８月２日（土） 暑い…。 きょうからまた、より暑くなるらしい。 午前８時。『桃太郎電鉄２０周年』のメッセージの直し。 井沢どんすけからまた、テスト・プレイ・レポートがとどく。 そろそろ、大幅な変更は出来ないんだから、いまごろラスト・スパー トされても困る。ハハハ！ そうか！ 今回は井沢どんすけにも、テスト・ロムを渡しているから、 あいつ１日じゅう遊んでいるのか！ あいつひとりでプレイしていると、ものすごい速さで遊ぶから、１日 １回５０年モードをクリアしているんじゃないだろうか。 頼むよ。そろそろ完成に向かいたい。 …といいながらも、きょうもありえない場面に遭遇して、見事メッセ ージの不備を暴き出した。 いったいどうやってプレイしているんだ！？ やけにいいカードばかり持っている。 またダビング駅で、足踏みカードで、いいカードを増殖するような技 を見つけたのか？ 近いうちに呼んで、お白州に座らせて吐かせるしかないな。 午前１１時３０分。嫁と、新宿御苑の「Ｗill」へ。
任天堂Wiiじゃなくて「Ｗill」。 岩中豚のハンバーグがおいしいお店。
私はパンチェッタ・ベーコンを、ドミグラス・ソースで。 嫁は、軟骨をクリーム・マスタードソースへ。
前回このお店に来たときの日記を読んで、石川キンテツとクロちゃん がここまで来たことを思い出して、写メしてあげる。 あれ？ 意外と早くメールが帰ってきた。 もう起きていたのか。
さくまさん、おはようございます！ この写メは…あの新宿御苑の絶品ハンバーグじゃないですか！ ここのハンバーグ、ホントおいしくて、クロちゃんと、いつも、また 行こうって言ってるんですよ。うらやましいです！ ボク、いま渋谷にいるんで、最近、渋谷にもできた「俺のハンバーグ 山本」に今から行ってこようと思います。 さくまさんの写メ見たらハンバーグが食べたくなっちゃったんで(笑)。 では、４時にビクターうかがいます！
私が料理の写メを送ると、石川キンテツは必ずおなじものを食べたく なる。牽制球に刺されやすいやつだ。 午後０時１５分。新宿御苑へ。 なんと新宿御苑を突っ切って、千駄ヶ谷門から出て、歩いて家まで帰 ろうという無謀な計画。
汗でびしょびしょになるのは、覚悟の上。
ところが、千駄ヶ谷方面に向かう道は、まるでディズニーのアニメに 出てくるような森の道で、風が吹いて涼しい。 これなら、千駄ヶ谷門までへたばらずに、たどりつけそうだ。
ふい〜〜〜、ノンストップで千駄ヶ谷門に到着。 千駄ヶ谷門を出て、少し歩けば、目の前は中央線千駄ヶ谷駅。 喫茶店の誘惑を振り切って、一気に自宅まで向かう。 新宿御苑の緑がなくなったとたん、汗が吹き出る。 鳩森神社のなかを通る。 手水舎（ちょうずや）で、顔を洗う。 気持ちいい。
あれ？ 能楽の舞台に、人形が一体置いてあったと思ったら、動いた！
人間だったのか！ 能を練習していた。 す、すごい！ おそらく能の世界では、有名な人なんだろうな。 午後１時。帰宅。 汗びっしょり〜〜〜。 シャワーを浴びて、すっきり。 歩きつかれたので、吸い込まれるように、仮眠。ＺＺＺ…。 午後２時。『桃太郎電鉄２０周年』のメッセージの直し。 午後４時。嫁と、ビクタースタジオへ。 きょうもテツandトモのＣＤのレコーディング。 すでにテツandトモのふたりが、小室みつ子さん作詞・作曲の『遠くを 見つめて』を録音中。
岩崎誠、石川キンテツも到着。 私は、パナソニックeネットの高田直幸さんに、サイン入りの「さくま もり」を手渡す。 高田直幸さんの会社で制作している携帯サイトで、「さくまもり」を 取り上げてくれるそうなのだ。ありがとうございます！
午後５時。ＧＯＨＡＮレコードの武田学くんと奥さんのカメラマン・ 武井メグミさんが来て、宣伝チラシ用の写真を撮影。
