１２月３１日（水）

　この時期って、テレビ番組がスペシャルばかりなので、きょうが何曜日なのか、
さっぱりわからなくなってしまうね。

　午後１２時。嫁と、渋谷の渋谷公会堂近くへ。
　ひさしぶりに「チャーリーハウス」に行こうとしたら、さっさと休みに入っていた。
　仕方なくパルコ方面に向かうと、「讃岐手打ちうどん・将八うどん」の看板が道端
に立てかけてあった！
　目と鼻の先に「はなまるうどん」があるのに、こんなところで讃岐うどんのお店を
出すのは大変だろうなあ！と、嫁と話をしていたら、「そうなんですよ！　でもうち
のは本格的な手打ちうどんですから！」と若者が話しかけてきた。
　一生懸命、お店の宣伝をするので「その努力が気に入った。お店に行ってあげよう！」
といって、「将八うどん」に入る。
　このお店は１２月５日にオープンしたばかりだそうだ。





　お店は、地下にある。
　地下に降りると店内がやたらと広い。
　かけうどん９９円を売り文句にしているだけに、こんな渋谷のバスケットコートの
ような広さのお店の家賃払えるのかな？と心配になる。





　おお！　おでんに、おにぎりに、おいなりさんに、天ぷらだ。
　おおっ！　半熟玉子の天ぷらまであるぞ！　金時いもの天ぷらもだ。
　トッピングを取ってから、麺を決めるところまで、高松のセルフさぬきうどんのや
り方とまったくおなじだ。

 



　本格的と豪語するだけあって、厨房で天ぷらも揚げているし、うどんも打っている。

　私と嫁が座席に着くと、いきなりオーナーが「お〜〜〜い！　厨房〜！　元気出
せー！　元気！　うどんが伸びるぞ〜〜〜〜〜〜！」と怒鳴る。
「は〜〜〜い！　元気は入りますっ！」と、厨房もやり返す。
　お店は、声と笑顔が大事だよね。
　こういうオーナーのいるお店は、いいお店だ。

　初めてのお店なので、ついつい半熟玉子に、おでんまで注文してしまった。
　おでんも高松風の白味噌仕立てで、本格的だ。





　かけうどんだけなら、ひとり９９円だけど、うちみたいに、おでんも、天ぷらも何
品も注文すると、ひとり６８０円になってしまう。

 



　でも一杯８００円のラーメンが当たり前の東京では、腹いっぱい食べたい若者には
いいお店だと思う。
　麺も、がんばっている。
　私と嫁は、本場高松の讃岐うどんを食べまくっている。
　いわば漁師さんがその場で網で取った魚を、漁船の上で食べているようなものなの
で、東京でこれだけの麺が打てれば、見事なほうだと思う。





　あれだけおいしかった広尾の「マルガメ製麺所」が、指導の先生がいなくなった
ら、あっという間に、麺がゆるくなって、ダメになってしまった。
　今後も、このお店の繁栄は、オーナーの気合いひとつだな。





　帰り際に、オーナーがいて、後ろに「寛永通宝」の文字があるから、「ひょっとし
て観音寺（かんおんじ）の出身ですか？」と聞くと、「そうです！」と返ってきた。
「ここに銭形のいわれを書いて、みなさんがお金に困らないようになるようにしよう
と思っています！」と言っていた。
　香川県は、私にとって全国に数ヶ所ある「第２の故郷」のひとつだから、このお店
はひいきしよう。

　午後１２時３０分。パルコの地下の本屋さんへ。
　買うと荷物になるぞ！と思いつつも、ついつい２冊、３冊。
　これ以上は、堤防決壊になるので、レジに駆け込む。
　
　午後２時。渋谷公会堂へ。
　昨日、予告したように「パックインミュージック〜あのラジオ、あの歌、あの青春
　Part.2 」のコンサートだ。

　この日記でもおなじみの、『ポポロクロイス物語』の田森庸介さんとその仲間ご一
行、岩崎摂親子、読売広告の岩崎誠親子、ポニーキャニオン勤務のけーむらクン、
「テンユウ」の杉沢義文さん夫妻。高円寺の整体のお兄ちゃん、ハドソンの大里専務
まで来てくれた。
　ちょっとしたミニ笑止会。

 
 



「さくまサン！　ハドソンの会議室の鍵を直して、トイレに行きやすくするから、ほ
かの場所に事務所を借りるなんていわないでよ〜！」と、大里さん。
　こういう風に、窮状を訴えたときに、反応してくれる人は、好きだ。
　窮状を訴えたときに言い訳するやつは、絶対自分は悪いと思っていないから、改善
しようという気がまったくない。
　うっかりすると、「さくまサンがうるさくて…」が始まってしまう。
　でもねえ…。トイレに行きづらいという窮状を何度も言っても聞き入れてもくれな
い人間とは仕事をいっしょにしたくないよねえ。
　人間の感情ってものがないよ。
　言葉が通じるとは思えない。

