5月3日(月)

 鎌倉は、曇り空。
 ぽつぽつ雨も降っている。

 疲れた…。
 どっこいズ(井沢どんすけ、コイズミリュウジ、石川キンテツ)の意味不明なテス
ト・プレイを見ると、ドッと疲れる。
 逆転の発想に乏しい彼らのために、私たちは毎回必死に、逆転可能な新しいカード
を作って送り込んであげてるのに、見事なまでに気づいてくれない。
 まあ、彼らのおかげで、この逆転可能な新しいカードは、わかりやすいメッセージ
に変更されて、使い方も簡単なものになっていくのだから、彼らは必要な人材である
ことは間違いない。

 午前10時。嫁が昨日のあまり物で、釜揚げシラス&鯵(あじ)丼を作ってくれた。
うずらの卵を溶いて、かき混ぜるとシラスとの相性が抜群。
 これは、うまい!
 このシラス丼を、鎌倉で食べるのが、至福なり。

 おっ! ゴミの回収車が来た。  たまには、ゴミを捨てるか。  嫁が生ゴミを持って走っていく。  しばらくすると、嫁がゴミを持ち帰ってきた。  なんと、生ゴミに、紙が1枚でも混じっていたら、鎌倉は回収してくれないそうだ。  調べてみたら、鎌倉というのは、分別ゴミがうるさくて、10数種類に分けないと いけないんだって。  しかも、資源ゴミの再利用を率先して、推進している街として、いま脚光を浴びて いるんだって!  そう言われてしまうと、文句つけづらくなっちゃうなあ。  http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/shigen/  http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/shigen/gomi2.htm  ティッシュペーパーの取り口についているビニールは外して出さないといけないん だってさ。  紙袋とかについている取っ手も、紙以外のものを使用していたら、その録ってを外 して出さないといけないんだって。  ペットボトルも、製品名が書いてある透明な包装ビニールの部分を外さないといけ ないんだって。  魚の食べかすも、新聞紙に包んだりしたら、紙が入るから、受け取ってもらえない とか…。  それなのに、プラスチックのフタは、燃やすゴミ?   ちょっとさあ。こういう押し付けって、みんな平気なの?  資源ゴミの再生のためという美名はわかるけど、お代官様の圧政みたいだと思わな い?  うちは、鎌倉の家を購入以来、ゴミは業者の人や、町の便利屋さんにお願いしてい るんだけど、鎌倉永住は、これで絶対なくなった。  1、2年後には鎌倉は引き払ってしまうかもしれない…。  作家で評論家でもあった江藤淳さんが、晩年私とおなじ脳梗塞になり、ゴミの分別 ができなくて、近くの住民ともめたことが、自殺の一因といわれているのが、とても せつないなあ…。  資源の再利用には賛成だけど、私のように手が不自由で、ビニール袋を縛ることが できない人には、鎌倉は住みづらいなあ。  わが家のなかで、いちばん広い家だっただけに、この3日間たくさんの人が遊びに 来てもびくともしない、いい家だったんだけどなあ。  なかには、この分別ゴミのために、わざわざ一部屋にダンボールを10箱以上並べ て、分別専用の部屋にしている人もいるんだって!  異常事態だよね、これって。 『八つ墓村』のようなものを感じる。  どこかのワイドショーが一度取り上げてくれないかなあ?  午後12時30分。札幌開発スタッフの小坂晃弘くん、込山勉くんが到着。  ついにふたりは、3日連続の鎌倉テスト・プレイ見学だ。  私も疲れているだろうが、ふたりもお疲れ様だ。  きょうのテスト・プレイヤーズのみなさんから、電話が入る。  鎌倉駅に着いたものの、観光客でごったがえしていて、江ノ電に乗れる気配まった く無しの状態だそうだ。  仕方がないので、御成り通りから、六地蔵に出て、由比ガ浜通りを鎌倉の大仏に向 かって歩いていくコースを伝える。  歩いて、20分ほどだ。  ゴールデン・ウィークは、もうこの方法しかない。  午後1時。きょうのテスト・プレイヤーズのみなさんが到着。  パナソニック・Tナビ勤務の高田直幸さん、漫画家の田村雄二くん、プロボクサー の日高和彦くん。私はいつも行っている美容室『レ・ザンジュ』の佐藤志靖さん。  高田直幸さん、田村雄二くん、日高和彦くんの3人が『桃太郎電鉄U(仮)』をテ スト・プレイ。  私もこの3人がプレイするところを見るのは、初めて。  どんな戦い方をするのかと、固唾を呑んだのは、ほんの10分ほど。  これほどまでに、プロレスのバトルロワイヤルというか、めちゃぶつけというか、 殴り合いというか、すさまじいゲーム展開を見たことがない。  どっこいズ(井沢どんすけ、コイズミリュウジ、石川キンテツ)だと、黄色のカー ド駅でカードを手に入れても、あとでいちばんいい場面でつかおうと、大事に取って おいて、けっきょくキングボンビーに捨てられたりする。  この3人は、とにかく、手に入れておもしろそうなカードは、すぐつかう!

