6月10日(日) 午前5時30分。遠足の朝は早く目が覚める。 いつもびっくりされるが、我が家には目覚まし時計というものがない。 目覚まし機能がついていても、つかったことがない。 起きる時間を決めると、必ず2時間前に目が覚める。 この体質、嫁もおなじだという。 この50数年間で、完全に寝過ごしたのはたった一度だけだ。 そんなわけで、きょうも早く目覚めた。 午前9時30分。嫁と、東京駅へ。 豪雨、雷雨の天気予報ながら、曇り空。 またしても晴れ男の僅少差勝ち? 明け方、雨の音がしていたので、今回の旅はつらくなることを覚悟し ていたのに…。 東京駅構内の「旨囲門(うまいもん)」で、駅弁を買う。 ごひいきの「米沢牛ど真ん中」がなかった。 午前9時56分。東京駅から、こまち13号秋田行きに乗車。 東北の旅なので、私も嫁も「独眼流政宗弁当」。 「弁当」は「辨當」と旧字体。![]()
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小さい箱に、牛肉、ホタテ、笹かまぼこ、鶏照り焼き、煮物、仙台長 ナス、焼き魚など、たくさん入っていて、盛りだくさん。 ご飯も、味噌焼きおにぎり、おこわ飯、おにぎりと3種類も入ってい る。ご飯を残すには、ひとつ食べなければいいので、便利。 このお弁当「地理もつもればクイズ」にも出題したけど、あいかわら ず、うまい! 大宮駅を過ぎると、外は激しい雨。 ばしゃ、ばしゃ、ばしゃ。 まるで新幹線が銃撃を受けているようだ。 遠くの景色が見えないほど。 こりゃ、ついに豪雨の旅になるのかなと思ったら、あっという間に 晴れた。 何だったんだ、さっきの局地的豪雨は。 途中、何度も豪雨地帯を新幹線はまたたく間に通り過ぎる。 午前11時37分。仙台駅で、下車。 仙台まで1時間41分。 新幹線はやてが登場してから、仙台は本当に近い。 外は、曇り空。 ホーム向かい側に停車している新幹線に乗り換える。 午前11時42分。仙台駅から、東北新幹線やまびこ47号盛岡行き に乗車。 隣りの古川駅までは、新幹線でわずか15分。 午前11時56分。古川駅で、下車。 ここから、JR陸羽東線に乗り換える。 東京駅で4枚あったキップが、1枚になった。 午後0時11分。古川駅から、JR陸羽東線鳴子温泉行きに乗車。
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電車は2両編成。 先頭車両にはじゃばらの連結器がむき出しで付いている質素な電車だ。 電車が走り出すと、あっという間に田園風景が広がる。 古川はササニシキのふるさとと聞いていたけど、目の前に広がる水田 は、ササニシキなのだろうか。 最近、ササニシキよりも、ひとめぼれのほうが作付け面積が多いよう だから、ひとめぼれかも。
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路面電車のような速度で、電車は進む。 そのうち、何を思い出したのか、急に疾走し始めた。 午後0時56分。古川駅から、45分ほどで終点、鳴子温泉駅につい た。ホームに降りた瞬間から、ぷうんと硫黄の匂いが立ち込める。 そこらじゅうから、温泉の煙が上がっている。
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昔、この駅は鳴子(なるご)駅と、「ご」と濁る発音だったけど、 1997年から、鳴子(なるこ)温泉駅と「こ」が濁らない発音の駅名 になった。 商売柄、私はずっと鳴子(なるこ)温泉と覚えていて、10年ぐらい 前に、鳴子(なるご)と、語尾が濁るのだと知って、必死に、ナルゴ、 ナルゴ、ナルゴ…と、やっと覚えたら、鳴子(なるこ)温泉駅になって しまった。微妙な徒労…。
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午後1時。まずは、最初の取材。 駅近くの「深瀬」へ。
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ここは鳴子温泉名物、醤油あんをからめた「栗だんご」の元祖のお店。 このお店にたどり着く前にも、「栗だんご」ののぼりがあった。 鳴子温泉に4軒、栗だんごのお店があるらしい。 東京のみたらし団子よりも大きなお団子が、器のなかにふたつ入って いて、かわいい。
