1月29日(火) 東京は、雪が降りそうで、降らない。 午前11時30分。嫁と、青山骨董通りの「スモーキー」へ。私も嫁も、ソーセージ・ランチ。
嫁が、サイドメニューのカレーを注文。
欧風カレーで、ちょっと酸味のある味で、おもしろい。 午後1時。帰宅。 札幌開発スタッフTeam Kawadaの川田忠之くん、込山勉くん、小坂晃弘 くんが到着。 すぐ後に、土居ちゃん(土居孝幸)も到着。 まずは、みんなに『桃太郎電鉄20周年記念CD』の録音済みの4曲 を聴かせる。 「うわっ。若槻千夏さん、歌上手いですねー!」 「若槻千夏ちゃんの曲聴かすと必ず、歌が上手いって驚くなあ!」 「正直言って、若槻千夏さんがそんなに歌が上手いイメージじゃないと 思っていたので…」 「上手いんだよ、ほんとに!」 「クロちゃんだ! クロちゃんだ! 『怪傑ペペペマンの歌』、ぴった りですねー!」 「クロちゃんも、歌上手いですねえ!」 「歌手志望だったからね! 松竹芸能へは歌手として本人は入ったつも りなのに、いつのまにか安田大サーカスに入っていたそうだから」 「ここですね、日記に書いてあった、♪ペペペペペ ペペペペペ 横断 歩道は ペペペペペ 右を見て 左見て 上へ飛んでくペペペマ〜〜〜 ンの部分は!」 「クロちゃんの声と、ペペペマンの声、ぴったりですね!」 「ケンドーコバヤシさんのキングボンビーの声、いいですねー! セリ フが格好いい!」 「ケンコバは、自分でハーモニー部分を歌っていて、なんと2オクター ブ半も声が出たんだよ! あんなに高い声も出ると思わなかった!」 「えっ? これ、ほんとにテツandトモなんですか? いい曲だなあ! ほんとにコブクロみたいだ!」 「テツandトモが、ジャージじゃない衣装でこの歌を歌ったら、ヒット しそうですよね!」 「名曲だよ。実は最初、関口和之くんに、ショッカーO野ゲームの銚子 電鉄の曲のロングバージョンを注文して、あまりにも素晴らしい曲があ がって来て、これは小室みつ子さんに頼むしかないと思って、小室みつ 子さんの登場が決まったんだよ!」 「さくまサン、うれしそうですねー」 「うれしーねー!」 「もともとさくまサン、音楽プロデューサーで、作詞家で、歌手ですも んね!」 「も〜〜〜、うれしいなんてもんじゃないよ〜! これだけ手ごたえを 感じる仕事って、一生を通じて、1回あるかないかって感じだ!」 「『ジャンプ放送局』とか、『桃太郎伝説』並みってこと?」 「うん!」 「あと1曲で、完成ですよね!」 「そうなんだよ、あと1曲!」 きょうは自宅にて、『桃太郎電鉄20周年(仮)』の打ち合わせ。 最初に、込山勉くんがマップの作り方について、新しい方法を試して みたので見てほしいという。 どのハードかまだ発表できない。 込山勉くんにPS3の前で、右手にWiiリモコンを持たせて、左手に DSを持たせて写真を撮らせようかという冗談も出た。 でも、そんな冗談より、打ち合わせが先! 「うん。いい感じだよ! いいね、このマップ!」 「あ〜〜〜、よかったああああ…!」 川田忠之くんが、胸をなでおろす。 開発側にとっては、マップがこの線で行くと決まらないかぎり、この 先の作業を進めて行くことができなくなる大問題なのだ。 ちなみに、昨年12月の会議では、私はボツを言い渡してしまった。 だから、札幌開発スタッフにとって、私がOKを出すか出さないかは、 大問題だったのだ。 突然、土居ちゃんが「このマップをつかって、こんなミニゲームが作 れると思わない?」 「えっ!? あっ、出た! 土居ちゃんの豪快な一発長打!」 土居ちゃんは、ふだんゲームの内容についてはそんなに率先して発言 する人ではないのだが、3〜4年に一度、『桃太郎電鉄』の流れを変え るような爆弾発言をする。 ペペペマンも、昔、ペプシマンが流行っていたとき、土居ちゃんが、 うっかり「ペペペマン!」と間違えたのが、大爆笑となって、ゲームに 登場することになった。 