5月18日(水)

 本日より、青森取材旅行。

 午前9時30分。嫁と喫茶店「らぴす」サンでカフェオレを飲んで、いざ出陣。
 雨の予報ながら、何とか曇り空で持ちこたえている。
 でも東京が晴れていても、青森はどうだかわからない。

 午前10時30分。東京駅八重州口地下の「資生堂パーラー」で、土居ちゃん(土
居孝幸)と待ち合わせ。
 コーヒーを飲みながら、あっさり旅行日程を変更。
 青森に2泊することに変更して、嫁にホテルのキャンセルをしてもらう。
 例によって、私が立てた旅行プランが強行すぎるからだ。
「年齢を考えなさい!」
 いつも言われていることだ。

 午前10時56分。東京駅から、新幹線はやて11号八戸行きに乗車。
 東京駅中央口の脇にある「駅弁屋」に米沢牛の牛肉ど真ん中が3つあったので買っ
て来て、乗車と同時に食事。

 食後、さっそく土居ちゃんと『桃太郎電鉄15(仮)』のグラフィック関係の打ち 合わせ。  未決定のイラストを次々に決めて行く。

 さらに、『桃太郎電鉄16(仮)』以降、どの『桃太郎電鉄』に登場するかは未定 だけど、ハリケーンボンビーやスペースボンビーのようなゲスト・ボンビーの絵のラ フ・スケッチを始める。  ゲスト・ボンビーの場合、土居ちゃんの手になじむまで1年かかるので、何度何度 もデザインしてもらう。  きょう描いた絵を、1ヶ月とか2ヶ月寝かしておいてから描き直すと、まったく違 うデザインになったり、身体の色を変えるだけですんだり決まったりする。  だから土居ちゃんとは、会う度に、ゲスト・ボンビーのデザインを何度も繰り返す のだ。  2時4分。終点八戸駅に到着。 「早いんだねー」と、土居ちゃん。  早いわけだ。3時間8分だ。  盛岡駅から、いわて沼宮内駅、二戸駅に停車しないスーパーはやてのようなものを 走らせば、3時間を切るはず。  それにしても新幹線がない頃は、八戸まで8時間かかったはずだから、早くなった もんだ。  土居ちゃんがのんきに売店で、にんにくせんべいを買おうとしている。 「土居ちゃん! 乗り換え時間あと5分だよー!」 「えっ? 時間ないじゃない!」 「しかも、そのにんにくせんべい、本当に臭いんだから、電車で食べたらほかの乗客 に迷惑!」 「ハハハ! そっか!」  午後2時15分。八戸駅から、白鳥11号に乗車。  八戸を過ぎると、車窓からなんと、桜が見えるではないか。  八重桜だ。  ソメイヨシノもある。  こっちはまだ寒いんだねー。

 おっ! もう浅虫温泉駅だ。  青森が近いぞ。  VAIOをキャリーバッグに仕舞ったとたん、車窓にぽつぽつと雨。 「ハハハ! さくまサン、雨だよ!」 「だから私が仕事をやめたとたん、雨が降らないでよー!」  まったくどうして、私が仕事をすると晴れるジンクスはついて回るのだろう。  午後3時17分。青森駅で下車。  やっぱり青森は寒いね。

 改札口で、ハドソン札幌開発スタッフの川田忠之くんと待ち合わせ。 「おひさしぶりです。すみません。ボクが雨男で…!」 「はっはっは! 川田忠之くん、たぶん私のせいだ。またVAIOを仕舞ったとた ん、雨が降ってきた」  なぜ川田忠之くんが札幌から、わざわざ青森まで来たかは、あとで話す。 「札幌から、5時間かかりました」 「東京から、だいたい4時間…」 「東京と札幌の時間的な真ん中は、函館ってことになるんだね」 「札幌は、遠いなー!」  そのままいっしょに、青森国際ホテルにチェックイン。  インターネット接続ができるかどうかを確認する。  午後4時。私、嫁、土居ちゃん、川田忠之くんの4人は、青森市の南のほうにある 「ねぶたの里」へ。