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団子が大きいのは、なかに栗がまるごと1個入っているせい。 栗はごくふつうの栗だった。 渋皮の甘露煮の栗が入っていても、よかったような気がした。 別に栗が入ってなくても、みたらし団子としてじゅうぶんおいしかった。
<おすすめのお店> 「餅処深瀬」 住所:宮城県大崎市鳴子温泉字湯元24−2. 電話:0229-83-2146 営業時間:8:00〜19:30 定休日:不定休。 おすすめ:栗だんご(2個)350円。
ここから、ガラガラとキャリーバッグを引きずって、きょうの宿泊先 の旅館「吟の庄」へ。 チェックインにはまだ早いので、荷物だけ置いて、町の散策にでかける。 商店街には、鳴子こけしを売るお店が多い。 どのお店も、自家製のこけしを売っている。マンホールもこけしだ。![]()
お店の軒先に、下駄の手形が吊ってある。 下駄手形といって、この下駄が下がっているお店は、そのお店のこけし や布製品、漆器などが5%サービスになるそうだ。
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一軒の「老舗高亀」に入る。 実は、私はあまり、こけしのような民芸風の物が、若い頃には辛気臭 く感じて好きではなかった。 でも今回、『桃太郎電鉄TOHOKU』を調べていくと、つねにこけしにぶつ かる。 しかも奇妙なことに、こけしは、線を引いたように東北地方だけで作 られていて、ほかの地方では皆無といっていいほど作る風習がない。 関東に来ると、だるまになってしまう。
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ここで、追っかけだるまなる、おもしろいものを見つけた。 独楽(こま)なんだろうけど、脇に丸いお皿みたいなものを従えていて、 コマの部分を回すと、脇のお皿が回りだす。 なので、この追っかけゴマは、「競馬こま」という名前が付いている。 もうひとつ、「当てごま」という和製ルーレットのようなだるまがあっ た。これも妙におもしろいので、買ってみた。
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正統派のこけしより、玩具としてのコマのほうが私には興味がある。 そういえば、私でも鳴子のこけしは首がキュキュッと鳴ることを知って いるが、どのお店でも「首を鳴らさないでください」と書いてあって、鳴 らせないのが、残念。 駅前の商店街を下っていく。
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「毒掃丸」「大学目薬」「宇津救命丸」といった古くて大きい金色の看板 を飾ってあるお店があった。
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「何を売っているお店なんですか?」 「いやあ、昔、薬屋をやってたもんで、並べて見せているだけです」 無料で人に見せるためだけに置いているようだ。 もったいないねー。 さらに歩いて行くと、「アンさんの豆乳プリン」というおもしろい看板 を見つけた。外国人の女性がにっこり笑った写真がプリントされている。 お店の名前は「高橋豆腐店」。
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ブルーベリーソースをかけて食べる豆乳プリンだそうだ。 何でも奥さんが、フィリピンの人でこの豆乳プリンを考案したそうだ。 お店に出てきたのは、旦那さんのほう。
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この豆乳プリンがおいしかった。 私はブルーベリーがそんなに好きなほうではないけど、こんなにブル ーベリーが豆乳と相性がいいと思わなかった。 4日ぐらいは日持ちするようだけど、持ち歩くのもなあ…。 旅はまだ始まったばかりだ。
<おすすめのお店> 「高橋豆腐店」 住所:宮城県大崎市鳴子温泉字新屋敷73-4 電話:0229-83-3362 営業時間:8:00〜20:00 定休日:不定休。 おすすめ:アンさんの豆乳プリン。
鳴子温泉の商店街は、寂れているけど、もう一度頭角を現すために、 いまがじっと伏せているような町だ。 潜在能力はかなりありそう。懐かしキッチュなタオル
町の外れまで歩く。 えっ? 大崎市? 鳴子って、大崎市になったの?
