７月１３日（木）

　午前９時。青森ワシントンホテルの前に、きょうのメンバーが集合。





　私、嫁、土居ちゃん（土居孝幸）、「Team Kawada」の川田忠之くん、佐藤裕くん、
込山勉くん、小坂晃弘くん。ハドソン宣伝部の内田拓郎くん。
　映像制作会社・オフィス・ヘンミの農本太一さん。
　青森県観光推進課の中村義人さん。

　きょうは２日間付き合ってもらった青森県観光推進課の斉藤直樹さんに代わって、
中村義人さん。
　元・高校球児。県大会で準優勝まで行ったそうだ。
　今回、青森県観光推進課トリオの松尾義人くんに会えなかったのが、残念だなあ…。
　ハドソン香月薫児常務は、今朝の飛行機で東京へ。

　きょうも３５人乗りの観光バスで出発。
　青森県観光推進課の中村義人さんが「すみませんが、今朝携帯電話を忘れてきてし
まったので、自宅に取りに帰っていいですか？」
「はっはっは！　もちろん、いいですよ。でもきょう行くところは、携帯が通じない
かもしれないけど！」
　旅というのは、こういうプチ・トラブルがいっぱいあったほうが楽しい。

　曇り空。
　今回もまた毎日雨の天気予報なのに、私が晴れ男のせいか、ずっと雨に降られずに
ここまで来てしまった。

　観光バスは、中村義人さんの自宅を経由して、みちのく有料道路へ。
　比較的新しい道路なので、景色は緑一色。
　右を見ても、森。
　左を見ても、森。





　国道４号線の陸羽街道へ。
　道の名前が変わっても…。
　右を見ても、森。
　左を見ても、森。

　午前１０時３０分。道の駅「とわだ」に到着。
　３日前の十和田市の道の駅「奥入瀬」は、ここからもう少し西。
　何だか、すごろくでふりだしに戻ってきたみたいだ。

 



　長芋の甘酢漬けがおいしそうなので、買う。

 



　おっ！　何だ？　これ！
「ながいもワッフル」？
『桃太郎電鉄』の物件によさそうなネーミングだ。
　生産者名が書いてある。
　中野渡やしゑサン！！！
　またしても、ナムコ勤務の中野渡昌平とおなじ名前の「中野渡」の文字が！
　ひょっとして、中野渡昌平のおばあちゃんだったりして！





　謎が謎を呼ぶ、「中野渡」の文字。
　ナカノワタリ・コード。
　全然だじゃれにも、なっていない。
　でも、このながいもワッフル、非常においしかった。

　土居ちゃんが、あっぷるドーナッツというのを買って、みんなに食べさそうとする。
土居ちゃんは揚げ物を他人にふるまうのが趣味。
「太らせ隊隊長」である。
　同類を作りたいらしい。

　このあっぷるドーナッツ、りんごの粒が入っている。
　ドーナッツは、さすがに最近、私は食べてはいけない食べ物に認定されつつあるの
で、試食だけにした。

　午前１１時３０分。名川町の「西村農園」へ。

 



　昨年、旅行した場所のなかで、いちばんグルメ・ショックを受けた場所だ。
　あの糖度３０度を越えるものがあるサクランボですよ！
　スイカ、ブドウの糖度が、１３から多くても１８。
　その２倍よりも、さらに甘いサクランボだ。





　昨年、「今年も絶対来ますからね！」と言って、本当に今年来れたことは、本当に
うれしい。

　サクランボ食べ放題１０００円を払って、いざサクランボ狩りへ！

 



　西村農園初登場のみんなから、「甘〜〜〜い！」「何これ〜〜〜！」「こ、こんな
サクランボ食べたの初めて〜！」と叫び声があがる。
　ふっふっふ。
　そういう声を私も昨年連発したのだよ。
　たった１年間で、ものすごい優越感。

 
 



　ほっんっとっにね！　このサクランボのおいしさは私がいくら言葉を費やしても絶
対おいしさの１００分の１も伝えられないよ！

 



