2月14日(木)

 午前7時。腱鞘炎は、悪化する一方。  極力キーボードをつかわないいようにしているんだけど、取材疲れが 出てきているようだ。

 午前9時。私、嫁、土居ちゃん(土居孝幸)の3人は、鹿児島高速バス ターミナルの前にある「おもちの味覚屋」へ。  4年前に鹿児島に来たとき、非常に気に入ったお店だ。  お醤油を染み込ませて鉄板で焼くお餅が抜群においしいのだ。  バスターミナルのベンチに座って、醤油焼き餅を食べる。

「うん。これ、うまいな!」 「絶対、土居ちゃんが好きな味だとおもっていた」 「煮玉子、買ってきます!」  ありゃ。土居ちゃんが煮玉子を買いに行っちゃったよ。  この煮玉子、たれに漬け込んだものを、網で焼く。ただの煮玉子では ないのだよ。  さっき、お餅といっしょに買おうか悩んでいたのだ。  土居ちゃんが戻ってきた。 「さっき後ろにいたおばちゃんが、煮玉子をぜんぶ買い占めちゃったっ て!」 「えっ!? 10個ぐらいあったよね!」 「いまから新しいのを作るので、後で来てくださいって!」 「人気あるんだねー!」  そのまま駅前市場のテント村へ。

 4年前にも来た「鶏飯屋じゅん坊」。  奄美大島の名物料理、鶏飯が食べられるお店だ。  全員、鶏飯、450円を注文。

 450円で、この盛りだくさん。  いもの天ぷらまでついていた。  おいしいけど、寒い。  きょうは日本全国が、爆弾低気圧のせいで、雪だらけの天気。  いくら鹿児島が暖かいといっても、いまにも雪が降りそうな空模様。  そこで地面の上にテーブルが置いてあるお店での食事は、寒いよ。  鶏飯(けいはん)の温かいスープでも、身体温まらず。  食後、市場を見て歩く。  大きな壺で、安納イモを吊るしながら焼き芋にしていた。  もちろん、買う。  安納イモは、種子島の名産のサツマイモだ。

 種子島では、こういう風に吊るして、焼き芋にするそうだ。 「壺焼き」という方法らしい。  この「おもちの味覚屋」、「鶏飯屋じゅん坊」界隈の雰囲気を前回の 取材のときに気に入って、『桃鉄16』の鹿児島の物件、駅前市場にな った。  午前10時20分。鹿児島中央駅へ。  駅構内のお土産物屋さんでも、いくつか『桃鉄』の物件になったらい いなというような食べ物を購入。

 午前10時40分。鹿児島中央駅から、なのはなDX3号に乗車。  名前のとおり、菜の花のように明るい黄色の電車だ。

 3両編成。  座席の背もたれが、全面的に木製になっている非常におしゃれな内装。  九州には、こういうデザインのいい電車が多い。  おなじ人がデザインしているらしい。  沿線は、さぞや菜の花だらけなのかと思いきや、ずっと住宅地のなか を走る。  さっそく、朝市と駅で買ってきた戦利品を買ってきて、品定めのため の試食会。

・かるかん饅頭 ・串木野のいも天 ・「おもちの味覚屋」の煮玉子 ・安納イモ ・かすたどん ・桜島小みかん ・薩摩バウムクーヘン  かるかん饅頭は、こんなに皮がしっとりしていると思わなかった。

 いままで私が食べてきたかるかん饅頭は、皮がパソパソだったぞ。  鹿児島に、かるかん饅頭をずっと登場させなかったことをちょっと 後悔した。  串木野のいも天は、4年前にも食べておいしかったので、また買った だけ。土居ちゃんは初めて食べる。 「おいしいね、これ!」

「おもちの味覚屋」の煮玉子は、鶏飯(けいはん)を食べた後に、忘れ ず買いに行ったのだ。

 この煮玉子は、本当においしい。  ラーメンのくんたまに似ているけど、味の深みが違う。 「おもちの味覚屋」は、今後も鹿児島に行ったら、絶対食べに行く場所 として、認定だ。  安納イモのおいしさには、びっくりしたねー。

 サツマイモに対して、おいしいときに「ほくほくとした」という言い 方があるけど、まさにこの安納イモのためにある言葉のような気がした。  かすたどんは、仙台の「萩の月」に似ているけど、カスタードの質が いい。

 驚いたのは、桜島小みかん。  直径わずか4〜5センチ。  ほとんどゴルフボールの大きさ。

 なのに、これが、甘いのなんの!  糖度13度以上というから、スイカの甘さ。  いままで知ってるミカンの甘さを全否定するような甘さだよ。  間違いなく、『桃太郎電鉄KYUSHU』の臨時収入の目玉は、桜島小みか んだな。