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何でも、古川から鳴子温泉一帯が合併して、大崎市になったそうだ。 面積は、宮城県で2位。人口も、約13万人になって、仙台市、石巻市 に次ぐ、3位の町になったのか。 平成の大合併の余波は、まだまだ続くなあ…。 『桃太郎電鉄TOHOKU』で、古川を大崎に変更すべきかなあ。 でもまだ新幹線駅のイメージで、古川のほうが印象が強い。 鳴子温泉はそのまま残そう。 少し駅寄りに戻って、タクシー会社で車を呼んでもらう。
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午後2時15分。鳴子温泉から、少し西に行った尿前(しとまえ)の 関跡へ。
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かの松尾芭蕉が、『奥の細道』で通行手形の用意がないまま尿前の関 を通ろうとして、かなり厳しい取調べを受けた場所だ。 今回の旅の行程は、かなり『奥の細道』を意識している。
かつての関所の写真
この関所を越えてすぐ、あの有名な「蚤虱 馬の尿する 枕もと」を 詠んだ。 俳句の意味は、蚤(のみ)や虱(しらみ)に悩まさせる旅が続いてい るけど、たまには馬が枕元で小便をする音を聞くような旅もいいものだ といったところか。 『奥の細道』のなかでもいちばん滑稽な句なので、好きな句のひとつだ。 松尾芭蕉は、こんな道を歩いたのかあ…。 句碑と、ちょっとした関所跡風の入り口ぐらいはあるものの、うっそ うとした森がひんやりして、松尾芭蕉の旅の大変さが感じ取れる。
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午後2時30分。尿前の関の近くの「日本こけし館」へ。 鳴子こけしの伝統こけしを、約5000体展示されている。
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こけしの製作実演を見ることが出来た。 驚いたのは、頭と胴体の接続。 頭の首の部分には、ゼロ戦の胴体の下にぶら下がっている燃料タンク のような丸い突起物が付いている。 胴体は、機械で高速回転させている。 この突起物を、摩擦を利用して、胴体のなかにねじり込んで行く。 当然、熱を発するから、タンクの部分が焦げる。 焦げることによって、突起物が胴体に入りやすくなるそうだ。
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この入れ方のおかげで、こけしのなかで唯一、首がキュキュッと鳴るの だ。実演していた方に、首を鳴らしてもらった。 キュキュキュキュッ、キュキュキュキュッ。 想像していたより、澄んだ美しい音色だ。 実演を見せていただいたお礼に、こけしをひとつ買う。 孫たちに見せて、キュキュキュキュッ!と鳴らして驚かせてやろう。
これらを買った!
午後3時。「吟の庄」にチェックイン。
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鳴子温泉に来たのだから、温泉に入らねば。 鳴子温泉郷というのは、鳴子、東鳴子、川渡、中山平、鬼首と5つの 温泉が集まっている。 370ヶ所以上の豊富な源泉があって、日本に11種類ある泉質のう ちのなんと9種類が、この鳴子温泉郷に揃う。 日本じゅうの温泉を、東京ドームに集めたような町なわけだ。 これはもっと宣伝すべきだと思う。 この「吟の庄」の大浴場も、アルカリ泉と、硫黄泉の2種類がある。 硫黄泉のほうが、露天風呂になっていて、白濁していた。 白濁しているので、石積みをしただけの温泉はどこに足が置けるのか がわかりづらくて、ちょっと怖い。 でも、入ってしまえば、はあ〜〜〜、極楽、極楽。気持ちいい〜!
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ほかのお客さんもいないので、2種類のお風呂も独り占め。 熱海の自慢の温泉よりも、いい泉質の温泉にはなかなか出会えないの だが、この白濁した鳴子温泉は、透明な熱海の温泉とはまったく違うの で、わざわざここまで来た甲斐がひとしおだ。 けっきょく、きょうも傘を一度も差さずに、鳴子温泉までたどり着い て、こうして温泉に入れた。 最高に幸せ! 物件候補もいくつか見つかった。 部屋に戻って、ここまでの日記の下書き。 きょうの部屋は、7階の777号室。 高い所が大嫌いな私には耐えられない高さなのだが、窓の外も手が届 きそうなところにあるので、怖くない。
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温泉に入って、気持ちよくなったので、しばらく転寝。ZZZ…。 午後6時。3Fで、夕食。 この料理が非常においしかった。 日本旅館の茶碗蒸しというと、何でこんなまずいものを作るのかと、 がっくり来ることが多いんだけど、絹のようになめらかでおいしい。
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圧巻は、原木に植わったままの椎茸をハサミで切って、網焼きにして 食べる趣向。 こういう遊びこそ、非日常の原点だね。 おもしろいことを考える人だ。
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食事は、弁慶飯が出た。 「弁慶飯って、山形の食べ物ですよね? 鳴子温泉が山形に近いからで すか?」 「いえ、総料理長が、山形の人なんです」 「な〜るほど!」 ということは、四角い木の升に焼いた石の入った海鮮石焼汁も、山形 県の飛島の名物料理ってことだな。 味付けがいいので、これも抜群においしかった。 「吟の庄」は、総料理長の佐藤隆さんが替わらないかぎり、料理と温泉 はおすすめ。 午後8時。NHK『風林火山』を見る。 由布姫のすったもんだ話から一転、戦国絵巻に戻ったので、急にスト ライクが入り始めた投手のようだ。 再び、真田幸隆が登場して、ますます来週が楽しみ。 午後9時。再び、大浴場へ。 まだお客さんたちは、宴会中のようで誰もお風呂にいなくて、お風呂 を独り占め。 う〜〜〜ん。白濁したお湯は、温泉らしくていいなあ…。 温泉に2度も入ったせいか、あっという間に就寝。
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