。たぶんそれが正解なんだろうけど、だじゃれの神様・井 沢どんすけがあの白い顔を真っ赤にして怒り出しそうだ。  午後1時。三沢市内に戻って、バラ焼き発祥の地「赤のれん」へ。

 このお店に入って「バラ焼き3人前!」と注文してすぐ、お客さんが 入って来て、このお客さんがなんと! 古牧温泉青森屋の総支配人の佐 藤大介さんだった。ハハハ!  昨日初めて会った人と、翌日こんなお店でばったり会うとは、私のば ったり病も芸術的になって来た。

 もう一度、佐藤大介さんと「東京で、ランチいっしょに食べましょう」 と約束する。  もっと話をいっぱい聞いてみたい人だ。  あとで知ったんだけど、「古牧温泉青森屋」をわずか4年で再建して しまった佐藤大介さんは、33歳なんだって!  石川キンテツ、32歳。  石川キンテツはこの1年間で、何を再建してくれるのだろう?  このお店は、斉藤直樹さんが「つゆ焼きそば」並みに、最近プッシュ しまくりの郷土料理。  戦後、米軍が駐留するようになって、和牛を米軍の人たちが食べるよ うになったものの、赤身中心で、バラ肉が「払い下げ」という形で、三 沢市に出回るようになったそうだ。  いまも三沢市には、輸入家具のお店がいくつもある。  でも、正しくは「輸入」ではなく、米軍の家族の人たちが、アメリカ からやって来たときに持って来たものを、アメリカに帰るときに、三沢 で処分されたもの。 「輸入家具」には違いないんだけど、こういう風に城下町になって、経 済や食文化が生まれて行くから、おもしろい。  このバラ肉を焼く鉄板も、米軍からの払い下げから始まっているので ちょっと変わった形になっているそうだ。

 お昼過ぎて、ずいぶん立つので、私はかなりお腹が減っていて、早く このバラ焼きが食べたくて仕方がない。

 でも、鍋奉行の斉藤直樹さんが、うるさい。 「まだまだ! タマネギが、飴色になるまで待ってください!」 「ああ! いいにおいだ。斉藤直樹さん、待ちきれないですよ」 「まだまだ! タマネギが、飴色になるまで!」 「ちょっとだけならいいでしょ?」

 お肉と、タマネギを少々。  ああ! もう十分おいしいよ。  でも斉藤直樹さんの言ったことは正しかった。  食べ始めているうちに、タマネギが飴色になって、肉汁がタマネギに しっかり染み込んで、おいしいこと、おいしいこと。 「夜中にこの日記を読んでいるみなさん、ごめんなさい!」というくら いのおいしさ。

 牛丼でもなく、すき焼きでもない。  ちょうど中間の味なんだけど、この肉汁の染み込み方は、かつて味わ ったことのない味。  この間の舞鶴のホルモンうどんの味が、いちばん近いかなあ…。

 いやあ! 白いごはんの相性が、抜群。  絶対、白いごはんを全部食べてしまいそうなので、斉藤直樹さんに白 いごはんを公的資金!  まだお肉が残っているのに、斉藤直樹さんの丼には、すでに白いごは んが無くなっていた。

 これは今度の『桃太郎電鉄』の臨時収入の重要物件になることは間違 いないな。  古牧温泉青森屋と共に、十和田牛バラ焼き屋の名前で、三沢駅が物件 駅に昇格だ。  そういえば、「寺山修司記念館」でわかったんだけど、三沢駅は、昔 「古間木駅」と言っていたんだね。  ということは本来、「古牧温泉」は「古間木温泉」だったわけだ。 「古間木温泉」のほうが風情あるなあ。  でも、単純に「青森屋」だけのほうが、よさそうな気がする。  ロゴデザインもきれいで、私は「青森屋」のTシャツを買って来てし まったほどだ。  ロゴデザインは大切だよ。 『桃太郎電鉄』も、20年間続いたロゴデザインを中断して、『桃太郎 電鉄2010』で、ロゴデザインを変えたの気がついた?  あんまり気づいてないか。  食後、百石道路を通って、八戸に向かう。

 午後2時30分。八戸の「八食(はっしょく)センター」へ。

 昨日、古牧温泉青森屋の庭で開催されていた青森名産品のフェア で売っていた梨が抜群においしかったので、ここなら売っているだろ うとおもって来たんだけど、なかった。

 斉藤直樹さんに聞いたら、毎年サクランボのために行っているチェリ ウスのほうの梨だという。  そうか。名川町には、もう5年連続で行っているけど、7月1日前後 限定だもんな。  梨がおいしいのを知らないわけだ。

 あと、孫がきのこが大好きなので、きのこ鍋をやろうと、きのこを探 したんだけど、流通品ばかりで、今朝、山から採って来ました!みたい な土着のきのこはなかった。 「八食(はっしょく)センター」は、八戸市民のためのお店なんだね。  道の駅のほうが、土着のものが多い。

