5月11日(火)

 本日より、九州新幹線開通記念、九州取材旅行。

 午前9時。昨日、「特に名を秘すM」で、お土産にいただいた、鱧(はも)寿司で
朝食。
 そういえば、「特に名を秘すM」は、最近「ます多」と名前を公表してもいいこと
になった。
 でも、住所と電話は、まだ秘密。
 苦労して探してみてください。
 あと本当に値段が高いことは、ご覚悟の上、チャレンジくださるよう。目が飛び出
て、地球を一周してしまいます。

 午前11時30分。嫁と、京都駅へ。
 博多行きのぞみ11号に乗車。

 天気は、はっきりしない。  どんよりと曇ったまま。  旅行カバンの容量を減らすために、薄着しか持ってこなかったので、エアコンが効 きすぎて、寒い。  ゴールデン・ウィークの後ということもあって、空席が目立ち、よけい寒い。  午後2時57分。博多駅で下車。  在来線の7番線に乗り換える。  おっ! 7番線のホームに向かう階段は、通路が真ん中で、両側にエスカレーター がある珍しいタイプだ。  初めて見たなあ、こういうエスカレーター。

 ここからリレー号つばめ17号に乗る。  ほどなく、リレー号つばめ17号が入線してきた。  新幹線から乗り換え時間15分というのは、短くも長くもなくていい。  あっ、この列車は、九州新幹線が開通するまで、博多ー西鹿児島間を走っていた前 のつばめ号とおなじ車両じゃないか!  かつて『桃太郎電鉄X(ばってん)〜九州編もあるばい〜』の取材のときに、土居 ちゃん(土居孝幸)、宮路一昭くんといっしょに乗った列車だ。  以前は、このブルーグレーの色ではなかった気がする。  塗り替えたんだな。

 午後3時10分。新八代行きリレーつばめ17号に乗車。  JR九州のグリーン車は、スチュワーデスのような女性が、「お飲み物は何になさ いますか?」と、わざわざメニューを持って聞きにきてくれる。  もちろん、無料サービスだ。  コーヒー、紅茶、ジュースなど、4〜5種類くらいあって、豊富。  これがJR東日本だと、アイスコーヒーか、ウーロン茶しか選択肢がない。  東海道新幹線だと、サービスもない。乗客数が桁違いだけど。

 車窓の景色は、ずっと麦畑が続く。

 鳥栖(とす)駅に着いた。  いつものように、駅に覆いかぶさるかのように大きな鳥栖スタジアムが左側に見え る。サッカー競技場であり、サガン鳥栖の本拠地だ。

 やはり、ここでは一曲歌わねばなるまい。  鳥栖(とす)スタジアム。  ♪鳥栖ス〜タ〜の 男の子〜! ふっふー!  長ナスの生産日本一の看板が見えた。  矢部川を過ぎたあたりだ。  船小屋あたりかな?  インターネットのおかげで、こういう風にメモっておくだけで、あとでいくらでも 調べられるようになったから、便利なものだ。 ※博多ナスの生産地は、山門郡大和町というところでした。私も日本全国の町名まで は知らんがや。  列車が、大牟田(おおむた)駅に近づく。  スチュワーデス風の女性がわざわざ「あと5分で、大牟田に着きます」と、知らせ にきてくれた。親切でしょ?  着物を着ていたうちの嫁に「着物、いいですね〜」と話しかけてくるし、土居ちゃ んに紹介したいような美人さんだ。 「高学歴、高身長、高収入、高脂肪の絵も描ける独身中年はいりませんか?」と思わ ず聞いてしまうところだった。  午後3時15分。大牟田(おおむた)駅で下車。

 おんや? 駅のホームに「大蛇山」のお祭りの山車が、展示されている。  改札口の近くには、「大蛇山」の山車型ロボットが、展示されている。  駅近くの観光プラザには、「大蛇山」の巨大な山車が、展示されている。  三井、三池炭鉱の町のイメージだった大牟田(おおむた)は、いつのまにか 「大蛇山祭り」の町に変貌していた。  毎年7月に開催される勇壮な祭りのようだ。

 あれ? 「たいらぎ寿し」っていうのを、プッシュし始めたの? 「たいらぎ最中」というのまで、売っている。  前に来たときは、なかった食べ物だなあ。  貝のようだ。  最近、捕獲量が激減している高級貝で、貝柱の部分をつかうらしい。  そんな高級な貝をつかって、駅弁にしちゃうの?とおもったら、駅弁のはどうやら、 韓国産のものをつかっているようだ。  本当に日本って、自給自足できない国になっているなあ。  九州新幹線が開通したせいで、沿線の駅には、さまざまなキャンペーンの貼り紙が 多い。 「肥後の赤、薩摩の黒」のポスターが、おもしろい。