　ちなみに、昨年７月の初めにここに来てから、きょうまで１年間、東京でサクラン
ボをひと粒も食べていないっ！
　西村農園以外のサクランボなんて、食べる気なんか、さらっさらっない。
　そのくらいこの農園のサクランボのおいしさはずば抜けている。

　サクランボ農園に生っているサクランボを、次々にもいでは食べる。
　糖度２０度を越えるサクランボのおいしいこと、おいしいこと。

　農園の西村忠志さんが「この木のサクランボを食べるといい！」というと、そのサ
クランボは、糖度２５を越える！
　西村忠志さんは、サクランボ作りの名人中の名人だから、当然なんだけど、西村忠
志さんの「この木のサクランボを食べるといい！」のサクランボは、桁外れにおいし
い！

 



　そのうち、西村忠志さんが「このサクランボは、糖度３０度を越えている！」と
いったサクランボを食べさせてもらった。
　糖度２０〜２５度のサクランボだって、信じられない甘さなんだよ。
　ちなみに山形のサクランボの糖度は、だいたい１８！
　そんな数値のなかで、糖度３０度のサクランボを食べる。
　こ、こ、これは！
　この甘さは！
　飛び上がりたくなる！

　ガム・シロップに漬けたような甘さというと、このサクランボの甘さをまったく表
現できていない。自然の甘さだけで、ガム・シロップほどの甘さになっている。嗚呼！
　こんなにおいしさを伝えることが、もおかしいことはない！
「これは、サクランボという名前の砂糖だ！」と、小坂晃弘くん。

　来た人、全員が自宅用にサクランボを買った。
　うちはもちろん、きょう手持ちで持ち帰り用に、５００グラムのものを４箱購入。
発送用に１キロを４箱購入だ。
　用意周到な嫁は、きょうここのサクランボを大量に持って帰るつもりで、今朝旅行
カバンを東京に送って、このサクランボに賭けている。





　込山勉くんと小坂晃弘くんに「『桃太郎電鉄１６（仮）』の三戸駅のサクランボ農
園の収益率をもっと上げたくなっちゃったよ！」と伝える。
「その気持ち、わかります！」
「でもあまりにも収益率を高くすると、さくま鉄人が伊賀上野に止まって、乗っ取り
をかけてくるからなあ！　臨時収入の確率のほうを増やそう！」
『桃太郎電鉄１６（仮）』で、三戸を制するものは、『桃鉄１６』を制することがで
きますぞ！

　午後１２時。名川町の「チェリウス」へ。
　昨年ここで青森県観光推進課のみなさんに食べさせていただいた鶏のシャモロック
でスープをつくったひっつみ料理を食べる！

 
 



　まさか今回、ここでもう一度あの味を食べられるなんて、こんなうれしいことはな
い。

「込山勉くん！　うれしそうに食べてるねー！」
「おいしっす！」
「札幌に帰ったら、今回の出張手当を辞退すべきだな！」
「おほっおほっ。そ…、それは…」
「こんなに食べてばっかなんだからさ！」
「そうなんすよね。おいしいですよ！」
　けっきょく、込山勉くんはひっつみを２回お代わりして（２回目は大盛り）、近隣
のみなさんから差し入れされた白いご飯を、ぺろり！とたいらげる。

 



「あれ？　西村農園の西村忠志さんだ！　誰か農園に忘れ物したか？」
「いえ！　してないですよ！」
「でもここまで来たんだから、誰か忘れ物したんだよ！」
　すると、なんと！
　みんなに飲んでもらおうとおもったりんごジュースを渡し忘れえたから、わざわざ
届けに来てくれたのだ。
「そんな！　最後にサクランボのおまけまでいただいているのに、りんごジュースま
で！　そんなに気をつかわないでくださいよ！」
　でも西村忠志さんの作るものは何でもおいしいので、西村忠志さんがくるというも
のを拒む理由はどこにもない。

