１２月２２日（月）

　昨日の日記。
　ＤＶＤレコーダーの話題だ。
　嫁がぜんぶ「ＤＶＤ−ＲＡＭ」と訂正してくれたけど、私はずっとＤＶＤ−ＲＷと
表記していた。
　ＤＶＤ−Ｒ、ＤＶＤ−ＲＷ、ＤＶＤ＋ＲＷ、ＤＶＤ−ＲＡＭ…。
　覚えられないよ。どうして「１回きりクン」とか「何度でもクン」という名前をつ
けられないかね！

　私が機械音痴なのは、年を取ってきたせいだと思っている人もいることだろう。　
甘い！　私は２０歳の頃から、ステレオもテレビも苦手だ。
　ただ自動車とか、楽器とか、好きなものになると、人が変わったようにくわしくな
る。人は私のことを「オールオア・ナッシングの男」と呼ぶ。
　ＤＶＤレコーダーについては、くわしくなりたい気分だ。

　午後１２時。嫁と表参道へ。
　原宿の老舗オープンカフェ「バンブー」で、ローストポーク・サンドイッチに、
コーンポタージュ、コーヒー。

 



　ときおり、思い出したように、ふと食べに来たくなるお店だ。
　栄枯盛衰の激しい原宿で、昭和５２年（１９７７年）、２６年間も続いているお店
というのはここくらいしかない。





　丁寧な料理作りを絶やさないからだろうなあ。
　何１０年も味を守るのは、どのくらい大変なことなのか、身を持って苦しんでいる
私には、そのすごさがよくわかる。
　２６年の間に、どのくらい土俵を割りそうなピンチを迎えたのかな？　そしてそれ
をどうやって乗り越えたんだろう？　オーナーと話がしてみたい。





　午後１時。新宿へ。
「カメラのさくらや」、「ビックカメラ」ともに、ＤＶＤレコーダー「ディーガ」は
売り切れ中。予約してもいつ入荷するかわからない状態らしい。
『便利なものは売れる』の格言通りだ。
　年末商戦の真っ只中に来るべきではなかった。
　不景気、不景気というけれど、本当に人がほしがっているものを作れば、売れると
いうことだ。

　午後２時。神宮球場へ。
　来年のシーズンシートを購入に行く。
　今年とおなじ座席なら、ハガキで継続すればすむのだが、私としては横浜ベイスタ
ーズが最下位に終わった座席だけに、今年の席はゲンが悪いと思っている。
　優勝した阪神ですら、この座席でほとんど負けている。
　阪神の場合は捻じ曲がった阪神ファンである岩崎誠に問題があるのかもしれないが…。
　ほかにも、この座席のチケットをあげた人の勝率があまりよろしくない。
　それだけヤクルトが強かったということなんだけど、今年ヤクルトは、４位である。

　というわけで、ゲンをかつぐ私は球団職員の方に「ひょっとして、９８年のシーズ
ンシートのリストってありますか？」と聞く。
「ありますよ！」の答え。
　ふっふっふ。あの３８年ぶりに優勝したときに購入した座席に、私が復活だ。
　これで来年は…。
　夢の４位だっ！
　
　昨年も応対してくれた球団職員の人が、「横浜ベイスターズも、村田とか、いい選
手がいるじゃないですか！」という。
「いや。無理していわなくていいです。そういう次元とは違うところで私は応援して
いますから！」

　午後２時３０分。喫茶店「らぴす」サンでコーヒーののち、帰宅。

　午後３時。土居ちゃん（土居孝幸）が来る。
『桃太郎電鉄Ｕ（仮）』のゲスト・ボンビーの色の打ち合わせ。
　ブラックボンビーが黒色、ハリケーンボンビーが青色と来たから、次は、赤色にす
るかといった会話。

　午後４時３０分。ハドソンでの会議が終了した柴尾英令くんが、到着。
『桃太郎電鉄Ｕ（仮）』のＭＡＰ曲候補を聴いてもらって、みんなで大いに悩む。　
今回は候補作がたくさんあるので大変だ。
　どの曲もいい。
　贅沢すぎる悩みだ。

　午後５時３０分。蔵人総合研究所の赤根豊くんと、遠山孝司くんが到着。
　本日、わが社の株主総会である。
　株主総会といったって、社員は私と嫁だけである。
　書式に則って株主総会が開催される。

　午後６時３０分。私、嫁、土居ちゃん、柴尾英令くん、赤根豊くん、遠山孝司くん
の６人で、「代々木今半」へ。
　このお店、「暴力割烹！」という点では、西の「特に名を比す京都Ｍ」と、東の
「代々木今半」というくらい、恐ろしいお店だ。

