6月6日(日) 京都は、小雨模様。 これから行く熊本は、くもりのち雨の予報。 さすがの「晴れ男」の私も、梅雨には勝てないだろう。 午前8時30分。嫁と、京都駅へ。午前9時12分。博多行きのぞみ3号に乗車。 よかった。白い車体の700系のぞみ号だ。 500系より遅いけど、揺れが圧倒的に少ないから、仕事がしやすい。 車中、京都駅で買った駅弁を食べる。 「新撰組ゆかりの幕の内」という、NHK大河ドラマ便乗商品にしては、地味な名前 だ。 これが、けっこうというより、かなり、いや相当おいしかった。 便乗商品特有の語呂あわせが入っていたので、ほとんど味には期待していなかった。 語呂合わせを紹介する。
・壬生菜(みぶな)のおひたし これは、新撰組の屯所(とんしょ)があった壬生の名産壬生菜から来ているのだか ら、入って当然だ。 ・鴨ロース、鴨の唐揚げ 芹沢鴨で、鴨が出るのも当然。 へ〜。江戸時代は、鴨に合うのは、ネギではなくて、芹だったの。 芹沢鴨って、そういういわれでつけた名前だったんだ。 トリビアだね。 いまならマクド・ナゲット之助か。 鴨ロース、鴨の唐揚げ、ともに旨し。 ・太刀魚(たちうお) 近藤勇の名刀・虎徹(こてつ)と、太刀を掛けたわけだ。 ・豚しゃぶ 屯所(とんしょ)と、豚(とん)だな。 西本願寺の屯所では、新撰組は豚を飼ってたの? ただのだじゃれではないんだね。 ほかにも土方歳三の刀の鍔(つば)が梅なので、梅のかたちをしたご飯とか、新撰 組のコスチュームから、山切り型のかまぼこ、お汁粉好きの沖田総司で、黒豆とか、 けっこう語呂あわせも上手い。 とくに鴨ロースと、豚しゃぶがよかった。 豚しゃぶは、ちゃんと醤油入れに、ポン酢が入っていて、それをかけて食べる。 これで1000円は、安い。 2000円台の「大人の休日」に肉薄する味だ。 京都駅の定番弁当になってくれるといいな。 京都駅新幹線ホームの下のコンコースで売っている。 さて、車中にて、『桃太郎電鉄』のお仕事開始。 『桃太郎電鉄U(仮)』、『桃太郎電鉄G(仮)』、『桃太郎電鉄M(仮)』と同時 に3本平行して走り始めてしまったので、どこから手をつけていいかわからなくなっ てきた。 こういうときは、ひとつずつ確実に終わらせていくしかない。 まずは『桃太郎電鉄U(仮)』からだ。 うひ〜〜〜! いきなり、いちばん面倒な「激動の桃鉄史」からだ。 あれは見る側は楽しいんだけど、作る側の管理が大変なんだよ。 キングボンビーが登場しても、その人がすぐほかの人になすりつけると、誰が最初 にキングボンビーを喰らった判定になるのかがわからなくなる。 こういう不測の事態に対するこまかいルール作りがたくさんある。 うーーーん。なんとか完成。 やっぱり「激動の桃鉄史」にてこずってしまった。 午前11時57分。博多駅に着く。 博多駅で、リレーつばめ号に乗り換え。 3週間前もこうやって、博多駅で乗り換えたんだよなー! まさかあのとき、もう来るとは思わなかった。
午後12時10分。新八代行きリレーつばめ11号に乗車。 今度は、『桃太郎電鉄M(仮)』の仕様書作り。 実はなんと! この『桃太郎電鉄M(仮)』は非常に発売が早い。 「ほんとかいな!」というくらい、早い。 でも「発売予定を絶対言わないで!」と、釘を刺されているくらい、早い。 だから、『桃太郎電鉄G(仮)』よりも早く作らないといけない。 そんなわけで、マップ作りと、物件一覧表を同時に作る。
午後1時24分。熊本駅で下車。 青空〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ! 白い雲〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ! 思い切り快晴〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ! 暑いよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ! ピーーーーカーーン!
