8月3日(水) きょうから、青森ねぶた祭りを見る旅。 しかも、弘前ねぷた。青森ねぶた。五所川原の立佞武多(たちねぷた)の三大ねぶ た祭りを全部見てしまう豪華企画。 もちろん、青森県観光推進課のみなさんの尽力のおかげだ。 でも天気予報は、雨。 いつも雨の予報だけど、どういうわけか私が行くと晴れる。 今回もそうかな。 すでに北海道はどしゃ降りだそうだ。 午前6時。目が覚めて、よろよろと旅支度。 眠い。さすがに眠い…。 テスト・プレイの疲れが、ずっしり身体に出ている。 眠いので、二度寝…。 午前9時30分。嫁と、東京駅へ。 東京駅中央口の脇にある「駅弁屋」で、駅弁を買う。 こんなときにかぎって、米沢の「牛肉ど真ん中」を売っている。 でも朝から、お肉はつらいなあ…。 けっきょく、無難な「大人の休日」に。 午前9時56分。東京駅から、東北新幹線はやて9号八戸行きに乗車。夏休みとあって、駅構内には人がいっぱい。 帰省客かとおもったんだけど、観光客なんだね。 しかもおばちゃんだらけ。 ガハハハハ! ガハハハハ! うるさい、うるさい! ガハハハハ! ガハハハハ! ニッポンのおばちゃんは、世界的にうるさい! ガハハハハ! ガハハハハ! 子どもと、おばちゃんの声は、何であんなによく通るんだ? 「大人の休日」を食べる。 夏っぽい食材をつかって、色とりどり、目もたのしい。 にんじんは、花火のイメージで切ってあるのか。 芸が細かいな。
VAIOを取り出して、『桃鉄研究所』のコメント書きを再開する。 でもここ数日のテスト・プレイで、キーボードを叩き過ぎたために、腕が痛い。 腕が痛いと、キーボードのミスタッチが増える。 仙台を過ぎたあたりで、仕事を断念。 ただでさえこれから3日間。楽しくも過酷な三大ねぶた祭り巡りの旅が待っている。 少しでも無理をせずに、めったにない取材のチャンスを有効につかいたい。 午後1時。八戸駅で、つがる9号弘前行きに乗り換える。 今回、八戸ー野辺地間の座席指定券が取れなかった区間だ。 デッキで立っていないといけない。 でも時間にして、30分。 よく考えれば、私が子どもの頃からずっと利用していた西武新宿駅ー上井草駅の所 要時間とほぼおなじだ。 たいしたことはない。
午後1時40分。野辺地駅から、指定席に座る。 しばらくすると、列車の窓を激しく雨が叩くようになった。 天気予報通りだ。 新幹線はやてで、仕事をやめたせいか? そんなわけないだろう。 私だって、たまには旅先で雨に降られることあるよ。 いつのまにか、うとうと…。 テスト・プレイの疲れが取れていない。 眠れるときに、寝ておこう。 青森駅で、ドッとお客さんが降りて、5号車は、私と嫁と、隣りの座席の人、3人 になる。極端な減り方だなあ。 「青森ー弘前間の車内販売はございません。ご了承ください」のアナウンス。 この空っぽな車内を見れば了承するよ。
午後2時56分。2分遅れて終点、弘前駅に着く。 ごめん。やっぱり晴れた。 何だかなー。
弘前国際ホテルにチェックインして、そのまま商店街を歩いて、「まちなか情報セ ンター」へ。 近代的な建物だ。 カフェがあって、いい蛸がおいしそうに茹でられていたので、食べる。 これが、抜群においしかった。 酒好きなら、ここで「まず、ビール!」と叫ぶことだろう。 私の場合、「まずは、ソフトクリーム!」と叫んでいた。
ふと。一昨年(もう2年前!)、弘前に来たとき、駅まで行って、乗れなかったロ ーカル線の駅が、近くにあることをおもいだした。 毎時00分、30分に発車することは、すでに調べてある。 あと10分で発車だ。 たぶん間に合うだろう。 小走りに歩いて、弘南鉄道大鰐(おおわに)線の中央弘前駅へ。 まるで、昔のスーパーマーケットみたいな駅舎でしょ? 長年の風雪に耐えているうちに、独特の雰囲気になってしまったマニアックな駅の 姿だ。
嫁が改札口で、いまどきキップをパチン!と電車用のはさみで切ってもらったのを 喜んでいた。 最近、キップを切ってくれる電車ってたしかにほとんどない。 ましてや、硬券(こうけん)と呼ばれる硬くて分厚いキップは、駄菓子屋のおもち ゃセットでしか見ることができない。 電車は、昔の東急電鉄。 東京の渋谷から、桜木町に向かって走っていた電車の払い下げだ。 つり革には、まだ「東急百貨店」の文字が残っている。 私にとっては、横浜スタジアムへの通勤電車だ。
