２月２７日（金）

　花粉症は、あいかわらず。
　風邪がたぶん峠を越したと思う。

　午前１０時。嫁と、並びの喫茶店「らぴす」サンで、モーニング・セット。

　午前１０時３０分。佐藤志靖さんの美容室『レ・ザンジュ』へ。
　きょうか明日を逃してしまうと、当分美容室に行けないというと、佐藤志靖さんが
早い時間にしてくれた。
　いつも私のスケジュールに合わせて、無理を聞いてくれるので助かる。

　午後１時。帰宅。
　きょうは、『桃太郎電鉄Ｕ（仮）』のテスト・プレイ。
　ソネット勤務の柿添尚弘が、到着一番乗り。
　ほどなく、井沢どんすけが到着。

　石川キンテツが２０分ほど遅れるというので、かねてからの冗談である「遅刻した
やつは、ＣＯＭキャラのまめ鬼でスタート！」を実行に移してあげる。





「えへえへえへっ。石川キンテツ（ＣＯＭキャラ）、物件買ってるぞ！　ＣＯＭキャ
ラのほうが頭いなあ！」
「出目もまめ鬼のほうが、いいですなあ！」と、柿添尚弘。

「す、す、すいませーーーん！」
　石川キンテツが到着。
「あっ！？　ほんとにまめ鬼になってる〜！　ひどいじゃないですかー！」
「でも石川キンテツ！　まめ鬼のほうが強そうだぞ！」
「やっやっやっや…！　そうかもしれないっすねー！」





　きょうの最新ロムは、あの物議をかもした井沢どんすけの「このシステムは、オレ
には難しすぎる！　もっと簡単にしろ！」というわがままを聞き入れた後の第１弾ロ
ムである。
　そのせいか、井沢どんすけの口調がなめらか！
　しかめっ面をすることもなく、つるっつるっ、饒舌！

「えへえへえへっ。貧乏神、バカだ、こいつ！」
「えへえへえへっ。キングボンビー！　きょうはやる気まんまんだなっ！」
「えへえへえへっ。このイベントのメッセージは、漢字が多いと思います！」

 



　井沢どんすけは口調もなめらかどころか、サイコロ運がいまだかつて見たことがな
いほど、絶好調。
　長崎のようなどん詰まりの目的地にも、６マス以内に入るや、一発で到着！
　かつて長崎に入るのに、２年ぐらいかかった男とは、思えない！
「えへえへえへっ。いったいどうしちゃったんでしょうねえ！」

　井沢どんすけのきょうのラッキー運は本当に尋常ではない。
　たまに必死に、井沢どんすけに貧乏神をなすりつけても、井沢どんすけのときだけ、
キングボンビーにも、ハリケーンボンビーにも、ゲスト・ボンビーにも変身しないの
だ！
　なのに、柿添尚弘についたときには、すぐキングボンビーに変身して、ボンビラス
星へ！

　柿添尚弘は、華のない勝ち方をする男と呼ばれる桃鉄巧者だ。
　しかもトップに立つと、「ほうほうほう！」「へえへへえへ…」という擬音を発す
るのだが、きょうは「ほうほうほう！」も出る幕なし！
　ここまで不調な柿添尚弘を見るのは、初めてだ。

　おまけに、石川キンテツ得意の同士討ちが始まった。
　石川キンテツは、トップを引き摺り下ろす戦法が下手だ。
　早い話、行き当たりばったりなだけである。
　そのため、期せずして柿添尚弘の足を引っ張る戦法になってしまう。
　きょうも、こんなむごい場面を演出した。

　石川キンテツについていた貧乏神がキングボンビーに変身するや、温存しておいた
陰陽師カードをつかって、柿添尚弘にとりついた！
　陰陽師カードというのは、石川キンテツが柿添尚弘に代わって、サイコロを振った
り、カードをつかうことができて、柿添尚弘の汽車を勝手に移動させることができる
恐ろしいカードだ。
　要するに、柿添尚弘を操ってしまえるカードだ。
　
　石川キンテツはまず、柿添尚弘が持っていた特急カードをつかった。
　その上で自分の元に呼び寄せて、キングボンビーを柿添尚弘になすりつけたのであ
る！　ひどいやつだ！
　しかも柿添尚弘の汽車を物件駅にたどりつかせて、物件を買いまくる！
　柿添尚弘の持ち金を減らす作戦だ。
　最後は、キングボンビーがサイコロを１０個振って、柿添尚弘を木っ端微塵に粉砕
した！

「石川キンテツ！　陰陽師カードをつかうなら、独走してる井沢どんすけにやれよなっ！」
「そうだよ！　そうだよ！」
「やっやっやっや…！　とりあえず自分が助かりたいもんで…」

