10月10日(金)


 昨夜、DVDで『青春の門』を見た。
 1975年の作品。
 五木寛之さんの小説の映画化で、九州の田川、飯塚の炭鉱を舞台にし
た作品だ。
 今年の九州を取材したときにはすでにボタ山は無くなっていたので、
この映画で当時の炭鉱の雰囲気を味わおうとおもった。
 映画の公開当時、映画館で見た作品なのに、いくつかのシーンを断片
的に覚えているだけの自分の記憶力の薄らぎぶりにあきれ返る。
 しかも、当時私より年上で大人の女性に見えた吉永小百合さんは、ス
クリーンのなかでは保存されたままなので、はるか年下の女性に見えて、
かわいく思えた。

 午前7時。『桃太郎電鉄KYUSHU』の仕様書作り。

 午前9時30分。喫茶店「らぴす」サンで、カフェオレ。

 午後0時。岩崎誠、石川キンテツと青山骨董通りで待ち合わせて、
「リトル・リマ」へ。

 全員、ハンバーグ・ランチ。
 肉の大きさ、私は<小>、岩崎誠は<中>、石川キンテツは<大>。

 あっ! またハンバーグの写真撮るの忘れた。
「石川キンテツ! すまん! さっき写メした画像、嫁の携帯に送って
おいてくれ!」

 うーーん。毎日メインディッシュの写真を撮り忘れてしまうなあ…。  嫁はよく忘れず撮れるなあ。 「このハンバーグ、俺のハンバーグ山本とか、岩中豚のハンバーグの Willとも違って、おいしいっすね!」 「ジャンプっ子は、ハンバーグが好きだから、石川キンテツ、ここのハ ンバーグを気に入ると思ったから、きょうはこのお店にしてみたんだよ」  2日前の日記に、嫁のスペイン旅行中、緊急の連絡は岩崎誠まで(事 後承諾)と書いたばかりに、10月後半から、11月の私のスケジュー ル取りが、岩崎誠に殺到しているそうだ。  よく聞くと、本当に10月後半から、11月末まで、びっちりスケジ ュールが埋まっているではないか! 『桃太郎電鉄20周年』の発売日が、12月18日だから、ちょうどこ の頃、忙しくなるのは覚悟していたけど、青森から帰った翌日に大阪に 行かないといけないようなスケジュールの連発になりそうだ。  大丈夫かいなー。 「さくまサン! この間、サザンの関口和之さんと話をしていて、ボク が鯛焼きにアイスクリームを乗せて食べると言ったんすよ」 「石川キンテツ、カズ坊(関口和之)とどういう会話しているんだ!」 「やっやっやっや…! そしたら、関口和之さんが、カップアイスの上 に鯛焼きが乗っているお店が恵比寿にあるって、教えてくれたんすよ」 「カズ坊(関口和之)も、何、石川キンテツに教えてんだか!」 「で、その鯛焼き屋さん、行ったらすごくおいしかったんすよ!」 「もう行ったんかい!」 「さくまサン! 鯛焼きにアイスクリームなんて、いかにも奥さんいた ら、怒られそうな食べ物ですね!」 「ふふふ。幸い、嫁は、スペインに行っていていない!」 「行きますか?」 「行から いでか!」  午後1時30分。というわけで、そのまま恵比寿の「ひいらぎ」へ。

 この場所って、以前「山頭火ラーメン」だった場所のような気がする。  ほんとだ。透明なカップのなかにソフトクリームが入っていて、鯛焼 きが1匹刺さっている。  名前は「鯛焼きソフト」?  意外と地味な名前だ! 「石川キンテツ、ここはおまえがおごれ!」 「はい! 3つください!」