私が取材で訪れると、晴れる法則をだんだん私も否定しづらくなってきてはいるけ ど、ここまで晴れるかね! 予報は、くもりのち雨なんだよ! 午後1時45分。三井ガーデンホテル熊本へ。 このホテルを選んだのは、LANケーブルが標準装備だから。 建物が小さいわりに部屋が広くてきれい。 嫁と、街中へ。 シャワー通りへ。 東京の原宿みたいな通りだ。 若者向けのブティックが並ぶ。 太陽の光がさんさんと降り注ぐという意味から、シャワー通りと名づけられらしい。
シャワー通りは意外と短く、そのまま道の名前が、下通(しもとおり)アーケード と変わる。 熊本市の中心地だ。 道幅が広くて、日曜日のせいか、ものすごい人出だ。 熊本では、郊外の大型スーパーの影響は少ないらしい。 だから、この通りがこれだけの混雑ぶりなんだろう。
暑い。本当に暑い。 シャワー通りだけに、シャワー浴びたいくらい、暑い。 ひ〜〜〜! 雨の日の取材はイヤだけど、ここまで暑くなることないのになあ…。 頭がボ〜〜〜ッとしてきた。 午後2時30分。下通(しもとおり)アーケードの「紅蘭(こうらん)亭」へ。 きょうの熊本取材のメインはここ。
熊本の人なら「太平燕(タイピーエン)」といえば「ああ!」と答える地元に定着 している中華料理を食べにきた。 「太平燕(タイピーエン)」というのは、春雨中華麺といえばいいのかな。 鶏ガラベースの塩味で、野菜やきくらげなどが入った麺だ。 明治時代後期に中国・福建省から華僑の人たちによって伝えらたそうだ。祝いの席 で出されていた料理を、手近な材料で作ったのが始まりとか。 まさか、「太平燕(タイピーエン)」を食べるためだけに、わざわざ熊本に来たの か?というと、実はそうなのだ。 私は、そういう男。 なにしろ、熊本県では、この「太平燕(タイピーエン)」は、学校の給食のメニュー に出るほどだっていうんだもん、興味あるでしょ? そのくらい熊本では、ポピュラーな食べ物なのに、長崎の一部以外では、ほとんど 食べられることがないと聞けば、『桃太郎電鉄』の物件候補でしょ? しかも今回、九州新幹線つばめが、開業したことにより新幹線「つばめ」と、太平 「燕」ということで、「つばめ繋がり」で、熊本名物にしようという動きが活発にな ってきているらしい。 そんなわけで、私も嫁も、太平燕(タイピーエン)セット、892円を注文。 太 平燕(タイピーエン)と豚まん2個がついたセットだ。
セットものなら、小さい丼で来るとおもったら、通常の丼で来てしまった。 何のことはない。少しだけ食べようとおもったのに、返って増えたわけだ。
つるつるつる…。 つるつるつる…。 春雨の食感が楽しい。 春雨は、ジャガイモやサツマイモの澱粉(でんぷん)を原料にして作られる乾麺の ことだ。 でもこの「太平燕(タイピーエン)」には、緑豆(りょくとう)春雨というのがつ かわれている。 緑豆(りょくとう)というの澱粉を原料にした細い春雨のことで、主に中国で作ら れます。春雨よりも腰が強めで透明感が高く、煮崩れしにくい性質があるので、この ようにラーメンの麺のように食べることができるんだな。 玉子の皮が、ぷりぷりしている。 ゆで玉子が、揚げてあるからだ。 この味がいいねえ。 スープもあっさりしていて、おいしい。 これに春雨の麺だから、じつにヘルシー。 太平燕、1食分で340kcal。 嫁が、この「太平燕(タイピーエン)」をやたらと気に入ったようだ。 