2月16日(水)

 京都は、雨。
 雨のわりには、暖かい。

 午前10時。嫁は、風邪で寝たまま。
 私は、「イノダコーヒ三条店」へ。
 土居ちゃん(土居孝幸)、柴尾英令くんと待ち合わせ。
 30分ほど、『桃太郎電鉄16(仮)』の打ち合わせ。
 きょうから『桃太郎電鉄16(仮)』のCOMキャラを「劇的ビフォーアフター」
するための緊急プロジェクト始動だ。
 打ち合わせは順調に進むが、さすがに詳細はナイショ。
 みんなをあっといわせたい。
『桃太郎電鉄G』にちょこっとだけ、予告編のようなものは入れている。

 午前11時。私、土居ちゃん、柴尾英令くんの3人は、京都駅へ。
 雨はだいぶ弱まってきた。

 午前11時21分。新幹線ひかり305号岡山行きに乗車。
 車中も、引き続き『桃太郎電鉄16(仮)』のCOMキャラの打ち合わせ。
 まめ鬼、赤鬼、餓鬼、馬鬼、風神、あしゅら、えんま、さくま鉄人に、個性をつけ
ていく。
 個性とは、強い、弱いではなく、特徴。
 いままでは「強い。賢い」をキーワードに、COMキャラを作っていたけど、今後
は「強さ」よりも「個性」を重んじようということで、意思統一を図る。

「外が、晴れきましたねー」と、土居ちゃん。
「また私が仕事しているせいで、着いたら、晴れちゃったりして…」と、私。

 午後12時2分。西明石駅で下車。
 やっぱり雨があがってしまった。
 絶対変だよ、このジンクス。
 私が仕事をしたら晴れて、仕事から頭を離すと、雨が降るなんて、あるわけないよ。
でも、きょうもその通りになってしまったからなあ!
 実際、イノダコーヒ三条店で「いまは雨降ってるけど、さくまサンが明石に行った
ら、雨があがるかもしれないな!」と、土居ちゃんが言ったので、日帰り取材を強行
することにしたのだ。

 でもタクシーに乗って、世間話をしてきたら、窓ガラスにぽつぽつ雨が当たってき
た。
「おいおい。また仕事の話をしないといけないのか?」と、私。

 午後12時30分。明石の魚市場「魚の棚」へ。

「魚の棚」は、「うおのたな」と読むが、地元では親しみをこめて「ウォンタナ」と、 英語っぽく発音する。 『ブラック・マジック・ウーマン』である。  いや、それは「サンタナ」。  ここは「ウォンタナ」。

 銀色の太刀魚(たちうお)が並ぶ市場を、抜けていく。  明石名物「くぎ煮」の文字も多い。  土居ちゃんが「ちくわとか食べなくていいの?」と言い出す。 「先に、明石焼きを食べてからにしようよ!」と、私。 「あ〜〜〜、魚見てるうちに、腹減ってきた」と、柴尾英令くん。

「魚の棚」の東寄りにある「たこ磯」へ。  明石焼きの人気店だけに、行列が出来ていた。  明石で、NO.1の人気なので、待つことに。  私が以前取材したお店とは、違うお店だった。 「あ〜〜〜、作っているところを見たら、よけいお腹が減ってきた〜!」と、柴尾英 令くん。

 しばらく待って、ようやくお店に入る。  明石焼きは、正しくは、玉子焼きである。  ふわふわの玉子焼きに、タコが入っていて、出し汁につけて食べる。  たこ焼きのように粉をつかっているのではない。

 来た、来た! 「あちち…。あちち…。う、うまい!」 「こりゃ、うまい!」 「おいしい! 東京のたこ焼き屋さんが、ついでに作ってる明石焼きは、食べたこと あるけど、全然味が違うね!」と、土居ちゃん。 「お出汁がいいですねー。磯の香りがする」と、柴尾英令くん。 「片手間で作っていない感じがみなぎってるね」と、私。  玉子焼き、600円に、穴子入り玉子焼き、800円も注文する。  一人前は15個もあるのに、食べやすいので、ホイホイ食べてしまう。 「うーーん。穴子入りより、タコ入りのほうが、おいしいなあ」と、柴尾英令くん。 「穴子のほうが、玉子焼きより勝っちゃっているんだね」  テーブルの上に、ソースが置いてあったので、お店の人に「このソースは、何につ かうんですか?」と聞くと、「ソースをかけて食べる人もいれば、ソースをかけた玉 子焼きを、そのままお出汁につけて食べる人もいます」との答え。 「え〜〜〜! ソースをつけた玉子焼きを出汁に突っ込むの嫌だなあ」  でも、まわりのお客さんを見ると、大半の人が、ソースをつけたまま、出汁につけ ていた。うーーむ。

<私がもう一度行くためのメモ> 「たこ磯」 住所:明石市本町1丁目1−11 電話:078-914-5103 営業時間:不明。 定休日:木曜日

 食後、いきなり土居ちゃんが、「たこ磯」の隣りで売っていた「たこちくわ」を3 本買って、私と柴尾英令くんに配る。 「え〜〜〜、もう食べるの?」 「あっ。でも、甘くておいしい!」

 この「たこちくわ」はおいしかったなあ!  出来立ては何でもおいしい。  また食べたい味だ。  午後1時15分。「明石市立天文科学館」へ。  明石といえば、東経135度の子午線が通る日本標準時の町だ。  その子午線が通っているのが、この「明石市立天文科学館」。