 鯛焼きだから値段安いからと、石川キンテツに出費させたのだが、ソ フトクリームもあるので、1個400円だって!  石川キンテツ、経営破たんか!?  このお店は、鯛焼きを売っているだけなので、すぐ食べるためには、 このお店の近くの「たこ公園」で食べるしかない。  私は、10数年前の脳内出血の後遺症で、まだまだ足が不自由で、よ く石段の段差などにつまづいて、危うくつまづきそうになることがよく ある。  みんなで、鯛焼きソフトを持って、たこ公園に向かっているときに、 事件は起きた。  岩崎誠が「さくまサン! ここ段差があるので気をつけてくださいよ」 と、注意してくれた。  それでも私は、段差に足を取られ、「おっとっと!」と、バランスを 崩すが、いつものように持ち直した。  しかし、私の後ろで、「うわああああああ〜〜〜っ!」という悲鳴が!  石川キンテツが、段差もない、マンホールで滑って倒れ、鯛焼きソフト は、ぐちゃ!と、足元に!

「はっはっは! 石川キンテツ! 何でさくまサンが倒れなくて、石川 キンテツが倒れるんだよ!」 「やっやっやっや…! マンホールが…」  けっきょく、石川キンテツは私と岩崎誠に鯛焼きソフトを奢ってくれ たあげくに、自分のため、もう一度鯛焼きソフトを買いに行くのであっ た。  石川キンテツが戻ってくるまで、たこ公園で岩崎誠とまったりと、鯛 焼きソフトを食べながら、待つ。

「何か、いいですね。公園で、こんなのんびりできるなんて!」 「岩崎誠は、分刻みで動いているからな。こういう時間も必要だよ!」

 このあと、喫茶店で、さらに岩崎誠と山積みのスケジュールの細部を 決めて行く。  午後3時。帰宅。  部屋の片付け。  うーーん。荷物を床に置かなければいい。  わかっちゃいるけど、やめられない。  でもとにかくひとつずつ片付けるしかない。  午後5時30分。娘が来て、いっしょに保育園まで孫姉&孫妹を迎え に行く。  小雨模様。  午後6時。そのまま、娘&孫と渋谷の「宇和島」へ。

 孫姉が、鯛そうめんをえらく気に入って、このところ微熱で食欲が落 ちていたけど、たくさん食べてよかった。 「おいちいから、いっぱい食べちゃった!」  孫姉&孫妹に、石川キンテツが鯛焼きソフトを地面に落とした写メを 見せたら、ふたりとも、きゃあきゃあ、大笑い。  箸が転がっても可笑しい年代は、すべり知らずだなあ…。  午後7時30分。帰宅。  そのまま娘&孫は、家に帰るはずが、孫姉が「おうちに帰りたくない のー!」と泣き出す。  孫姉は眠くなると、「帰りたくないのー」が始まる。 「宇和島」で鯛そうめんをいっぱい食べて、ちょうど眠くなっているの だろう。 「バイバーーイ! えーーーん! バイバーーイ! えーーーん!」  近所に人聞きが悪いくらい大声で泣く。  バイバイはいうけど、帰らない。  娘が粘って、孫姉&孫妹を何とか納得させて帰る。  孫姉がうらめしそうに、私の顔を見ながら、泣く。  うれしいけれど、せつない…。  一応、スカパーで「横浜×阪神」戦。  巨人がヤクルトに勝って、阪神が横浜ベイスターズに負けると、巨人 の今シーズンの優勝が決定。  巨人がヤクルトに負け、阪神が横浜ベイスターズに勝つと、阪神に再 びマジックが点灯するプロ野球ファンには、手に汗握るペナントレース の渦中に、横浜ベイスターズがいる。  昨日は、まさかの巨人に快勝し、きょうまた阪神を苦しめる。  今シーズン、5位と20ゲーム差の不甲斐ない成績なんだから、シー ズン最後で、こんなにがんばらなくてもいいのにとおもう。  さっきから何度も、岩崎誠からメールが来ているが、この日記をみん なが読める頃には、クライマックス・シリーズに移っているとおもうの でここでは掲載しない。  みんなの想像通りの内容だ。  午後9時。巨人が、ヤクルトに勝利。  午後9時15分。4−3で、横浜ベイスターズが勝利。  この時点で、巨人の2年連続のセ・リーグ制覇が決まった。  しかし巨人は、13ゲーム差をひっくりかえすか?  そんなにチーム一丸となっているように見えなかったけどなあ…。

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