９月２日（木）

　浅間山の噴火は驚いた。
『桃太郎電鉄』では、極力大爆発しそうもない休火山を選んで、噴火のイベントを発
生するように配慮していただけに、大被害が出るような爆発ではなかったことに、ち
ょっとホッとした。
　まだまだ予断を許さないけど…。
　火山の怖さをゲームのなかで伝えて行きたいけど、被害が大きすぎると描くのがた
めらわれる。

　そうだ！　大切なことを忘れていた！
　昨日、ハウステンボスの「桃太郎電鉄モバイルラリー」のことを書いて、最後に携
帯電話は、ドコモだけしかつかえないといってしまったけど、大間違いだった！　
ヴォーダフォンでも、auでも、ＯＫだそうです！　すみません！
　どなたも安心して、ハウステンボスの「桃太郎電鉄モバイルラリー」に参加してく
ださい！

Q1.参加可能な携帯電話は？
A1.3キャリア（NTT Docomo/au/Vodafone)のカラー端末でインターネット接続
サービスに加入している携帯電話は基本的に参加できます。但し、一部対応できない
機種もございます。
詳しくはオフィシャルサイトのサンプル画面をお持ちの携帯電話からアクセスしてみ
てください。（オフィシャルサイト：http://www.htb-momo.com)



　京都は、しとしと雨。
　９月に入っても蒸し暑かっただけに、恵みの雨だ。
　このくらいの涼しさだと、すごしやすい。

　午前１１時３０分。嫁と、姉小路堺町のオムライス専門店「ルフ」へ。
　私が京都でひとり合宿したときに、よく行く先斗町のオムライス専門店「ルフ」と
おなじ経営だそうだ。
「あっちのお店はまだあるんですか？」
「はい。営業しています」

 



　こっちのお店は、ファーストフード風に入り口で注文するタイプのお店に進化して
いたお。オムライスを選んだあと、スープ＋サラダ、デザート＋サラダ、スープ＋ド
リンクといったバリエーションを選択できる。

　私は、京都オムライスに、スープ＋ウーロン茶。

 



　嫁は、和風オムライスに、スープ＋サラダ。

 



　京都オムライスは、オーソドックスなケチャップのオムライスとおもいきや、真ん
中に半熟卵が乗っていた。
　うーーん。血液Ａ型は、隅っこからこつこつ食べて行く性格だから、なかなか気づ
かなかった。腹７分目を励行しているだけに、これ以上食べてはいけない領域に入り
かけていた。ふふふ。もちろん、少し侵食。うまい。半熟卵とチキンライスが混ざっ
て、マイルドな味になった。これはおいしいぞ！

　嫁の和風オムライスは、白味噌をつかった不思議な味。
　ライスが高菜っぽくて、非常によく白味噌にマッチしている。
　味としては、京都オムライスより、和風オムライスのほうが、おいしかった。
　先斗町店では、おなじみのきのこオムライス、カレーオムライスは次回食べよう。

　最近三条通り界隈に、たくさん新しいお店が出来ているので、散歩するのが楽しい。


＜私がもう一度行くためのメモ＞
「京都オムライスルフ」
住所：京都市中京区姉小路堺町上ル
電話：０７５（２３１）４０３１
営業時間：１１：００〜２２：００
定休日：当分無休。



　食後、「ギャラリー集（しゅう）」で、コーヒー。
　器屋さんで、嫁がひとりで散歩しているときに、よく寄るお店だ。

 



　午後１時。帰宅。
『桃鉄研究所』のおまかせ名前の募集のときに、やたらと「はがねの」という応募が
多かった。
『鋼の錬金術師』（荒川弘・スクウェア・エニックス）のことだろうとおもって、読
み始める。

　ふ〜む。なかなかおもしろいね。
　いやいや、かなり、おもしろいね。
　ほうほう。これは相当おもしろいぞ！
　２巻になったら、もっとおもしろいぞ！

　もっと、マイナーっぽいお話かと予想していたけど、『週刊少年ジャンプ』に掲載
されてもじゅうぶん通用するようなわかりやすい話だったんだね。
　みんなが、おまかせ名前のときに書きたくなるわけだ。

　最近、漫画の摂取量が少ないので、今回の京都滞在では、漫画もたくさん読みたい
とおもっている。
　いつものようにおもしろくない漫画は、読んでも日記に書かないつもり。

　午後３時。ヤサカタクシーの宮本さんが私服に自家用車で迎えに来てくれた。
「昨日、さくまサン、３時過ぎに任天堂に行きはるゆうたから、お送りしようとおも
って！」
「そんな仕事がお休みの日に、そこまでしなくていいですよ！」
「いやいや。いつもご利用いただいているから、たまにはサービスしないと！」
「こっちは宮本さんの腕を買ってるわけだから、いままのままでじゅうぶん満足です
よ！」
「そんなこといわんと、送らせてください！」

