１１月２９日（火） 午前８時。ひさしぶりに『桃太郎電鉄TOKYO』の「地理もつもればクイズ」のクイ ズ問題の追加分を推敲する。 『桃鉄研究所』で、あれだけみんながいっぱい投稿してくれたのに、実際にクイズ問 題としてつかえそうなのは、わずか１５問強。 かなり手も加えた。 残りの３５問は、私がずっとちょびちょび貯めていたストック原稿を直せば、なん とか５０問に到達しそうだ。 本当にこのクイズ問題は、松の木に開けた穴からしたたり落ちてくる透明な樹液を 採取するように気の遠くなるような仕事だ。 めざせ！ 通算４００問！ 午前１１時３０分。ヤサカタクシーの宮本さんが迎えに来てくれて、嫁と西陣のお 蕎麦屋さん「にこら」へ。 開店時間よりも早く着いてしまったので、お店の隣りの本隆寺へ。 境内に、五所川原の立ちねぷたのように大きなイチョウの木があった。 これは、見事だ。
イチョウの黄色い葉が木の下にいっぱい落ちていて、イチョウの葉の海のようにも、 ジュータンにも見える。 この紅葉した大きなイチョウの木の下に立つだけで、ドキドキするくらい美しかっ た。偶然見つけただけに、ラッキー！ 開店時間になったので、「にこら」へ。 町家（まちや）風の内装で、ジャズが流れている。 お蕎麦屋さんで、ジャズは最近ごく当たり前になってきた。
メニューにある一品料理がおいしそうなので、京えび芋の唐揚げ、椎茸のブルー チーズ風味焼き、京鴨ロース煮など注文。 いずれも、旨し。
おそばも、麺は非常によかったけど、お汁がしょっぱいなあ。 次も来てみたいとおもったお店だけに、このしょっぱさは気になる。 でももう一度は来てみるだろうな。 そのぐらいの価値はあるとおもう。
＜お店データ＞ 「にこら」 住所：京都府京都市上京区智恵光院通五辻上ル五辻町69-3 電話：075-431-7567 営業時間：11:30〜14:30 17:30〜20:30 定休日：毎週水曜日・第３火曜日 おすすめ：京えび芋の唐揚げ、椎茸のブルーチーズ風味焼き。
食後、織物の町・西陣を通る。 斜陽、衰退を叫ばれて久しい西陣だが、いつのまにか観光地っぽい通りを作り始め ていた。 ここは改めて、もう一度ゆっくり来るべきだな。 午後１２時４５分。仁和寺街道の「nokiro-art-net」へ。 町家（まちや）を改造した雑貨屋さん。 木と和紙で出来たサイコロ型の照明がここにあると雑誌で見てやってきた。 まだ私のサイコロ・コレクションは、細々と続いているのである。 サイコロのコレクションは、鎌倉の家に置きっぱなしだが、そのうち京都に移す予 定。
「nokiro（ノキロ）」とは、ずいぶん変わった名前だ。 「ノ」と「木」と「口」で、ノキロ。３つ合わせると「和」になるそうだ。 な〜るほど。
＜おすすめのお店＞ 住所：京都市上京区仁和寺街道七本松西入二番町199-1 電話：075-464-9622 営業時間：11:00〜19:00 定休日：月、火曜。
午後１時３０分。「無印良品」に寄ったあと、「イノダコーヒ」本店へ。 「イノダコーヒ」の昔の面影を残す部屋で、ほっこりイノダコーヒの重いコーヒーを 飲む。
午後２時。京都のマンションに戻る。 『社長ＤＥジャンケン隊』（小学館・現代洋子）を詠みながら、少し仮眠。 午後３時。テレビの国会中継を見ながら、『桃太郎電鉄TOKYO』の「地理もつもれ ばクイズ」の問題を清書。 すごいねー！ マンション耐震偽装事件で、衆議院が関係者たちを参考人として招 致。この模様を、ＮＨＫ、日本テレビ系と、２局で放送だ。 すごい関心事ってことなんだね。 あいかわらず、ヒューザーの小嶋進社長は言ってることが、コロッコロッ変わって、 マスコミ的においしいキャラだ。 あのしゃべり方、誰かに似ているとおもったら、ＡＶ監督の村西透監督にちょっと 似ているんだね。 その昔、ニッポン放送で、村西透監督といっしょにラジオに出たことがあって、本 当にあんなしゃべり方をするので、放送中笑いをこらえるのを必死になったことを思 い出した。 それにしても、ヒューザーの小嶋進社長、シノケンの篠原英明社長、施工会社木村 建設の木村盛好社長、検査機関イーホームズの藤田東吾社長と、勢揃いして悪口を言 い合い、暴露し合う姿は、下手なバラエティ番組が吹っ飛ぶ破壊力で、おもしろいな あ！ このメンバーに姉歯建築士を加えて、大晦日に「朝まで生テレビ」で生討論やった ら、絶対『紅白歌合戦』に勝てるよ。 午後５時。ヤサカタクシーの宮本さんが迎えに来てくれて、すぎやまこういち先生、 私、嫁の４人で、念願のお料理屋さんへ。 すぎやまこういち先生と、２日続けてご飯をごいっしょできるというのは、本当に 久しぶりだ。しあわせ、しあわせ。 グルメなら、京都の名店「なかひがし」のご主人が先代主人の弟さんだというだけ で、ピンと来るとおもうけど、行き先は「美山（みやま）荘」！ うちも、すぎやまこういち先生も行くのは初めて。 なにしろ「摘み草料理」のお店として名高いだけに、春だと私が苦手な苦い山菜料 理が出るだろうと予測して、敬遠していたのだ。 春先は、花粉症の杉も多いしね。 冬は、もちろん雪が私を阻んでいる。 夏は、毎年『桃太郎電鉄』の締め切り。 けっきょく、この秋しかチャンスがなかったのだ。 何たって、京都から車まで１時間ちょっとかかる。 ちょっとした小旅行だ いつも行く雲ヶ畑の「洛雲荘」よりも、もっと北の、花背（はなせ）の芸術村より も、もっと先。 まだ５時を過ぎたばかりというのに、まるで深夜の山道を走っているような気分に なる。江戸時代にこの道を歩いた人は、さぞかし怖かったろうなあ。 もちろん、携帯電話は、圏外。
そのうち、雨が降ってきた。 気温は、１０度。 午後６時。「美山荘」に到着。 暗いので、どんな家なのか、もうひとつわからず。 数年前に宮本さんの「美山荘」の前まで車で来たことがあるけど、あのときの風景 が思い出せないほど、闇につつまれている。 ここは旅館も兼ねているので、通された部屋は、二間続きのまさに客室。 というか、うちの熱海の家の部屋にそっくり。はっはっは！
ヤサカタクシーの宮本さんが「若女将、美人でっせー！」と言っていたけど、なる ほどびっくりするような美人。 しかもただの美人ではなく、本当はキツネの化身ではないかとおもえるような、 いまどき珍しい和風美人。この旅館で、一晩寝て、起きたら、草の上で寝ていたって ことになるのではないかとおもってしまいそう。 この若女将さんが、どういう過程を経て、この旅館にお嫁に来るようになったのか エピソードを知りたいくらいだ。
料理は、私の大好きな食材ばかり出てきて、狂わんばかりのうれしさ。 いきなりギンナンの朴葉（ほうば）焼き。 味噌といっしょに焦げた大粒のギンナンは、ただでさえギンナンが大好きな私は、 あっさりノックアウト。
岩魚のお刺身は、まるで鶏肉のようにプリプリしているし、白味噌のお吸い物には、 地物のキノコが入っていた。 焼き松茸は、丹波の松茸とは違ったふっくらとした味わい。 土瓶蒸しには、近くの川でで獲れたというウナギが入っているし、いずれも近くで 取ってきたキノコ類が、極上のおいしさ。
鴨ロースと舞茸の天ぷらは、すでに圧巻。 舞茸、好きなんだよー！ なのに、ご飯は、私の大大大大好きな、栗ご飯。 体重調整中でなければ、絶対栗ご飯をお代わりしたかった。
デザートは、なんと柿だよー！ 昨日に続いて、２日連続で柿だよー！ こんなうれしいことはない。 いやはや。日本料理の枠を越えたおいしいお店が、まだまだあるんだねー！ 料理の世界は、本当に奥が深い。
＜おすすめのお店＞ 「美山荘」 住所：京都市左京区花脊原地町大悲山 電話：075-746-0231 営業時間：ランチは、12:00〜15：00 定休日：１２月２７日〜１月１日。
帰り道も、真っ暗な杉林の山道を、宮本さんのていねいで静かな運転で。 道路脇の電光温度計は、２度を記録し、峠のてっぺんでは、ぴったり１度を記録し た。ときおりみぞれっぽい雨。 このあたり、毎年クリスマスのころは、雪で真っ白だそうだ。 午後９時３０分。京都のマンションに戻る。 『桃太郎電鉄TOKYO』の「地理もつもればクイズ」の清書を続ける。 この追加の５０問を作るだけで、ちょうど半年間もかかってしまったのか…。 なんか、しみじみしちゃうなあ…。 今後もクイズ問題を追加したいけど、ますます困難を極めそうだ。 明日は、東京に戻る。
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