1月8日(木) 福岡というのは、不思議な町だ。 新幹線の到着駅は「博多(はかた)」。 福岡駅ではない。 ゴールデン・ウィークに200万人を動員するお祭りは「博多どんたく」。 福岡どんたくとは言わない。 有名なデパートの名前も、博多井筒屋。 ラーメンは、もちろん、博多ラーメン。 『博多っ子純情』という漫画もあった。 でも、地元の人たちは「博多」と言わずに、「福岡」と呼ぶ。 「博多」とはどうも、観光客側が呼ぶ言い方らしい。 たしかに、私も「博多に行く!」というし、『桃太郎電鉄』でも、福岡ではなく、 博多を物件名にしている。 新幹線の駅でも、わざわざ県庁所在地ではない地名を駅名にしているのは、博多駅 ぐらいのものだ。 なぜこんなに「福岡」と「博多」が共存しているのか。 不思議な町である。![]()
午前2時30分。眠りが浅いっ! 1時間で目が覚めてしまった。 京都から、マイ枕を持ってくるのを忘れたせいだ。 眠れそうにないので、しばらく本を読んだり、日記を書く。 午前5時。いかん。日記を書くつもりが、途中から、仕事まで始めてしまった。 LANケーブルがつかえる快適な環境だけに、うれしくて仕事してしまった。 もう一度寝よう。 午前8時。二度寝、三度寝が出来たので、それほど睡眠不足は感じない。 あれ? おかしい。 あれだけ昨日、必死に食べる量を減らしたのに、体重がぐいーーーん!と増えてい る。うーーん。体重計のせいにしたいくらい増加している。 昨日より、2キロも増えるか? 屋台でも、土居ちゃんとひとつのお皿を食べあって、3分の2は、土居ちゃんが食 べたはずだ。 でも、記録は、記録だ。 反省するしかない。 午前9時。1Fのバイキングへ。 ホテルの予約パックが、朝食付きだったんだけど、土居ちゃんが「ご飯を食べずに、 コーヒーだけ飲んで、どこかで食事をしませんか?」といっていた。 あれ? 行ってみると、土居ちゃんは、ふつうの人の朝食と変わらないような量の 料理を、お皿の上に盛って、うれしそうに食べているぞ。
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「土居ちゃん! コーヒーだけのはずじゃなかったの?」 「ははは! まあね!」 「じゅうぶん多いじゃないか!」 「ははは! ちょっとだけお皿に乗せたつもりだったんだけどね!」 私は、フルーツと、コーヒーだけにする。 今朝、体重が増えていなかったら、土居ちゃんにつられて、たくさん食べてしまっ たに違いない。 午前9時30分。ホテルの支払いを、クレジットカードで払う。 ついに嫁の手を借りずに、クレジットカードをつかったぜいっ! 『はじめてのおつかい』か、私は。 午前10時。私、土居ちゃん、岩崎誠の3人は、博多駅へ。 門司港に行く予定である。 またちょっと? 寄り道する。 午前10時14分。新大阪駅行きこだま648号に乗車。 自由席を選んだんだけど、車両の半分がクッションだらけの「キッズ・コーナー」 になっていた。
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私が力説していた子ども専用車両が、こんなところでひっそり実施されていたの か。まだ実験段階なのかな。 でもこだま号自体の乗車率が低いので、キッズ・コーナーには、ほとんど子どもが 来なかった。 午前10時50分。新下関駅で下車。 九州出身の人なら、95%の人が「何で門司港に行くのに、新下関まで行くのか!」 と、ツッコミを入れてくれることだろう。 そして、5%の人が、にやっ!としたと思う。 その答えは。もう少しあとで。 昨年11月の末に、『桃の陣!西日本オニ退治道中記』のロケで来て以来だから、 駅に降り立ったときの感動はない。 帰ってきたなあ!という気分だ。 下関は、寒いところなのに、お正月からずっと暖かいままだそうだ。 「さくまサンが、ずっと仕事してるからですよ!」 今年もこの「晴れ男」の法則は続くのかなあ…。
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午前11時。唐戸(からと)市場へ。 何だか、閑散としているなあ…。 観光客は入っちゃいけない業者向け専用の市場なのかな。 いや、たしか観光客向けでもあるはずだ。 市場の人に聞いたら、魚の業者のみなさんは、朝が早いので、お昼ぐらいには、 さっさと帰ってしまうのだそうだ。 2階に渡り廊下のような回廊があって、市場を見渡せる趣向は、けっこう楽しい。
