11月11日(木)

 やっぱり、たくさんメールが来た。
 それは何かって?
 これ!

広島市・けんけん ――――――――  さくまさん、こんにちわ。  今、トリビアの泉を見ていたところ、「桃太郎電鉄USA」のテレビコマーシャルが!  あまりテレビを見ないためか、これが初めての目撃です。  あまりに嬉しかったのでメールしちゃいました。  ただそれだけです。ご迷惑をお掛けしました。

新潟県・くにはら ――――――――   さくまさん、たった今「トリビアの泉」でCMが流れました!  さすがに今年は違いますね!  初CMでしたので、報告します。

大阪市・高野文孝 ――――――――  さくま所長、こんにちは、高野文孝です!  今! 放送中の「トリビアの泉」にて、桃太郎電鉄USAのCMを見ましたっ!  超かっこいい!  今までの桃鉄のCMとは一味違った、しぶさを感じました!  発売まで、あと1週間!楽しみにしております!

盛岡市・Rin ――――――――  さくまさん、こんばんは。  桃鉄USAのCM目撃しました!  トリビアのときに流れてましたね。  今日のは15秒バージョンみたいでしたけど。  あの時間帯、しかもトリビアのとき、となればかなりの人が目にしたんじゃないで しょうか?  それにしても、サイコ・ル・シェイムのみなさんのコスプレ(?)はさすがですね。  間近で見るともっとすごいんでしょうねぇ・・。  発売まであと1週間、CMがたくさんの人の目に届くといいですねぇ。

●さくま「みんなもう! 番組が終了していないのにメール書いてくるんだもん!  うれしかったんだろうね。私もうれしいよ!  今年の『桃太郎電鉄USA』は、パワーが違いますぜっ!」  午前11時。嫁と、「喫茶店らぴす」サンで、モーニング・セット。  午前11時42分。地下鉄の明治神宮前駅から、千代田線我孫子(あびこ)行に乗 車。

 本日、日帰り取材旅行。  お醤油で有名な野田(のだ)まで行く。  前回大いに鉄道路線を勘違いした北千住駅&常磐線を通る旅なので、今回は念入り に下調べした。  ところが、常磐線は手強かった。  常磐線沿線は、改善に改善を重ねているようで、手元の旅の本によって、野田まで 行く経路が全然違うのだ。  古い本によれば、大宮駅から1時間ぐらいかかって、東武野田線野田市駅というと ころまで行かないといけない。  でも、インターネットの「乗り換え案内」だと、千代田線で北千住まで行き、北千 住駅から、常磐線の快速に乗り換え、柏駅。柏駅から東武野田線で野田市駅と出た。  この時点で、前回私が常磐線の乗り方を混乱したときにアドバイスをくれた、さく まにあのみなさんはいま「違う! 違う! またさくまサン、間違えてる!」と叫ん でいることだろう。  気がついたよ。  千代田線に乗ってから、路線案内図を見て、気がついたよ。  いわゆる「乗り入れ」というやつで、我孫子(あびこ)行きは、乗り換えなくても、 このまま柏駅まで行くんだよね。  北千住駅で、快速に乗り換えれば、そっちのほうが早く着くと「乗り換え案内」が 表示したんだね。  千代田線って、覚えればむちゃくちゃ便利じゃない。  最近ようやく気がついてきた。  原宿に越してから、来年で10年。  ちょっと気づくのが遅い。  午後12時42分。ぴったり1時間で、柏(かしわ)駅に着いた。  こりゃ、柏(かしわ)市が発展しているわけだ。  そごうも、高島屋もあるもんね。  サッカーチームも持てるわけだ。  ありゃ? パスネットで改札口を出ようとしたら、ピコ〜〜〜ン! ピコ〜〜〜ン!  まだ残っているはずだぞ。  ここは常磐線のJR柏駅だから、地下鉄+JRのJRの部分の料金は現金で払えっ てこと? ひとり、450円?  どうも「乗り入れ」をしたものの、料金精算までは統一に至らないのか。  あとで東武柏駅で聞いたら、もうすぐパスネットでも改札口を出られるようになる そうだ。  本当に千代田線は、がんばっている。  午後12時52分。東武線柏駅から、東武野田線運河行きに乗車。  わっはっは。間違えずに、原宿から柏駅まで来れたのに、ここで間違えた。  本日の目的地・野田市駅は、運河駅のふたつ先だった。  運河駅で下車。  地下道を通って、向かいのホームへ。  あとから来た大宮行きに乗る。  くそっ。この大宮行きは、柏駅に停車していたやつではないか!  でもこういうローカル線は、失敗があったほうがたのしい。

