11月15日(木) 午前7時30分。ガバッと目が覚める。 取材旅行の朝は、でかける2時間前には、目が覚めるのに。 午前8時15分。荷物をまとめて、嫁と家を飛び出す。 東京は暖かい。 コートは持ってきた。 東北地方は、曇りのち雨の天気予報で、気温は2度だという。 今月は旅だらけだから、私だって旅行中雨に会うことも証明してみたい。 午前8時30分。東京駅へ。 青森からの帰りのチケットを購入。 午前8時56分。東京駅から、東北新幹線はやて・こまち9号秋田行 きに乗車。 東京駅構内の「旨囲門(うまいもん)」で買った駅弁・小田原の桜海 老とじゃこの海物語、880円を食べる。 意外とうまい。 桜海老が甘く煮てあるので、駅弁向きの味。 じゃこも、さんしょが強くないのでよかった。 四番バッターじゃないけど、1、2番コンビに最適の味。この小田原の桜海老とじゃこの海物語は、嫁とふたりで1個食べた。 なぜなら、嫁が太秋柿を剥いてきてくれたからだ。 一昨日の「銀座熊本館」で買って、食べるヒマがなかった。
あいかわらずシャキシャキとした、シャープな味だ。 太秋(たいしゅう)柿を食べると、冬が近いんだなあ…と思う。 車中、『桃太郎電鉄20周年(仮)Bタイプ』の仕様書作り。 仙台を過ぎたあたりから、雨雲が出てきた。 天気予報通りだ。
カードのアイデアのフォルダに、あまりにもバカバカしいうんち系の カードがあったので、本採用することにした。 自分で考えたネタだと思うけど、、20年もこのゲーム作っていると 自分のアイデアでさえ覚えていない。 そのカードの名前は「だっぷんだあカード」。 午前11時20分。盛岡駅で、新幹線はやてと、こまち号の切り離し。 雨がぽつぽつ降ってきた。 午後0時56分。終点、秋田駅に到着。 盛岡から、1時間半以上かかるんだねー、秋田まで。 新幹線こまちは、単線。 うう〜〜〜! さむい〜〜〜! 秋田は、きょうから劇的に寒くなったそうだ。 雨はあがった。
ずいぶん、駅前のイメージが変わった。 大きな自由通路が出来たせいだな。 午後1時15分。荷物を持ったまま、大町1丁目の「無限堂本店」へ。 このお店のお昼の営業時間が2時までなので、急いだ。
この「無限堂本店」で食べると、「佐藤養助」、「寛文五年堂」、 「無限堂」の三大いなにわうどん屋さんを制覇したことになる。
私は、比内塩だし玉子うどん。 嫁は、無限うどん。
無限うどんは、塩と胡椒のスープで、馥郁たる味。 三大いなにわうどんの「佐藤養助」、「寛文五年堂」、「無限堂」は、 どれもスープが違って、どれもおいしい。 その日食べたものによって、おいしいランキングが変わりそうだ。 どのお店も、いなにわうどんののど越しのよさは、格別。 「三大○○○」の3番目は、かなり上位ふたつとは格が落ちるのが通例 なんだけど、いなにわうどんに関しては、3軒甲乙つけ難し。。 「ギバサ」という耳慣れないメニューがあったので、注文してみる。
めかぶのような海草で、シャリシャリした食感なのに、ねばねば、ぬ るぬるしている。 ほぼ秋田地方だけでしか見ることのできない海草のようだ。 別名の「銀葉草(ぎんばそう)」が、ギバサと訛ったのが語源とか。 午後2時。「ねぶり流し館」へ。 また雨が降ってきた。
東北三大祭りのひとつ「竿灯祭り」を伝える館だ。 「竿灯祭り」なのに「ねぶり流し」なのは、何でだ? 館の人に聞くと「ねぶり」というのは「眠い」に通じる単語で、昔は 眠くなると、病魔や邪気が入ってくると言われていたので、眠気を吹き 飛ばすお祭りということで、「ねぶり流し」という行事があったそうな のだ。 江戸時代には、すでに長い竿を十文字にして、灯火を数多く付けて、 太鼓を打ちながら町を練り歩く風習はあったそうだ。 この十文字に組んだ竿のことを「若(わか)」といって、大きさに よって、大若(おおわか)、中若(ちゅうわか)、幼若(わか)などに 分かれる。 大若(おおわか)は、重さ50キログラム、12メートル。提灯の数 が、24個。 いかに大きいかは、毎年のニュースで知っていたつもりでも、これを 「肩」「平手」「腰」「額」などで支えるのは、初めて知った。 なかには、顎(あご)で、バランスを取って、支える人もいるらしい。 人間っていうのは、どこまでチャレンジャーなんだろうね。 「顎」で、24個の竿灯が持てたところで、そんなに偉くないけど、で きるかな?と思ったことをやってみる好奇心はえらいよね。
館内の映像では、落としそうになって、竿がぐい〜んとしなっている 場面があった。 そうだよねー。落とすよね。 子ども用の小さな竿灯は、これなら子どもでも持てそうで、かわいい。 ペットボトルを並べたのも微笑ましい。
青森のねぶたは、なかに電球が入っている。 秋田の竿灯は、提灯なので、なかに入ってういるのはローソク。 だから、ニュース映像の灯は、ゆらめいているんだね。
ちなみに、ローソクなので、竿灯を落として、燃えることがけっこう あるらしい。 ほかにも、土崎港の「曳山まつり」なども、この館では見ることがで きる。
「ねぶり流し館」 住所:秋田市大町一丁目3番30号 電話:018-866-7091 FAX018-866-7095 開館時間: 観覧時間 9:30〜16:30 休館日:年末年始