毎週でも食べたいほどの味というのだから、相当なものだ。 もともと嫁は、ぷにぷにした食感の食べ物が好きだからな。 確かに、おいしい。 私は塩味風味のスープは大好きなので、私も「太平燕(タイピーエン)」を気に入 った。 まずは、『桃太郎電鉄G(仮)』から熊本駅の物件として、登場させようかなあ…。 太平燕屋と表記すべきか、タイピーエン屋と表記すべきか? 悩むなあ。 タイピン屋さんと間違える人…いないか。 ちなみに、太平燕(タイピーエン)にいっしょについていた豚まんも、滅法おいし かった。これは小倉「揚子江の豚まん」並みのおいしさだ。
<私がもう一度行くためのメモ> 「紅蘭亭下通本店」 住所:熊本市安政町5-26 電話:096-352-7177 営業時間:11:30〜21:30 定休日:無休
食後、下通(しもとおり)アーケードから、市電通りを越えて、上通(かみとおり) アーケードへ。
あぢぢ…。あぢぢ…。 暑いよー! 汗びっしょり。 おまけに調子に乗って、ホテルからずっと歩いてしまったので、膝が痛くなってき た。最近歩くとすぐ膝が痛くなる。 体重増加のせいかも。
それにしても、熊本の中心地のアーケード街は立派だねえ。 どのお店にも活気がある。 道が広いから、気持ちいい。 郊外の大型スーパーに押されている雰囲気がまったくない。 全国のシャッター商店街は視察に来るべきかもしれない。 上通(かみとおり)アーケードを抜けて、並木坂へ。 このあたりは、昭和初期の古い町並みが形成されつつあるというので来てみたけど、 まだ発展途上だった。 それでも、ぽつんぽつんと風情のあるお店があった。
午後3時15分。並木坂のカフェ&ギャラリー「桃雀(とうじゃく)」へ。
蔵を改造したお店で、着物の展示もやっている。
ホットコーヒーに、限定プリン。 このプリンが、黒ゴマのような味で、抜群においしかった。
「桃雀(とうじゃく)」ということで、桃太郎に関する置物や、障子もあったりし て、近しいものを感じた。
あとから親子連れが来て、いかにも娘さんがお母さんを連れてきて、お母さんに着 物をねだろうとしているような感じ。 そのやりとりが、実に似合うようなお店だ。 ようやく、汗がひいてきた。 ついに、Tシャツを脱いで、アロハシャツを素肌に着ることにした。 もう暑さに勝てません。 海水浴で日焼けするのとおなじくらい、顔や腕が焼けてしまった。 再び、並木坂の古民家が並ぶ界隈を歩く。 あと3年、いや、5年ぐらいすれば、いい感じの町並みになるかな。
午後4時15分。市電通りまで戻る。 市電通町筋(とおりちょうすじ)駅から、市電に乗る。 このところ、全国の路面電車を完乗しようとおもっている。 もちろん、いままでにも何回か熊本の市電にも乗ったことがある。 でもその頃は、まさか『桃太郎電鉄』のようなゲームを作るようになるとおもって いなかったからね。 仕事目線による再取材が必要だとおもったのだ。 ゴオーーーーーッ。 ゴツゴツ、ガタン、ゴトン! ゴオーーーーーッ。 ゴツゴツ、ガタン、ゴトン! ゴオーーーーーッ。 ゴツゴツ、ガタン、ゴトン! 路面電車っていうのは、乗っているうちに、眠くなるのがいいね。
午後4時38分。市電の終点、健軍(けんぐん)町駅で下車。 とにかく市電に乗ったら、終点まで行くと決めたんだけど、健軍町に対する知識が まったくない。 何かないかな。 おっ。アーケードがある。 ここもまた道幅の広いアーケードだなあ。 ピアクレス商店街?