 私の予想では、公園になっていて、大きな花時計の前に、1本の線が通っていて、 その線をまたいで、記念撮影ができる場所を想像していたんだけど、科学館の人に聞 いたら、子午線はエレベーターのなかを通っているのだそうだ。  ちょっとこれは、仕掛けがなさすぎだなあ…。  とにかくエレベーターに乗る。  展望台へと向かう。 「あれ? 展望台って、14階なの?」と土居ちゃん。 「4階の上が、何もなくて、いきなり14階なんだ!」と、柴尾英令くん。 「ええ〜〜〜っ! 14階!? そ、そ、それはダメだ!」と、高所恐怖所の私だ。 「大丈夫ですか、さくまサン!」 「まったくダメ! ああ、汗が出てきちゃった!」 「さくまサン、ほんとに高い所ダメだからなあ!」  下から見上げたときは、5〜6階くらいにしか見えなかったし、塔もけっこう太か ったから、高所恐怖症の私でもひさびさに平気な場所だとおもったんだけど、14階 と聞いて、もうまったくダメ!  膝から下が、すぅーーーと、寒くなってきて、足が震えてしまった。 「ああ! ダメだ、ダメだ。いかん、いかん! 14階の高さを想像しちゃったよー!  ひえええええええっ…!」  私の師匠は、『子連れ狼』の小池一夫さんだが、師匠から学んだアイデアの出し方 は「つねに物を上から、下から、ひっくり返して見ること」というものだった。  忠実な生徒である私は、つねに自分が立っている位置は、いまどのくらいのところ にいるかを頭のなかに想像する能力を身に着けて、高所恐怖症がさらにひどくなった のである。  だから14階と聞いて、映画『ダイハード』の吸い込まれるようなエレベーターの なかや、水銀のような刀がエレベーターをぶち破って入ってくる『ターミネーター 2』を思い出して、怖くなってしまうのだ。  とにかく、エレベーターは、14階に着いてしまった。  うわっ。明石海峡大橋と、瀬戸内海が遠くに見える。

 エレベーターを出て、2〜3歩のところで、私の足は止まる。 「悪いけど、このままエレベーターで、私は先に下る」 「さくまサン、大変だなあ!」 「とにかく、さらばだ。♪さらば〜、いとしき友よ、いずこに〜〜〜!」と、NHK 「新選組!」の主題歌を歌いながら、去って行く私であった。  いやあ、ひさびさに、まいった。  1階に戻って、イスに倒れ込む。  ああ! 心臓が、バクバクする。    一度トイレに行き、気を取り直して、3階の展示室まで上り、土居ちゃん、柴尾英 令くんと合流。   「明石市立天文科学館」の外に出ると、1本子午線が通っていたけど、どうも迫力も なく、記念撮影に適していない。

 学校の教科書で、明石の子午線、日本標準時ほど、ポピュラーなものはないのに、 そのくせ明石まで見に行った人が少ないというのは、この地味さなんだね。 「子午線公園」または「日本標準時公園」を、明石市は作るべきだったね。  実は、いつも『桃太郎電鉄』シリーズのゲームスタート画面に、いつも土居ちゃん は全国の名所を1枚絵で描いている。  その1枚絵シリーズを、『桃太郎電鉄16(仮)』で、子午線をまたいでいる金太 郎や、浦島にしたらどうだろうかと、やって来たんだけど、これでは無理だな。まあ、 こういう失敗は、取材にはつきものだ。  さらに失敗は続いた。 「明石市立天文科学館」の裏手に「時の道」というのがあるので、そっちを歩いて行 こうとおもったら、急坂の石段。  見た目にはたいした石段の数ではないので、大丈夫だろうとおもって、登ったら、 これが大変!  雨に濡れた石段なので、滑りやすいし、登るにも気をつかう。  おまけに、私はVAIOを担いできていたのだ。  膝はがくがく、途中の踊り場で、動けなくなる。  いまも毎週バスケをやってる土居ちゃんが「これは、オレでもきついよ!」と言い だすような難所であった。  ふい〜〜〜、登りきった。  登りきったけど、お寺がひとつあるだけだよ。  こんな急な石段を登ったら、銅像のひとつも立っていてよ!  それどころか、「明石市立天文科学館」の4階から、直接ここに出られる渡り梯子 が伸びていた。ええ〜〜〜、「明石市立天文科学館」のなかに、「時の道への近道」 とか大きく書いておいてよ!

 わざわざ1階まで降りて、もう一度、4階分歩いたってことじゃないか!  その後も「時の道」は、ひたすら歩きづらいだけで、お土産屋さんも、喫茶店もな い。滑りそうな、危険な石畳が続くだけだった。  午後2時30分。JR明石駅に、たどり着く。

 とにかく、駅前の「スターバックス・コーヒー」で、休む。  ひえ〜い。足がしんどいー!  ここでもしばらく、『桃太郎電鉄16(仮)』のCOMキャラの性格付け。  午後3時10分。明石駅から、新快速に乗車。  車中も、『桃太郎電鉄16(仮)』の打ち合わせ。  すっかり、桃太郎電鉄漬け。  午後4時12分。京都駅で下車。  午後4時30分。受け狙いで、「イノダコーヒ三条店」へ。 「ふりだしに戻ったみたいだね」と、土居ちゃん。  COMキャラのアイデア出しの総まとめ。  ほぼほとんどが、まとまる。  体操競技で、ピタッと着地が決まったような鮮やかさだ。  午後5時30分。嫁も合流して居酒屋「牛のほね・あなざ」へ。  ビーフシチューのおいしいお店だ。  炙り明太子や、下仁田ネギ焼きなどを食べる。  きょうは、百合根のコロッケが群を抜いて、おいしかったなあ。  午後6時30分。土居ちゃん、柴尾英令くんと分かれて、京都のマンションに戻る。  疲れた。ちょっと休むつもりが、テレビを見ながら、転寝。  今夜は、きょうの日帰り取材で出たアイデアをまとめる作業。

 
さくまNEWS


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