10月7日(火)

 道路公団の藤井総裁が、辞任しないと言い出すとは思わなかった。
 どんな人かは知らないけれど、『課長島耕作』に登場する、みるからにいじわるそう
な顔のキャラと、そっくりというだけで、今回のすべてを物語っているような気がする。

 おなじ撤回でも、巨人の川相選手の引退撤回のほうが、すがすがしい。
 原監督のもとでないなら、コーチにはなりたくない。現役を続行したいというのは、
川相選手も、原監督も男を上げた。
 ついでに原監督は、巨人のコーチをぜんぶ連れて、ロッテの監督にでもなってくれた
ら、パ・リーグが盛り上がって、おもしろいと思う。
 
 ところで昨夜、というか、今朝午前5時まで、まったく眠れなかった。
 昨日、頭に来たことがあったからだ。

 私は、勝手に人の気持ちを推測して、おためごかしで物をいう人間が苦手だ。

 たとえば、横浜ベイスターズが最下位をひた走っているときに「さくまサンの前で、
横浜ベイスターズの話をするなよ!」というやつ。
 ギャグでいうなら、いいけど、本気でいっている。
 私が嫌がっているか探りを入れてくれよ。
 自虐的なギャグを3倍くらい聞かせて返すけど。

 昔、「劇団の人は、すぐ劇団員同士がすぐひっついては別れてしまうので、いま誰と
誰が恋愛中なのか、いちいち覚えておかないといけないんで、会話をするのが大変なん
だよ!」といったことがある。
 すると、「さくまサンは劇団嫌いだから、さくまサンの前で劇団の話をするなよ!」
が始まる。

 ハドソンは、ボンバーマンとか、桃太郎、PC原人といったゲームがあるから、エロ
・ゲームは作らないほうがいいと思うといったことがる。
 すると、「さくまサンの前で、うちの出版社がエッチ・ゲームの攻略本を作っている
ことをいうなよ!」が始まる。
 ハドソンと、そこの出版社の方針は別物でしょうが。

 何か、私を間違えて理解していないか?
 気をつかう方向が間違ってない?
 推測で物を言って、その噂を撒き散らさないでほしい。
 消火作業が、大変になる。

 7〜8年前くらいも、身近な人間に「さくまサンは雑誌の取材は受けないから!」と
いう噂を撒き散らされて困ったことがある。
 そんな嘘をついても、そいつの得にならないものだから、相手は信じてしまいやすく、
困ったものだった。
 週刊誌の記事のような行動を身内のはずである人間にやられると、仕事のテンション
がへなへな〜と落ちてしまう。

 午前6時すぎに、少し眠れた。

 午前10時。北海道取材旅行註に、私のVAIOのPHSカードが繋がらなくてイン
ターネットを見たり、メールを受け取ることができなかった。
 嫁が再度、チャレンジしてくれた。
 どうもうまくいかない。
 パスワードが違うと、VAIOはいっているんだけど、嫁は「これしかないんだけ
ど…」と入力するが、繋がらない。
 私なんぞ、5年前くらいに決めたパスワードなど覚えているわけがない。
 パスワードって、みんなぜんぶ覚えてる?
 銀行の暗証番号に、インターネットの会員制掲示板、携帯電話のパスワード、パソコ
ンのパスワード、そんなに記憶力よくないよ。
 嫁が、DDIポケットとか、ソネットに電話しているのを聞いているだけで、専門用
語が多くて、頭が痛くなってくる。

 午前11時30分。嫁と、紀伊国屋書店へ。
 柴尾英令くんと、待ち合わせ。
 きょうは、いよいよDVDレコーダーを買おうと思っているのだ。

 前に、日記を読んでいるさくまにあのみなさんに、RVDレコーダー購入のアドバイ
スを頼んだ。

 名古屋・みっちさん、枚方市・あすやんクン、弘前市・etsukenさんほか、たくさん
の人からアドバイスをもらった。ありがとう!
 しかも、私の性格をみなさんよく考えていて、いまのビデオ内蔵テレビはそのままつ
かって、新たに、DVDレコーダーと、液晶ディスプレイを買ってしまったほうが、万
が一のときは、ビデオで録画できるからいいと、とても正しいご意見をいただいた。
 盲点であった。部屋に2台、テレビを置いておけば、右で横浜ベイスターズの試合、
左で、バラエティ番組を見たり、ゲームのテスト・プレイをしたりすることもできる。
 というわけで、あとは私の性格を熟知している柴尾英令くんにテレビと、DVDレコ
ーダーを選んでもらえば、間違いない。
 ちなみに、柴尾英令くんは、勝手に推測して「こういうのはさくまサンが嫌がるか
ら…」とは絶対言わない。
 必ず「こういうのって、さくまサン、嫌いですか?」と聞いてくれる。
 ただ、DVDレコーダーは、どういうのが嫌いなのかもわからない。

 しかも、いきなり最初から暗礁に乗り上げた。
 私でも、今年の12月から、地上波デジタル放送が始まることくらいは知っている。
放送開始2ヶ月に迫っているのだから、地上波デジタルを録画できるDVDレコーダー
がそろそろ発売されていると思ったのだ。
 ところが、まだ出ていないというではないか!
 来年まで買わないほうがいいのか?