テツandトモのふたりに「きょうは、お笑いの顔をしないようにね！」と 言ったのに、ついついサービス精神が旺盛なふたりは、変な顔をしてし まう。 ここで、嫁が京都に向かう。 明日の朝、京都のマンションの組合の総会があるのだ。 大規模修繕の最終決定なので、私か嫁が行かないといけない。 私が行っても、役立たずなので、嫁だけが行くことに。 『遠くを見つめて』のレコーディング。 小室みつ子さん、編曲の京田誠一さんがテツandトモの歌を聴いている。 京田誠一さんは、小室みつ子さんのアルバムでずっと編曲を担当してい る方で、夏川りみサンの編曲なども担当しているそうだ。
意外なことに、３０年前ぐらいに、元祖・ジャニーズのあおい輝彦さん のバック・バンドで、京田誠一さんがキーボードで、池毅さんがギター担 当だったときがあるそうだ。 ふたりとも業界が長いだけあって、どこかで繋がっていて当然とはいえ、 おなじバンドに所属していたというのは、すごい偶然だ。 ちなみに、あおい輝彦さんは、ザ・ジャニーズの一員で、ソロになって から、『あなただけを』、『Hi-Hi-Hi（ハイ・ハイ・ハイ）』などが大ヒ ット。 『水戸黄門』のあの主題歌を歌い、３代目助さんを演じていた人。 歌謡史を聞いているようだ。 その小室みつ子さんと、京田誠一さんが、テツandトモのふたりの歌の 上手さと勘の良さに、舌を巻く。 長年、この業界に君臨していた人が舌を巻くというだけで、いかにテ ツandトモの歌が本当に上手いか少しは想像がつくでしょ？ ここでたまには自慢。 私が作詞した『青森にて』を小室みつ子さんにホメてもらっちゃった。 「あの曲を１曲目にすべきですよ」 「え〜〜〜！ それはまったく考えてなかったなあ。ＣＤタイトルに予 定していた『僕たちの風景』を１曲目に持ってくると決め打ちしていた」 小室みつ子さんの曲順の希望を聞く。 ＣＤアルバムの曲順は、１曲、１曲を生かすこともできるし、お互い の曲を消しあってしまう場合がある。 この曲順を決める決定権は、私にあるのでこれから大いに悩むことに なる。 午後６時３０分。『遠くを見つめて』のレコーディングが、終了。 私、岩崎誠、高田直幸さん、石川キンテツの４人で「TO THE HERBS」 外苑店へ。 てりやきピザ、パスタなど…。 このお店にも、なんと！ 焼きトウモロコシの冷製スープが、メニュ ーにあった。
４人分注文する。 「スモーキー」の焼きトウモロコシの冷製スープ縁日風といい、焼きト ウモロコシのスープがちょっとしたブームなのか？ トウモロコシ・マニアとしては、うれしいかぎり。
「あれ？ 石川キンテツ、コーラを注文しないの？」 「さくまサンの日記を読んでる人が、コーラをやめるって書いてあった んで、ボクもやめようと思って！」 「え〜〜〜、やめちゃうの？ すぎやまこういち先生に『コーラばかり 飲んでちゃダメだよ』と言われても、言うことを聞かない男のキャッチ フレーズ、つかえなくなっちゃうじゃないか！」 「やっやっやっや…！ せめて１ヶ月くらいは、やめようかと…」 「ハハハ！ やっぱり持続しないんだ！」 高田直幸さんが「石川キンテツさんは、いつもさくまサンの日記に、 リバウンド王子と書かれていますが、最盛期何キロぐらいあったんで すか？」 「やっやっやっや…！ １１０（キロ）です！ 「１１０キロ！？」 「石川キンテツ！ １１０（百獣）の王だな！」 「やっやっやっや…！ また新しいフレーズを！」 「さくまサン！ 体重１０９キロで、デブヤ（渋谷）１０９っていうの もいいですよ！」と、岩崎誠。 「やっやっやっや…！ みなさん、いろんなキャッチフレーズを考えな いでくださいよー！」 「でも、誰もが石川キンテツさんが１１０キロ以上のリバウンドを達成 するのを期待しているんじゃないですか？」 「はっはっは！ 石川キンテツ！ 世間の期待というのはそういう残酷 なものだ！ はっはっは！ 太って笑いを取るか、将来のために節制す るかは自分次第だ」 午後８時３０分。私、岩崎誠、石川キンテツの３人は、ビクタースタ ジオに戻る。 テツandトモは、作詞・小室みつ子さん、作曲・関口和之くん、編曲・ 山路敦さんの『旅の向こう』をレコーディング中。
