１０月１６日（木）

　午前４時３０分。ひ〜〜〜、何で早く目が覚めるんだあ！
　もっと寝たいし、寝られるのに！
　起きてしまったものは、仕方がない。
　日記の続きを書こう。
　旅行中は、疲れるのに、内容が盛りだくさんで書くことが多いから、さらに疲労が溜
まる一方だ。

　でも、旅先で日記が書けたり、土居ちゃん（土居孝幸）と柴尾英令くんから、
「ニューオーリンズに着きました！」というメールが届くなんて、すごい時代だねえ。
　子どもの頃に読んだＳＦの世界より、世の中のほうが進歩するとは思わなかったよ。

　午前９時３０分。家族３人で、京都グランヴィア・ホテルへ。
　読売広告の岩崎誠と、待ち合わせ。
　きょうも１１月新番組『桃の陣！』のロケ。
　ロケバスで、陣内智則くんがぐったりしていた。
　昨日、あれだけ強行軍のロケをこなして、大阪に帰ったというのに、また家で夜中ま
で『桃太郎電鉄11』をやってしまったそうだ。
　本当に、陣内智則くんは『桃鉄』が好きだ。

　ハドソンの大里専務が、東京から到着。
「さくまサン、すごいよ！　テツandトモの取材！　ほとんどのワイドショーが取り上
げていたよ！　やっぱり、彼らは、すごいねえ！」

　さて、きょうのゲストは、藤崎奈々子ちゃん。
　小倉優子ちゃんといい、『桃の陣！』のゲストは豪華だ。
　午前１０時。ロケバスは、京都清水寺へ。





　１０月の清水寺なんかでロケやったら、修学旅行のハイシーズンだから、学生さんだ
らけで大変なんじゃないだろうかと思ったら、案の定、次から次へと、映画『マトリッ
クス』のスミスのように、あっちからこっちから学生服が列をなしてやってくる。
　うじゃうじゃ、しゃわしゃわ、湧いてくるようだ。

 



「テレビだ！　テレビだ！」
「有名人だ！　有名人だ」
「テレビに出てる人！　テレビに出てる人！」
「陣内だ！　陣内だ！」
　一様に、二度おなじ言葉をくりかえすのが、おもしろい。
　それにしても、陣内智則くんの人気はすごい！





　今回も私は、スタート場面で、陣内智則くん＋藤崎奈々子ちゃん組と、バッファロー
吾郎くんたちの後ろで、何気なく、清水寺を見ているエキストラ出演。
　ところが、顔が映らないので、もう少し横を向いてといわれて、ただ空を見ている人
になってしまった。
　清水寺の位置関係がわかる人には、笑える方角を見やっている。

 
 



　でも、バッファロー吾郎くんたちの「ちわ〜〜〜、鬼で〜〜〜す！　京都舞妓鬼
で〜〜〜す！」の口調がおかしくて、思わず笑っちゃってたよ。

　その後、撮影隊は移動。
　たくさんの観光客を引き連れての移動だけで、脱落したマラソンランナーのように、
私たちはあっというまに撮影隊を見失った。

 



　だったらと、清水寺の参道のお土産屋さんで、試食しまくり。
　うちの娘が、また生八つ橋のおいしい新製品を探し当てたようだ。
　ガイガー探知機のように、うちの娘はおいしいものを探し回っている。
　あとからついてくるハドソンの藤原伸介くんが、何気にうちの娘が推奨する八つ橋を
買っているのが、笑える。

　午前１１時３０分。撮影隊とはぐれたので、「イノダコーヒ産寧坂店」で、コーヒー。

 



　しばらくして、撮影隊は、湯豆腐の「奥丹（おくたん）」に入ったとの知らせが来る。
えっ？　あの「奥丹（おくたん）」？
「奥丹（おくたん）」といえば、湯豆腐で日本一の呼び声高い、あの「総本家ゆどうふ
奥丹」のことか？

　創業は、寛永年間。
　３７０年になる日本最古の湯豆腐の老舗でもある。
　そんな「奥丹（おくたん）」が、お笑い番組にお店を貸してもらえるの？
　ええっ？　「奥丹（おくたん）」の女将さんまで、番組に出ている？
　ひえ〜〜〜っ！　昔、放送作家の真似事をしていたような私には、考えられないよう
なロケだ。『桃の陣！』のスタッフは、どういうルートを持っているんだろう。

 



　おおっ！　本当に、「奥丹（おくたん）」の広い座敷を借りて、撮影しているよ。し
かも、清水寺を歩いていた外国人さんたちを連れてきて、バッファロー吾郎くんたちが、
わけのわからない日本語を教えている！

 