『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の漫画を知っている人なら、よくわ かるたとえだと思うが、連載中4年に一度オリンピックのときだけ登場 して、驚異的に仕事をまた寝てしまう日暮(ひぐらし)さんのようなの だ! 奇しくも今年は、おなじオリンピックの年だ。 この土居ちゃんの場外満塁ホームランが、契機となって、前回込山勉 くんにボツを食らわしたミニゲームの修正方法を、私が電撃を浴びたか のように浮かんでしまった。 続いて、小坂晃弘くんが、ゲームの導入部分での新しいコマンドの流 れを提案してきて、これがまた素晴らしい! 「どうしたんだ! きょうはみんな、冴えてるぞ!」 「すごいですよね!」 「土居ちゃんのビッグ・ヒットのせいだ! 土居ちゃん、お手柄!」 「まあ、また3〜4年出ないと思うけどね! ハハハ!」 午後3時30分。あまりにも、とんとん拍子で打ち合わせが進んだの で、喫茶店「らぴす」サンで、コーヒー・ブレイク。 込山勉くんだけ、ココア。 「あれ? 込山勉くんのココアに、お餅入っているの?」と、土居ちゃん。 「土居ちゃん! ココアに入っているの、マシュマロだよ!」 「あっ、そうなの。込山勉くんだから、お餅だとおもった!」 「いくら、込山勉くんがお餅好きだからって!」 「それじゃ、ココアぜんざいだよ!」 午後4時。家に戻って、『桃太郎電鉄HOKKAIDO』の打ち合わせ。 きょうは、みんな絶好調なので、またしても、予定していなかったイ ベントが浮かんで、『桃太郎電鉄HOKKAIDO』に加えることになった。 どうしたんだろう。本当に絶好調だ! 「線香花火の最後の輝きかも!」 「『桃鉄』だから、最後っ屁かも!」 「はっはっは!」 午後5時30分。放送作家の福本岳史くんと、石川キンテツが到着。 みんな揃って、近所の八丈島料理「はっとりセカンド」へ。
実は、きょう、これから『桃太郎電鉄20周年記念CD』の最後の レコーディングなのだ。 「午後7時に、陣内智則くんのレコーディングが始まるから、早く食べ てねー!」
「あのー、この鮭とイクラの丼って、食べていいですか?」と、石川キ ンテツ。 「いいよ。ほかに、鮭とイクラの丼、食べたい人いる!」 「はい!」 「はい!」 「はい!」
「何だよ! 左から、込山勉くん、石川キンテツ、福本岳史くん、見事 なばかりに丼が似合うやつらじゃないか!」 「しかもこの3人、微妙に着ているものまで似ていますよ!」 「はっはっは! ほんとだ!」 鮭とイクラの丼が来た。 「じゃあ、みんな、丼を持って、こっち向いてー!」
「はっはっは! いい絵だ!」 「素晴らしいスリー・ショットですね!」 「丼(どんぶり)トリオだ!」
そこへ、岩崎誠から電話が入る。 「えっ? 陣内智則くんが1時間早くスタジオに来ちゃったって!?」 「ひえええええっ! みんな早く食べろ!」 「いっぱい注文しちゃってますよ!」 「とにかく、必死で食べろ!」 「石川キンテツ、いつのまにコーラを3本飲んでるんだ!」 「やっやっやっや…!」
午後6時40分。みんなであわてて、ビクタースタジオに走る。 急げ! 急げ! 急げ! スタジオに入ると、ちょうど陣内智則くんが、すでにレコーディング し終わった4曲を聴き終えたところ。 「さくまサ〜ン、ボクもテツandトモさんの『菜の花鉄道』、歌いたか ったなあ!」 「はっはっは!」 「みんな、むちゃくちゃ、いい曲ばかりじゃないですか! 若槻千夏ち ゃん、歌上手いし!」」
「陣内智則くんは、やっぱり『桃鉄』のCM曲、ゲームではオープニン グ曲の『それいけ!桃鉄』しかないでしょう!」 「でも、この歌詞、何っ! ♪桃鉄、桃鉄、桃鉄、桃鉄、桃鉄〜〜〜っ て、桃鉄ばっかやないですか!」 「陣内智則くんが、歌いやすいと思って!」 「バラード歌わせてくださいよ!」 「このCDが成功したら、次はバラード歌わすから!」 「約束ですよ!」 録音ブースに入った陣内智則くんが『それいけ!桃鉄』を歌い始める。
私が「困ったなあ! CMで歌いなれたせいか、陣内智則くん、歌が 上手くなっちゃてる!」というと、みんな大爆笑!