東急電鉄の昔の車両をつかっている路線は、けっこう多い。 とくに長野と青森に多いのは、リンゴ繋がりなのだろうか? 長野県と青森県って、県民性も似ているよね。
午後4時。ごとごと、ゆっくり、ゆっくり中央弘前駅を発車する。 ひさしぶりだ。 車内にエアコンが入っていなくて、扇風機だけの車両。 けっこう暑い。あぢぢ…。 でも、市街地を抜けて、田園地帯を走るようになると、あっという間に窓から吹き 込む風が涼やかになる。 気持ちいい風だ。 思わず、井上陽水の『少年時代』を歌いたくなる。 ♪夏が過ぎ〜 風あざみ〜。 ここしか歌詞覚えていない。
いいなあ。どこまでも真っ直ぐなレール。 田園の海を走る船だ。 路面電車のように遅い速度に、何度も何度も、あくびが出る。 こういう電車に乗りたくて、私は旅を続けている。 午後4時30分。終点の大鰐(おおわに)駅に着く。 別に大鰐駅に用事があって来ているわけではない。 中央弘前駅からの電車に乗って、のんびりしたかっただけだ。 弘南鉄道大鰐線の大鰐(おおわに)駅は、JR大鰐温泉駅と併設されている。 おなじ階段を利用しているのに、出口は別々。 とはいえ、JR大鰐温泉駅の改札口は、勝手にキップを箱に置いていくだけだか ら、どっちで降りても文句言われそうもない。 このいいかげんさがいい。 あっ。ホームにリンゴのオブジェ。 青森県は、やっぱりリンゴの国だ。 リンゴの形をしたガードレールを始め、リンゴをデザインしたものが多い。
駅を出ると、今度は巨大な恐竜のようなオブジェ。 あっ。今度は鰐(わに)か。大鰐だから。
ありゃ。まだ紫陽花が咲いている。 きょうの青森県は30度を越える暑さなだけに、紫陽花が咲いている景色がふしぎ だ。
大鰐温泉は、800年の歴史を誇る由緒ある温泉なんだけど、どこに温泉があるの か、その気配がない。 うっかり地図も持たずに来てしまったので、よけいわからない。 駅から温泉まで、さらに車で20分、30分の場合が多いから、遠いのかも。 そういえば、青森県観光推進課のみなさんの会議に参加させてもらったとき、親子 3代にわたって続いている食堂に光を当てようというおもしろい企画が進行中だった。 そのひとつが、この大鰐駅の近くにあったような気がする。 あっ。山崎食堂だ。
入ってみる。 ラーメンのメニューの後ろに、「大鰐温泉もやし入り」と書いてあった。 間違いなくこのお店だ。 ラーメンの並、600円を注文する。 おお! すごい量のもやしだ。 しかも細い。長い。 もやしの頭の部分が黄色くて、固い。 でもこの食感がいい。
さらに麺がまた細い。 これだけ細い麺って、見たことないなあ。 スープは、濃い醤油味。 刻んだ揚げが入っているんだけど、これが甘くておいしい。 もやしもいいけど、このお揚げは、立派な特徴だなあ。 あれ? ラーメンが減らない。(並)なんで、そんなに量が多くないとおもったの に、けっこうボリュームあるなあ。もやしが固いから、いっぱいくちを動かしたので、 疲れてきたのかも。 それでも何だかんだで完食。 おいしかった。
<おすすめのお店> 「山崎食堂」 住所:大鰐駅出て左すぐ。 電話:0172-48-2134 営業時間:11:00〜19:00 定休日:2と4の土曜日。 備考:津軽百年食堂。
午後6時。弘前市内に戻って、ホテルの近くの「TEA&CO.」でコーヒー。 弘前には珍しい、おしゃれなお店。
こういうお店がもっと増えたら、弘前は若者の町として北の仙台になれるのになあ…。
<おすすめのお店> 「TEA&CO.」 住所:青森県弘前市土手町65 電話:0172-39-1717 備考:紅茶とコーヒーのお店。
