５月３日（土）


　午前７時。東京は、雨。
　私の神通力も通ぜず。
　そういつもいつも晴れるわけがない。





　午前９時。嫁と、東京駅へ。
　傘を差して、東京駅に行くなんて、何１０年ぶりだろう？
　…と書いたら、過去の日記を検索しないように。
　２〜３年前年ぐらいにあったりして。
　でも本当に、記憶がない。

　東京駅は、人、また、人…。
　ゴールデン・ウィークの後半が、きょうからスタートなので、乗客が
多いこと！　多いこと！
　まっすぐ歩けない。
　人にぶつかりっぱなし。

　地下の「グランスタ」で、お弁当を買い、まだ時間が早いので「はせ
がわ酒店」で、にんじんジュースを飲む。
　あまりにもおいしいので、お代わり。

　東京駅地下２階のホームへ。

　しおさい３号に乗車。

　土居ちゃん（土居孝幸）がいた。
　さすがに座席は、バラバラ。
　まとまった座席を予約することができなかったらしい。
　ホームを見やると、井沢どんすけが降りてきた。
　くそ〜〜〜、寝坊しなかったなあ…。

　午前９時４０分。発車。

　岩崎誠からメールが入る。

「石川キンテツが、ホームを間違えて、乗り遅れた〜！」

　やった！　旅はこうでなきゃ！
　順風満帆の旅は、単なる移動だ。
　トラブルがあってこその旅だ。

　たしかに、この電車のホームの位置はわかりづらい。
　私も以前、間違えた。
　基本的に銚子までの電車は、総武本線だ。
　ところが、東京駅には、総武線・横須賀線方面の表示ばかり。
　千葉方面と横須賀方面って、正反対だ。
　おまけに「しおさい」の脇には「くろしお」「さざなみ」と、間違え
てくださいと言わんばかりの名前の電車名だらけ。

・しおさい
・くろしお
・さざなみ

　このわかりづらさを学んだおかげで、『桃太郎電鉄』のコマンドは、
わざと文字数、カタカナ、平仮名、漢字をばらつかせている。

→サイコロ
→カード
→お楽しみ
→その他

　読みやすいでしょ？　意外やこの路線の恩恵。
　どんなところにも、他山の石は転がっている。

　お弁当を食べる。

　私は、「門左衛門」の、串みそかつと、おにぎりのセット。
　嫁は、「門左衛門」の串重。

 



「門左衛門」というのは、どのお店かと思ったけど、住所は東京駅グラ
ンスタしか書いていなかった。
　グランスタ・オリジナルなのかな？
　次も食べてもいいくらい、おいしかった。
　駅弁じゃなくて、お弁当なので、生のキャベツが入っているのは新鮮。

　車中、『桃太郎電鉄２０周年』のテスト・プレイ。
　私は、ふうじんと、ガキでテスト・プレイしているので、井沢どんす
けがテスト・プレイしているときより、ＣＯＭキャラが比較的目的地を
めざす。





　車窓から見える雨が、どんどん激しくなってきた。
　岩崎誠は、きょうのイベント、私がいるので、端から傘を持って来な
かったそうだ。
　無謀なハゲだ。

　午前１１時３１分。終点、銚子駅に着く。
　駅の近くの喫茶店で、土居ちゃん、井沢どんすけ、岩崎誠と『桃太郎
電鉄２０周年』の打ち合わせ。

 



「ほら、さくまサンが仕事を始めたら、少し雨が弱くなってきましたよ」
「気のせいだよ。あっ。ほんとだ…」

　石川キンテツの到着がかなり遅れそうなので、タクシーで犬吠駅へ。
　銚子電鉄で行きたかったけど、ゴールデン・ウィークの銚子電鉄は、
乗車率２００％以上が当たり前だから。

　午後０時３０分。犬吠駅へ。
　またちょっと雨が激しくなってきた。

　おお！　犬吠駅の「しあわせ三像」のイヌの前に、特設ステージが出
来ていた。
　華やかでいいねー！

 



