4月12日(月)

 糸魚川―高田公園、水戸ー郡山と続いた1日置きの日帰り旅行シリーズも、いよい
よ第3弾だ!
 きょうは長野方面に行く。
 へっへっへ。さすがにちょっとへばっている。
 だからきょうは、1ヶ所だけ行って、さっさと帰ってくる。

 午前9時30分。嫁と、新宿駅新南口駅へ。
 ホームで、駅弁を物色するも、新宿駅はまだ駅弁戦争が勃発していないなあ。
 まだまだ幕の内弁当っぽい芸の無いお弁当が多い。
 興味を引く駅弁が見つからず、深川めし、830円を買う。
 いまのところ、値段も考えてお勧めできる駅弁のナンバーワンは、この「深川め
し」かな。
 東京名物がいっぱい入っている。
 穴子、あさり、べったら漬け、小茄子…。
 カロリーも、500ちょっとの低カロリーだ。

 おっと、列車が発車する前に、食べ終わっちゃったよ!  午前10時。白馬行きスーパーあずさ11号に乗車。  きょうも車窓から、沿線の花を楽しみながら、『桃太郎電鉄14(仮)』のアイデ ア出し。  いい天気だ。  八王子を過ぎたあたりでは、早くも新緑が芽吹いていた。  鮮やかで、若々しい緑色だ。  年々、桜とおなじくらい木々の新緑を見ると、ドキドキする。  横浜ベイスターズの3〜4年目ぐらいの若手選手が活躍したときのドキドキ感に似 ている。ははは。たとえが、わからないじゃないか! 「和緑色」って言い方もあるんだね。  甲府に近づくころには、桃の木の登場だ。  思ったより、満開に近い。  桃の木の濃い桃色にも、ドキドキする。  しかも、低い桃の木のはるか向こうには、頂上にまだ残雪の雪山がそびえている構 図は、絶景だ。

 甲府を過ぎると、標高が高くなってくるので、桜の木が増えてきた。 『桃太郎電鉄』の次回作あたりでは、桜名所ラリーカードを企画している。  全国8ヶ所、お勧めの場所を選定しようと思っている。  でもいっぱい桜の名所があって、悩んでいるのだ。  思いつくだけでも、これだけある。 ・函館、五稜郭公園。 ・弘前、弘前城。 ・角館、武家屋敷の桜。 ・東京、四谷上智大学の桜。 ・鎌倉、段蔓(だんかずら)の桜。 ・長野県、上田城の桜。 ・長野県、松本城の桜。 ・上越市、高田公園の桜。 ・奈良県吉野、千本桜。 ・京都、醍醐寺の桜。 ・大阪、大阪城の桜。 ・大阪、造幣局の桜。 ・熊本、熊本城の桜。  もう13ヶ所ある。  このほかにも、まだ見たことのない福島県三春の滝桜とかも、見たら候補に入って しまいそうだ。  しかもいまから行く、高遠(たかとう)というところも、日本三大桜の名所(弘前 城、吉野)のひとつだ。  よければ、当然候補に入ってくる。  何たって、高遠の桜のキャッチフレーズは「天下第一の桜」だからね。  気合入っているでしょ? 「甲乙つけがたい…」と悩む審査員のようだよ。  ほかにも「ここの桜を入れないのか?」という桜があったら、強い声でメールで送 ってきてほしい。  いまから間に合う場所なら、これから行くし、もう散った場所なら、来年行く。  ただし、私があげた桜の名所候補13ヶ所のうち、少なくとも3ヶ所以上見たことが あった上で、メールしてね!  たまに、ほかの桜は見たことないけど、うちの近所の渡辺さん家の庭の桜はきれい だと言われても困るからね。  午後12時3分。茅野(ちの)駅で下車。

 茅野駅は、歴史のある知名度の高い町だと思っていたんだけど、駅前は、あまり元 気がないねえ。  この町も、郊外の大型スーパーに駆逐されちゃってるのかなあ?  30年前くらい車で来たときは、もっと元気な街だった気がする。  駅前から、タクシーに乗る。  道路の両側に、キラキラ光るモールのようなものが下がっている。  何だと思ったら、「御柱祭」の御柱が通る道路の印だそうだ。