放送作家の福本岳史くんが「さくまサン! このメンバーのスケジュ ール、どうやって組んだんですかあ!」という。 「さすが、福ちゃん、業界人! このメンバーを揃える奇跡をわかって くれるねー!」 「絶対ありえないですよね?」 「大変だったよ〜!」 「陣内智則さん、ケンドーコバヤシさんは、吉本だけど、ほかのみなさ んは、別の事務所ですからねー!」 「安田大サーカスにいたっては、吉本のライバル会社の松竹芸能だ。し かもCDの発売元は、よしもとアール・アンド・シーだ!」 「信じられない!」 「しかも若槻千夏ちゃんがアメリカに行く前日しか、レコーディングで きる日がなくて、小室みつ子さんには、わずか4日で、作詞をしてもら った。テツandトモの『菜の花鉄道』のレコーディングの翌日から、小室 みつ子さんは、オーストラリアにでかけて、私、土居ちゃん、テツandト モの3人は、途中で1週間佐世保→長崎のロケでレコーディングをスト ップさせちゃったし!」 「ずっとその経過を日記で見て知ってますけど、奇跡的ですよ!」 陣内智則くんの歌入れは、順調に進んだ。 本当に歌う度に、上手くなっていく。 ヴォイス・ディレクションの村上さんの指示が的確らしい。 クロちゃんが、村上さんのおかげでちゃんと歌えたって言っていた。 陣内智則くんだから、ナレーションも入る。 しゃべりなので、陣内智則くんが自分でダメを出す。 池毅さんの「歌のほうは、何も言わないのに、しゃべりの部分は自分 から、直しを要求するんだ!」に、またまたみんなが大爆笑!
みんなが「OKです!」と言ってるのに「『なんやねん!』って言っ てるのが多いので、こことここの『なんやねん!』を減らしてください。 ここは、前のテイクのほうがいいので、後半のテイクとくっつけてくだ さい!」 「陣内智則くん、最後にひとこと何か言ってくれる?」 「はい。わかりました!」 「うわ〜〜〜! わかりましたって言って、すぐこの場でアイデア出ち ゃうだ! すごいですねー、さくまサン!」 「陣内智則くんだかあだよ! こんなアドリブ、ふつうのお笑いの人で は急に出ないよ!」 「すごいなあ!」 午後10時。めでたく、レコーディング、終了! パチパチパチッ! パチパチパチッ! 拍手が、巻き起こる! みんなうれしそう。 「せっかくだ! 記念撮影をしよう!」 「石川キンテツ、何でいつもレコーディングのときにいるんだ?」と岩 崎誠。 「関係者風ってことで…」 「おまえは、無関係者だ!」 「やっやっやっや…!」
昨年の12月20日。渋谷の東武ホテルで、関口和之くん、池毅さん、 小室みつ子さんが緊急で集まって、突如として『桃太郎電鉄20周年記 念CD』を作ることになって、年末年始を挟んで、ほぼ1ヶ月。 短期間でレコーディング完了! 何てスピードなんだ! 本当に、ミラクル! ミラクル! ミラクル!だよ! 陣内智則くんのレコーディングも予想をはるかに越える出来だったの で、曲順も、CDの題名も正式に決まった。 「歌合戦〜桃太郎電鉄20周年記念CD」 1:それいけ!桃鉄〜紅白バージョン 作詞・さくまあきら 作曲・池 毅 歌・陣内智則 2:怪傑ペペペマンの歌 作詞作曲・関口和之 歌・安田大サーカス 3:ボンビー・モンキーだモーン! 作詞・小室みつ子 作曲・池 毅 歌・若槻千夏 4:キングボンビー賛歌 作詞・さくまあきら 作曲・関口和之 歌・ケンドーコバヤシ 5:菜の花鉄道 作詞・小室みつ子 作曲・関口和之 歌・テツandトモ 豪華さが、想像つくでしょ? それぞれ、1曲ずつシングル・カットしてもいいような曲ばかりだよ。 発売元は、よしもとアール・アンド・シーから、3月26日発売だよ! 品番号は、YRCN-95010。 お値段、なんと! 1500円! お買い得だよ! アマゾンとかで、もう予約できるんじゃないかな? 午後10時30分。帰宅。 興奮が、冷めない! ああ! もう本当に、し・あ・わ・せ。 こんなすごいCDを作れたなんて、どう喜んでいいかわからないよ。 言葉にできない。 文筆業が、言葉にできないんじゃしょうがないけど、本当にうれしす ぎると、何も浮かばないよ。 とにかく、お風呂に入って、笑いを噛みしめよう…。
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