2009年4月8日(水)


 午前11時。嫁と、徳島駅近くの「麺王」へ。

 徳島ラーメンの有名店はいくつもあるけど、昨夜乗ったタクシーの運 転手さんが「ここがおいしいですよ」と言っていたので、ここにした。  徳島は、きょうから始業式らしく、高校生たちが開店前から並んで立 っていた。  お店の前の自動販売機で、チケットを買う。  チケットを買う段階から、麺の固さを決めないといけない。  麺はやわらかめ、普通、かため、バリかたの4種類。 「バリかた」を試してみたいけど、桁外れだと困るので、「かため」に してみた。  オーソドックスに、徳島ラーメンにする。  徳島ラーメンの特徴は、生卵を入れるから、トッピングで生卵だ!  カウンターに座る。  テーブルには、高菜と、唐辛子入りのもやしが置いてあって、もやし が辛い〜〜〜!  ラーメンが来た。

 濃いめのとんこつ醤油がいい感じ。  麺は、博多ラーメンのように細い。  替え玉ができるところなども、博多っぽい。  阿波牛に、ネギ、シナチクなど…。  生卵を入れて牛肉なので、味がすき焼きっぱい。  一応注文しておいた白いご飯が、おつゆと抜群に相性がよかったので、 ご飯をラーメンのなかに全部入れてしまいたい衝動にかられて困ったよ。

 うまい。実にうまい。 「おいしいラーメン屋さんは、タクシーの運転手さんに聞け!」は、間 違っていなかったよ。  午前11時40分。徳島駅から、牟岐(むぎ)線阿南行きに乗車。  一両の電車だよ。

 阿波室戸シーサイドラインという愛称がついているけど、まったく海 は見えず、畑だらけと思いきや、意外と住宅が多くて、地味な風景。  ときおり桜並木が5〜6本だけ見える。

 ローカル線特有のジリリリリリ…と、古い目覚まし時計のような音が 鳴って、テトテトテトッという音をよく鳴らす。  これは何を意味する音なんだろう。  枚方市・あすやんクンに説明してもらったほうが早そうだ。  この音を聞くと、旅情が増す。

 沿線の駅は、どれも小さくてかわいい駅が多い。  さらに進むと、ホームだけの駅まで出てきた。  地図上では、日本全国、白と黒のくりかえしの線で描かれていて平等 だけど、現地に来てみると、駅の姿も千差万別だ。  うおっ! 急にひときわ大きくて、近代的な駅が現れた!  これは都内にあってもおかしくないくらい立派な駅だ!  午後0時19分。終点、阿南(あなん)駅に到着。

 阿南といえば、発光ダイオード(LED)で、有名な日亜化学がある町だ。  さすが発光発光ダイオードの町だけに、駅がひときわ豪華なわけだ… と思って、駅を降りたら…。

 見慣れた地方のシャッター商店街だった。  う〜〜〜む。発光ダイオードの輝きはまだ駅どまりで、町までは輝い ていなかったか。  午後0時30分。駅に脇にあった「光のまちステーションプラザ」と いう小さな施設に寄ったが、子供向けでもなく、大人向けでもなく…言 葉に困る場所だった。

 発光ダイオードといえば、何年か前の青色発光ダイオード(LED)訴訟 を思い出す。  発光ダイオードは、ノーベル賞級の発明といわれているが、その開発 者が発明への正当な報酬を求めて、20億円の報酬を要求した事件だ。  私もあの発明はすごいと思ったけど、当時何で社員だった開発者が、 すべてを発明したかのような立ち位置から訴訟するのかが、非常に解せ なかった。 『桃太郎電鉄』というと、私のゲームのような言い方をされるが、土居 ちゃん(土居孝幸)、関口和之くん、池毅さん、札幌開発スタッフ、岩 崎誠、井沢どんすけのだじゃれ、石川キンテツは、う〜ん…があって初 めて『桃太郎電鉄』なのであって、とてもじゃないが、発光ダイオード の開発者のような言い方はできない。  1万歩譲って、私が作曲から、絵から、プログラムまで打てたとして も、ハドソンという会社が、開発費を出さなければ、世に出ないのだ。  発光ダイオードの開発者だって、会社が研究費を出してくれたからこ そ、発明できたものだとおもう。  当時、やけにマスコミが、あの開発者を礼賛するような風潮があった ので、日記には書かなかったけど、いまだに意見が変わらないので、ち ょっと触れてみたい。