 午後1時20分。野田市駅で下車。  駅のホームに下りたとたん、ぷーーん!と醤油の臭いがしてきた。  これはうれしい歓迎だ。  改札口を出る。

 うわ〜〜〜! いきなり大きなキッコーマン醤油の工場が目に飛び込んできた。  まるで製鉄所のように大きい!  野田市は、キッコーマン醤油の城下町だ。  この町に生まれた人はみな、学校を出ると、キッコーマン醤油か、キノエネ醤油の どちらかに就職するらしい。  キッコーマンというのは、誰もが知っているあのキッコーマン醤油のわけだけど、 実は江戸時代からずっとある老舗というわけではないようだ。  戦国時代、甲斐の国の武田家へ、溜まり醤油を納めていたのが、野田醤油の始まり。  茨城県にお醤油の原料である大豆が豊富で、小麦粉も多く取れたことから、野田に 醤油を作る醸造会社が増えたそうだ。  ところが、1917年。  野田の醸造家たちが合同して、野田醤油という会社を作ったのだそうだ。  この会社がのちに、キッコーマン醤油と改名して、1980年には、キッコーマン となった。  キノエネ醤油が、この合併に加わらなかったのは、キノエネ醤油が、お醤油作りに かかせない岩塩の権利だか何を持っていたから独自で生きていけたからだそうだ。

 こういう話を地元の人が話してくれるくらい、野田はお醤油の町だ。

SLの飾りがついた街灯

 午後1時30分。キッコーマンの工場のなかにある「もの知りしょうゆ館」へ。  以前は、予約しないと見学できなかったけど、いまは自由に見学できる。  ただし、工場入り口で、見学希望と名前を書く。  入場料無料。  工場に入ると、駅からずっと臭い続けだったお醤油の臭いが、大豆の臭いに変わっ た。

 工場を巡りながら、お醤油が出来るまでを見学する。  以前、四国の小豆島でもお醤油工場を見学したけど、こっちは大量消費用のお醤油 工場だ。お醤油を作る過程がまったく違う。  まったく人がいない。  コンピュータと機械が、お醤油を作っていく。  お醤油を絞る布も、コンピュータが3つ折りにして、上から圧力をかけるのも、機 械。ペットボトルにお醤油を詰める機械は、1分間に500本以上詰めることができ るそうだ。  それでも、大豆からお醤油になるまでは、発酵を待たないといけない食べ物だから、 10ヶ月ほどかかるそうだ。  人間が生まれるまでと、おんなじなんだね。  順路を歩いて、受付まで戻ってきたら、案内のお姉さんがお醤油を持って待ってい てくれた。えっ。お醤油をひと瓶くれちゃうの? うちはふたりうだから、2本?  入場料無料なのに? キッコーマンさん、太っ腹。  午後1時45分。映像ルームで、お醤油ができるまでのビデオを見る。  15分間の映像だ。  へ〜。発酵させる段階で、キッコーマン菌というのもあるんだ。  子どもの頃の社会化見学で、こういうお勉強ビデオを見るのは、苦痛だったんだけ ど、最近はこういうビデオを販売してくれないかなあ?とおもうようになってきてい る。  このあと、野田市駅に戻って、タクシーに乗る。  意外と広い観光コースを歩くと大変なので、ダイジェストで回る。  しかし、この町はひとつだけ困ったことがある。  町のどこでも、お醤油の臭いがするので、無性にお腹が空くことだ。  早く見ないといけない場所を回って、商店街で何か食べたい。  午後2時30分。おお! 江戸川だ。江戸川に出た。  江戸川って、昔は寅さん、いまは金八先生が歩いていそうにおもえちゃうね。

 江戸川沿いの歩道をちょっと歩いて、御用蔵へ。  まるでお城のようだ。  ここは、宮内庁に納める手作り醤油を作るところ。  いまだに昔の製法でお醤油を作っているそうだ。