　午後３時３０分。けっきょく、宮本さんの車で、京都駅グランヴィアホテルへ。　
ここで、ハドソンの大里専務、土居ちゃん（土居孝幸）、読売広告の岩崎誠と待ち合
わせ。
「あれ？　さくまサン、京都は朝からずっと晴れてたんですか？」と、岩崎誠。
「うるさいなー！　岩崎誠は、私がこうやって仕事に来たから晴れたっていいたいん
だろ！」
「あっ！　京都は朝、雨だったんだ！　あははは！」

　午後４時。久世橋新町の「任天堂本社」へ。
　私は四条大宮に５年、三条麩屋町に来年で１０年になるけど、一度も任天堂に行っ
たことがなかったのだ。
　有名な宮本茂さんと、雑誌の対談や、ラジオに出演などでは会っているんだけど、
任天堂自体に行ったことがない。
　そういう話を何ヶ月か前に大里専務にしたら、「だったら、いっしょに任天堂に行
きましょうよ！」と誘ってくれたのだ。

　かくて、ゲーム作家生活１７年目にして、任天堂初訪問。はっはっは！
　何だか、相撲取りになったのに、一度も国技館で相撲取ったことがない力士のよう
だよねー！
　私が、いかにゲームの本流から外れた人間であるということが、このことからもよ
くわかる。土居ちゃんもね！

 



　すごい！　大きいとは聞いていたけど、ほんとに大きい。
　１階のフロアだけで、歩きつかれてしまうほど大きい！

　７Ｆの役員室へ。
　ふかふかのジュータンに、膝まで埋まってしまったよ（嘘）。

　任天堂営業本部長の波多野信治さん、業務部長の田中晋さん、技術課の光吉勝さんに、
お会いする。

　光吉勝さんに、いま話題の「ＤＳ」を見せていただく。
　ＤＳは、「二画面」という言葉が独り歩きしているようにおもっていたんだけど、
タッチパネルになっているんだね。
　このタッチパネルのほうが、クリエイターとしては、非常に魅力的だとおもった。
いろいろおもしろいものが出来そうだ。

 



　しかも、光吉勝さんが「ＤＳで、『桃太郎電鉄』を作ると、こういうことができま
すよ！」というアイデアをわざわざ擬似画面を作ってプリント・アウトして見せてく
れるではないか！
　クリエイターは、「己の作品を認めてくれる人」には、滅法弱い！
　のんきな土居ちゃんがまた「これ、おもしろそうだね！　こういう『桃鉄』見たい
な！」と、私が苦しむようなことを平気でいう。
「ちょっと待ってくれ、土居ちゃん！」

　現在開発中のパズル・ゲームも見せていただく。
　土居ちゃんが、しばらく「あれ？　どうやるんだ？　あれ？　わかんねーぞ！」と
言いながら、なかなかやめない。
「うん。プチプチをつぶすみたいなゲームだから、これやめられないよ！　ハハハ！」

　午後６時３０分。高台寺の料亭「土井」へ。
　任天堂の波多野信治さん、田中晋さん、ハドソンの大里専務、私、嫁、土居ちゃん、
岩崎誠の６人。

　ハドソンの大里専務が、「さくまサンは食い道楽だから、おいしいお店でごちそう
してくださいよ！」と、ふとどきなことを平然と、任天堂の波多野信治さんに言うも
んだから、とんでもない格式の高いお店に連れて来ていただいた。
　私だって、名前は聞いたことがっても、行ったことがないようなお店だ。

　明治の豪商が建てた数奇屋造りのお屋敷で、庭園がお見事。

 



　いわゆる政治家でも大臣クラスが密談しそうなお店だ。
　部屋からは、京都が一望できるし、反対側の窓からは、月と日本庭園を眺めること
ができる。





　創業は、昭和１８年らしいんだけど、明治時代、いや江戸時代から続いているよう
な風格がある。実際に、京都には坂本龍馬が通ったようなお店がいまでも、営業して
いることがある。

 
 
 



　料理も非常においしかったんだけど、さすがに緊張していたので、あまり覚えてい
ない。もう一度、ゆっくり食べに来たいようなお店だ。

 
 
 



　波多野信治さんから、任天堂がファミコンを作る前の時代を話していただいたのが、
興味深かった。


＜私がもう一度行くためのメモ＞
「高台寺土井」
住所：京都市東山区高台寺桝屋町３５３番地
電話：０７５（５６１）０３０９
営業時間：１２：００〜２０：００
定休日：無休
備考：要予約。



　午後９時。私、嫁、土居ちゃんの３人は、うちの近所の喫茶店「レッドラバーボー
ル」でコーヒー。
　岩崎誠が、新幹線の最終列車に乗るといって、京都駅に向かったんだけど、たしか
午後９時２０分か、３０分が最終のはず。
「乗れなかったら、戻ってきますよ！」といっていたので、戻ってくることを期待し
て待っていたのに、メールで「無事、新幹線に乗れました！」のメールが届いた。日
記的には残念！

　午後１０時。私と嫁は、京都のマンションへ。
　土居ちゃんは、宿泊先のホテルへ。

　土居ちゃんが、「明日、仕事の打ち合わせをしませんか？」というので、打ち合わ
せ用の資料作り。