 ここには「ねぶた祭り」に参加した巨大ねぶたが、安置されている公園なのだ。  私がここに来るのは、10数年ぶり。  脳内出血で倒れる前だ。  あれ? 「ねぶたの里」の入り口の駐車場に、大きなトンネルが工事中だそ。  何なんだ、あれは? 高速道路かな。  公園入り口で遊覧馬車を営業しているおじいちゃんがいたので聞いてみる。 「おじさん、あの大きなトンネル何なの?」 「ありゃあ、新幹線だ」 「ええ〜〜〜っ! 新幹線作ってたのかあ! しかもここを通るのか!」  八戸駅から先、全然新幹線の工事していないから、八戸ー青森間の工事は凍結に なったのかなあ!と土居ちゃんと話していたくらいなのだ。  しかし、桜満開の「ねぶたの里」をずいぶん大胆に横切るもんだなあ。

 青森自然公園「ねぶたの里」に入る。

 キャッチフレーズ的にいえば、「夏の風物詩青森ねぶたがオールシーズン楽し める」だ。  ♪ラッセーラー、ラッセーラー。  ねぶた囃子が流れて、巨大ねぶたが襲いかかるように8台並んでいる。

「大きいですねー」と、川田忠之くんが驚く。 「骨組みの竹の1マスが、意外と小さいんだね」 「そうなんだよ、土居ちゃん。そこを見てもらいたかったんだ。竹自体も細いでしょ ー?」と、私。

 写真やテレビで見るねぶたは、意外と骨組みの竹が太く見える。

 帰りに、私と土居ちゃんはねぶたグッズや、ねぶた祭りのDVDなど購入。  もちろんお土産屋さんで、あれこれ試食するのは忘れない。  リンゴパイのバウムクーヘンがあいかわらずおいしいんだけど、これは私の個人的 趣味すぎるからなあ。

 午後5時30分。再び、青森市内(ここも青森市内なんだけどね)に戻って、 長島町の家庭料理のお店「綺羅(きら)」へ。 「綺羅」とは、また「デスノート」な。  そういうことを言っている場合ではない。

 ここで、青森の地のお刺身などを食べながら、川田忠之くんが今朝、札幌を発って わざわざ青森まで来た本題に入る。  天然活ホヤが臭くなくて食べやすかったとか、イカが甘くておいしかったとか、コ ロッケが妙においしかったとか、お客さんから明日取材に行く場所の情報をもらった とかの話題は、割愛。

 ゲーム・ファンならもう知っていることだが、今週ロサンゼルスの「E3」で、プ レイステーション3が来春発売されることが発表され、マイクロソフトからはX−B OX360が発表された。  となれば、今後どちらのハードで、『桃太郎電鉄』を発売したらいいのかという緊 急事態なのである。  …というより、川田忠之くんはハドソンの人間であるからして、「プレイステーシ ョン3と、X−BOX360の両方で『桃太郎電鉄』を出して欲しい!」という特命 を帯びて来ているからにほかならない。  でも、私は孫もいるおじいちゃん。土居ちゃんも、6月30日で50歳。  毎年恒例のPS2を1本作るのだって、体力的にきつくなって来ている。  なにしろ土居ちゃんは、毎回約400枚の絵を描いている。  400枚という数字は、小学生でもわかる計算だ。  毎日1枚描いては、間に合わない。  しかも完成イラストが、400枚だ。  私は何10枚も土居ちゃんに描きなおしを命じている。 『桃太郎電鉄USA』でいえば、スペースボンビーは何回描きなおしたかわからない。  このペースで、プレイステーション3と、X−BOX360の両方で『桃太郎電鉄』 を出すなんてのは無理に決まっているのだ。  一応、私もうまい方法はないかと考えたよ。  でも井沢どんすけに「井沢〜! 『桃太郎電鉄』の終了年数99年が、30年にな ってもいいよな?」と聞いてみた。 「ええ〜〜〜! 30年ですかあ! ダメですよー! 200年でもいいと、ボクは おもってますよー!」 「ひえええええっ! やっぱりかあ!」  井沢どんすけは、私たちの苦労などまったく考えずに、つねにお客さん目線で答え るのだ。  だとすれば、やっぱり両方のハードで出すというのは、難しすぎる。  なのに「何とかできませんか?」と言わないといけない川田忠之くんは、かわいそ うだ。