　犬吠駅構内の控え室に向かうと、おお！　富沢昭仁くんがいた！
「ええっ！　わざわざ来てくれたんだー！」
「ゴールデン・ウィークの家族サービスがてら来ました！」





　富沢昭仁くんと聞いても、ピンとこない人が多いと思うけど、『週刊
少年ジャンプ』の「ファミコン神拳」のカルロスだというと「ぎょええ
えええっ！」と興奮する男子、数人はいるでしょ。
　現に、井沢どんすけが興奮していた。
　あの頃、井沢どんすけは読者側だったから。

　控え室に行くと、テツandトモが待機中。

　さっそく、静岡県由比の「くらさわや」の桜海老の話をする。
「あれ、おいしいでっすよねー！」
「いやあ！　あんなおいしい桜海老は食べたことがない」
「熱海に残っていれば、あの桜海老が食べられたのに…」と、井沢どん
すけ。

　イベントの打ち合わせが始まる。

「あれ？　岩崎誠！　イベントの出演者のところに、私の名前と土居ち
ゃんの名前があるぞ！」
「えへへへ！」
「きょうは、テツandトモの応援で来ただけじゃないの？」
「この悪天候なんで、さくまサンに仕事してもらうと晴れるような気が
して！」
「この雨は、さすがに無理だろう…」
「いま外は霧雨程度になって来たので、最悪の犬吠駅構内でのライブは
回避できたので、さくまサンにもうひと踏ん張りしてもらえると…」
「どうやって踏ん張ればいいんだよ！」
「午後１時まで、仕事の打ち合わせをしていただければ…」
「あっ。そうだ！　井沢どんすけ！　『桃太郎電鉄２０周年』で、重大
なちゃぶ台返しが必要になって来たので、ちょっと来い！」

　午後１時。犬吠駅構内。
　不思議なことに、雨がやんで、曇り空になった。
「ほら！　やっぱり」と、岩崎誠がニコニコ。

 



「でもおかしいなあ。観客のなかに、雨男のなべちゃんこなべクンが来
ていないんだよ。彼が来てたら、この雨は彼のせいだけど。彼は前回の
銚子電鉄のときのイベントにも来てくれたから、きょうは来ないだろう。
　そういえば、井沢どんすけがスカパーで京都『藤むら』に来たとき、
雨が降ったぞ！」
「でも、井沢どんすけクンは、何回か銚子電鉄に…」
「来てないんだよ、こいつ！　東京駅のの出発時間が早いから！」
「そうか。初めてなのかあ！」
「ということで、きょうの雨は井沢どんすけのせいということで、丸く
収めよう！」
「勝手に決めないでくださいよ」と、井沢どんすけ。
「あっ。何だ。井沢どんすけ、いたのか！　あっ！　石川キンテツがい
る」
「やっやっやっや…！　１０分前に付きましたよ〜！　東京駅から鈍行
で３時間半ですよー！」

　会場には、さくまにあのみんなが、何人か来ていた。

　龍ヶ崎市・ベンジャミンくん、白井市・にしやん。クン、名古屋市・
新町征太臣くん、そして、なんと！　高木明光くんまで！

「高木明光くん！　まさか、きょう大阪から来たの？」
「朝、関西空港から、羽田空港に行って、東京駅の午前９時４０分発の
電車に間に合わせて…」
「私たちが乗った電車といっしょだったんだ！」
「１号車でした！」
「えらいなあ！　石川キンテツなんか麻布十番から、午前９時４０分の
電車に乗り遅れたというのに…」

　銚子電鉄社長さんの挨拶から始まって、いよいよテツandトモのミニ
ライブ。





　最初に、銚子電鉄と『桃太郎電鉄』との結びつきを話して、『菜の花
鉄道』をワンコーラス分だけ歌う。
　生歌で聴くのは、「ご当地グルメ・バトル〜桃鉄の旅」でここに来た
とき以来だ。
　あのときはまだＣＤ発売前だ。

　きょう聴いた『菜の花鉄道』は、もう何度も歌っているんだろう。
　こなれた感じで、生歌のよさがよく出ていた。
　隣りに座っていた土居ちゃんが「上手いなあ…」と、つぶやいたのは
同感。

 



