１１月７日（金）

　午前１０時。まずは、「太秋（たいしゅう）柿」を嫁とふたりで１個食べてから、
「らぴす」サンで、モーニング・セット。
　暴飲暴食ツアーのあとは、食べる量を減らして、体重調整。

　午前１１時。ひさびさに青山の「ロイヤルホスト」へ。
　座ったとたん、アイデアが湯水のように溢れるお店として、かつて私の日記ではおな
じみだったお店。
　最近、地方へでかけることが多くて、来るヒマがなかった。
　ここ数日、『怪物パラ☆ダイス２』のアイデア出しが必要なので、早くこのお店に来
たかった。

　きょうも、禁煙席に座って、コーヒーを注文したあと、１時間半ぶっ通しで、キーボ
ードを叩き続ける。
　またしても、アイデアが温泉を見つけたときのように、吹き上がって、止まらなくな
ってしまったのだ。
　ずっと悩み続けていた部分もあっさり答えが出るから不思議だ。

　この青山の「ロイヤルホスト」。
　かつて小室哲哉さんが、この「ロイヤルホスト」だと、いい曲が浮かぶ縁起のいいお
店だといっていたそうだけど、本当にこのお店には不思議な力があるような気がする。

　ふいーーッ！
「ロイヤルホスト」のコーヒーを１杯もお代わりをせずに、でかけないといけない時間
が来てしまった。
　右腕が、痛い。
　キーボードの叩きすぎだ。

　午後１時。築地のハドソンへ。
　本日、札幌の開発チームが来て、『桃太郎電鉄Ｕ（仮）』の打ち合わせ。
　メンバーは、企画の川田忠之くん、小坂晃弘くん、込山勉くん、メイン・プログラマー
の田中俊介くん。
　私、嫁、土居ちゃん（土居孝幸）、柴尾英令くん。
　ハドソン大里専務、ハドソン宣伝部の梶野竜太郎くん、藤原伸介くん。
　読売広告の小池玲子さん。

 



　けっきょく、『桃太郎電鉄Ｕ（仮）』の発売は、例年通り来年の暮れにするつもりで
丁寧に作りましょう！ということで一致する。
　早く発売して、失敗作だったら、何の意味もない。
　とはいえ、一度は来年の夏を目論んだ作品だけに、最新ロムにはもう、ゲスト・ボン
ビーのイベント自体が入っているではないか！
　ゲスト・ボンビーの絵はまだだけど。

「えええええっ！？　もうここまで出来てるの！」
「あの〜、カードのほうも、絵はないけど、つかえるようになってますんで…」
「あっ！　ほんとだ！」
「もうひとりのゲスト・ボンビーのほうも、まだグラフィックは、貧乏神のままですけ
ど、イベントは出るようになっています…」
「何、それっ！」
「だったら、土居ちゃんが絵を描けば、これってもう完成じゃない！」
「ぎく〜〜〜ッ！」

　土居ちゃんは、『桃太郎電鉄Ｕ（仮）』の完成イラストをまだ１枚も描いていないの
だから、完成するわけがない。
　別に土居ちゃんがさぼっているわけではない。
　土居ちゃんは、『桃太郎電鉄１２〜西日本編もありまっせー！』が完成後も、宣伝ポ
スターとか、パッケージのイラストとかを描き続けているから、まだ着手できないわけ
だ。

　それでも本日、ここまで完成しているならと、どっこいズ（井沢どんすけ、すとろう
小泉、石川キンテツ）の『桃太郎電鉄Ｕ（仮）』テスト・プレイ解禁を宣言。
　またしても、早い時期からのテスト・プレイができそうだ。
　ゲームというものは、３ヶ月以上テスト・プレイが出来たら、大半の問題は直すこと
ができるものだ。
　その３ヶ月を２週間程度のテスト・プレイで、発売して失敗した惜しいゲームは、限
りないほどある。