 私の意見では、会社側は毎年1億円ぐらいの給料を与えて、その開発 者を縛るべきだったとは思う。  そして開発者は、多くのノーベル賞を取った科学者たちがいうように 「給料が上がるより、チームの研究費が増えたほうがいい」と語るべき だったのではないとおもう。  けっきょく、あの訴訟事件は、和解で終わったので真相はわからず終 いだったのだが、テレビの報道であの開発者が「日本の司法は腐ってい る」、「理系の人はアメリカに行ったほうがいい」「社員は会社の奴隷 ではない」と吼えていた顔がいまだに悪い印象として残っているので、 少し話題にしようとおもって、長くなってしまった。  ある人の意見によれば、あの開発者の功績は、5%程度だという。  5%なら、井沢どんすけのだじゃれ程度じゃないか!  なのに井沢どんすけ、私に20億円も要求しやがって…って、嘘々、 そろそろ旅に戻りたい。

 しばらく、阿南のシャッター商店街を歩いた私と嫁は、けっきょく駅 前まで戻って、タクシーに乗るしかないのだった。  また電車に乗って帰ってもいいんだけど、そんなに楽しい車窓ではな かったので(あとでわかったのだが、阿南から先が海沿いを走るようだ)、 徳島に戻ることにした。  駅前から乗ったタクシーの運転手さんがいい人で「桜の並木道を見て 行きますか? 北脇っていうところなですが…」という。 「あっ! あのパフレットに乗っていた北脇公園だ。ぜひぜひ!」  午後1時。北脇公園の近くの桜のトンネルへ。

 うわ〜〜〜、見事〜〜〜!  こんなにきれいなのに、人もいなければ、車も通っていないし、宴会 待ちのブルーシートひとつ置かれていないのが不思議。  こんな場所が都内にあったら、絶対大渋滞だよ。  小松島市のJA東とくしま産直市みはらしの丘にあるスーパーに寄っ てもらう。

 小松島名物のフィッシュカツをつかったハンバーガーを売っていると いうので来てみたのだが、お惣菜コーナーで売っていた。  とりあえず、買ってみる。

 フィッシュカツは、太刀魚やアジ、エソなどの魚をすりつぶし、塩を 入れた練り物で、カレー粉とたまねぎのエキスなどを加えて味を調え、 パン粉をつけたものだ。  徳島では「かつ」といえば、フィッシュカツのことをいうほどらしい。  タクシーの運転手さんがいい人なので、いろいろ話を聞く。 「運転手さんも、お好み焼きに金時豆入れるんですか?」 「ええ〜〜〜、何ですかそれ?」 「徳島市内では、お好み焼きに金時豆を入れるんですよ。運転手さん はずっと生まれも育ちも、阿南ですか?」 「ほぼそうです」 「だったら、金時豆入れるのは、徳島市内だけなんだな…」 「だって、お好み焼きに、金時豆入れるなんて気持ち悪いでしょ〜」 「違和感はないけど、確かに甘かったです。運転手さん、鳴門地方では ちらし寿司にも、甘納豆入れるそうですよ」 「それは入れますよ!」 「ええ〜〜〜! 運転手さん、お好み焼きに金時豆は気持ち悪いってい うのに、ちらし寿司は当然なんですか?」 「子どもの頃から、ちらし寿司には必ず入ってましたから」 「ハハハ! 子どもの頃覚えたことって、疑問を持たないんだなあ…」  午後1時45分。徳島市内に入って、眉山の下にあるロープウェイ 乗り場のところにある「阿波おどり会館」へ。  このビルの5階が眉山ロープウェイ山麓駅になっている。  今年オープンしてから、10年目になるまだ新しい建物だ。

 このあと午後2時から、阿波おどりの実演?があるというので、入場 券を買って、しばらく1階のお土産品売り場を物色して待つ。

 午後2時。2階の阿波おどりホールへ。 『探偵ナイト&スクープ』の探偵のひとりにいそいうな人が、阿波おど り装束で出てきて、阿波おどりの解説をしてくれた。  実は、私はいままでそんなに阿波おどりに興味がなかった。  興味がないから、知識もないので、阿波おどりはおなじ動きで単調で うるさいだけだとおもっていた。  昔、私が住んでいた東京の家の近くは、高円寺の阿波踊りが有名で、 毎年夏に交通が大渋滞するので、迷惑なお祭りのイメージしかなかった。

