１２月１９日（月）

　午前７時。朝のワイドショーは、豪雪のニュースばかり。
　岐阜の大雪は、記録的な積雪量のようだ。
　名古屋は、積雪２３センチ。

　熱海は雪は降っていないものの、風が強くて、寒い！
　きょう日本じゅうで寒くない場所はないのだろうけど…。

　午前８時。お風呂テレビで、フジ『とくダネ！』を見ながら、温泉。
　熱海の温泉家では、昨日から、ゆず湯。
　金曜日のお蕎麦屋さんで、ゆずをいっぱいもらったのだ。





　熱海って、とっつきは悪いけど、いったんなかに入ると、恐ろしくフレンドリーだ。
　少しずつ熱海市民になってきている気分。

　ゆずの香りが気持ちいい。

　午前９時。朝から１時間たっぷり温泉に浸かっているくらい贅沢なことはない。
　これから東京に戻るので、今朝までに書き上げた『桃太郎電鉄モバイル（仮）』の仕
様書を札幌に送っておこうと、仕様書を掲示板「桃の木」にペースト＆コピー。
　うっかり『桃太郎電鉄モバイル（仮）』の貧乏神の悪行を、『桃太郎電鉄１６（仮）』
の貧乏神の悪行の上に重ね書きしていたことが判明。
　あわてて外付けハードディスクから、ちょっと前の仕様書を吸い出して、『桃太郎電
鉄１６（仮）』に戻す。
　似たゲームをいくつも作っている弊害だ。
　しかも、おなじ仕様書にはならないので、よけい面倒。

　おかげで、風呂上がりにもう一度寝る楽しみができなくなってしまった。

　午前１０時３０分。嫁と、熱海銀座の「ナチュラル」へ。
　私も嫁も、スープ・パンセット。
　実はこのスープ・パンセット。本来はランチ・セットというメニューであった。
　何度もこのお店に来ているので、午前中でもランチ・セットを作ってくれるようにな
った。
　お店というのは、常連になるべきというのはこのことだ。





　おっ！　きょうのランチ・セットは、コロッケ・バーガー。
　お店に入ったときから、これ食べたいなあ！とおもったのが出てきた。
　ゲーム作りとおなじで、毎回おなじようでいて微妙に違うのはうれしいよね。

　いっしょに付いてきたクルミパンもおいしかったなあ！
　このお店、絶対原宿にあっても繁盛するとおもう。
　わざわざ東京から来て食べる価値アリだよ。

　午後１２時。熱海駅へ。
　滋賀県米原地区の降雪のせいで、新幹線のダイヤは大きく乱れている。
「みどりの窓口」には長蛇の列。
　こういうときは、入場券を買ってでも、駅構内の新幹線改札口脇の「みどりの窓
口」のほうが空いているし、最新情報が手に入るからと、在来線の改札をくぐる。
　案の定新幹線改札口脇の「みどりの窓口」には誰もいない。
　時刻表案内掲示板には、まだ午前１１時３３分発のこだま号の表示が残っている。
いまは午後１２時なのに、まだ到着していないのだ。
　かなり遅れている。

「午前１１時３３分発のこだまは約１時間遅れで、午後１２時２分のこだまは、２０
分遅れなので、午後１２時２分のほうが先に到着します」
「へっ？」
「午前１１時３３分発のこだまは、新大阪始発で、午後１２時２分のこだまは、名古
屋発だからです」
「ああ！　関が原でのろのろ運転しているせいですね！」
　そんなわけで、午後１２時２分発の後の新幹線のキップを買う。

　午後１２時２６分。それでも東海道新幹線こだま５７０号は、２４分間遅れて、熱
海駅に到着。
　ひとつ前の午前１１時３３分発のチケットを買った人で、間違えてこの列車に乗っ
ちゃってる人がけっこういるだろうなあ。

　午後１時１７分。終点東京駅に到着。
　熱海から東京駅までの所要時間は、いつも通りだった。
　静岡から東は運行に影響がなかったんだね。

　午後１時３０分。東京駅の「資生堂パーラー」へ。
　ひさびさにムサシノ広告の伊東正義と待ち合わせ。
　ご存知、伊東正義は私の大学時代の同級生。





　きょうはまたちょっとおもしろい仕事のプランを持ちかけてきた。
　伊東正義にしては、いつになく最先端の仕事だけに、ひょっとしたら大化けするかも。
　私もとっておきのアイデアで答える。
　これが実現したら、すごいよ！
「さくまファンド」として、資金を集めたいぐらい。