　ほかにも、近所の「らぴす」の渡辺さんたち、美容室の佐藤志靖さんたちも来てい
たようだ。人が多いし、業界人の人も多いので、私は、あっちにぺこぺこ、こっちに
ぺこぺこ、遠くへは会釈で大忙しだ。
　
　コンサート関係者のみなさんと話をしていたら、あっというまに会場のベルが鳴っ
てしまった。

　まあ、今回のコンサートのすごさは、メンバーを列挙すれば、わかる人には「おおっ！」
とうなり声をあげてもらえるだけに、出演者を並べる！

（敬称略）
　五つの赤い風船、山本コウタロ−、山田パンダ、太田裕美、はしだのりひこ、
　斎藤哲夫、高田渡、大久保一久（元・風）、木村充輝（元・優歌団）、
　沢田聖子、三浦和人（元・雅夢）、山木康世（元ふきのとう）、佐田玲子。
　司会：野沢那智、白石冬美。

　個人的には、優歌団と、沢田聖子さんの歌を初めて聴けたのがうれしかったなあ。
やっぱりいまも現役でライブ活動をやっている人たちの声の通ること、通ること。
　五つの赤い風船は、新メンバーでスタートしてはや、３年目くらいになるのかな。
ずっと成長を続けているのが、見事だ。
　継続は力なりだなあ。

　元ふきのとうの山木 康世さんが、海援隊の『思えば遠くに来たもんだ』を歌った。
てっきり名曲『冬銀河』を歌ってくれると思っていたのに。
　えっ！？　『思えば遠くに来たもんだ』は、作詞が武田鉄矢さんで、作曲が 山木
康世さんだったの？　知らなかった。
　おそらく私が、一番目か二番目に口ずさむ曲といえば『思えば遠くに来たもんだ』
だったのに、知らなかった。

　太田裕美さんは、進行表では『雨だれ』を歌うとあったので、楽しみにしていたん
だけど、本番では『君と歩いた青春』という曲を歌っていた。
　ちょっとがっかりしたんだけど、ポップス博士のけーむらクンによると、『君と歩
いた青春』は、『なごり雪』、『２２才の別れ』の伊勢正三さんの曲だから、うれし
かったそうだ。
　さすが、けーむらクン！
　でも、１９６５年生まれのけーむらクンが、この時代の曲をほとんど知っていて、
誰の作曲かを知っているのは、あいかわらず変だ。
　いつも、ついついけーむらクンとは、高校時代の同級生にひさしぶりに会ったよう
な気分でしゃべってしまうが、私より１３歳年下である。

　午後５時。コンサート終了。
　渋谷の公園通りのライトアップが、きれいだ。





　食事して行ける人だけ誘う。
　それぞれ、みなさん、これから田舎に帰るとか、東京の実家に帰るとか、あわただ
しい。でも大晦日なんだから、こういう風にあわただしくしてほしいものだ。　そう
いえば、ミスター懐メロ・伊東正義は、この年の瀬に、ぐっくり腰できょうのコン
サートに来れなくなってしまったそうだ。残念。

　さすがに大晦日。
「宇和島」に電話しても「上海ヌードル」に電話しても、やっていないみたい。　東
武ホテルの地下の中華料理屋「竹園」に入る。
　メンバーは、岩崎摂親子、高円寺の整体のお兄ちゃん・梅津実くん、けーむらクン、
私、嫁の６人。





　ホイコーロー、酢豚、上海焼きそば、ゴマ餃子、水餃子など、頼めるだけ頼んで、
食べ切れなかったら、整体のお兄ちゃんに食べてもらおうと、宴会ムード。

  
  



　ところが途中で、突然、ぶつん！と、店内の照明が消えて、非常灯のみになってし
まう。





「♪ハッピー、バースディ〜の家族でもいるのか？」
「中華料理で、ハッピーバースディはないでしょう！」

 



　１０分ほどで、再び照明が点いたものの、実は地上に上がったら、テロで焦土と化
していたりしてねという話になる。
　なにしろ、渋谷公会堂の向かい側は、ＮＨＫだ。
　テロが狙うにはもっとも効果的な『紅白歌合戦』が、待っている。

　あれ。コンサートを終えた五つの赤い風船の西岡たかしサンと、主催者側の新見和
明さんが、このお店に入ってきた。
　どこもお店やっていないから、ここに吸い込まれるように入ってきてしまうんだろ
うなあ！と、お互い苦笑い。

「よいお年を〜〜〜！」
「それじゃまた、来年〜〜〜！」
　何だかわからないけど、この言葉を発明した人はえらい。
　ひとことで、締め括れてしまう言葉だ。

　午後７時。帰宅。

　午後７時３０分。えっ？　『紅白歌合戦』って、こんなに早くから始まっちゃうん
だっけ？　一応、見ておこうと思ってね。
　ボブ・サップや、アントニオ猪木や、ＰＲＩＤＥは、正直どれを見ていいかわから
ないよ。食い合い過ぎだよね。

　今年は、テツandトモが出るから、見るですよ。

　明日は、まだ東京。