　私たちは、毎日放送の中井保さん、ハドソンの大里専務、藤原伸介くん、岩崎誠と、
「奥丹」の２階で、湯豆腐を食べる。

 
 
 



　階下から、陣内智則くんたちの大爆笑の声が聞こえる。
　こんな老舗のお店に、笑い声が響き渡っていいのだろうかと心配になる。

　食後、ロケをしている部屋の近くで待機。
　途中で、きょうの日記用に、陣内智則くんの顔写真を撮ろうとすると、デジカメの
シャッターが下りない。
　脇から、バッファロー吾郎の竹若元博（たけわかもとひろ）くんが「『桃鉄』で負け
た人には、シャッターが下りない！」とツッコミを入れる。
「ちくしょーーー！」
　陣内智則くんは、先日、竹若元博くんと対戦して、彼に負けたのだ。





　私のデジカメのシャッターが下りなかったのは、メモリースティックがいっぱいに
なってしまったため。
　このところ、あちこちで、写真を撮りまくってるからね。
　嫁なんか、この３日間で、５００枚くらいデジカメしている。

　午後１時３０分。「奥丹（おくたん）」での撮影終了。
　このあと撮影隊は、神戸に向かう予定。
　私は、ここでリタイア。
　さすがに、鎌倉から始まった遠征シリーズの寝不足で、頭がぼ〜〜〜ッとして来てい
る。今朝、ユンケル皇帝液を飲んできたけど、もう限界。
　出演者、スタッフのみなさんに挨拶して、店を出る。
　嫁と娘は、ひさびさの京都清水寺なので、歩いてから帰るというので、私は、ヤサカ
タクシーの宮本さんを呼んで、京都の隠れ家へ。

　午後２時。家に戻るなり、バタンキュー！
　ゴーゴーといびきをかいて寝る。

　午後４時。いやあ、よく寝た、よく寝た。
　ひさびさに深い眠りだった。
　寝不足が、ようやく解消された。

　午後５時３０分。嫁と娘が帰ってきた。
　再び、ヤサカタクシーの宮本さんを呼んで、和菓子屋さんから、出町柳の「柳月堂」、
さらにみその橋の「中華のサカイ」へ。

　今年、このお店に何回来て、冷めんを食べたことか。
　でも、うちの娘は初めてだ。
　うちの娘に、冷めんを食べさせてみたけど、あまり好きではないそうだ。
「おお〜〜〜！　やっぱり、娘は、ここの冷麺は、ダメかあ！」
　私も、嫁も、宮本さんも、土居ちゃんも、柴尾英令くんも、浅草キッドの水道橋博士
もこのお店の冷麺を気に入ったんだけど、すぎやまこういち先生ご夫妻だけが、この冷
麺には「×」印を出していたのだ。

 



「やっぱり、うちの娘がグルメの師匠・すぎやまこういち先生ご夫妻の舌にいちばん近
いんだねえ！」
「うーん、そうか、これからうちの娘を、リトルすぎやまと、呼ぼう！」
「西武ライオンズの松井稼頭央を、リトル松井（ヤンキースの松井）と呼ぶようなもの
だ！」

 



　ここでまた、「リトルすぎやま」であるうちの娘の探知機が、ぴくぴく動く。
　隣りのテーブルのお客さんが食べている杏仁豆腐を見て、おいしそうだと言い出した
のだ。
　もちろん、注文する。

　この杏仁豆腐が、私にとって、めちゃくちゃなつかしい味だった。
　私が３歳のときに死んだ母親がやっていたお菓子屋さんで売っていたアイスキャンデー
の味なのだ。
　３歳くらいの記憶だから、正しいかどうかもわからない。
　でも、子どもの頃を思い出させる味であることは、間違いない。
　まだまだ当分、このお店には通いそうだ。

　午後７時３０分。帰宅。
　きょうは、ひさびさに京都の家で、のんびりする。
　仕事したいのをガマンして、クールダウンだ。

　うちの娘が、作詞家の松本隆さんの３枚組みＣＤ『風街図鑑』を聴いて、感動してい
る。
「さくちゃん、この人の詩って、すごいよ！」
「当然だよ！」
「作詞家さんなのに、ＣＤがまとまって発売されるなんてすごいよ！」
「当然だよ、この人の実績からすれば！」
「今後、尊敬する人は？って聞かれたら、私は松本隆さんって答えることにするよ〜！」
　いいねえ！　若い子ってのは、感動のエンジンが、ローギアからサードまで入るのが
早くて。

　明日も、京都でのんびりする予定。

　今年も、年末の『桃太郎電鉄１２〜西日本編もありまっせー！』が発売されるまで、
『桃鉄』関係の情報を巻末につけます。
　情報が入り次第、精密になっていくので、毎日チェックしてください。