1月19日(木)

 午前5時。テレビの天気予報を見ると「青森県は、吹雪」。
「雪」って表現じゃなくて、「吹雪」?
 こういう言い方を天気予報で聞くのは初めてだ。

 うわあ! ホテルから窓の外を見ると、100メートル先がけぶって見えなくなるほ
ど吹雪いている。
 すでに吹雪になっていた!
 すごいなあ…。

 でも天気は変わりやすく、吹雪がピタッと止まるときがある。
 屋根の上に分厚く積もった風景を見ると、サンタのおじさんでもやってきそうな美し
さだ。

 でも、またすぐ吹雪いてしまう。

 午前10時。青森ワシントンホテル1Fの喫茶店「シャンゼリゼ」に、私、嫁、土居
ちゃん(土居孝幸)が集合。
 コーヒーを飲みながら、窓の外に積みあがった雪に感嘆する。

 午前11時。私、嫁、土居ちゃんの3人で、新町の「千成(せんなり)」へ。 「千成」のお店の前で、青森県観光推進課の斉藤直樹さんと待ち合わせ。  待ち合わせといいながら、実は10分ほど前に電話で斉藤直樹さんを呼び出してしま ったのである。  迷惑な観光客たちである。

 このお店は斉藤直樹さんが職場の近くにあってもう何百回来たかわからないというく らいごひいきのお店。  しかも甘味処なのに、塩わんたんめんがおいしいらしい。  私は、塩ラーメンも、ワンタンも大好きなので、「まるごと青森」を読んでいて、 今回絶対食べに来たいとおもっていたお店だ。

   ワンタンの皮が薄くて、羽衣のよう。  色は水晶のように美しい。  こんなにきれいなワンタンの皮は初めて見た気がする。  スープと麺は、私が大好きな函館塩ラーメンによく似ている。  だから、抜群においしい。  これは無理やり、『桃太郎電鉄』に登場させたいくらい好きだあ。  今後も何回か来て、決定してみよう。  このところ青森の物件候補が多くて、困っている。

<おすすめのお店> 「千成」 住所:青森市新町2丁目5−3 電話:017-722-4750 営業時間:10:00〜20:00 定休日:月2回土曜日(不定) おすすめ:塩わんたんめん

 食後、吹雪のなかを青森駅のほうに向かって歩く。  気温は、マイナス5度!

 マイナスという文字に驚かなくなってきた。  斉藤直樹さんの案内で、古川市場という古くからある市民市場を見に行く。  ここにたどり着くまでに、吹雪く雪をたっぷり満喫。  今回青森で、相当雪に苦しめられるとおもっていた。  この時期に青森に行くと言った人たちみんなに「こんな寒い時期に大丈夫ですか?」 といわれた。  でも、意外とたいしたことないなとおもったのは、実はかつて20年ほど前、ファ ミコン版の『桃太郎伝説』を作っていたとき、北海道札幌の桁外れの雪を何度も経験 していたからだったことに、今回気がついた。  北海道と青森の雪の違いは、湿度の差かな。  北海道では、洋服についた雪は、手ではらうだけでもカンタンに落ちる。  でも青森の雪は、かなり強く手ではらいてもなかなか雪が落ちない。  青森の雪のほうが、湿り気が多いようだ。

 塩わんたんめんを食べたばかりだというのに、市場を歩いていると、あれもこれも 食べたくなる。  タコとか、シャケとか、ホタテとか、おいしそうなんだもん。  午後12時。駅前の「イタリアントマト」に逃げ込む。  もはや外の景色は、白一色。

「斉藤直樹さんは、毎日県庁まで2〜30分かけて歩いて通勤してるって言ってまし たけど、こういう吹雪の日はさすがに車かバスで来るんでしょ?」 「いえ。きょうも歩いてきました」 「ぎょえええっ!」 「朝の通勤時間は、歩く方向の後ろから風が吹いてくるので、大丈夫なんです」 「そうはいっても…」  でも今回吹雪く青森を歩いて、たしかに風向きが大事なのはわかった。  向かい風で歩くのはきつい。  顔に雪がこにりつく。  首筋に雪が入り込む。  メガネは間違いなく白くなる。    午後12時30分。斉藤直樹さんは職場に戻り、私、嫁、土居ちゃんの3人は 「アスパム」へ。  気温は、マイナス4度。  1度暖かかくなった。はっはっは!  きょうの青森の最低気温は、マイナス6度だったそうだ。  しばらく土居ちゃんが、「アスパム」でお土産品を物色。  やっぱり板柳のアップルジュースを買っていた。

 この板柳のアップルジュースと、アップルジャムは、絶品だよ。  私が青森びいきになったきっかけは、この板柳のアップルジュースとジャム。  以来、みんなに勧めていたので、まんまと土居ちゃんは私に洗脳された。  午後1時。昨日に引き続き、「アスパム」の7Fの会議室で、「桃鉄会議」。  きょうの参加メンバーは、Team Kawadaの川田忠之くん、佐藤裕くん、田中俊介 くん、込山勉くん、小坂晃弘くん。  私、嫁、池毅さん、土居ちゃん。

 3日目の青森なので、だいぶ人数が減ってきた。  しばらくして、おもしろいことが起きた。 「リアル桃鉄じゃない!」と急に池毅さんが叫んだ。 「えっ? 何ですか?」 「ほら。窓の外は、青森湾で…」 「あっ!」