 昨日、ニュースで「御柱祭」を見た人も多いだろう。  この日記でもおなじみの菅沼真理(通称:すがねまチャン)さんは、昨日、諏訪大 社で「御柱祭」の神木に人が乗って、急坂を駆け下りる様を見ていたそうだ。  ドッと繰り出す46万人のなかに、すがねまチャンはいたわけやね。    あの山を引き降ろした神木は、その後どうするのかと思ったら、今度は5月に、 「里曳き」というお祭りになって、町中を、あの神木が練り歩くのだそうだ。  本当は、長持ち、御騎馬、かさ踊りなどといった出し物も出るらしいんだけど、さ すがに見たことがないので、よくわからない。  そんな話を、タクシーの運転手さんに話したら、その神木を保管している場所がす ぐそこにあるというではないか! もちろん行ってもらう。  午後12時20分。川の近くに、御柱は並んで置かれていた。

 ニュースで見るより小さく見える。  それにしても長野県のお祭りは、7年に一度のお祭りが好きなのだろうか?  昨年は、善光寺のご開帳が7年に一度だった。  この「御柱祭」も、7年に一度のお祭りだ。  干支の申(さる)と、寅(とら)の年に開催されるという。

こちらは駅に飾ってあった綱 ↑

 再び、高遠の桜をめざす。  車は杖突峠を、登る。 「杖突(つえつき)峠」という名前からして、すごそうでしょ?  標高1000メートルを越えているみたいだ。  冬期通行止めになるほどではないけど、冬場の凍結はかなり厳しいそうだ。  高遠(たかとお)の桜までは、相当遠いと聞いてきたけど、茅野駅から、10分ほ どで、高遠町に入ってしまった。 「運転手さん! もう高遠町ですけど、近いんですか?」 「いえ。高遠町は広いんですよ。まだ30分以上かかります」  げっ。30分以上もかかる町?  相当広いね。  本当に、その後も行けども、行けども、高遠町であった。  午後1時。ようやく高遠城址公園まで、3.5キロの表示が出てきた。  もうすぐそこだ!  …と思ったら、車は大渋滞の行列の最後尾についた。  ついたきり、ピタッと動かなくなった。  どうやら、この先、信号などなく、ずっと公園まで渋滞は続いているようだ。  茅野からの運転手さんなので、あまり高遠の地理に明るくないようで、何度かわき 道に左折してみるものの、また公園までの道に戻ってしまう。最後は、大きく迂回す る裏道を選んだものの、返って、遠くなるだけ。  午後1時30分。これでは、埒があかないので、JRバス高遠駅の近くで、降りる。 あと1キロ弱ぐらいだから、私の足でもなんとかがんばれば、たどるつけるだろう。  …と思った私の考えは、アメリカ大陸を、インドと勘違いしたコロンブスと同等の 大間違いであることを、すぐさま思い知らされた。  はるか向こうに、山を登って行く人たちが、蟻の行進のように、小さく見えた。  大型観光バスが何台も、坂の中腹で立ち往生している。  1キロ弱の距離は、直線距離で、高さを計算に入れてなかった。

 5分後、なんとか高遠城址公園の入り口の階段にたどり着いた。  この石段には「自分坂」という、とても嫌な名前がついていた。  見上げれば、どこまでも続く急坂の階段。  いかにも「自分で登れ」といわんばかりの自分坂だ。  桜の満開の期間中、高遠を訪れる人の数は、80万人。  80万人のひとりとして、おばあちゃんたちといっしょに、必死に手すりにつかま りながら、階段を登る。  一応、観光のピークである先週の土曜日を外して来たんだけど、昨日が桜の開花八 分で、きょうが満開。月曜日といえども、階段は人、人、人でいっぱいなのだ。

「わ〜! これは、えらいこっちゃね!」 「ひ〜〜〜! 階段の途中に、休むとこ、あればええのにね〜〜〜!」  おばあちゃんたちが弱音を吐く。  同感、同感。  この階段、人がやっとすれ違えるくらいの幅しかないんだよ。  おばあちゃんだって、後ろからせかされたときに、どいてあげる幅がほしいんだろ う。私だって、おばあちゃんとおなじ気持ちだよ。  こんなときにかぎって、ここ数日間の日帰り旅行シリーズで傷めた右膝の痛みがひ どくなってきたし、左足が、ぴったり階段に着地してくれない。  ちょうどスタントカーが、左側のタイヤだけで、右側のタイヤを跳ね上げて走るの あるでしょ? 私の左足は、まさにあの状態で、ピタッと左足ぜんぶで階段を登れな くなっているんだよ〜!  一段登るたびに、小さくグキッ、グキッと足首から音がしているみたいだよ。  う〜〜〜、これは本当にきつい。  きつい以上に、きつい!  途中、二度、道端でへたり込む。  それでも、上着を脱ぎ、手提げ袋を嫁に持ってもらい、終いには愛用のカバンまで 嫁に持ってもらって、必死に階段を登る。  もうちょいだ、もうちょいだ。  午後2時。なんとか、公園に着いた。