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昨日、山本耕一から、この市場の2階にある食堂がおいしいという情報を仕入れて いたので、行ってみる。 「市場食堂よし」だ。 こ、こ、こ、これは、とんでもないお店にぶち当たったぞ! 海鮮ものといえば、函館に勝てる市場はないと思っていた私の固定概念が、グラッ !と崩れたぞ。 調子に乗って、3人で、お刺身を頼みまくる。 「よし定食(お刺身中心)!」 「天然トラフグ定食!」 「生うに定食!」 「単品で、ふぐのから揚げ!」 「単品で、イクラ!」 「単品で、生うに!」 「単品で、地ダコ!」 気がつけば、どんどん単品の注文が増えて行く。
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地ダコが、ぷりっぷりっ。ものすごい弾力で、うまかー。 生うにが、クリーミー。箱ごと食べられるのが、市場ならでは! 「特に名を秘す京都M」で食べるときのように、生うにに、海苔がついている。 下 関というと、ふぐのイメージが強いけど、密かに、生うにが、名産である。 ふぐの から揚げが大きい! しかも、うまいっ! おまけに、白いご飯もおいしかった。 このご飯がべちょべちょだと、いくら新鮮なお刺身を持ってきても、台無しになっ てしまう。 この食堂に来るためだけに、また下関に来てもいいくらい、このお店は素晴らしか った。女性だけの従業員のみなさんも、明るくて、気さくだ。 食後、唐戸市場の隣りのお土産品を売る「カモンワーフ」を見物。
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「市場食堂よし」の衝撃が大きすぎたので、こっちは、物足りないなあ。 ふぐのみりん干し、ふぐちりセット、宮本武蔵グッズなどを売っている。 どのお店も、仕方なく営業しているといったムードが漂いすぎ。 小言爺(じじい)の岩崎誠がいたら、怒りそうだぞ! 「ちょっと、これはねえ!」 あっ。岩崎誠、いたんだっけ!
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「さくまサン! これからどうやって、門司港まで行くんですか?」と岩崎誠。 「船だよ!」 「ええっ? この間のロケのときのように、タクシーじゃないんですか?」 「新下関駅からなら、タクシーだけど…」 「船で、どのくらい時間かかるんですか?」 「5分!」 「ええっ? 5分! うそでしょ!」 「いや! 5分!」 「ひえええっ! そんなに近いんだあ!」 「だって、岩崎誠! 向こう岸がそこに町が見えるだろ! あれが門司港!」 「ひえええっ! ってことは、いまここって、本州ですか?」 「そうだよ!」 「そんなに下関と、九州は近いんだあ!」 「海峡だからね!」
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午後12時30分。下関港から、船に乗る。 まるでモーターボートのように船は、波を蹴立てて走っていく。 5分というより、4分ほどで、門司港に着いてしまった。 そのまま、門司港ホテルへ。 岩崎誠は、きょうじゅうに東京へ戻るので、私と土居ちゃんだけ、チェックイン。 本来チェックインの時間ではないので、荷物だけ置いてもらう。 嫁がLANケーブル付きの部屋を予約しておいてくれたようだ。きょうも快適に仕 事ができそうで、うれしいぞ。 午後1時。門司港レトロ街のイタリアン・レストランで、コーヒー。 岩崎誠が、まるでハウステンボスのような門司港のレトロなレンガ街に驚く。 私もこの町並みが、大好きだ。
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「カップルで来たら、最高にいい場所ですね!」と、岩崎誠。 独身の土居ちゃんが「え? あっ。オレのこと? あははは!」 「ダメだ、土居ちゃん。とうとう独身ネタにすら反応が鈍くなって来ている!」 午後1時30分。前回、時間がなくて、寄ることができなかった「九州鉄道記念館」 へ。 おお! 蒸気機関車の展示は、こういう博物館の花形だなあ。 大きな車輪が、勇壮だ。
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門司港駅のほぼ隣りに隣接して陳列されているので、どこからどこまでが現役の車 両で、どこからが現役を退いた車両なのか、よくわからない。
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要するに、いま現役で走っている車両が古いって意味を含んでいるんだけどね。 本館のいろんな展示物も、低い位置にボタンがついていて、子どもたちが触ること ができるものばかりなのが、えらい。 こういう記念館は、子どもが楽しめる場所じゃなければね!