 でもここもまたキッコーマンの工場敷地内。  おまけに、見学できない。  宮内庁御用達のお醤油を作る場所だもん。  見学できないのは、当然。  午後2時45分。キッコーマンの発展に貢献した高梨家の住居を見学。  なんと3000坪の敷地。  タクシーの運転手さんを待たせているので、のんびり見て行くわけにも行かず、駆 け足で半分ほど見た。  案の定、家のなかは、江戸川乱歩の作品に登場するような豪奢な部屋であった。  江戸時代とか、江戸川はこの家まで船が入ってきていたそうだ。  昔のお金持ちは、規模が違うなあ。

 高梨家の斜め向かいに、お醤油の天然仕込みをする煉瓦蔵がある。  ここの花壇に、コスモスが咲き乱れていて、きれいだ。

 午後3時。野田市の商店街でタクシーを降りる。

 ここもご他聞に洩れず、ジャスコの進出などで、シャッター商店街になってしまっ たと聞いていたんだけど、歩いてみたら、それほどでもなかった。  和菓子屋さんがやけにたくさんあるし、お醤油の町だから、野田せんべいのお店も たくさん残っている。  でも町の人に言わせれば、おせんべいは草加市に奪われてしまったという。  あちこちで、買い食いする。  私流の取材だ。  決して、食い意地が…、張っている。 「野田せんべい大川屋」のおせんべいが、おいしかった。  いろんな味が入ったおせんべいの袋入りを買う。  町を歩きながら、ぱりぱり。

「ふくれっつら」というおせんべいは、うちが毎年お正月に、お餅にぽたぽた醤油を 塗っては何度も炭火で焼いたものの味に近い。

「野田せんべい大川屋」  住所:野田市野田261 電話: 04-7124-2461 営業時間:午前8時30分〜午後7時 定休日:年中無休。

 和菓子の「丸嶋屋」へ。  いきなり、お店に入っただけで、お茶と最中を出されてしまった。  お店の前に貼ってあった「えだ豆パイ」のばら売りをちょっと買ってみようとおも っただけなのだ。  おっ。むっ。おおっ!  この「えだ豆パイ」は、うまいよ!  抜群にうまい!  おもわず、10個入りを買う。

「丸嶋屋 」 住所:野田市野田355 電話:04−7122−3111 営業時間: AM9:30〜PM7:30 定休日:月曜日 備考:えだ豆ぱい

「大川屋」で、おせんべいを買い、「丸嶋屋」で、えだ豆パイを買い、どんどん荷物 が増えて行く。キッコーマンの工場でいただいたお醤油の瓶2本が、重い!  さらにお漬物屋さんの「坂倉(さかくら)」へ。  このお店の名物である「玉ねぎのおり漬け」がおいしい。  また買ってしまう。

「坂倉」 住所:千葉県野田市野田608 電話:04-7123-3131  営業時間:8時〜19時 定休日:月曜(定休日が祝日の場合は営業)

 もちろん、まだほかの和菓子屋で、和菓子を買って食べたりもしているんだけど、 いまいちな商品は、書かない。  野田市は、キッコーマンの城下町だから、この町を観光地にしようという気はまっ たくないのだとおもう。

 でも、私の目からすれば、実にもったいない。  この商店街に、江戸時代風の店舗で、みたらし団子屋と、ぬれせんべい屋さんと、 雑貨屋さんを並べて2軒作るだけで、あっという間に、埼玉県の川越並みの観光地に なるはずだ。

こんなクラシックな建物も残っている

 完成した観光地より、私はこういう自分の実力に気づいていない町が好きだ。  大いに気に入った。

 調子に乗って、歩きすぎた。  足が上がらない。  道路の切れ目に何度もつまづき、倒れそうになる。  さっきから喫茶店で休憩したいのに、この商店街には、喫茶店がひとつもないのだ。

愛宕神社

 午後4時。ファミレス「サイゼリヤ」があった。  転げ込むように、サイゼリヤに入る。

 もう口を聞くのも億劫なくらい疲れているのに、注文を聞かれると「コーヒーにミ ルクイタリアンジェラート!」と答えてしまう。  また甘いものかい!  ひたすら、サイゼリヤで体力の回復を待つ。  靴を脱いで、足の痺れを癒す。  まだ取材は終わっていない。  体力を回復させないといけない。  午後5時。すっかり真っ暗になってしまった住宅地を、迷いに迷いながら、ついに 「ホワイト餃子本店」へ。