　このあと、テツandトモのショートソング。
　替え歌だったり、有名な曲をひねって解釈したり、付け加えたり。
　またまた隣りに座っていた土居ちゃんが「テツandトモって、おもしろ
いねえ…」とつぶやいたのが、おもしろかった。





　テツandトモは、今年デビュー10周年。
　ちょうどいい具合に、お客さんの好みが１周して、そろそろテツandト
モの♪何でだろ〜が、おもしろく感じる周期に入って来ているような気
がする。

　最後に、『菜の花鉄道』をフルコーラスで、テツandトモが歌う。
　感動して、泣いているお客さんもいた。

 



　このあと、「歌合戦〜桃太郎電鉄２０周年記念アルバム」の即売会。
　この手の即売会というのは、だいたい３０枚ぐらい売れるらしい。
　なのに、なんと！　５０枚も売れちゃったんだって！
　シングルじゃなくて、ＣＤアルバムだからね！　すごいことだよ。





　特設ステージの前にいたお客さんたちは、１００人ちょっとぐらい
だったと思うから、半数近くが買ってくれたってことになる。
　私の弟子のイラストレーターのふるかわともこが、友達を連れて来て
くれた、なんと！　「歌合戦〜桃太郎電鉄２０周年記念アルバム」を、
５枚も買って行ってくれた。ありがとう！

 



　そういえば、明日から、「歌合戦〜桃太郎電鉄２０周年記念アルバム」
に収録されている５曲が、ジョイサウンドで、カラオケになって歌える
ようになるので、明日からは、ぜひみなさんが『菜の花鉄道』をカラオ
ケで歌ってください。

　午後２時から、２回目のステージ。
　さすがに１時間後のスタートなので、お客さんの半数ぐらいは１回目
にもいた人たち。
　この数を見るや、１回目とはまったく違うギャグを披露するテツand
トモは、プロフェッショナルだ。

 



『菜の花鉄道』のフルコーラスが終わって、また即売会。


即売会だけのオリジナルジャケット


　私と、土居ちゃんもサインしたけど、この日記では稀代の雨男として
有名な大和市・なべちゃんこなべが、『歌合戦』と、『セレクト★桃の
陣』を持って現れた。
「な〜〜〜んだ！　やっぱり今朝からの雨は、なべちゃんこなべクンの
せいか！　井沢どんすけレベルの雨ではないかと思った！」

『セレクト★桃の陣』で思い出したけど、ＤＶＤを買ってくれるのはう
れしいけど、レンタルで見たっていう人も、ぜひ感想メール送って来て
ね。けっこう東京のレンタルショップに入っているそうです。





　午後３時。このあと、犬吠駅の近くの回転寿司「島武」へ。

 



　犬吠駅を出て、右に曲がって、線路を越えて２〜３分の場所にあった。
　実はこのお店、「ご当地グルメ・バトル〜桃鉄の旅」のときに取材場
所にするかどうかで迷ったお店なのだ。
　あの番組、原則的に私が行って気に入って気に入ったお店だけを紹介
したいので、私が食べていなかったので、番組に登場させることができ
なかった。
　でも、食べたら、番組でつかえたな！と後悔するくらい、おいしかっ
た。

 



　メンバーは、私、嫁、土居ちゃん、岩崎誠、井沢どんすけ、石川キン
テツ。
　ちょっとあとから、テツandトモのふたりと、マネージャーの川田友
見さんも。

　ここの回転寿司、マグロとか、イカとか、新鮮でおいしかったよ。
　おまけに、「ご当地グルメ・バトル〜桃鉄の旅」のロケの最後のシー
ンで話題になった「漁師のプリン（伊達巻）」が、回転寿司のネタとし
て回っている。

 



　たぶん、テツandトモのふたりが忘れているだろうな！と思って、教
えにいくと「あっ！　あのときの！」「プリンみたいなやつ！」と、あ
わてて、お皿を取っていた。

　午後４時。そろそろ電車に乗らないと、帰りの電車に間に合わなくな
る。私、嫁、土居ちゃん、井沢どんすけ、石川キンテツは、再び犬吠駅
まで歩く。
　霧雨が降っている。