　午後３時３０分。帰宅。
　部屋が当然のように寒い！

　しばらく、ＤＩＧＡに録画しておいた番組を見る。
　全然、室温が上がらない。
　寒いなあ…！

　ようやく部屋が暖まってきたとおもったら、もうでかける時間だ。

　午後５時。近所の「スターバックス・コーヒー」で、娘＆孫と待ち合わせ。
　うひょっほ〜！　ほぼ１週間ぶりの孫だ！
　えっ？　えっ！？　孫が靴をはいている！？
　孫が外を歩くさまを見るのは、初めてだ！
　ちょっと見ない間に！

　午後５時４５分。日本橋の三越へ。
　土居ちゃん（土居孝幸）と、読売広告の岩崎誠と待ち合わせ。

　そのまま、日本橋三井タワー２Ｆの「櫻川」へ。


三井タワーのクリスマスツリーの前で


　先に来ていた池毅さんと合流。

　あの六本木ヒルズのそばにあった「櫻川」は、その後ご主人の腱鞘炎で、閉店。
　今年の年明けからは、西新橋の「東山」で腕をふるっていた時期もあったけど、よ
うやくこの１２月２日からこの場所で、「櫻川」を再開することになった。





　この「櫻川」の再スタートなら、きょうのこのメンバーに集まってもらおうという
ことになった。
　題して、桃太郎チーム感謝祭。
　メンバーは、私、嫁、池毅さん、土居ちゃん（土居孝幸）、岩崎誠、赤根豊くん
（後から合流）、娘＆孫。

　いずれも今年『桃太郎電鉄』のために一生懸命働いてくれたみなさんだ。
　サザンオールスターズのベーシスト＆ウクレレ伝道師・カズ坊（関口和之）は、昨
日札幌でコンサートをやって、きょう帰って来たばかりで、へとへとなので参加を断
念。このお店のおいしさを知っているだけに悔しそう。
　娘＆孫がいるのは、ちょっとどうかとおもうが、今年の『桃太郎電鉄TOKYO』の配
信開始にあたって、あれだけばっさりシンプルな内容を提言したのは、うちの娘なの
で、下手すると今年の最優秀選手かもしれない。

　それと、のっけに私は池毅さんから、とんでもないプレゼントをいただいてしまっ
た！
　もう本当は自慢しまくりたいんだけど、ちょっとレアにもほどがあるような逸品で、
デジカメで公表するとまずいかもしれないくらいうれしいもの。
　ぎりぎり具体的な言い方でせまるとすると、池毅さんは以前から横浜ベイスターズ
牛島監督とゴルフ仲間で大のなかよしなんだけど、池毅さんがわざわざ直々に牛島監
督から、私のためにプレゼントしてくれたものなのだ。
　要するに、めったにほかの人にもあげないようなものをいただっちゃったわけだ！
　へっへっへ。ほっほっほ。はっはっは！
　今必死に奇声を上げたいのを、ガマンしているんだよ。
　いやあ！　素晴らしいものをいただいてしまった。
　鎌倉の横浜ベイスターズ・コーナーに陳列しなきゃ！

　料理が来るまで、土居ちゃんが『桃太郎電鉄１６（仮）』のゲスト・ボンビーのイ
ラストを池毅さんに見せて、作曲のイメージを膨らませてもらおうとする。
「えっ？　土居ちゃん、わざわざプリント・アウトしてもってきたの？」
「うん！　絵を見てもらったほうが曲が浮かぶかとおもって！」
「土居ちゃん！　やる気じゅうぶんじゃない！」
「『桃太郎電鉄１６（仮）』はいまどのくらいまで出来ているんですか？」と、赤根
豊くん。
「はっはっは！　実は、土居ちゃんの絵を残して、ほとんど完成している！」
「ええ〜〜〜っ！　来年の暮れ発売の予定でしょ？」
「別に土居ちゃんの絵が遅いわけじゃないからね。むしろムチャクチャ速い。ただ土
居ちゃんが秋ぐらいに冗談で『今年じゅうにぜんぶ絵を描いちゃおうかな？』といっ
たのを、札幌開発スタッフが信じてしまって、がんばっちゃったんですよ！」
「土居さん、大変ですね！」
「まいったよ。札幌、ほんとに仕事速いんだもん！」

