１月２日（金）

　午前１０時。嫁と、近所の「ワンズ・バーガー」へ。
　コートがいらないくらい暖かい。





「スターバックス・コーヒー」に行くつもりだったけど、お休みだった。
　やっぱり東京のお正月は、勝手が違うなあ。
　私はすっかり京都の新年に身体が慣れてしまったようだ。

　嫁は、自宅に戻って、ニュージーランド行きの準備。
　私は、東京駅に向かう。
　道路も空いている。
　東京の空がきれいだ。
　工場がお休みすると、こんなに青空なんだねえ。

　午前１１時。東京駅へ。
　さすがに、お正月三が日だけに、東京駅もさほど混雑していない。

　午前１１時２６分。新大阪行きのぞみ２１７号に乗車。
　いつものように、車中、ＶＡＩＯを広げて、お仕事開始。
　昨年暮れのテスト・プレイで、文豪井沢どんすけに一発長打の「変更！」を宣告さ
れたので、されからずっとてんてこ舞いだ。

　井沢どんすけの意を酌んだＭＡＰ変更の仕様書が、柴尾英令くんのほうから、家を
出る直前に着いた。柴尾英令くんは、うちの嫁、娘と、友だちとで、いっしょにきょ
うからニュージーランドだ。
　これほどまでに私たちを苦しめる男・井沢どんすけ。やはり今年も、敵に回すと恐
いが、味方にするともっと恐い男のようである。

　午後１時４６分。京都駅で下車。
　京都も暖かい。
　ヤサカタクシーの宮本さんが迎えに来てくれて、京都の隠れ家へ。

　新幹線のなかで『桃太郎電鉄Ｕ（仮）』の仕様について気になった部分があったの
で、さっそくデバッグ用のロムをセットする。
　今回、持ってくるのをやめようと思ったけど、持ってきてよかった。

　しばらく、仕事をして、読書。

　午後７時。すぎやまこういち先生ご夫妻のお宅へ、新年のご挨拶に。
「プティ・ポワン」の北岡さんご夫妻も毎年恒例でいらしていた。

　お年賀代わりというより、ギャグのつもりで、「貧乏神が去る像」をお持ちする。
すぎやまこういち先生ご夫妻では、貧乏が寄って来そうもない。
　予想外に受けた。めでたし。

　すぎやまこういち先生ご夫妻と、北岡さんご夫妻は、昨日、ＭＯＶIＸに『ザ・ラ
スト・サムライ』を見に行ったそうだ。
　すぎやまこういち先生ご夫妻は、六本木ヒルズでも見て、昨日は２回目とか。
　ひとしきり、『ザ・ラスト・サムライ』の話。

　すぎやまこういち先生には『ザ・ラスト・サムライ』の音楽がよかったという話を
していただく。先生は、映画を観ても、必ず音楽監督の名を覚えるそうだ。
　ちなみに、ニュージーランドに行ったうちの親子は、『ロード・オブ・ザ・リング』
の完結編を現地で見るはずだが、すぎやまこういち先生ご夫妻の興味は、『ロード・
オブ・ザ・リング』の音楽を、ロンドン・フィルが演奏していることだそうだ。
　ニュージーランドといえば、北岡さんがニュージーランドの羊肉は、オーストラリ
アの羊に比べて、草原の斜面の傾斜があるために、脂肪が少ないわりに、お肉がやわ
らかいとおっしゃっていた。
　ははは。実はこの話、途中でちゃんと覚えられなかったので、後日もう一度お聞き
した。

　…というように、すぎやまこういち先生ご夫妻は、音楽の視点から、北岡さんご夫
妻は料理の視点から映画を見る。思いもよらぬ方向から映画を語るので、おもしろい
こと、おもしろいこと。
　私まで、もう一度『ザ・ラスト・サムライ』を見たくなる。

　午後８時。すぎやまこういち先生ご夫妻、北岡さんご夫妻とごいっしょに、寺町三
条の「かに道楽」へ。





　私の場合、蟹料理のお店に行くと、まだ手が不自由なので、蟹の身をほじくことが
できなくて、いつもは嫁にやってもらっている。
　きょうは、なんと！　北岡シェフにやってもらっちゃったんだよー！
「ボクは、蟹をほぐすの、うまいから！」
　そんな！　イチローが「ボクは、けっこう野球うまいから！」というようなもんで
しょ！
　北岡さんの奥様には、箸まで割っていただく。うひょ〜！
　恐縮してしまうよ〜。

 



　さらに、「嫁がいないので、毎日大変でしょう！」と、みなさんに心配される。
　確かにその通りなので、京都に来た。
　なまじひとりで東京にいると、電話が来ても内容がまずわからないし、どこに何が
置いてあるかも全然わかっていない。
　京都のほうが、単身赴任でひとり合宿をしているので、不自由が比較的少ない。　
だから、きょうから京都に来てしまったのだ。

　すぎやまこういち先生から、先日の『ザ・ヒットパレード』のさらなる裏話など聞
かせていただいた。この話は、ポップス博士のけーむらクンに教えてあげよう！

　かにすきをたらふく食べる。
「う〜、苦しい！」
「さくまクン！　君の苦しいは、嘘だからね！」
「えっ！？」
「本当はまだ食べられるけど、これ以上食べちゃいけないって、自制しているだけだ
ろ？」
「はっはっは。その通りですー！」

　すぎやまこういち先生ご夫妻には、何でもバレバレだ。
　私は９年前に脳内出血で倒れたときには、いまより１０キロ以上太っていた。
　だから本当はもっと食べられるのだ。
　でも思うがままに食べていたら、また「肥満は万病の元」へ逆戻りだ。
　死に物狂いのダイエットはするつもりは、さらさらないけど、自制しないと、つい
つい食べ過ぎる。
　だから、ほどよいところで「苦しい〜！」と宣言することで、自分に対して「もう
やめろよ〜！」と警告しているのだ。

　帰り際にも、すぎやまこういち先生の奥様から、嫁がいないのでひとりで大丈夫で
すか？と心配される。
　でも、奥様！　「ひとりでお風呂は入れますか？」はないじゃないですかあ！
「東京でも、ひとりで入っていますよ！」
　まるで『ひとりでできるもん』の子どもみたいだ。。
　でも似たようなもんだ。

　午後１０時。帰宅。
　京都では、仕事をしたり、本を読んだり、すぎやまこういち先生ご夫妻、北岡さん
ご夫妻と食事をごいっしょさせていただりしてすごす予定。
　食べすぎちゃうかも。
　だって、みなさん、夜は「かに道楽」で、お昼は、京都ホテルで、ステーキに伊勢
エビを食べていたんですよー。
　グルメの大リーガーだ！