 とりあえず、先に食事をすることに。
 伊勢丹の近くのとんかつの「王ろじ」へ。
 今朝、私が眠れないほど頭に来ていることを心配した岩崎誠も到着。
 柴尾英令くんも、岩崎誠も、私のことを心配してくれるんだけど…。

「うほ〜!この味はいったいなんだ!」 「このソース! なんておいしいんだ!」 「柴尾英令くん、私はとんかつを大量摂取してはいけないので、食べてくれ!  ひとつ! ふたつ!」 「そ…、そんなにたくさんいらないですよ。でもおいしいなあ!」 「豚汁は、ちょっと衝撃的!」

 どうも緊張感がない。  おいしものを食べるときは、おいしさを満喫しなくちゃ!  やっぱり、とんかつは、この「王ろじ」がいちばんだなあ。  健康を気にして、このお店の登板間隔を空けるようにしているので、たまに食べるか ら、よけいしみじみおいしい。  ああ! もっと頻繁にこのお店のとんかつ&豚汁を、食べたいよ〜!  食後、「ニュートップス」で、あれこれ相談。  人の顔を窺いながら、その実、正しく理解せずに、私の意見として語られるのは困る。  どうも私を、御簾(みす)の向こうに追いやろうとする輩が多すぎる。  午後3時。私、嫁、柴尾英令くんの3人で、「カメラのさくらや」へ。  DVDレコーダー売り場で、柴尾英令くんが店員さんと会話してくれる。  うーーーん。やっぱり会話が難しくて、ちんぷんかんぷんだ。  どう難しいかをみんなに伝えたいんだけど、私はDVDレコーダーが録画するだけの ものと、録画も出来て、DVDを再生も出来る機械があるのをきょう初めて知った。  あれ?  柴尾英令くんの様子が変だぞ。  首をかしげている。  あの様子は、どう見ても店員さんが、知識もないのに、適当なことばかり言っている ということが、私にもわかるぞ! 「ダメです! あの人! こっちが聞いていることと、違うことを答えてくる」「話せ ば、話すほど、わからなくなる!」  やっぱり。  困ったねえ。柴尾英令くんと嫁と3人で話しているうちに、どのディスプレイとDV Dレコーダーを買えばいいのかがまとまって来たんだけど、どうしてもこの素っ頓狂な 店員からは買いたくない。  いいかげんな店員の営業成績をあげたくない。  そんなこというと、また誰かに「さくまサンの前で、カメラのさくらやの話をするな よ!」といわれてしまいそうだ。 「ビック・カメラ」に移動する。

 店員さんに話を聞く。  至極、真っ当な店員さんだ。  わからないことは、わからない。  知っていることは、正しく伝えてくれる。  このあたりまえのことが、できない人が多すぎる。  で、パナソニックのDVDビデオレコーダーPMR−E200Hと、SONYのWE GA KLV−23HR2を買う。

 午後4時。帰宅。  柴尾英令くんはわざわざ家までついて来てくれて、きょう買ったものを設置までして くれるというではないか。  私の場合、買っただけでそのまま半年間ダンボールを開かないなんてことをやらない ともかぎらないからね。  すごいね。柴尾英令くんは、電気屋さんみたいに、ディスプレイの後ろをパカッと開 けて、次々にピンジャックを差して行き、くりくりコードをねじっている。分波器なの かな、あれって。  へ〜〜〜、最近のテレビは自分で勝手に、チャンネルを合わせてしまうんだ。 頭い いんだね〜。

 ここで、大きな失敗をひとつ。  SONYの液晶テレビWEGAを買ったのだが、まえからあるもうひとつのビデオ内 臓テレビもSONYなもんだから、リモコンを押すと、2台のテレビが同時にスイッチ がついてしまうのだ!  はっはっは。まいったね、こりゃ。  左のテレビをNHKにしようと、リモコンの1を押すと、右のテレビもNHKになっ てしまう。  何だか、おかしいや。はっはっは。  いやあ、きょうは睡眠不足だわ、頭の痛い話の連続で、疲れた。  仕事してたほうが、私は疲労しないよ。  午後5時30分。私、嫁、柴尾英令くんの3人で、近所の宮崎料理屋「きばいやん せ」へ。  皮焼き、さつま揚げ、地鶏雑炊など食べているうちに、九州に旅行したくなる。  きょう届いた講談社の『鉄道の旅』は、九州の肥薩(ひさつ)線だ。  うずうず…。  午後7時。食後、「スターバックス・コーヒー」へ。  午後8時。帰宅。  さすがに、テレビを見ながら、うたた寝。  今夜は、DVDレコーダーのマニュアルを読む。  ちゃんと読めるかなあ…。  本機では、高速記録対応のDVD−Rディスク(1〜4x高速対応)を使用すると、 HDDからディスクに高倍速(録画時間に対し最大24倍速:EPモード時)で録画す ることができます。  ああ! もういきなり、わからない〜!

 

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