 午前11時35分。指宿駅で、JR指宿枕崎線に乗り換える。  あっという間に、1両列車。

 沿線に菜の花畑が少しずつ増えてきた。

 なのはなDXの名称は、こっちのほうが似合っている。  土居ちゃん(土居孝幸)と、『桃太郎電鉄20周年(仮)』の打ち合 わせ。  このところ、絶好調の土居ちゃんが、また画期的なアイデアを出した。 「土居ちゃん、4年に一度のビッグ・アイデアから、まだ1ヶ月経って いないよ。これはもう、いよいよ『桃鉄』も最後かな?」 「線香花火の最後の輝き?」 「はっはっは!!」 「ハハハ!」  鉄道ファンにはおなじみの西大山駅に停車。  長いこと、最南端の駅として雑学の本に君臨してきた駅だ。  ホームに「JR最南端の駅」とある。

「JR」の文字が明らかに書き加えてあるのは、沖縄に「ゆいレール」 が開業してしまったため。  午後0時53分。終点、枕崎(まくらざき)駅に到着。  えっ? 運転士さんが、キップを回収?  うううう…。ホームに降りると、風が冷たい。  鹿児島県で今回ぐらい寒さを味わったのは、初めてだ。  ええええええっ!  駅舎がないの〜〜〜?  待合室もない!  無人駅〜〜〜?  だから、さっき運転士さんが車両内で、キップを回収したのかあ!

 終着駅が、無人駅とは驚いた。  2006年までは、駅舎もあったようだ。  ただし、元の駅の場所は、スーパーマーケットに売却してしまって、 いまの無人駅は鹿児島寄りに無理やり作ったそうだ。  JRの最南端の路線の終着駅としてはわびしすぎるなあ…。

 3年前に来ていれば、枕崎駅の駅舎も見ることができたと思うと、ち ょっとくやしい。  午後1時。枕崎市かつお公社へ。

 カツオ節を作るところを見学できる。

 冷凍されたカツオをノコギリのような刃で切るのを見ると、ちょっと でも気がゆるんだら、とんでもない事故になるなあと心配になる。

 午後1時20分。歩いて「お魚センター」へ。

 枕崎のお土産が揃う。  でも、カツオ関係のものばかりだ。

 どうも、無人駅の枕崎駅に対するショックが大きい。  枕崎で1軒、食事の場所に予定したお店があったんだけど、電車のな かでの物件候補試食が、意外に重く、みんなお腹が減っていない。 「土居ちゃん! 予定を変更して、明日行くはずだった知覧(ちらん) 町に行こうか?」 「近いんですか?」 「たぶん、タクシーなら30分ぐらいの距離だとおもう」 「だったら、行っちゃいましょうか!」 「行こう!」  タクシーを呼んで、知覧町に向かう。  私は疲れが出てきて、車中、ぐっすり。  ふと目が覚めると、お茶畑の景色が増えてきた。

 知覧茶畑だ。  午後2時15分。知覧(ちらん)町の「知覧特攻平和会館」へ。

 太平洋戦争末期、1000人以上の若い兵士たちが、爆弾搭載の飛行 機もろともアメリカの軍艦に突っ込んで行ったあの特攻隊たちの遺品や 関係資料を展示している。  戦争の話題になると、何を言ってもナーバスになって、言葉尻をとら えて文句を言ってくる人が多いので、あまり多くを語りたくない。  でも、20歳前後の兵士たちが、みんな達筆で、立派な辞世の言葉を 残しているのを見ると、何で「特攻作戦」が無謀だということに日本軍 の上層部がもっと早く気づかなかったのかとおもう。  1000人を越える犠牲者を出すのは、あまりにも無策に過ぎた。  大いなる迷惑だ。  それにしても、知覧特攻平和会館は、想像していたよりもはるかに大 きくて、広く、資料がたくさん展示してあった。  どのお客さんも真剣に、特攻隊の兵士たちの手紙をじっくり読んでい て、なかなか列が進まない。  隣りにあった知覧ミュージアムを見て、特攻隊の兵士たちが寄宿して いた三角兵舎などを見たころには、私の足はもうへとへと…。  土居ちゃんは、毎週バスケットをやっているだけあって、健脚だ。

 午後3時30分。知覧の武家屋敷群へ。  いきなり土居ちゃんがあわてたように、道路の向こうの売店に入って いく。 「どうしたの、土居ちゃん?」 「武家屋敷の入園料のチケットを買ってきた」 「えっ、何で? 武家屋敷の入り口にアーチも、何もないじゃない」 「だから、ここで券を買って入るって、ガイドブックに書いてあったよ」 「入り口と、売店まで、距離ありすぎじゃない。みんなお金払わずに入 っちゃうんじゃない?」 「でも、券を買わないと、それぞれの庭園を見ることができないみたい ですよ」 「あ、なるほどね」