<おすすめのお店> 綺羅 住所:青森県青森市長島2丁目4-11 電話: 017-722-2419 営業時間:11:30〜14:00 17:00〜23:00 定休日:日曜・祝日。 備考:活イカ、天然活ホヤ。

 午後5時30分。青森国際ホテルへ。  1Fの喫茶店で、川田忠之くんの説得は続く。  ハドソンのゲーム部門の縮小を考えると、『桃太郎電鉄』の本数を増やしたくなる 気持ちもわかる。 「でもねー、川田忠之くん。モバイルなら私が京都にこもって作れば、1週間で仕様 書の第1稿を作れたけど、PS2規模のゲームは、最低でも3ヶ月かかるんだよー。 1年じゅうアイデアを考え続けた上でね」 「ええ、それは知ってます」 「PS2で毎年出すのだって、ふつうのチームだったら絶対無理だよ。第一、ハドソ ンは何年か前に、2年に一度『桃太郎電鉄』を出してくれればいいって言っておきな がら、昨年から1年間の間に『桃鉄USA』、『桃鉄G』、『桃鉄TOKYO』、『桃太郎 電鉄15(仮)』の4本も作ってるんだよ。厳密に言えば、『桃太郎電鉄モバイル (仮)』も作ってる」 「うーん。そうなんですが…」 「川田チームが、本当に一生懸命仕事してくれて、いつも私の予想以上のゲームを作 ってくれるから、年に1本、大規模な『桃太郎電鉄』を作らなきゃ悪いとおもってる んだけど、正直、きつい。  仕事が嫌なんじゃなくて、物理的に難しい」 「うーーーん…」  川田忠之くんは、任天堂のエボリューションのことも言いたかったんだろうなあ…。 せめて私と土居ちゃんが、10歳若かったら2機種同時ぐらい可能だとおもう。関口 和之くんも今年50歳になる。池毅さんは私よりひとつ下の52歳。  みんな年齢のわりにパワフルだけど、無理がもれなく身体に響く年齢だ。  午後9時30分。どうしても、もう1軒寄って行きたいお店があるので、そのまま 4人で、堤町のラーメン屋さん「王味(わんみ)」へ。

 タクシーの運転手さんに「王味(わんみ)へ」というだけで行ってもらえるほど有 名なお店だ。  先日、読売広告の青森県の町おこしの会議に出席させてもらったときに、この「王 味(わんみ)」の餃子を青森県の観光課の斉藤直樹さんに勧められたので来てみたか ったのだ。  この「王味(わんみ)」の餃子が絶品というのだ。  青森県には、にんにくの生産日本一で、しかもにんにくのおいしさでもずば抜けて 1位の田子(たっこ)町というのを県下に擁している。  その田子(たっこ)のにんにくをたっぷりすぎるくらいつかった餃子なのだ。  すでに「綺羅」でそこそこお腹を満たしていたので、4人で醤油ラーメンふたつに、 餃子3人前、チャーハンひとつを注文。  出てきた餃子は、意外と小さかった。  しかも皮がパリパリの餃子を予想していたけど、水餃子の皮に近いくらい、皮がや わらかい。  それより、すでににんにくの匂いが、漂っている。  食べると、肉汁がちゅるちゅる出てくる。  肉汁というより、にんにく汁。  すかさず、2人前、追加注文する。  合計5人前。  人数より多くなってるじゃないか!