　りんごジュースには、ラベルが貼ってなかった。





　本当に手作りのものなのかな？
　ごくごく…。
「ん？」
「おいおいおい！　みんなちょっと、このりんごジュース飲んでみてよ！」
「うわっ！」
「おおっ！」
「う、う、うめ〜〜〜！」





　いままで飲んだどのりんごジュースよりも、おいしいよ！
　このりんごジュース、西村農園に注文できるのかなあ？
　このりんごジュースは、ほんとたまげるよ。


＜おすすめのお店＞
「チェリウス」
住所：青森県三戸郡名川町大字上名久井字大渋民山２３−４
電話： ０１７８（７６）１００１
交通案：青い森鉄道剣吉駅から車で１５分。
　　　　青い森鉄道諏訪ノ平駅から車で１０分。
　　　　名川町多目的バス「チェリウス」下車徒歩１分


　午後１時３０分。名川町「チェリウス」を出発。
　観光バスのなかでは、ずっと私、土居ちゃん、小坂晃弘くんの３人で、『桃太郎電
鉄１６（仮）』、『桃太郎電鉄１７（仮）』、『桃太郎電鉄モバイル４（仮）』の仕様
書の打ち合わせ。

　１１月に配信予定の『桃太郎電鉄モバイル４（仮）』が実は、９月の東京ゲームショ
ウで発表するために、イメージ・イラストを描かないといけない。
　小坂晃弘くんが「…ということは、逆算すると、ぎりぎりで８月５日になっちゃう
んですが…」
「８月５日ったら、五所川原の立ちねぷた祭りの日じゃない！　ボク、まださくまサ
ンの『桃太郎電鉄モバイル４（仮）』の仕様書読んでないよ！」
「はっはっは！　土居ちゃんは今週『桃太郎電鉄１６（仮）』のイラストがぜんぶ終
了したばかりだからな！」
「うーーーむ。何とかします！　全然休めない！」

　午後２時。八戸駅へ。
　八戸駅の脇にある「ユートリー」で、お土産品を購入。

 



　みんながおすすめの品を教えてほしいというので、私イチ押しの「新郷村の飲む
ヨーグルト」から始まって、カップめんタイプのせんべい汁、いかめし、レトルト・
タイプのりんごカレーなど教える。
　ちなみに、新郷村の飲むヨーグルトはそこに置いてあった小瓶８本を、嫁がさっさ
と買い占めてしまっていたので、みんな大瓶を買うはめになってしまった。
　もうしわけない。

　午後２時３０分。さて、ここからメンバーは、二手、三手に分かれる。
　私、嫁、土居ちゃんの３人は、八戸駅から新幹線はやてで東京へ。
　農本太一さん、ハドソン宣伝部の内田拓郎くんは、青森空港から、飛行機で東京へ。
「Team Kawada」の川田忠之くん、佐藤裕くん、込山勉くん、小坂晃弘くんは、青森
駅から、海峡線、函館本線を乗り継いで、札幌まで帰る。

　というわけで、ここでお別れのあいさつ。
「次に会うときは、五所川原立ちねぷた祭りですね！」
「ほんとだ！　ぶっつけ本番だ！」
「成功させないと、何のためにこの１年間やって来たかわからなくなっちゃうので、
みなさん、当日雨が降らないことを祈ってください！」
「それじゃ！」
「五所川原！で」
「お疲れさまっ！」

　そういって、「ユートリー」の外に出たみんなが「うわあああああっ！」といっせ
いに叫ぶ。
「雨だ！　雨だ！」
「はっはっは！　さくまサン，これで今回の青森県遠征の仕事すべて終了だとおもっ
たでしょ！」
「そりゃ、当然でしょ！」
「だから雨、降っちゃったじゃないですかー！」
「私は、モーゼか新田義貞かい！」
「でも、きょう朝から全然雨降らなかったのに、待ってたかのように振り出しました
よ！」
「知らないよー！」

　私、嫁、土居ちゃんは、駅前の「いか加工実演場」へ。
　２ヶ月前に、ここで食べたイカの姿焼きがべらぼ〜！においしかったので、今回絶
対土居ちゃんに食べさそうとおもっていた。