 といいながら、武家屋敷群を見ていくと、別に券を見せなくても庭を 見ることができる屋敷ばかりだった。

 明治維新の西郷隆盛が登場するような本を読んでいると、薩摩武士と いうと、非常に貧しくて粗末な家に住んでいたイメージがある。

 その点、この武家屋敷はどの家も、かなり高級武士たちの家だったよ うだ。  枯山水の庭がいくつもあった。

 しかし、2月のオフ・シーズンなのだろう。  観光客がほとどいなくて、し〜〜〜んと静まり返って、誰も歩いて いない様はちょっと不気味。

 フジテレビ『世にも奇妙な物語』の世界に紛れ込んだみたいだ。  ♪タリラリラン、タリラララン!  門をくぐると、屏風岩と呼ばれる目隠しの大きな岩があったりして、 薩摩藩が、琉球との交易が密だったことが伺える。

 午後4時。武家屋敷群のなかで、休憩できる家があったので、とりあ えず入る。

 私の足もすでに、限界だ。

 知覧特攻平和会館が想像以上に大きく、この武家屋敷は全長800m。 家を覗いて歩くと、1キロメートルになるという。  そんな距離を歩けたほうが、私にとっては快挙なのだが、快挙の後も 歩き続けるのには無理がある。  全員、あくまきと、知覧茶のセット。200円。

 いつも鹿児島に来て、あくまき(灰汁巻)を食べないといけないと思 いながら、あの大きさにしり込みして、敬遠してきた。  ミニサイズなのでやっと食べることが出来た。  へえ〜。黄な粉をまぶして食べるのか。  思ったより、甘さもくどくなくて、おいしい。  それより、知覧茶がおいしい。  香りもよくて、深みのある味わいだ。

 武家屋敷群を通り抜ける頃には、もう私はまったく動けなくなる。  カバンを嫁に持ってもらうくらい疲労してしまった。  午後4時30分。知覧町を出発。  私はまたほとんど車のなかで寝ている状態。  疲れ果てた…。

 午後5時30分。鹿児島天文館の「六白(ろっぱく)」へ。

 六白豚のキャベツ丼。

 六白豚というのは、4本の足と鼻と尻尾が白い、6ヶ所が白いので、 六白豚というそうだ。  今回の鹿児島取材で、絶対土居ちゃんに食べてもらいたかったのが この六白豚のキャベツ丼と、駅前市場のお餅。  ソースの香りがぷうん!と、食欲を増し、まるで牛肉を食べている ような錯覚に陥るくらいダイナミックな味だ。  午後7時。食後、土居ちゃんが「さくまサン! きょうも、氷白くま のお店に行くのかな?」と言い出す。 「私は、いつでもOKだよ! ハハハ!」 「だったら、行きましょうか? 場所わかります?」 「たぶんこっちだとおもう」  恐ろしいことに、まったく迷うことなく氷白くまの「天文館むじゃき」 に着いてしまった。

 本当は1Fの「むじゃき」は「むじゃきっこ」というのが、正式名称 のようだ。  ビル自体は「むじゃき」なので、どうしても「むじゃき」のまま暗記 してしまっている。  どのガイドブックを見ても、「むじゃき」のままだ。  最近、名前が変わったのかも。  きょうの私は、ミルク金時。ミニサイズ。  嫁が、コーヒー白熊。ミニサイズ。

 土居ちゃんは、南海の黒熊。

 土居ちゃんのだけ、ミニサイズがなかった。 「し、しまった!」  土居ちゃんはすぐ頭がき〜〜〜ん!となってしまうので、大きいサイ ズだと、よけいにきつい。  嫁のコーヒー白熊は、熱海網代「間瀬」のコーヒーミルクのカキ氷の 味に似ていていいなあ。 「さくまサン! ところできょうはバレンタインデーだけど、石川キン テツは、チョコレートもらえたのかな?」 「ハハハ! メールしてみようか?」  どうせなら、氷白くまの写真も貼付してあげよう。 「これが鹿児島の物件、氷白熊だ! ところでチョコレートもらえた?と 土居ちゃんが言ってます」  すぐメールが帰ってきた。 「あ、氷白くまですか! 天文館にある、むじゃきって店でボクも何度 か食べたことあります。  今日はバレンタインですね。ボクは…何日か前に親から荷物が送られ て来て、その中にオカンからのチョコが入ってました…。  今年は、それだけです(泣)。  ちなみに今日は、キャバ嬢たちから『バレンタインチョコを渡したい からお店に来て!』という営業メールがたくさん来て困ってます(笑)。」  石川キンテツ、期待を裏切らないなあ…。ハハハ!  帰り際に、お店の若い従業員の男の子に「昨日もいらしてくれた方で すよね」と言われた。 「はい、そうです!」  若い男の子なのに、この応対はえらいなあ…。  午後8時。城山観光ホテルに戻って、温泉に入って、さっさと就寝。  きょうは、歩きすぎた…。

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