2月9日(月)

 午前8時。『桃太郎電鉄U(仮)』「桃鉄公式戦」のチューニング。
「桃鉄公式戦」は、井沢どんすけの爆弾発言に汚染されて…、いや、ほぼ関係ないの
で、早くもカード駅でのデリケートなチューニング体勢に入る。

 連日、まるで季語のように、井沢どんすけの「爆弾発言」と日記に出てくるが、そ
の実本当は、びっくりするよう問題ではない。本当に大問題な場合は、こんなところ
に書けないよ。
 今年は書いてしまうかもしれないけれど。はっはっは!
 だいたい仕事というのは、人間関係以外にトラブルは発生しないものだ。

 午後12時。嫁と、表参道の「カフェ・クリエ」へ。
 赤いパスタに、コーヒー。

「新潟館」に、雪が積んであった。

 新潟からトラックで運んできて、何かのイベントにつかうのだろうけど、このとこ ろ東京は暖かいので、すぐ溶けてしまわないかなあ…。  食後、表参道を散歩しながら、裏原宿を通って、自宅へ。  午後2時。プロ野球のキャンプで紅白戦をやるように、『桃太郎電鉄U(仮)』の 公式戦を、何度も、何度も、テスト・プレイ。 『桃太郎電鉄U(仮)』の公式戦には、リトル・ボンビー・モンキーのような、ちょ っとうれしいキャラが登場する。  その登場確率が正しいかどうかは、何度もテスト・プレイして、決めるしかない。 料理における塩加減のようなものだ。  ☆印カード売り場のメニューもあれこれ変更する。  先日、井沢どんすけが大勝したのは、井沢どんすけの通り道に、いいカードを売っ ている☆印カード売り場を置きすぎた。  いいカードを売っている場所は、メジャー路線からちょっと外れたところに置かな いと。井沢どんすけは、寄り道までして、カードを買いたいと思わないと言っていた からな。  午後5時30分。嫁と、人形町の親戚「紬の橋爪商店」へ。  着物の老舗商店だ。  このお店に関して、非常におもしろいエピソードがある。  嫁は、着物が大好きである。  私と別行動のときは、ほとんど着物を見に行ってるくらいだ。  いろんな本を買ってきては、お店に問い合わせている。  ある日も、嫁は着物屋さんに電話をして、「そちらに行くにはどうやって行けばい いのですか」と問い合わせていた。  そのやりとりを脇で聞いていた私がつぶやいた。 「いま電話していたお店、うちの親戚の家かもしれない!」  本当にそうだったのだ。  おかげで、私といっしょではないときも、うちの嫁が、私の親戚である「紬の橋爪 商店」へ行って親戚付き合いしてくれるので、私としては助かる。  私自身は、着物はどうも苦手だ。 『おしん』に出てくるような継母の着物姿がトラウマとなって、着物自体が苦手に なってしまったようなのだ。  子どもの頃の印象というのは、強烈なんだね。  きょうも、私にとってはおばさんにあたるのかな?  私の親戚のなかではいちばん上品な人という印象で覚えていた方だ。  非常に高齢な方なので、私を覚えていないかもしれないと思ったのだが、「ああ!  あきらチャン!」という声の口調は、40年ほど前のイントネーションとまったく おなじだった。  さらに、私にとっては、従姉妹に当たる「紬の橋爪商店」の現オーナーと会話して いて、たまたま「六本木ヒルズから、東京タワーが見えて…」というキーワードを聞 いたとたん「ひょっとして昔の橋爪さんの家から、東京タワーが見えませんでした?」 と、私はつぶやいた。 「えっ? テレビ朝日通りにあった家よね。よく覚えているわね〜」  いやいや。急に記憶が逆流したのだ。  東京タワーと、東京タワーを見たときの窓枠の大きさしか覚えていない。  でもやっぱり40年以上も前の記憶が急に蘇るのだから、恐ろしい。  子どもの頃の過ごし方って、大事なんだねえ。  私も、みんなも、手遅れだと思うけどさ。はっはっは!  午後7時。せっかく、人形町まで来たので、予約はしていないけど「紬の橋爪商店」 の裏にある「喜(き)寿司」へ。

 満員だったんだけど、何とか席をつめて入れてもらえた。 「つい最近、すぎやま先生、いらっしゃいましたよ!」 「ありゃ。ちゃんといらっしゃってるなあ!」  いいお店は、お客さんが誰が最初に連れてきたかを、ちゃんと覚えていて、ホウレ ンソウ(報告、連絡、相談)をするから、すごいんだよ。  何年ぶりかで訪れても、「あら、さくまサン」と、ちゃんと名前をいう。

 老舗の名店から学ぶことは多いが、ひさしぶりの「喜(き)寿司」のお寿司は、 やっぱりほかのお店とは、格が違うねえ。  横浜ベイスターズのキャンプに佐々木様が帰ってきただけで、パーーーッと明るく なったように、「喜(き)寿司」の握りには、風格がある。  まるで隙(すき)だらけの剣豪のようで、見た目には、ごくふつうの握り寿司にし か見えないのに、ひとくち口に入れたとたん、へにゃへにゃひゃ〜となるくらいおい しさに酔いしれてしまう。 「おいひいよ〜〜〜!」  鼻腔が広がっちゃって、声にならないよ。  午後8時。帰宅。  しばしも休まず、『桃太郎電鉄U(仮)』の「桃鉄公式戦」をテスト・プレイして は、チューニングを変更したり、仕様書を書き直したり。  ふつうこういう追い込みって、夏ぐらいにピークが来るんだけどね。  まあ、チューニングはしても、し足りないということは、絶対ないので、何回でも やる。

 
さくまNEWS


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