 これはたしかにすごいや!  この餃子のおいしさは、一種独特。  お醤油の小皿にも、すでににんにくを切ったものが浮かんでいる。  これは強烈だよ。  さすがに帰るときに、お店の人にタクシーを呼んでもらった。  このお店に来てくれるタクシーの運転手さんなら、私たちがにんにくで臭いのを承 知の上で来てくれるだろうからだ。  はっきりいって、国道でタクシーを拾って、このにんにくの匂いをさせたら、運転 手さん怒るとおもうよ。  そのくらい私たちは、にんいくまみれになってる自覚がある。

<おすすめのお店> 「王味(わんみ)」 住所:青森県青森市堤町1-10-8 電話:017(734)3380 営業時間:17:00〜翌1:20分 定休日:日曜 備考:にんにくたっぷり餃子。

 午後10時30分。青森国際ホテルへ。  川田忠之くんは、明日の午前7時30分の電車に乗って、札幌まで帰るそうだ。  何とも色よい返事が出来なかったのは、申し訳ない。  ホテルの部屋で、テレビを見ながら、きょう土居ちゃんと打ち合わせたアイデアを まとめる。  えっ!? タッキー&翼の今井翼くんって、熱狂的な横浜ベイスターズ・ファンな の? いいやつじゃないかー!  おいおい! 横浜スタジアムの照明灯が横浜の「Y」の字になっているエピソード を知ってるよー! ほんまもんの横浜ベイスターズ・マニアだ。  私のごひいき帳に、メモしておこう。今井翼くん。  そういえば、昨日の「プロ野球ナイト」に来てくれた横口剛広くんからメールが来 てたん。

横須賀市・横口剛広 ―――――――――  さくまさん。  今日はというか、昨日は大変お疲れ様でした!  実は今日、行こうか行かないか迷ってました。  横須賀発が仕事が終わったあとの6時になってしまい、到着がギリギリの7時半 ちょっと前だったものですから。私も大変でした。

●さくま「横須賀から新宿まで来てくれたんだよね。それだけでもすごい」

 そして、あんな小さなポーチにサインしていただきまして、本当にありがとうござ いました。我が家の家宝とさせていただきます。  なお、わざわざ日記にまで出してもらって嬉しい限りです。  あとひとつ、さくまさんが出してくださったプレゼントのストラップだけでも欲し かったんですけど。  タオルとセットになっていて、見事にはずれました。

●さくま「ストラップは、非売品のキングボンビーのやつね。タオルは佐々木様の2 2番ロングマフラーってやつだ。またあのイベントがあったら、今度はもっとたくさ んプレゼント持って行くよ」

 最後に、気になったことが。  さくまさんが退席するときに足を引きずっていらしたような感じがしたのですが・ ・・。大丈夫ですか?

●さくま「基本的には巨人の長嶋さんとおなじ脳梗塞だから、まだまだ手足は不自由 なんだよ。長嶋さんが最近、もうすぐみなさんに球場で会えますみたいなファックス 掲載してたけど、同病者から言わせれば、相当無理だよ」」

 日記には明日から北のほうへ取材へ行かれると書いてあったので・・・。ちょっと 心配です。

●さくま「心配ありがとう! 取材自体がリハビリだから、もっともっと行かないと いけない」

 まだ書きたいことはあったのですが、横須賀に帰ってきたのが1時15分だったの で。もう寝ます。

●さくま「帰れたんだ! すごい」

 旅の無事を陰ながらお祈りしています。  ではお気を付けて!!

●さくま「今回は嫁も土居ちゃんもいるから大丈夫」  明日は、雨が決定的。  いちばん取材しないといけない日なのだ…。  なぜこんなときに晴れ男の法則が発揮できぬ。

 
さくまNEWS


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