この曲は、あの『菜の花鉄道』の延長線上にある曲。 関口和之くん独特の聴けば聴くほどよくなる曲。 そして次第に病みつきになる曲だ。 今回のレコーディングでも注目の的は、村上葉子さんのヴォーカル・ ディレクションぶり。 的確な指示で、テツandトモの歌声の伸びが変わっていく。 “村上マジック”とまで呼ばれる。 今回、ずっと石川キンテツがレコーディングを見学に来ているのも、 村上葉子さんのテキパキぶりを勉強するためだ。 「人のふり見て、我がふり直せ！」 私でも、村上葉子さんの仕事ぶりが『歌合戦』のときから大いに勉強 になっている。 若い人は、とかく技術を追い求める。 たとえば漫画なら、漫画の高等技術ばかり知りたがる。 でも、編集さんとの打ち合わせや、先輩漫画家との付き合い方、先輩 漫画家の心構えなどをじっくり学んでから、技術を覚えたほうがスポン ジが水を吸い込むように染み込んで行くとおもう。 ちなみに、石川キンテツに私と小室みつ子さんのツーショット写真を 撮ってもらうが、あまりのへっぴり腰ぶりにスタジオじゅう大爆笑！
本来なら、部外者のはずの石川キンテツは、どこに行ってもみんなに 可愛がられる。 この魅力を仕事に生かさないのは、宝の持ち腐れだ。 午後１０時３０分。関口和之くんが到着。 関口和之くんは、砧スタジオでテレビの撮影で、ドーランを落とす時 間も惜しんで、ドーランを塗ったまま到着。 『菜の花鉄道』のレコーディングのときは、関口和之くんがスタジオに 来れなかったので、テツandトモのふたりと初対面の挨拶。 ここ数ヶ月、『菜の花鉄道』＝テツandトモ＋小室みつ子さん＋関口和 之くんのイメージが定着していたので、てっきり何度も会っていたよう な気がしていた。
関口和之くんの到着で、レコーディングもいよいよ佳境に。 テツandトモの歌声を聴いた関口和之くんが、ぽつんと「ほんと、歌、 上手いね〜！」とつぶやく。 このプロが驚嘆する歌声を、ひとりでも多くの人に聴いてもらいたい のが、今回のＣＤを作りたくなった最大の動機だ。 付け加えるなら「歌が上手い」＋「やさしい歌声」が、テツandトモだ。 笑ったのは、テツandトモのトモくん（青いほう）。 小室みつ子さんも、関口和之くんも、その歌声を絶賛したときにかぎ って、スタジオにいなかったり、聞き漏らしたりする。 「えっ？ えっ？ な、何ですか？」 「せっかく関口和之さんが、素晴らしいことおっしゃったのに！」 「えっ？ えっ？ 何とおっしゃったんですか？」 「（テツandトモのふたりは）アーティストです！」 「うひゃあ〜〜〜！ ありがとうございます！」 「だから、トモくん、聞き漏らさないように！」 「はっはっは！」 「ハハハ！」 午前０時。『旅の向こう』のレコーディング終了。 引き続き、最後の１曲、トモくん作詞・作曲の『新たなる一歩』の練 習を少し。 この曲を後日、録音したら、今回のＣＤは完成だ。 最後まで作詞で悩んでいるトモくんに、小室みつ子さんがアドバイス を送る。 「ここの『心から、ありがとう』のフレーズがいいから、無理に違う言 葉を作らないで、『心から、ありがとう』がいいですよ。 ここの部分の歌詞も…」 「うひゃあ！ １秒で言葉が浮かんじゃうんだ。すげー！」 こういうやりとりを見ているだけで、勉強になる。 午前０時３０分。関口和之くん、小室みつ子さんのお仕事はこれで終 了なので、時ならぬ記念撮影大会に。 実に和やか。
午前１時。帰宅。 余韻たっぷり。 またまた寝付けない。 眠れなくても、こんなにうれしい仕事は、なかなかない…。
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