「ねぶり流しの館」の旧金子邸を見る。 江戸時代の豪商の家。 床が昔の三和土(たたき)のまま。 嫁のハイヒールが刺さるそうだ。雨のなか、次の目的地をめざす。 傘を差すほどの雨ではない。 でも、寒い。
おかけに、どういうわけか旅行かばんに、マフラーと帽子を入れ忘れ た。今朝、入れたはずなのになあ…。 ファッションビルで、マフラー購入。 お店の人も「昨日まで暖かったのに、きょうになって急に寒くなった んですよ」と言っていた。 午後3時。「赤れんが郷土館」へ。
古い銀行を改造した郷土館で、展示物よりも、建物がよかった。 蔵とか、大きな金庫とか、そのまんま銀行跡として保存すればよかっ たように思う。
「秋田市立赤れんが郷土館」 住所:秋田県秋田市大町3-3-21 電話:018(864)6851 開館時間:午前9時30分〜午後4時30分 休館日:年末年始(12月29日〜1月3日)
午後4時。「アトリオン」地下の「県産品プラザ」へ。 何たって、私の取材源は、観光物産館だ。しかし、「ねぶり流し館」でも、この「県産品プラザ」でも、竿灯祭 りと、なまはげのDVDが品切れだったのは、いかがなものか。 来年の夏まで売れないから、あわてて仕入れることないとでも思って いるのだろうか? 今年も、夏に秋田に来て、おばあちゃんが道端で売る「ばばへらアイ ス」を食べることができなかった。 東京の物産展やお店とかで食べたことはあるんだけどね。 夏に現地で、味わってみたいよ。 悔しいので、アイスキャンデー・タイプのばばへらアイスを買う。
ほかにも、あれこれ買って、ホテルに戻ったら、試食だ。 こんなことしているから、ヘモグロビン値が上昇する。 でも、捜査中の刑事さんのように、しかめ面で「仕事ですから…」と いうしかない。 戦利品のなかでは、土田牧場のジャージーヨーグルトが、かなりおい しかった。 新郷村の飲むヨーグルトと出会ってから、旅先で必ず飲むヨーグルト を買うようになった。 でも最初に飲んだ新郷村の飲むヨーグルトを越える味には出会えない。 突然どこかで出会えることを夢見て、きょうも飲む。 午後4時30分。秋田キャッスルホテルにチェックイン。 けっきょく、傘を買わずにすんだ。 あいかわらず、晴れ男だ。
午後5時30分。秋田料理「ちゃわん屋」へ。
いかにも音楽業界の人たちが、ライブ後のアーティストを連れてくる ような居酒屋さん。 木村カエラさん、レミオロメン、BIGINなどのサイン色紙が、と ころせましと並んでいる。 私もかつて音楽業界にいたので、こういう居酒屋さんを知っているか どうかは、地方のイベンターさんにとっては、仕事とおなじ比重で、お いしいお店を紹介できないといけないので、このお店は間違いなくおい しそうだ。
名物のだまっこ鍋、ハタハタの焼き物、ジュンサイ、梅にんにく、と ろとろわかめ、玉みずのたたきなど…
だまっこ鍋は、『桃太郎電鉄』では「だまこ鍋屋」と表現しているけ ど、「だまっこ鍋」のほうが、秋田っぽいから、こっちの表記にしたほ うが、かわいいな。
ハタハタの焼き物は、子持ちのハタハタ。 卵を食べると、ぷちぷちなんて音じゃない。 爆竹を鳴らしたようなすごい音がする。 嫁が食べている音が、私にもはっきり聞こえる。 パチパチパチッ。パチパチパチッ。 こういう子持ちハタハタを食べたのは、初めてだ。 次に秋田に来ることがあったら、またこのお店に食べに来るだろうな。
<おすすめのお店> 秋田料理「ちゃわん屋」 住所:秋田県秋田市大町4−2−7 電話:018-864-5202 営業時間:17:00〜23:00 定休日:不定休
午後7時。秋田キャッスルホテルに戻る。さっきのお店で食べているときから、何度も石川キンテツからメール が入る。 桃太郎チームは、つねに現地集合、現地解散。 11月17日に、青森アスパムに到着すればいいことになっているの で、私はこうして、秋田に来ているし、石川キンテツのように初青森の 人間は、2日前から青森に入っている。 石川キンテツは、黒石のつゆ焼きそばを食べに行ったようだ。 何通かやりとりしたあとのメールが大爆笑! 公開しちゃおう! 石川キンテツ、面白すぎる!
石川キンテツ …………………… あわわ…。さっき、弘前から青森に向けて電車に乗ったんすが、さく まさんにメール送った後、電車の中でウトウトしてたら、青森を通り越 して、終点の八戸に来てしまいました。 車掌さんに起こされました…。 いま、八戸の駅でポツンと青森行きを待ってます。 さっきまでは、強烈な餃子を食べて、キャバクラは明日にしようかと 思ってたんすが、いま、あまりにせつないんで青森着いたらキャバクラ に飲み行こうと思います。 そういえば、弘前の駅にさくまさんや土居さんの写真も入った桃鉄の でかいポスターが2枚貼ってあるのを見ました〜。
石川キンテツ、青春くんだなあ…。 かわいいやつなんだが、そのかわいさが表に出ないタイプだ。 げっ! さくまさんや土居さんの写真も入った桃鉄のでかいポスター? サイン会用のポスター作るって言っていたけど、アスパムだけに貼る ポスターだと思っていた。 まいったなあ!
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