 午後4時30分。「むつ食品ストア」で、八戸市民のソウルフード・ グラタンフライを買って、八戸駅の「ユートリー」へ。

 新製品がないか、変わった食べ物がないか、取材する。

 この後、ここで斉藤直樹さんとは、お別れ。  またまたみっちり、取材に付き合ってもらってしまった。

 午後5時27分。八戸駅から、東北新幹線はやて88号東京行きに乗車。  さすがに疲れて、乗車と同時に、うとうと…。  盛岡に着く前に目が覚めて、「八食センター」で買ってきた三食丼 (イクラ・カニ・イカ」を食べて、またぐっすり。

 ほとんど寝っぱなし。  とても1泊2日の密度ではない。  午後8時36分。終点、東京駅に到着。

 午後9時。帰宅。  万歩計を見たら、1万00185歩。お見事〜〜〜!  2日続けて、1万歩だ。  あれだけ新幹線のなかで寝たのに、まだ眠い。  きょうは早く寝る。

 ************ *桃太郎電鉄2010 戦国・維新のヒーロー大集合の巻!  公式HPオープン!!! 東奥日報:「桃鉄」食堂でつゆ焼きそば提供 陸奥新報:「桃鉄食堂」ご当地グルメ第一弾に県産品/東京 『桃鉄食堂 拝島店&上永谷店』もよろしくね!

『桃太郎電鉄20周年DS』よろしくね!

※告知サイト『旅〜僕たちの風景』テツandトモ(試聴もできます!) アマゾンHMVタワーレコード新星堂などで予約できます!!! ★ダウンロードはこちらから。 Yahoo!ミュージックレコチョクMusico MysoundListen JapanOnGenmora mora winwaccaHMV DIGITAL

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

ご住所(市、または県名)・お名前(ハンドルネーム)
メールアドレス(※公開されません)
タイトル
感想を送ってね!
 
『投稿』ボタンを押して、しばらくお待ちください。

※↑の投稿フォーム以外からメールを送ってくれた場合、
文字化けしてしまうことや迷惑メールに紛れてしまうことがあります。
なるべくHTML形式ではなくテキスト形式にして送ってください。
 

 
さくまNEWS


◆『桃太郎電鉄20周年--DS--』のHPです! NEW! NEW!


◆『桃鉄物産館』のPC版HPオープンです! NEW! NEW!


◆『桃太郎電鉄20周年』のHPです! NEW! NEW!
*モバイル版桃太郎電鉄(i-mode EZweb Y!ケータイ)の入り方、20周年記念グッズなどの情報もこちら!


◆『歌合戦〜桃太郎電鉄20周年記念CD』 NEW! NEW!

1:それいけ!桃鉄〜紅白バージョン 作詞・さくまあきら 作曲・池 毅 歌・陣内智則
2:怪傑ペペペマンの歌 作詞作曲・関口和之 歌・安田大サーカス
3:ボンビー・モンキーだモーン! 作詞・小室みつ子 作曲・池 毅 歌・若槻千夏
4:キングボンビー賛歌 作詞・さくまあきら 作曲・関口和之 歌・ケンドーコバヤシ
5:菜の花鉄道 作詞・小室みつ子 作曲・関口和之 歌・テツandトモ
amazon *セブン アンド ワイツタヤ オンライン *セゾン ミュージック 他でも予約できます!

◆『桃鉄物産館』が、Au、SoftBankでも利用できるようになった! NEW!
『桃鉄物産館』への入り方は、こちら↓
・DoCoMo
 iメニュー⇒メニュー/検索⇒ゲーム⇒テーブルゲーム
  ⇒桃太郎電鉄⇒桃鉄物産館
・Au
 EZトップメニュー⇒カテゴリで探す⇒ゲーム
  ⇒パズル・テーブル⇒桃太郎電鉄⇒桃鉄物産館
・SoftBank
 メニューリスト⇒ケータイゲーム⇒パズル・テーブル
  ⇒桃太郎電鉄⇒桃鉄物産館

●携帯コラム、はじめました!(QRコードができました)

インデックスさんの携帯向け着信メロディ配信サイト「速報 Musicサーチ」で
さくまあきらが人生を変えるほどの影響を受けた人たちを紹介するコラム
「さくま式スゴログ」を配信しています。

「速報Musicサーチの」への入り方はこちら↓
【検索】
携帯サイト検索から、「速報Musicサーチ」または「スゴログ」で検索
【imode】
iMenu→メニューリスト⇒着信メロディ/カラオケ⇒J-POP→速報Musicサーチ
【EZ】
au one→カテゴリ(メニューリスト)⇒着信メロディ⇒J-POP⇒速報Musicサーチ
【SoftBank】
Yahoo!ケータイ→メニューリスト⇒着うた・ビデオ・メロディ⇒着信メロディ ⇒J-POP・インディーズ→速報Musicサーチ

□情報料:月額52円・94円・315円・525円(税込)のコースから選択
どのコースでも「さくま式スゴログ」は読むことができます。



-(c)2009/SAKUMA-