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九州鉄道の歴史についても、ていねいに解説している。 記念館はかなり広いので、私の体力がだいぶ怪しくなってきた。 近隣の人が遊びに来たら、半日びっちり遊べるくらいの規模だ。 九州を走る特急をミニサイズにして、運転を体験できるミニ鉄道公園へ。 大人が3人乗れるというんだけど、私まで乗るとデジカメできないので、土居ちゃ ん、岩崎誠に乗ってもらう。 しかし、今回報道カメラマンの嫁がいないので、デジカメし忘れが、やたらと多い。 今回の日記では、かなり、岩崎誠のデジカメにフォローしてもらっている。 土居ちゃん、岩崎誠は、ソニック・タイプの列車に乗って、ぷわーーん!と音を立 てて、走っていく。 ことのほか、土居ちゃんがうれしそうだ。
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1回300円で、公園を一周できる。 岩崎誠は、ひとり300円だと思って、最初、3人分買ってしまっていた。 午後2時30分。門司港ホテルへ。 私と土居ちゃんは、正式にチェックイン。 岩崎誠は、荷物を持って、私と土居ちゃんは手ぶらで、でかける。 午後3時。門司港駅から、荒尾行きの鹿児島本線に乗る。
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午後3時13分。小倉駅で下車。
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小倉駅南口の「揚子江の豚まん」へ。 このお店は、柴尾英令くん行きつけのお店で、1ヶ月前、ここで食べた豚まんがべ らぼうにおいしくて、今回の旅行で、土居ちゃんが絶対寄りたいお店の筆頭に上げて いたくらいだ。
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「揚子江の豚まん」は、店頭販売のみなので、まず土居ちゃんが豚まんを3つ買って、 みんなに配る。 「この場で食べろ!」ということらしい。 しかも、今回もおいしかったら、土居ちゃんは、自宅に豚まんを宅急便するつもり らしい。
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「すごいですねえ! この肉汁!」と、岩崎誠。 この豚まんの肉汁って、ほんとにすごいのよ。 お店の人が、最初からティシュをくれるくらい、ぼたぼたと落ちてくる。 でも、これがおいしんだ。 九州朝日放送で、お天気キャスターをやっている山本耕一も、ここの豚まんが大好 きだと、昨日言っていた。 岩崎誠が「あんまんもおいしそうだから、食べてみません?」と言い出す。 「岩崎誠! うれしいけど、2個にしてくれない? 私は土居ちゃんと半分コしたい!」 あんまんを食べるのは、初めて。 うまいじゃないの〜! 小豆がほくほくしていて、こりゃたまらんですよ。 気がつけば、私と土居ちゃんは、豚まん10個、あんまんを5個、宅急便していた。
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午後4時。小倉駅に戻り、3人で、折尾の「かしわめし弁当」を買う。 おっと、あやうく、ほかのメーカーのかしわめしを買うところだった。 かしわめしは、東筑(とうちく)軒のかしわめしでないと! 新幹線乗り場でしか、東筑(とうちく)軒のかしわめしは、売っていないらしい。
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岩崎誠は、小倉駅から新幹線で博多へ。博多から福岡空港だ。 というわけで、岩崎誠とは、ここでお別れ。 午後4時2分。私と土居ちゃんは、「かしわめし弁当」を片手に、再び門司港行き の電車に乗る。 「何だか、家に帰るみたいですね!」と、土居ちゃん。 「小倉にいたの、わずか1時間だよ!」 「豚まんを買いに行っただけですね!」 「そうしたかったんだろ?」 「小倉って、何にも見るところがないですからね!」 「土居ちゃん! その言葉を、小倉愛郷心ランキング東洋一の柴尾英令くんの目の前 で言ってみてくれよ!」 「ううっ! 山本耕一も、何もないって言ってたよ!」 「山本耕一は、若松区で、ほぼ地元だよ! 地元の人間は卑下するものだ!」 「柴尾英令くんは?」 「特別変な男!」 午後4時15分。門司港駅に着く。 駅前の喫茶店「ココ・カフェ」で、コーヒー。 実はもう私の体力が、レッドゾーンに突入している。 きょうじゅうに東京に戻らないといけない岩崎誠を悔しがらせるようなおいしいも のを食べたいのだが、どうにもいかん。 ギャグのためにおいしいものを食べるだけのパワーもない。 土居ちゃんには、ホテルでかしわめし弁当を夕食として食べて、きょうはおとなし くしていることにしてもらった。 午後6時30分。九州朝日放送を見ていたら、山本耕一が、出てきた。 流暢に、お餅の豆知識を語り、天気予報している。 似合ってるなあ…。
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あっというまに、終わってしまった。 早いなあ。まあ、お天気キャスターの出演時間は、こんなもんか。 午後7時。門司港レトロ街の夜景を見ながら、かしわめし弁当を食べる。
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3色のそぼろ弁当のシンプルなものだけど、おいしい。
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ホテルで、のんびりするつもりが、日記の書きかけがどんどん溜まって行くので、 必死に数日前の日記を書く。 ああ、これじゃテレビを見るひまもない。 明日は、京都に戻る予定。 岩崎誠が悔しがるような場所に行って、おいしいものを食べてやりたいのだが、さ すがに浮かばない…。
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