 桜がきれい…と思うより先に、草むらに倒れこむ。  ひ〜〜〜、はあ、はあ、はあ…。  今年初めての汗びっしょりだよ!

 嫁が「コーエーのきっしいサン、お勧めの場所だもん、きついに決まってるわよ!」  そうだ! そうなんだよ!  高遠の桜は、『ファミスタ』の作者で、現在コーエー勤務の岸本好弘(きっしい) さんお勧めの桜だから来たのだよ。  きっしいサンは、ナムコからFA宣言で、コーエーに移籍するとき、九州の桜の開 花と同時に、桜前線の北上とともに、東京と満開の現地をヒット&アエェイをくりか えして、弘前まで上って行ったほどの桜博士なのだ。  でもきっしいサンお勧めの絶景は、山城の難所が多いことを、うっかり忘れていた!  きっしいサンはいまでも草野球をやるほどのスポーツマンだったことを、忘れてい たー!  ひいいいいっ! 時すでに遅し!

 まだ体力が回復しないものの、公園に出店しているお店の「ソフトクリーム」の文 字に、重い腰を上げ、よろよろ、よろよろと、誘蛾灯に群がる蛾のように売店まで歩 き、ソフトクリームを食べる。

 うまい、うまい、ソフトクリームが絶品に思える。  疲れたんだよー!  顔中の筋肉がぜんぶ落ちちゃったのかと思うくらい、へばったよー!  桜はきれいだけど、ここで少し休んだら、もう帰る!  しんどい、しんどすぎる。  ソフトクリームを食べているうちに、体力は急速に回復。  私は、甘いものがホイミで回復するようだ。  体力が回復してくるうちに、ようやく高遠の桜を美しいと思えるようになってきた。 さっきまで、東京の石神井公園の桜のほうがきれいじゃないか!と思ってたぐらい、 あの急坂の階段を呪っていた。  高遠の桜は、タカトオコヒガンザクラといわれる品種だ。

 ソメイヨシノよりも、ピンク色で、花は小さいものの、密集して咲くので、木下に いると、桜の雲の中にいるみたいだ。  雲海ならぬ、雲桜だ!  売店ののぼりや、ポスターは、高遠まんじゅうと、ローメンの文字が!  ローメンは、伊那(いな)の名物料理だ。  ローメンとは、伊那地方で生まれ育った麺料理で、蒸した麺に、マトンまたは豚 肉、キャベツなどを混ぜ合わせて調理した、やきそばでもなく、スパゲッティーでも ないちょっとごった煮風の麺料理だ。  ここから伊那まで、車で20分ほどだから、高遠は伊那地方の影響が強い。

 もうちょっと先まで見て、帰るとするか、まだ下山の体力を残しておかないといけ ない。歩き出す。  あっ。左足がちゃんと地面に着地するようになった。  これはいいぞ。  これならけっこう歩ける。  ああっ! 歩いてよかった!  さっきの公園は、まだほんの入り口で、本丸があったことを忘れていたー!  うっかり高遠城址公園の本陣を見ずして、帰ってしまうところだった!  高遠城址公園は、わざわざ入場料500円を払って入る桜の公園があることを忘れ ていた。

 なんだ、500円も払うの?と思うかもしれないけど、1500本の桜が咲くこの 公園を見たら、値段のことなど忘れてしまうよ!  ただ観光客の数も、桜並みに多いけどね。

↑ トイレも大渋滞!