「仕事が終わったら、また雨が降ってきた！」
「だから、天候を私のせいにするのは、やめろ！」
「でも、本当にイベントのときだけ、曇り空になったじゃないですか！」

　午後４時１５分。犬吠駅から、銚子行きの電車に乗る。
　ちょうど桃太郎電鉄ラッピング電車がやってきた。
　ツアー客もいっしょに乗るようで、たった１両の電車は朝のラッシュ
アワーのようにぎゅうぎゅう詰め。

 



　午後４時３５分。終点、銚子駅に着く。
　東京行きの特急電車への乗り換え時間は、わずか３分。
　必死に跨線橋を登って、降りて、電車に飛び込む。
　ふい〜〜〜！と、ホッとしたら、電車が走り始めた。





　午後４時３８分。しおさい１４号東京行き。





　え？　乗り換え時間わずか３分しかなかったのに、何で石川キンテツ
は、電車が走りだすと同時に、アイスモナカを食べているんだ？
「やっやっやっや…！　アイスが好きなんすよー」
「石川キンテツ！　何でそんなに速くアイスクリーム食べるんだ？」と、
岩崎誠。
　確かに、猛スピードで、アイスモナカをぺろり。

　そこへ、車内販売のお姉さんがアイスクリームを売りに来たから、み
んな大爆笑！
　土居ちゃんが「石川キンテツ！　アイスクリーム、買ってやるよ！」
と言って、カップアイスを買って、石川キンテツ。

　そのカップアイスを「このカチンコチンのカップアイスって、おいし
んすよね！」と、何の迷いもなく食べ始める。

　昨年から、２０キロの減量に成功した石川キンテツであったが、この
ところ、リバウンドで、お腹がぽっこりして来た。
「石川キンテツ、どのくらい増えたんだ？」
「１０キロほど…」
「半分じゃないか！」
「やっやっやっや…！」

　その後、岩崎誠と新企画の打ち合わせ、土居ちゃんと井沢どんすけと
『桃太郎電鉄２０周年』の重大な方向転換の打ち合わせをしたら、完全
に雨があがって、夕陽が見えてきた。





「さくまサンが、仕事したからだあ！」

　午後６時２８分。終点、東京駅に着く。

　中央線の近くのコンコースで、みんなと別れる。
　実は、私はこれから、熱海に行く。
　そうだよ。一昨日、熱海から帰って来たばかりだよ。
　でも、私の高校時代の１年下の後輩が、昨日の夜から、熱海に来てい
るので、私だけ行くことにしたのだ。
　年に１回、このときじゃないと、なかなか会う機会が少ない。

　午後６時５６分。東京駅から、東海道新幹線こだま５８１号名古屋行
きに乗車。

　午後７時４５分。熱海駅で、下車。

　午後８時。海辺のマンションへ。
　マンションに着くのと同時に、「葵」で食事を終えた私の高校時代の
後輩・最上谷（もがみや）家族が、マンションに到着。

 



　午後８時２０分。海辺のマンションで、熱海の海上花火大会を見る。
　爆発音のような大きな音に、最上谷家族は、びっくりする。
　熱海は、山が海のすぐそばまで迫っているので、花火が山に反響して
こだまするから、音が大きいのだ。

　いつもなら、２０分ぐらいで終わるのに、３０分以上の大サービス。
　わざわざ最後は、無風で煙りが漂っているのが消えるのを待って、ダ
メ押しで、派手なやつをやってくれた。

  



　午後１０時。最上谷家族は、宿泊先へ。
　私は、熱海の温泉家に戻る。

　ほんとど最近、この家が自宅だよー！
　しかし、銚子から、熱海へ。
　きょうも弾丸ツアーだ。

　でも、きょうはテツandトモの『菜の花鉄道』を聴きに行ったような
ものだから、全然疲れ知らず。
　土居ちゃんと、井沢どんすけと、『桃太郎電鉄２０周年』の重大な
軌道修正も打ち合わせすることが出来たから、充実。
　でも、明日からの仕事量は、膨大な。
　しばらく、ひとりで熱海に滞在。



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