「先輩! すいません!」  高田直幸さんと、田村雄二くんは、学生時代の弓道部の先輩、後輩。  田村雄二くんが「先輩! すいません!」と叫んで、ぶっとばしカードをつかった り、デビル派遣カードをつかったり、カード交換カードをバンバンつかう。  しかも、このメンバー、ひとりがシャッフルカードをつかうと、ほかの人もシャッ フルカードをつかい返すは、ぱろぷんてカードをひとりがつかうと、次々にぱろぷん てカードをつかう,カウンターアタック!の連続。  そんな調子だから、ひとりがぱろぷんてカードをつかって、目的地を取り囲むよう に集まるイベントが発生して、全員が目的地まであと1マスになったのに、日高和彦 くんは、自分もぱろぷんてカードを持っているから、使いたくて仕方がない!  まんまと、ぱろぷんてカードをつかう。 「いやいや。みなさんが喜んでいただければ…」  直後、ボンビラス星に向かう日高和彦くん。    ボンビラス星では、1回目、いちばん左の岩山に行って、失敗する日高くん。  ここまでは、ありふれた場面だ。  ところが、日高和彦くんは、またもう一度、左の岩山に行こうとして、みんなギョ ッとする。 「えっ? これって、毎回ランダムじゃないんでしったっけ?」  豪快だ。  いや、日高和彦くんのやり方は、豪快というよりも、漫画の『おれは直角』みたい だ!  何度も、私が「あっ! 日高く…」と叫んだときには、時すでに遅く、空路を矢印 と反対方向へ陽気に突き進む!  目的地が6マス以内になると、最寄いの駅でカードを持っているのに、さっさとサ イコロを振ったり、特急カードをつかってしまう。  さすがハード・パンチャーで有名な日高和彦くんだ。  ボクシング・スタイルとまったくおなじやり方。  長いこと、いろんなテスト・プレイヤーを見てきたけど、ボンビラス星の岩山を通 れるかどうかのときに「は〜い、カモ〜〜〜ン!」と、キングボンビーを挑発できる のは、日高和彦くんぐらいなものだろう。  またひとり、伝説のテスト・プレイヤーが誕生した。 「先輩! すいません!」 「てめー! はっはっは!」  あいかわらず、田村雄二くんが、先輩である高田直幸さんに、ひどいカードをつか っている。  しかも、 目的地まであと5マスで、みんなが「えっ? それはちょっと!」と静 止するのをまったく聞かず、もしかしたらカードをつかう! 「だって、カードつかいたいじゃないですかあ!」  もうひとり、伝説のテスト・プレイヤーが誕生した。  高田直幸さんも、決してふつうのやり方ではないのだが、ほかのふたりのやり方を 見ていると、まともに見えてくる。 ・高田直幸さん、日高和彦くん、血液0型。 ・田村雄二くん、血液B型。  やっぱり、地味なA型は、ひとりもいなかった。  午後5時。少し晴れ間が見えてきた。  観光客で大混雑の鎌倉は、飲食店も超満員。  晩飯難民にだけはなりたくないので、近所の「久霧」を予約しておいた。  うどんすきのおいしいお店だ。