 たしかに、これは「天下第一」の桜だ。  城址公園から見下ろす景色も気持ちいい。  まるで『がんばれ元気』の堀口元気くんが、ほっ、ほっ、ほっと言いながら、ラン ニングしていそうな城下町だよ。

「東京杉並区からお越しの○○○さん、すでに時間が過ぎていますので、お早くバス までお戻りください!」のアナウンスが流れる。  西ゲートから、城址公園を後にする。  大きな駐車場に、大型観光バスが何10台と停車している。  バス越しに見える桜もまたきれいだ。

 帰り道は、階段がきついので、思い切って車道を降りて帰ることにした。  自動車の渋滞は、高遠町の中心地まで続いている。

 なにしろ信号などひとつもない渋滞なのだから、高遠城址公園の駐車場の車が、1 台出て行かないと、進むことができない渋滞なんだから、当ての無い大渋滞だ。  年間80万人の観光客を、100万人の大台に乗せたいと、高遠町は考えているそ うだけど、この大渋滞をなんとかしないかぎり、リピーター客が減って行くから、無 理だと思う。  また高遠町は、江戸時代の保科正之で町おこしをしようと、NHKに働きかけてい るそうだ。  漫画『風雲児たち』にも登場する、あの保科正之だ。  徳川第2代将軍秀忠が、側室に生ませた子で、のちに将軍家綱の後見役として政治 的辣腕をふるった人だ。  また高遠の歴史としては、武田信玄の五男、武田勝頼の弟・仁科盛信が高遠城主に なったので、この仁科盛信も町おこしにつかいたいところなんだけど、城主になった 翌年、織田信長の天下統一がなった年に、あっというまに滅んでしまったので、スタ ー性に乏しいそうだ。  仁科盛信は、次々と逃亡、降伏していってしまった武田軍のなかにあって、わずか 3000の兵で織田信長の軍を迎え撃ち、激戦の末、壮絶な討死を遂げたそうだ。  実際に攻めてきたのは、織田信長ではなく、織田信長の嫡男・信忠だったのだから、 もう少し踏みこたえていれば、織田信長はこの年死んでいるのだから、歴史に名を残 す武将になれたのかもしれない。  高遠中央通りまで、戻ってきた。  高遠町の町並みは、白壁の土蔵風の家並みに統一しようとしているので、かなり風 情がある。でも桜の満開に比べると、白壁の土蔵風の家並み度は、五分先程度なので、 いまいちだ。  この白壁の土蔵風の家並みが中央通りで満開になれば、桜の季節以外の時期でも、 観光客が来たくなるような町になるだろう。

 午後3時。「夢木香(ゆめきこう)」という喫茶店で、さくらアイスと、コーヒー を飲む。さくらアイスを売っているお店は多い。

 いやあ、疲れた、疲れた。  きょうは高遠町一ヶ所を見て、さっさと帰るぞ!と思っていたのに、こんなに難行 苦行になると思わなかったよ。  高遠まんじゅうが、この町の名物らしいけど、その高遠まんじゅうのなかでも、ひ ときわおいしいと評判の「亀まん本店」で、亀まん頭を買う。

 こしあんのおまんじゅうで、なかなかうまい。  日本中のおまんじゅうを食べている私が、「なかなかうまい」というのだから、相 当おいしいのだよ!  午後4時30分。諏訪湖湖畔を通って、上諏訪(かみすわ)駅へ。

 上諏訪駅は、1番線ホームに、露天風呂を作ってしまったことで有名になった駅だ。 露天風呂に続いて、足湯もあった。  足が疲れきっているので、足湯していこうと思ったけど、超満員でとても入れそう にない。

 そのうち、電車の到着時間が近づいてきた。

 午後5時22分。新宿行きスーパーあずさ30号に乗車。  ひたすら寝る。

 午後7時35分。新宿に着く。  午後8時。新宿3丁目の焼き鳥屋「車屋」へ。  私にしては遅い時間の夕食なので、お腹が減っていたはずなのに、串焼き8本コー スが食べきれない。  嫁も苦しいといっていたので、お互い相当疲れているようだ。  早く帰ったほうが、よさそうだ。  午後9時。帰宅。  ベッドにひっくり返って、テレビで「イラク人質問題、進展せず!」のニュースを 見る。  この事件に関しては、言いたいことがたくさんあるけど、もはやインターネットの この日記を読む人が、ごく一部の人たちではなく、不特定多数になってしまっている ので、うかつな発言ができなくなりつつあるので言えないのが、つらい。  ディーガに録画しておいた『銭形平次』を見てから、寝る。 「てぇへんだ! てぇへんだ!」の八五郎役のアリtoキリギリスの石井正則くんは、 やっぱり八五郎役が似合ってたなあ!  ドラマとしても、おもしろいので、毎週見ることにしよう。

 
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