　宮沢賢治の『注文の多い料理店』は、お客さんが入ると、お店側の人がやたらと注
文をつけるお店の話だけど、ここは『注文を多く押しつける料理店』！
「すき焼きは、卵で食べます？　七味で食べます？　あっ、両方ね？」
「すき焼きの卵で、玉子とじにして白いご飯にかけて食べましょうね！」
「白いご飯のあとは、ラーメン食べるでしょ？」
　注文をお客さんが決めずに、ご主人が決めてしまう。
　みんな笑っている。
「放っておくと、どんどん値段の高いお肉を食わされちゃうんだ！」と、私。
「さくまサン、違う！　高いお肉じゃなくて、おいしいお肉！」
「はっはっは。その通りだけどさ！」

　ところが、きょうはあのご主人がいない。
　以前、あのご主人がいないときに来たら、料金が半額になった。
　これは「鬼の居ぬ間に早く帰らなきゃ！」と、牛たんのしゃぶしゃぶに、黒豚のし
ゃぶしゃぶ、すき焼きを各２人前ずつと限定して、先に注文しておいて食べ始める。

 
 
 



　きょうのこの集まりも、今年うちのためにがんばってくれた人たちへの「お礼の食
事会」だ。
　本当に今年は、お礼がしたい人たちだらけで、うれしい悲鳴なのだ。
　こういう悲鳴なら、何度でも上げたいし、何度でも食べたい。

　黒豚のしゃぶしゃぶが足らなさそうだ。
　きょうはあの「勧め魔」のご主人もいないから、少々増やしても、安上がりだ。
「２人前追加しまーーす！」
「はーーーい！」

「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ！」
　遠山孝司くんが、バルタン星人のような声で、お肉に歓喜している。
　初めてここのお肉を食べて、平静でいられる人はまずいない。

「そろそろ、すき焼き、作りますか？」
　あれ？　どこかで聞いた声だぞ！
　あああああっ！　ご主人だっ！
　いつのまに！
　
「先週、『桃太郎電鉄１２』を買って、そういえば、先生、最近うちの毒を食べに来
てくれないなあ！と思ってたんですよ。そろそろ来るかなあ！と予想してたら、やっ
ぱり来た！」
「はっはっは！　うちの毒！」
「毒って、お肉のことですか！」
「はっはっは！　ここの肉は、本当に毒なんだから！」

 



　万事休す。
　ご主人のジュータン爆撃が始まった！
「すき焼きのお肉、もう１枚行きますよね！」

 



「もう１枚は、七味で食べますよね！」
「最後に、ラーメンも食べますよね！」
　しゃぶしゃぶの鍋に、ラーメン麺を入れて、みそ味と、塩味のスープにひたして食
べる。何気に量が多い。
　でも、うまいんだ、これが！

　く、く、苦しい…。
　く、く、苦しい…。
　赤根豊くんも、土居ちゃんも、「苦しい」を連発。
「僕は、まだ８分目かな？」と、柴尾英令くん！
「ひえ〜〜〜っ！」
　みんなが柴尾英令くんの発言にあきれ返る。
　さすがデブ神様！
　柴尾英令くんの胃袋は、ドラえもんのポケットだ！

「さくまサン、きょうの味はどうですか？」と、ご主人。
「あと３回抑えれば、きょうはうちの勝利ってときに、連打、連打、打者一巡の猛攻
を受けて、横浜ベイスターズの投手、マウンド上で火達磨って感じだよ！」
「またしても、ご主人に食べさせられちゃったよ〜！」
「また毒を食べに来てくださいねー！」

　階段を登る土居ちゃんが、思わず「重い！」とつぶやいた。
　身体が重くなったのがわかるほど食べてしまったようだ。

「代々木今半」は、お肉のハーレムだ。

　午後９時３０分。帰宅。
　食べすぎで、動けない。
　昨日、半年ぶりに、体重７０キロを割ったのもつかのまだ。
　ああ！　体重計に乗りたくない。

　な、な、な、何だって〜！
　先週の土曜日の毎日放送『スッごい！おとなの時間』の「桃鉄対決」で、絶賛連敗
中の木村明浩（きむらあきひろ）くんが、優勝しただってぇ？

　　１位　きむら太郎　１０億４４６０万円
　　２位　わかたけ美人　４億１７９０万円
　　３位　もっこし時代　３億７１７０万円
　　４位　まいっ馬鹿　　２億６０７０万円

　２位に、６億円も差をつけて、ぶっちぎり優勝なの？
　うーーーん！　困った！
　木村明浩＝絶賛連敗中のキャラを固定させようと思ったのに！

　しかし、先週の土曜日で「桃鉄対決」のシリーズは最終回なので、下段の「さくま
ＮＥＷＳ」から、『スッごい！おとなの時間』の項目はきょうから消えてしまうので
あった。
　この日記を読んだ読者には、木村明浩くん＝絶賛連敗中の印象だけが残って、６戦
中２勝した栄光は、あっというまに過去のものとなってしまうであろう。
　めでたし、めでたし…。