 



　飲み物が来たので、みんなで乾杯！
「おかげさまで『桃太郎電鉄１５』の追加プレスも決まり、モバイル『桃太郎電鉄サ
イト』も好評すぎるほど好評で、年の瀬を迎えることができました。みなさん、あり
がとうございます！　そしてまた来年もよろしくお願いします！」
「かんぱ〜〜〜い！」
「かんぱ〜〜〜い！」
「乾杯っ！」





　今年を振り返りながら、「櫻川」のあいかわらずのおいしい料理に舌鼓。
「土居さんと、さくまサンって、どういう風に打ち合わせしてるんですか？」と赤根
豊くん。
「それは聞きたいですね！」と池毅さん。
「だいたい、おいしいものを食べさせるからと、旅行に誘っておいて、電車に乗って
いる間は、ずっと目の前で絵を描かせて、タクシーに乗っている間も、ずっと打ち合
わせをしている！」
「日記見ていると、ずっとおいしいもの食べているように見えますけどね」
「食べてる時間より、圧倒的に打ち合わせしている時間のほうが長いよ！」
「さくまサンは、土居さんにどういう風に、指示を出すんですか？」
「線をもっと減らせ！　いまよりもっと減らせ！　言ってることは、木村建設とおな
じ！　線の数を減らせっ！」
「はっはっは！　ボクは姉歯か！」と、土居ちゃん。
「土居ちゃん！　イラストレーター（事務所）はほかにもいくらでもいるんだよ！　
はっはっは！」
「マンション偽装事件だあ！」

 



　それにしても、私がみんなに向かって話しているときにかぎって、孫がちょこちょ
こ、つんつん、私にちょっかいを出してくる。
「おまえはいつも、こっちから抱きに行くと逃げるくせに、こういうときにかぎって、
おまえのほうから私のところに来るんだよ！」
「さくまサン、ほんとは抱きたいんでしょ！」
「そりゃ、そうだよ！」
「いいんですよ、いつもの調子でお孫さんに接してください！」と、池毅さん。
「ダメ！　それだけはダメ！」
「なぜなんですかあ！」
「威厳が無いにもほどがあるくらい、情けなくなるから、ダメ！」
「それは見てみたいなあ！」
「ほんとに、ダメ！　こら、孫！　私の顔を下から覗き込むなっ！　じいちゃん、必
死にガマンしてるんだから！」
　きょうのみなさんは、ほとんど身内みたいな人たちばかりだけど、さすがに孫に接
する私のにやけまくった情けない顔は見せられない。

 
 



「料理おいしいですねえ。ずっとどの料理もおいしいですよ〜！」と、池毅さん。
「おいしいですよね！　やっぱり今後も、お祝い事や、きょうみたいな日は『櫻川』
にしよっと！」

　東京で、誕生日や、記念日に行くお店としておすすめなのは、「プティ・ポワン」
と、この「櫻川」で決まりだなっ！

 
 



「櫻川」自慢のフカヒレあんかけご飯を食べて、デザートはいつものわらび餅ではな
く、紫芋のモンブラン風にする。
　この紫芋のモンブラン風が、おいしいというより、すごい！
　何てダイナミックにして、繊細な味！


＜おすすめのお店＞
「櫻川」
住所：東京都中央区日本橋室町2-1-1三井タワー２Ｆ
電話：03-3279-0039
営業時間：12:00〜14:00　18:00〜20:00
定休日：不定休。タワーの休館日。


　午後１０時。帰宅。
　もはやボジョレ・ヌーボー解禁日のように、孫を抱いて、デレデレ、メロメロ、グ
ダグダ〜〜〜！

　きょうは、たまごぼーろを、私の口に入れてくれる技を会得。
　しばらく、私がたまごぼーろを孫のくちに入れてあげると「どうも！」とお辞儀を
して、今度は孫がたまごぼーろを手にして、私のくちに入れてくれるのくりかえし。
　何でこんな単純なことが、何よりもうれしーんだろーねー！

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