 ところが、きょうの説明で、阿波おどりには「花」「鳥」「風」「月」 といった何種類もの踊り方があって、全然印象が違うことに気がついた。

「花」は、うちわをつかい、「鳥」は、激しく、「風」は、誰もが知っ ている阿波おどりの基本形で、「月」が、あまりにも、ゆったりとした 優美な踊りなことに気がついた。  しかも女性は膝を閉じて優雅に、男性は腰を落として豪快に踊る。  本物の阿波おどりは、実に緩急のある引き込まれるような魅力にあふ れた踊りだった。

 それと「偉い奴ちゃ、偉い奴ちゃ、ヨイヨイヨイヨイ、踊る阿呆に見 る阿呆、同じアホなら踊らな損々…」という掛けではなく、「ヤットサ ーヤットサー」だった。

 ほんと「無知」は嫌だね〜。  私のことだけどさ。  何も知らずに「阿波おどりは、興味がない」って言い切っちゃうんだ からねー。  反省しきり。  3階の阿波おどりミュージアム へ。  阿波おどり400年の歴史を見ることが出来る。  江戸時代には、一揆につながるとの理由で阿波おどりが禁止されてい た時期もあったそうだ。  なのに、蜂須賀一角という家老が、令を犯し、自宅で阿波踊りを行っ てお家断絶になったとか。  すごい歴史だね。  その後も、何度も阿波おどりは、あれはダメ、これはダメで、禁止さ れたり、復活したりと紆余曲折を経て、今日に至ったようだ。  けっこう各時代で、暴走族みたいな扱いを受けたみたい。    阿波おどりの装束も、昔は、あの尖った菅笠(すげかさ)ではなく、 丸い感じの笠だったり、大正時代の鳴り物は、バイオリン、チャルメラ、 尺八などをつかっていたりしたそうだ。

 100年後は、コンピュータ音楽で踊るのか、ロボットが踊るのを見 るだけになるのか、永遠に形を変えて行く阿波おどりは、おもしろい。

 午後4時。駅前の「そごう」まで歩いて、地下の食料品売り場で、フ ィッシュカツを1枚買って食べる。  B級感満点で、好きな味だ。  意外とカレー粉の味が強い。

 現在、このフィッシュカツをつかったハンバーガーを、徳島県では、 「とくしまバーガー」として売り出そうとしいる。  昨日、きょう、徳島で会った人は、誰も知らなかったけどね。  アグネスホテルに戻って、仮眠。ZZZ…。  午後6時。だいぶ徳島駅周辺の地理が頭に入って来たので、紺屋町の 「とと喝」まで歩く。  ちょっと疲れた…。ひー!

とと喝」というと、居酒屋みたいな名前だけど、きれいな格式のある ような日本料理のお店だった。

 徳島県といえば「青柳」が有名で、私も以前行ったことがあるけど、 きょうは本格的な懐石コースを食べるだけの体力がない。  でも、鳴門名物・鯛めしを食べて行きたいので、このお店を嫁がイン ターネットで探し出した。

 京都で、すぎやまこういち先生、土居ちゃんと行った日本料理のお店 「末友(すえとも)」で、阿波のウニが出たので、ウニを注文。  またしても、おいしかった。  イカのお刺身も、ワタリガニも甘かった。

 太刀魚の焼き物は、けっこう骨が痛かったけど、特産のすだちを絞っ ていい味。

 最後は、鯛めし。  絶妙の「おこげごはん」になった鯛めしが、天にも上るようなおいし さ。このおいしさは、豪快でなく、微妙な出汁のおいしさが作り出すの で、どう表現していいかわからないよ。  間違いなく、徳島に来たら、もう一度来たいお店。

 午後9時。アグネスホテルに戻る。  インターネットで、阿波おどりの歴史を調べたり、吉野川の氾濫の歴 史を調べたり、眉山(びざん)で、「ビザンチン」という単語を思い出 して、ビザンチンって何だったっけ、東ローマ帝国のことを調べたり。  どんどん横道にそれているけど、きょう阿波おどりで「無知」は罪悪 であることに気がついたので、何でも思いついたら勉強しよう。  さて、明日は今回の旅のメインになる大旅行が待っている。  早めに寝るために、『万葉集』を読もう。 『万葉集』はあまり得意でないので、すぐ寝付ける。 「無知」は、睡眠には効果がある。

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