午後6時30分。いったん弘前国際ホテルに戻る。 けっこう歩いたので、こっちのローカルニュースを見ながら、うとうと…。 午後7時。おっと。弘前ねぷたが始まる時間だ。 ねぷたは、弘前国際ホテルの前を通るので、外に出るだけでいい。 しかも弘前国際ホテルでは宿泊者専用のパイプイスを用意してくれているので、特 等席で、弘前ねぷたを見ることが出来る。 ダンダンダン! ダダンダダン! ダンダンダン! ダダンダダン! ダンダンダン! ダダンダダン! ダンダンダン! ダダンダダン! ダンダンダン! ダダンダダン! ダンダンダン! ダダンダダン! おお! 遠くから、ずしりとお腹に響く太鼓の音が聞こえてきた。 大きな太鼓だなあ。 じょっぱり太鼓っていういのか。 ひとつが直径4メートルもの大きなの太鼓が、4つ並んで、その太鼓に人がまた がっている。 その人たちは、1メートルぐらいの細い棒を2本、スキーのストックのように持っ て、下に向かって、ダンダンダン! ダダンダダン!と振り下ろす。
「ヤ〜〜〜〜〜〜ヤッドォーーーーッ! それっ!」 「ヤ〜〜〜〜〜〜ヤッドォーーーーッ!」 「ヤ〜〜〜〜〜〜ヤッドォーーーーッ! はいっ!」 「ヤ〜〜〜〜〜〜ヤッドォーーーーッ!」 「ヤ〜〜〜〜〜〜ヤッドォーーーーッ!」 「ヤ〜〜〜〜〜〜ヤッドォーーーーッ!」 弘前ねぷた独特の扇形のねぷたがやってきた。
拡声器を持ったひとりの人が「ヤ〜〜〜〜〜〜ヤッドォーーーーッ!」と叫ぶ。 ねぷたをひっぱるひとたちが「ヤ〜〜〜〜〜〜ヤッドォーーーーッ!」と唱和する。 扇形のねぷたの絵柄の基本は、三国志が多い。 企業の参加が多いので、見事なねぷたが多いんだけど、幼稚園、保育園の参加も非 常に多いので、園児たちが描いたねぷたも多い。 ヘタウマの絵なので、実に愛嬌がある。 子どもたちが行列していくさまは、沿道の人の顔を緩ませる。 私も今年から孫のおかげで、子どもを見ると微笑ましくおもえるようになった。
観客は、ひたすら沿道に座って、ねぷたの運行を見ているだけ。 なのに見飽きない。 趣向をこらした50〜60台ものねぷたが、ひっきりなしにやって来るからだ。 近隣の町ごとに参加しているので、筆文字で大きく町名が書かれていることが多 い。境関、槌子(つちこ)、大沢、樹木(じゅもく)、撫牛子(なじょし)…。 難読地名クイズを解いているみたいだ。
家の2階よりも高いねぷたは、電線を前にすると、パカッ!と扇の上の部分が開い て、なかにいる人たちが、電線を上げて、通り抜ける。 こんな仕掛けがついていたんだ! なかには、ねぷた自体が油圧式で上下して、電線の下を潜り抜けるようになってい るものまである。
笛・太鼓・鐘(灰皿みたいなやつね)の3つの音色が一体になって、不思議な哀愁 をかもし出す。
午後9時30分。まだ弘前ねぷたの山車は続く。
ダンダンダン! ダダンダダン! ダンダンダン! ダダンダダン! ダンダンダン! ダダンダダン! 「ヤ〜〜〜〜〜〜ヤッドォーーーーッ! それっ!」 「ヤ〜〜〜〜〜〜ヤッドォーーーーッ!」
もう2時間半になるんだよ。 いったいいつまで続くんだろう? さすがに私はホテルに戻ることに。 嫁はもう少し見て行くそうだ。 ホテルに戻っても、ダンダンダン! ダダンダダン!と、「ヤ〜〜〜〜〜〜ヤッドォ ーーーーッ!」の声はよく聞こえる。 午後10時を過ぎても、この声が続いていた。 でも弘前ねぷたは、いいね。 アマチュアリズムというか、手作り感がいい。 プロとアマをまったく区別せず、参加したい人は誰でもどうぞ!という雰囲気がい い。 それにしても、私は20数年前、この弘前ねぷたを見たことがある。 残念ながら、ある事情で、見たいわけでも見た。 20代のバカ男だ。 しかも音楽業界をめざしていたので、お祭りなんて、辛気臭いものだと思い込んで いた時期だ。 なので「ヤ〜〜〜〜〜〜ヤッドォーーーーッ!」の掛け声すら覚えていなかった。 音楽業界をめざしていたら、この「ヤ〜〜〜〜〜〜ヤッドォーーーーッ!」 をつかった音楽だって、考えられたはずだ。 物事は、興味を持ってみないと、何も感じることも出来ないんだねー。 人生はもったいないことの連続だ。 明日は、青森ねぶた。
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