 



「ふふふ。おいしいね、これ！　ビールによく合う！」

　土居ちゃんは、「今晩家に帰ったらこれ食べようっと！」と言いながら、イカめし
を２個購入。
「あれ？　土居ちゃん、さっきのユートリーで、イカめし買ってなかった？」
「買いましたよ」
「何でまた買うの？」
「あっちのは、お湯に入れないといけないじゃない！　ここのはこのまま東京に着い
たら、食べられるから！」
「土居ちゃん、ほんとに日本一の横着者！」

　午後２時５６分。私、嫁、土居ちゃんの３人は、八戸駅から東北新幹線はやて２０
号に乗車。

　土居ちゃんと、昨年の５月に青森を旅行してからのこの１年をしみじみ振り返る。
二度と食べることがないとおもったしじみラーメンを食べ、二度と訪れることがない
とおもっていた「五所川原立佞武多（たちねぷた）の館」を何度も訪れて、これから
お祭りに参加するまでになった。
　三村申吾県知事とも知り合いになった。
　西村農園には、２年連続で来れた。

　それもこれも、青森県観光推進課の斉藤直樹さん、松尾義人くん、中村義人さんた
ちとの出会いからだ。
　人との出会いは、本当に人生を変えるね。
　人と知り合うことは恐いことだけど、一歩踏み込んでみるだけで、こんなにも楽し
い人生が待っている。
　今年、私にしてはちょっと引きこもり気味なので、またいろんな人に会いに行くか
な？

　ところで、ハドソン宣伝部の内田拓郎くんは、午後２時３０分に八戸からきょうの
観光バスに乗って、２時間かけて青森空港まで向かった。
　何時の飛行機に乗るのかわからないが、午後５時の飛行機に乗って、東京に向かっ
て羽田空港で降りて、そこから自宅のある大宮からふたつめの駅に帰る。

　この時点で、鉄道マニアのみなさんなら、１００人中１万人！が気づいているだろ
う！
　内田拓郎くんは、私といっしょにこの新幹線に乗れば、午後５時３０分過ぎには、
自宅まで戻れたはずである。
　ハドソン宣伝部の『桃太郎電鉄』担当としては、鉄道の時刻表を叩き込んであげな
いといけない！

　ちなみに、午後５時４０分に大宮駅に着いた。
　この時間、内田拓郎くんはどの辺の空を飛んでいるのだろう？

　私は、車中、この４日間の日記の執筆。
　あれこれ、思い出しながら、キーボードを叩き続ける。

　午後６時８分。終点、東京駅に到着。
　アヂーーーッ！
　蒸し暑〜〜〜い！
　何なんだ、この湿気の高さは。
　ここ数日、高原のような気候のところにいただけに、東京の蒸し暑さにはぶっくり
だ。

　雨も降っている。

　午後７時。娘の家に行って、娘、孫姉＆孫妹を拉致して、自宅へ。
　西村農園のサクランボは、娘＆孫を釣るには最高のエサだ。

　東京駅中央口の脇にある「駅弁屋」で買ってきた、新潟県灘岡駅の駅弁「も〜ぅ舞
いっちゃう」を食べる。

　孫姉もいっしょに、駅弁を食べる。

　食べ終わったら、孫姉の大好きな西村農園のサクランボだ！
　孫姉は、昨年まだ１歳になる前だったのに、西村農園のサクランボをばくばくパッ
クマンのように食べまくったほど、大好き。
　去年の味を覚えているかな？

 



　サクランボの種を飲み込むといけないので、種のない部分だけくちに運んで開ける
と、目の大きさが２倍になって、踊りだした！
　おいしいんだ！
　踊ってる！踊ってる！

　来年は、絶対娘＆孫を連れて、西村農園に行くぞっ！

　午後９時。孫姉といっしょにお風呂に入って、最高にしあわせな孫バカじじいで
あった。

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