 おいしいうどんすきに、舌鼓を打つが、うどんすきの追加注文をしようとしたら、 品切れといわれしまう。  どうも本来、きょうは休業で、夕方この時間に予約した団体一回り分で、きょうは 営業を終了させてしまうようだ。  いかにも鎌倉らしいマイペースなお店だ。

 午後6時。帰り道は、海辺を通って戻る。  まだ日が暮れきっていないので、塩の香りと海の風が気持ちいい。

 さらに、『桃太郎電鉄U(仮)』のテスト・プレイ。  とにかく、この3人の会話は、聞いているだけで、おもしろい。 「田村! 田村! 6進めるカードで、目的地入れるよ!」 「えっ? ほんとっすか?」 「ほんとだよ!」  すると、日高くんが「人に教えてもらったやり方で入るのって、イヤじゃないです か?」  高田直幸さんがトイレに行く。  すかさず、日高和彦くんが「すいませーーん! 高田さーーーん! キングボンビ ーになっちゃいました!」  戻ってきた高田直幸さんが「オレがボタン押してないのに、何で、どういう局面で キングボンビーになるんだよ!」と言い返す。  いいねえ、この人たちのなかよしっぷりって。  最後の最後も、爆笑ネタでしめてくれた。  田村雄二くんが「先輩! すいません!」と、またしてもシャッフルカードをつか う。  すると、日高和彦くんの大爆発寸前のとりかえしカードが、あろうことか、高田直 幸さんに移動した。 「早く☆印カード売り場に行って、とりかえしカードを処分しないと!」  高田直幸さんの順番が来た瞬間、とりかえしカード大爆発! 「1ターンも、やらせてもらえないのかよ!」  とりかえしカードは、とんでもない被害を高田直幸さんに与える! 「田村〜〜〜ッ!」 「す、す、すいませーーん!」

 午後9時30分。さすがにみなさんが、東京に戻れるぎりぎりの時間になってしま ったので、テスト・プレイ終了。  もちろん、『桃太郎電鉄U(仮)』のくわしい内容をいえないので、もっともっと おもしろい場面はたくさんあったけど、書けない。  でも、『桃太郎電鉄U(仮)』の内容を発表したあとも、絶対この3人には、テス ト・プレイに来てほしい。  そのときは、もっと克明に披露する。

 そういえば、一昨日から悩んでいたブロックカードを廃止するかどうかは、まさに きょうのテスト・プレイが、どうなるかを見せてくれた。  おもしろい! おもしろすぎる!  ブロックカードがないほうが、圧倒的におもしろい! 『桃太郎電鉄』は、カードを惜しげもなくつかいまくると、おもしろくなることを、 きょうの3人に教えてもらった。  いやあ、まだまだ私が見たことのない『桃太郎電鉄』のやり方というものがあるよ うだ。またひとつ勉強をしてしまった。  午後10時。うへ〜。きょうも横浜ベイスターズの試合を見なかったら、3連敗だ よ! あっという間に、4位にまで転落していた。  う〜ん。仕事で得たものはたくさんあったんだけどなあ…。  あっ。高田直幸さんからメールが来ている。  あまりにも、うれしいメールなので、無断で転載させてもらっちゃう。

 さくまさん、真理子さん、ありがとうございました。  帰りの電車の中でも、勝負の余韻を楽しんで盛り上がっていました。(もちろん、 機密がもれるようなことは言っていません・笑)  それにしても、25歳のボクサーと36歳の漫画家と41歳のサラリーマンが一緒に大騒 ぎして楽しめる桃鉄は、やっぱり凄いゲームです。  また、よろしくお願い致します。 『桃太郎電鉄』は、世代を越えて、大騒ぎできるゲームにしたかったので、こういう 感想がいちばんうれしい。  あの目が回るようなゲーム展開で、しぶしぶになった目の疲れも、このメールで吹 っ飛びました。  こちらからも、またよろしくお願いします!

どうもありがとう!

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