 ここ数年、全国各地で話題になっているホワイト餃子の発祥の地が、ここ野田に あったのだ。  私はてっきり、ホワイト餃子は名古屋の名物とおもっていた。  ところが、調べて行くうちに、この野田市にたどり着いた。  しかも、このお店、午後5時から、午後7時30分だけ、お店で食べられる。  あとの時間は、ぜんぶ焼いたものか、生餃子を販売している。  だから、サイゼリヤで5時近くなるまで待っていたのだ。  お店に入ると、内装が妙。  まるでお風呂屋さんを改造したみたい。タイル壁画のせいかな。  変ではないが、奇妙なり。

 とにかく行列ができる大人気のお店と聞いていたけど、私たちの前にお客さんは、 2人。意外とそうでもないな!と思うやいなや、開店時間の5時を越えるや、ぞろぞ ろ、ぞろぞろ、休み時間の教室みたいに人が現れて、どんどん後ろに並んで行く。  ホワイト餃子は、2人前から。20個だ。  あれ? この餃子、どこかでこの形、見たことあるぞ!  あっ! 長野県の松本に行ったときに、穂高まで足を伸ばして食べに行った「あず みの餃子」にそっくりではないか。  ホワイト餃子が来た。  たっぷりの油で焼くところや、サクサクした皮の食感と香ばしさも、あの「あずみ の餃子」とそっくりだ。  どっちが先に作ったんだろう。  やっぱり、こっちなんだろうなあ。

 おいしい! これはおいしい!  あちちち…。  32種類も具が入っているのか。  どうでもいいかも知れないが、卓上に置かれたお醤油は、もちろんキッコーマン醤 油。でも、ラー油も、お酢も何で、キッコーマン醤油の瓶に入っているんだろう。深 く考えてはいけないか。

 餃子ひとり10個だけで、満腹すかな?とおもっていたけど、大きいので、じゅう ぶん満腹。お漬物も実においしい。  でも何で餃子専門店って、ご飯を置かないことが多いのかなあ。  ご飯もいっしょに食べたいよねえ。  うまい。ほんとに、うまい。  もはやあずみの餃子とおなじおいしさといっては、失礼なんだろうなあ。  ホワイト餃子は、おいしいといわないといけないんだろうなあ。  何でもこのお店では、1日に約3万個作っているそうだ。  でも、きょうもすでに生餃子は売り切れていた。」  しかも、生餃子は、1時間以内に冷蔵庫に入れないと困るという貼り紙が張ってあ った。1時間では家に帰れないなあ。  ふう。食った。食った。  お店を出ると、雨が降り始めていた。  どうして、私が取材をしている間は、雨が降らなくて、取材が終了すると、雨が降 るのだ。うれしいけど、あまりの法則は気持ち悪い。  午後6時30分。柏駅へ。  自動販売機で、Suicaなら、明治神宮前駅までのキップが買えた。  やっぱりまだJR重視なんだな。  午後6時39分。代々木上原行きに乗車。  きょうもらってきたパンフレットなどを読み返す。  最後のホワイト餃子がおいしかったので、最後まで充実の取材。  午後7時39分。明治神宮前駅で下車。  うへっ。柏駅に着いたときやんでた雨が、こっちではけっこう降っている。  午後8時。雨に濡れながら、帰宅。  野田市のデータを、『桃太郎電鉄』の台帳に記入する作業。 『地方編』では、間違いなく登場の決定! 『桃太郎電鉄TOKYO(仮)』に、野田市駅を登場させられなかったことが、非常に悔 やまれる。北千住とか、春日部は登場するんだけど、柏駅と野田市駅は、今回見送っ ていたのだ。  何とも、悔しい!

 
さくまNEWS

●桃太郎電鉄USA発売記念、特別番組『LIVE★桃の陣』放送決定! NEW!
放送日時:11月22日(月)25:40〜26:36
放送局:大阪MBS(大阪毎日放送)
司会:陣内智則さん、若槻千夏さん
出演:バッファロー吾郎、ケンドー・コバヤシ、野性爆弾、シャンプーハット
ゲスト:さくまあきら、土居孝幸

●ハドソンHPに『桃太郎電鉄USA』のページができました! NEW!

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