「外国の方々に親しみのある町づくりをめざします」という大きな看板がある。「国 際交流」の垂れ幕も。 何なんだろう? 果物屋さんが多いので、枇杷(びあ)1パック180円を買って、聞き込みを開始 する。 「この国際交流とか、外国の方に親しみのある…って、何か特別なことでもやってい るんですか?」 「あれ? あれよ。外国の人よ、ね! 外国のね! うん、そういうこと!」 どうも覚えていないようだ。 どうでもいいけど、おばちゃん、わからないならわからないと言ってほしい。 忘れたら、忘れたと言ってほしい。 あとでこの商店街の外れに停まっていたので乗ったタクシーの運転手さんも、「国 際交流? どぎゃんなっとるか、わからんですよー!」と言っていた。 インターネットで調べたけど、ケント・ギルバートさんとかを呼んで、国際交流フ ェスティバルのチラシを発行? イベントはやらなかったの? よくわからないなあ…。 とても外国人がここまで来るとおもえない。 熊本県の人で、このピアクレス商店街の「国際交流」について知っている人がいた らぜひ情報を。
もう歩きつかれた。 暑さにやられた。 ホテルに戻ろう。 本日の取材、終了。 いつもならここから、2〜3ヶ所回って、さらにへとへとになってしまうんだけ ど、とにかく今回はスローペースの取材の練習。 えっ? そのわりによく歩いている? もうちょっと道が短いと思ったんだよー! 午後5時。三井ガーデンホテル熊本に戻る。 ピアクレス商店街で買った枇杷(びわ)が、みずみずしくて、もう1パック買いに 戻ろうかとおもったほど、おいしかった。 熊本県不知火町産の枇杷(びわ)か。覚えておこ。 テレビをつけたら、BS放送で、ゴルフ中継をやっていた。 ゴルフ中継は寝やすい。 ちょっと、仮眠しよう。 今回の旅では、無茶をしないのもテーマのひとつ。 ああ、気持ちいい。 遠くで、カコーーーン!とゴルフのボールが入る音がする。 ボタボタボタ…。 何だ、ボタボタって? 棚からボタ餅? ジャバジャバジャバッ。 えっ? ひょっとして、雨? あれだけ晴れてたのに? 午後6時。うわ〜〜〜、外は大雨だ。 いくら私が「晴れ男」だからって、私が仮眠したのを見計らったように降ることな いのになあ。
午後7時。雨が激しく降るなか、タクシーで、上通(かみとおり)の熊本ラーメン のお店「こむらさき本店」へ。 ここには、5年前、土居ちゃん(土居孝幸)と宮路一昭くんと来たことがある。 さっき乗ったタクシーの運転手さんは「こむらさき」では、ホームランラーメンが お勧めだといっていたので、お店に入ってメニューを見たけど、ホームランの文字が ない。 お店の人に「さっき、運転手さんにホームランっていうのが、おいしいって聞いて きたんですけど…」 「ホームランはないですね。お勧めなら、王様ラーメンっっていうのがありますけど ね…」 「王様? ふつうのラーメンと、チャーシューラーメンの中間の味だって、聞いたん ですけどね!」 「ああ、だったら、王様です!」 「はっはっは! あの運転手さん、王様と、ホームランを間違えて覚えたんだな。器 用な間違え方するなあ!」 王様ラーメン、560円を注文。
うーーーん。ひさしぶりの味だ。 おいしいなあ…。 あいかわらず、にんにくをかりかりに揚げた、にんにくチップスがいい味を出して るなあ。 とんこつスープが濃いのに、くどさがない。 細めんの喉越しが非常にいい。 帰りは、お店の軒先を伝わりながら、雨をよけて、コンビニで傘を買う。
午後7時30分。三井ガーデンホテル熊本へ。 午後8時。NHK『新選組!』を見る。 ついに芹沢鴨(佐藤浩市)を、暗殺してもいいような状況にまで脚本が追い込んだ。 上手いなあ。 シナリオは、詰め将棋のように、「王手!」と声をかけるまでに、じわりじわりと 登場人物を、必然性を持たせながら、誘導していかないといけない。 芹沢鴨を慕っていた沖田総司に、芹沢鴨に対する逡巡の演技をさせ始めた。 三谷幸喜脚本の善人担当の筒井道隆さん(会津藩主松平容保役)を若旦那に扮装さ せてコミカルにした。 つぎつぎに、三谷幸喜さんの得意技が登場する。 いよいよ芹沢鴨を袋小路にまで追い詰めた。 あと2週かな? 3週かな? ああ、わくわくする。 ますます佐藤浩市さんの演技に磨きがかかる。 お父さんの三國連太郎さんを、私は日本人で最高の役者だとおもっているんだけど、 どんどん近づいている。 この成長ぶりも、この番組を見る楽しみのひとつだ。 7月には、「新選組!」の白眉である池田屋事件が放送されるらしいから、これか ら怒涛のようにお話が進んで行くんだろうな。 来週が待ちきれない。 明日も、雨の予報。 また私が外を歩いているときだけ、晴れるんじゃないだろうな。
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