 きょうも開発中の『桃太郎電鉄16(仮)』のテスト・ロムを見ながら、打ち合わ せをしていたんだけど、青森あたりのMAPを画面に映したら、なんとテレビの画面 の向こうの景色は、本当の青森湾なんだよね。  ズームイン・ズームアウトみたいだ! 「あっ! そういえば、そうだ!」 「ほんとだ! 画面とおなじ景色だ!」 「まるでわざとここで打ち合わせするために来たみたいだ!」  奇妙な符号であった。  きょうはいよいよ大きなイベントの打ち合わせ。  凝ったイベントを企画すると、あっちこっちにバッティングして、不具合が起きる ので、みんなで頭をキリキリいわせて、ひとうひとつ潰していく。  目の前で、土居ちゃんが描くイラストの量がどんどん増えていく。  ちょっとでも機械っぽいイベントをや陰惨なイベントを組むと、画面が冷たくなる ので、土居ちゃんの絵でやわらげる必要があるからだ。  とくに今回のイベントは、被害は大きいが、笑わせたい。  順調に速いテンポで、打ち合わせは進んだが、せっかく作った名産怪獣が1頭、み んなに惜しまれつつ、2軍落ちが決定した。  グラフィックまで完成しての2軍落ちはもったいないが、子どもが似顔絵を描きづ らいものは、整理の対象としては大きな要素だ。  午後6時。予定していた懸案事項のほとんどを打ち合わせて、2日前にも行ったは ずの「百代」へ。  しばらくして、青森県観光推進課の斉藤直樹さん、中村義人さん、松尾義人くんも 到着。  きょうは真鱈(まだら)ずくしではなく、寒ブリに、まほろば鍋。  最近、私が地方物産について書かれていた本のなかに、青森で「まほろば鍋」とい うのを町おこしの一貫として始めたという記事を読んだのだ。  今回、斉藤直樹さんに会ったら、「まほろば鍋のおいしいお店を紹介してほしいん ですけど…」といったら、なんと! 「さくまサン、まほろば鍋を考案したのは、この『百代』の料理長さんの浪内さんな んですよ〜!  しかも、「さくまサンは以前、神楽坂の赤城亭で、まほろば鍋を食べているんです よ!」というではないか! 「ええっ!? あの最後にラーメンを入れて食べたあのおいしい鍋のことですかあ!」 と、おもわず叫んでしまったよ。  というわけで、きょうは取材も兼ねて、まほろば鍋を食べにきた。  まほろば鍋だけでいいはずなのに、寒ブリまであるのは、単に私の趣味。  この時期なら、寒ブリがおいしいに違いないとおもっただけ。

 ちなみに、まほろば鍋の定義は、青森の食材をつかうこと。あのおいしいスープが 作れる鶏のシャモロックをつかうことだそうだ。  昨年、シャモロックのスープを買って帰って、ひっつみで食べたら、抜群においし かった。あのシャモロックである。 『桃太郎電鉄16(仮)』では、シャモロック農場という物件が登場するくらい、私 はこのシャモロックを気に入っている。

 宴は、最初のうちこそ「う〜〜〜、これは食いすぎちゃいそうでこわい!」という 言葉が大半をしめていたが、1時間も過ぎたあたりから「う〜〜〜、食べ過ぎた!」、 「もうダメ! 苦しい!」、「もったいないけど、もう食べられない! 込山(勤)!  食べて!」が流行語に。

 午後8時30分。青森ワシントンホテルに戻る。  1Fの喫茶店で、コーヒー。  青森県観光推進課の斉藤直樹さんと、いよいよ今年の夏の「五所川原立ちねぷた」 のお祭りのときに、何日に何部屋ホテルを取ればいいかという相談を始める。

 サクマニアのみなさんでこの「五所川原立ちねぷた」を見に来ようとおもっている 人は、8月4日に五所川原に来ると、一網打尽で桃太郎チームのメンバーに会えると おもう。  この時期は本当に青森県じゅうのホテルが満室になるから、いまのうちに予約した ほうがいい。  サクマニアのみなさん、8月4日。五所川原で会いましょう!  午後9時30分。解散。  これから飲みに行く人やら、ホテルに戻って仕事をする人やら、自由行動。  大半の人が、明日会うことなく札幌と東京に戻ってしまうのでお互いに「今回いろ いろありがとうございました!」「また青森で会議やりたいですね」「また近いうち に会いましょう!」とあいさつ。  今回の青森での「桃鉄会議」は、雪に閉じ込められたせいで、みっちり仕事が出来 てしまった。  雪が吹雪かなかったら、私のことだ。さっさと五能線とか、津軽鉄道に乗りに行っ てしまったとおもう。  そういう意味では、恵みの雪だったかも。  私は部屋に戻って、『桃太郎電鉄モバイル(仮)』のテスト・プレイ。  ちょっと特急カードを売っているカード売り場が多すぎるかな。  もっと収益率が多い物件があってもいいかな?  そんなことを考えながら、青森の地で「○○○○編」のテスト・プレイ。  さて。「○○○○編」とはどこのことなんでしょうねー。  明日、東京に戻る。

 
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