 熊本(肥後)の馬刺しの赤と、鹿児島(薩摩)の黒豚の黒とかけてある。  熊本は、別名「火の国」とも呼ばれているだけに、赤のイメージは強い。  熊本と鹿児島の個性を言い当てた見事なコピーライトだ。  タクシーに乗車。  国道208号を走る。  運転手さんに大牟田について話を聞く。  大牟田といえば、炭鉱だ。  三井、三池炭鉱が1997年に閉山してから、人工は10万人も減って、いまは人 口13万人の小さな町になってしまったそうだ。 「♪月が出た、出〜た! 月が出た〜! 三池炭鉱の上に出た〜」のイメージは、私 たちの年代にはあまりにも大きい。  いまは、三井金属、三井化学、大牟田市テクノセンターなどで再生を図っているよ うだ。 『桃太郎電鉄』の九州編は、絶対もう一度ちゃんと作り直したいので、ぜひそのとき までに大牟田は元気になっていてほしいものだ。  大牟田(おおむた)は、福岡県と熊本県の県境なので、車は、ちょっと走ってすぐ 熊本県に入った。荒尾(あらお)市だ。  運転手さんが、荒尾(あらお)市は荒尾梨の名産地だと教えてくれた。 「すっごく大きい梨ですよー!」 「新高(にいたか)梨とおなじようなものですか?」 「うんうん。種類は、新高梨だ! こっちでは荒尾梨と呼んでるけど」 「新高梨は、大きいのにおいしいですよね!」 「うん。おいしいよねー!」  午後5時。玉名温泉の日本旅館「S」に到着。  旅館の建物を見て、がっくり。  インターネットで調べた建物は別の旅館の写真だったの?というくらい、見る影も ない。  以前は、雑誌に載った旅館の写真は、プロカメラマンが見事に撮ってしまうので信 じてはいけないというのが、旅好きの定説だった。  最近はインターネットも、修正に修正をほどこして、見事な豪華旅館に見せてしま うから、恐ろしい。  むしろインターネットは修正が得意だ。  のっけから、ダメダメなムード満点。  パンフレットも「ここはどこの旅館?」というくらい面影がなかった。  ここを選んだ理由は、部屋付きの露天風呂があるから。  でも最近は「部屋付きの露天風呂がブームだから、うちも作ってみっぺか!」と いったような、旅館がそろそろ増えてもおかしくないはずだ!と思ったら、もうぶち 当たってしまった。ガッデム!  露天風呂は、垣根で囲まれただけ。  垣根の向こうは、人家に田畑。  ちょっと大きめの石を並べて、間をセメントで固めただけ。  隣りの部屋の人の声は丸聞こえ。  しかも岩風呂は、50度のお湯を入れたままで、こっちが勝手に水道水でゆるめろ ときた。いい旅館は、私たちが来る前に源泉を引いておいて、いい湯加減になるまで 自然の力で冷ますものだ。  おまけに、この50度の風呂。  温度計もないので、自分の手で熱さを確かめないといけない。  でも岩の並べ方が無造作すぎて、湯面まで腕は届かない。  腕を伸ばして湯加減を見ようとすると、お笑いのギャグのように、お湯のなかに どっぶーん!と、突っ込みそうだ。  おまけに、じわりじわりと、どこからかお湯が抜けて行く。  お湯漏れしているよ。  湯面には、木の葉と虫の死骸がいっぱい。  野趣あふれると表現すべきか。  料理はおいしかったんだけどね。  薄作りのヒラメのお刺身なんか、いい味していたし、ジュンサイのお吸い物も善戦 していた。昨日「特に名を秘す?ます多」で、ジュンサイを食べたばかりだから、こ のジュンサイのレベルは高い。  ウチワ海老のサラダ仕立ても、おいしかったし、南関寿司という太巻き寿司もおい しかったし、ガラカブの唐揚げというのが、さくさくしていておいしかった。  土地の名産を嫌味なく作っているのはいい。  ガラガブは、一般には、カサゴと呼ばれているお魚だそうだ。  ちょっとオコゼに似ている。

 接客は、最悪。  食事が出るのも遅ければ、片付けるのも遅い。  文句をつけても、言い訳ばかりする。  言い訳は見苦しい。  というより、単に勉強不足なだけだな、この旅館は。  いい旅館は、いい旅館同士、お互いの宿に泊まって、問題点を教えあうという。   そういうことを一切しないで、言い訳で切り抜けてきた旅館のような気がする。  そんなやり方が続くわけがない。  年々、いい旅館と悪い旅館の差が激しくなってくるから、ますます旅館を選ぶとき に、冒険が出来なくなっていく。  いいにしろ、悪いにしろ、インターネットに評判が載らないホテル、旅館は危険だ ということに気がついた。  うーーーん。玉名のみなさんには、大変もうしわけないけど、ちょっと玉名の印象 は悪いです。たった1軒の旅館で、木を見て森を見るようだけどね…。  熊本県は、湯布院、黒川温泉という日本有数の素晴らしい温泉地を有しているだけ に、期待しすぎたかも。  九州取材旅行1日目、終了。

 
さくまNEWS


携帯着メロ、はじめました!
インデックスさんの携帯向け着信メロディ配信サイト「えらべるJ-POP」で
さくまあきらがお勧めする「お父さんのためのJ-POP」を配信しています。
【i-mode】iメニュー>メニューリスト>着信メロディ/カラオケ>
J-POP/インディーズ>えらべるJ-POP>お父さんのためのJ-POP
【EZ】トップメニュー>音・画像をゲット>着信メロディ>総合>
えらべるJ-POP>お父さんのためのJ-POP
【Vodafone】ボーダフォンライブ!>メニューリスト>着信メロディ>
J-POP・洋楽>J-POP・インディーズ>えらべるJ-POP>お父さんのためのJ-POP

●『桃太郎電鉄12〜西日本編もありまっせー!』は、絶賛発売中!

●井沢どんすけ渾身の一冊!公式ガイドブック『大金持ちになるための桃太郎電鉄12
西日本編もありまっせー!』(集英社)も、絶賛発売中!

●『桃太郎電鉄負けない戦術』(宝島社)、絶賛発売中!

●東京谷中・妙泉寺にて、「貧乏神が去る像」公開中!
 お寺だけでしか買えない「貧乏神が去る像」をぜひ!

●「貧乏が去る(猿)像・カラー版」はコナミスタイルでも購入できます!

●四国高松の鬼無駅ホームにて、土居孝幸オリジナル原画による『桃太郎電鉄』の宣伝
看板公開中!



-(c)2004/SAKUMA-