「やっぱり、井沢どんすけ！　昔のシステムに戻したほうがいいような気がするなあ！」
「えへえへえへっ。このままでいいです！」
「私は井沢どんすけが独走するようなシステムは嫌だなあ！」
　しかし、井沢どんすけに指摘されて直したシステムは、悔しいけれど、シンプル
で、テンポがよくなって、快適である。





　午後４時。柴尾英令くんが到着。
「どうです？　井沢どんすけサンの調子は？」
「困ったことに、絶好調だよ！」
「ゲスト・ボンビーのグラフィック演出は？」
「もうバカ受け！」
「それはいいですねえ！」
　ほかにも井沢どんすけが爆笑したイベントは数知れずなんだけど、いまそれを語れ
ないのが、もどかしい。

　午後５時。清正まなつチャンがひさしぶりに来訪。
　さっそく清正まなつチャンに、今月号の『月刊ベイスターズ』を見せて、佐々木様
の横浜ベイスターズ復帰を喜び合う。
　今月号の『月刊ベイスターズ』はすごいんだよー！
　もう優勝したかのように、佐々木様大特集！
　表紙も佐々木様、巻頭グラビアも、佐々木様！　特集記事も、佐々木様！　漫画も
佐々木様！　何から何まで佐々木様！
　たったひとりの人間が、ここまでムードを一変させてしまうなんて、本当にすごい！

　午後６時。近所のスパゲティ専門店「ロートロ」へ。
　メンバーは、私、嫁、柴尾英令くん、井沢どんすけ、柿添尚弘、清正まなつチャン、
石川キンテツ。
　ここで、清正まなつチャンが石川キンテツのことをまだ深く知らないので、恒例の
石川キンテツが、その風貌からいちばん縁遠い上智大学を卒業していることで、笑い
を取る。
「上智大学って、あの四谷にあって、チャペルのある大学ですよね」と、清正まなつ
チャンもけげんそう。
　この清正まなつチャンの「チャペル」発言から「石川キンテツ！　おまえ、今度か
ら、チャペル石川って名前にしろよ！」で盛り上がる！
「チャペル石川！　あっはっは！　おかしい！」
「チャペル石川！　うさんくさいっすよねえ！」
「チャペル石川！　安っぽい名前だ！」





　今夜は、最後まで「チャペル石川！」で大笑い。
　徹夜が続くと、たいしておもしろくないことでも大笑いしてしまうあの状態みたい
なものだ！

　午後７時。『桃太郎電鉄Ｕ（仮）』の１６年目に、今回の目玉となるビッグ３・イ
ベントを仕込んであるので、そそくさと食事をすませて、１２年目からスタート！





　１６年目のビッグ・イベントが次々に出た！
「ええっ！？　これって『桃鉄』ですよね？」
「かっこいーーー！」
「うわあ！　きれいだなあ！」
「ボードゲームでここまでやる必要あるんですかねえ！」

　午後１１時。ビッグ３イベントの最後のイベントが出たので、きょうのテスト・プ
レイは終了！
　なんと！　食事の時間を抜いても、１０時間ぶっ通しのテスト・プレイだ。
「え〜〜〜！　１０時間もやってんすか？」
「えへえへえへっ。テンポいいから、１０時間もやってたと思えないなあ！」
「私は、井沢どんすけが圧勝なのが、気に入らない！　またチューニングのし直しだ！」
「どうも井沢どんすけサン！　Ｖジャンプの攻略本作ってから、上手くなってますよ！」
「まあ、攻略本書いたやつが下手なのは困るけど、たしかに上手くなってきてるから
なあ！」
「えへえへえへっ。ゲームが始まると、攻略本に書いたこと、すっかり忘れちゃって
るんですけどね！」
「いずれにしても、井沢どんすけが圧勝するようなチューニングでは、まだ発売でき
る段階ではないってことだ！　秘策を練ってもう一度だ！」

　冗談はさておき、ゲームの大枠はこれで行けることがわかった。
　大幅な変更は必要なさそうだ。
　ビッグ３イベントのうち、マップのマス目の数を変更しないといけないのはあった
けど、この変更はかつて難しかったんだけど、札幌の開発スタッフがぎりぎりまで変
更可能な作り方にしてくれているので、楽だ。
　料理の素材と、作り方は決まった。
　あとは、塩、胡椒をどうするかだ。
　こっちにとっては腕の見せ所でもある。
　今年も楽しくゲームが作れそうだ。
　何たって、まだ２月。
　あと半年もテスト・プレイが出来る。

　午前０時。さすがに、きょうは風呂に入って、すぐ寝るつもりだ。