　午後４時。私と土居ちゃんだけ、別室へ。
『週刊ＳＰＡ！』の企画で、浅草キッドのふたりと対談。





　水道橋博士とは、今年何度もいっしょに食事しているので、対談というより、つい、
最近お勧めの料理屋さんはなかったかなあ？と思わず自分の日記を検索してしまう。

　ひさびさに会った水道橋博士は、腰痛で苦しそう。
　まるで井沢どんすけのぎっくり腰のようだ。
　今年は、うちの嫁まで、ぎっくり腰になって、ぎっくり腰の当たり年か！？

『桃太郎電鉄１２〜西日本編もありまっせー！』発売記念対談ということで、浅草キッ
ドのふたりが、見事なホメ方で、『桃太郎電鉄』シリーズを語ってくれるので、こそば
ゆい。
　でもふたりの言葉は、美辞麗句を並べるのではなく、『桃太郎電鉄』を遊んでくれた
人ならではの言葉でホメてくれるので、うれしい。

　午後５時。再び、会議室に戻って、『桃太郎電鉄Ｕ（仮）』の打ち合わせ。
　うーーーん。いつも言っているけど、『桃太郎電鉄Ｕ（仮）』は野心作なので、いま
までに見たこともないようなＭＡＰがたくさん登場する。
　言ってみれば、銀河鉄道のようなＭＡＰだ。
　こういう新しいなＭＡＰをひとつ出すだけで、いままでのシステムを破壊することが
多いのだ。
　このＭＡＰで、うんちカードをつかったら、どうなってしまうのか？
　カード自体つかえていいのか、つかえないほうがいいのか？
　キングボンビーがそのＭＡＰに現れてもいいのか？
　サミットカードはつかえてもいいのか？
　テレポートカードで近づけるのか？
　ぶっとびカードは？
　もちろん、そのデザインの良し悪しも議論する。
　ありとあらゆるチュックポイントについて、考えないといけない。
　まるで、政治の新法案のようなものだ。
　郵便局を民営化するだけで、たくさん噴出する問題点のようなものをひとつひとつ片
づけていかないといけない。

　午後６時。築地の「舌呑（ぜっとん）」へ。
　メンバーは、私、嫁、土居ちゃん、柴尾英令くん、川田忠之くん、藤原伸介くん、田
中俊介くん、小坂晃弘くん、込山勉くん。

　串かつ、天むす、栗の釜飯などを、ばくばくと！
　お店の人が何度も「予約が入っているので、午後８時まででお願いします！」という
のだが、こっちもさっさと食べて、打ち合わせの続きをしたいので、「まかせてちょー
だい！」と返事する。

　午後７時。お店が心配した午後８時よりも、１時間早く食べ終えて、再びハドソンの
会議室へ。
『桃太郎電鉄Ｕ（仮）』の打ち合わせの続き。

　お客さんが、ゲームのスイッチを入れてから、人数を選んで、対戦相手を選んで、年
数を決めて、ゲームに入るまでの間で、もっと便利で、わかりやすくて、スムーズなボ
タン操作はできないものか？と、みんなで討議する。
　このゲームＭＡＰに入るまでの、簡潔さはいろんな人にホメられる部分なので、まっ
たく変える必要がないのだが、まだまだひょっとしたら、もっと便利になるかもしれな
いので、毎回検討している。

　スイッチを入れてから、ゲームＭＡＰに行くまでで、操作性が悪いと思ったり、わか
りづらいと思ったことがあったら、ぜひ『桃鉄研究所』のほうまで、メールをください。
　まだまだ改良を続けたい！

　午後９時３０分。会議終了。
　頭から、ぶすぶす煙が出るくらい、頭脳労働をして、へとへと…。

　午後１０時。帰宅。
　来週のスケジュールで、悩む。
　またしても西のほうに行くんだけど、いよいよ体力が持たなくなっている。
　というより、どっこいズ（井沢どんすけ、コイズミリュウジ、石川キンテツ）のテス
ト・プレイが、私にとっては、いちばん体力を奪われる毒の沼地のような日々になるの
で、調整が大変なのだ。

　少なくとも、博多行きは、中止したほうがいいな。
　土居ちゃん、柴尾英令くんに日記から伝言だ。