9月15日(月) 連休3日目。 きょうからまた東京の自宅は、お風呂工事を再開。 8月21日から始まった工事だから、もうすぐ1ヶ月になってしまうよ。 ようやく京都もちょっと暑い程度の気候になった。 午前10時45分。ヤサカタクシーの宮本さんが迎えに来てくれる。 京都大学方面へ、インターネットで調べたパン屋さんを、宮本さんと探しに行く。小 さいお店とは聞いていたけど、まんまと行きすごす。宮本さんが電話で場所を聞いてく れて、ようやく見つけた。 味はまだわからない。 今度、何度もこのお店が登場したら、おいしい証拠。 お店の名前は「マンシエール」。 午前11時30分。地下鉄烏丸今出川駅で、岩崎誠、柴尾英令くん、友清哲くんと待 ち合わせ。 「あれ? 岩崎誠は、甲子園球場に行くんじゃなかったの?」 「いえ。きょうボクは重大な決意をすることにしたのです!」 「何だよ、そんな深刻な顔をして…」 「ボクは、きょうこれから、横浜スタジアムに行って、横浜ーヤクルト戦を見に行きま す! ピキピキ!」 「何だよ、それ! 阪神の優勝に関係ないだろうに…」」 きょうの阪神の優勝条件は、阪神が広島に勝ち、横浜がヤクルトに勝たないといけな い。 まあ、横浜がヤクルトに勝てば、きょう阪神が負けても、明日以降自力で優勝の目が 出てくるけど、熱狂的な阪神タイガース・ファンなら、大阪で優勝の瞬間を迎えたいだ ろうに。 「大阪にいて、優勝したら東京に戻れなくなっちゃう!」 「何だ、そういう理由か!」 「ボクは、横浜スタジアムに行って、横浜とヤクルトのファンしかいない球場の片隅で、 昨日小林仁さんからもらった優勝ビールかけTシャツを着て、ひとり、ひっそり横浜ベ イスターズを応援するんです!」 「まあ、横浜ベイスターズを応援してくれるのは、うれしいけど、その選択はあまりに も可能性が少なくないか?」 「阪神がきょう広島に勝てば、横浜ベイスターズが勝った瞬間が、本当の意味での優勝 の瞬間なんですよ! ピキピキ!」 ちなみに、ピキピキ!は、岩崎誠のこわばった顔の音である。 午後12時。北野天満宮近くの「TOーFU CAFE HUJINO」へ。柴尾英令くんを除いた全員が、豆腐プレートを注文する。 柴尾英令くんのみ、おぼろ豆腐丼。 柴尾英令くんが、豆腐プレートを注文しなかったのは、プレートにたった4〜5粒の 納豆が乗っているからである。柴尾英令くんは、世界一納豆が嫌いな男である。
午後1時。京都駅へ。 そんなわけで思いつめた面持ちの岩崎誠だけ、新幹線で新横浜に向かうことになった。 行ってらっしゃーーーい! 「必ず、ボクの選択は当たりますから! ピキピキ!」 午後1時30分。四条柳馬場のドコモ・ショップへ。 どうも京都のマンションの携帯電話の電波の具合が悪いので、何かいい方法はないか と模索していたら、嫁が調べてくれた。 このお店で、アンテナを補助する機械を売っているというので、メカに強い柴尾英令 くんがいるきょうがチャンス。お店の人にわからない単語を羅列されたら、柴尾英令く んに私の代わりにしゃべってもらおう。 しかし、柴尾英令くんいらずの珍品であった。 名前からして「お助けアンテナくん」。
へなへなへな〜。 とても電波が入りやすくなるとは思えない。 ようするに、窓ガラスに吸盤でアンテナをつけて、コードが5メートルあるから、充 電するときのアダプターみたいなものを、携帯電話に差せば、かなり電波が入りやすく なるという。 このアンテナを設置したら、部屋のどこでも電波が入るようになるのではなく、延長 コードが長いから、わざわざ窓際まで移動しなくてもすむという、とても消極的な機械 だ。要するにコードが延びただけ。 7000円で、みんなに笑ってもらえればいいや!と、購入。 あとでつかってみたけど、たまにアンテナが1本立つか、立たないかの携帯電話の表 示が、常時1本立つようになった。 決して、3本になるわけではない。 これは助けてもらったことになるのだろうか? しかも、うちのマンションの窓ガラスは、分厚くうねっているタイプなので、吸盤が 張り付かない。 「せっかくだから、友清哲くん! うちの日記を読んでいて、京都で行ってみたいとこ ろなあい?」 「全部ですよ〜!」 「はっはっは!」 「さくまサン! あぶり餅はどうですか?」と、柴尾英令くん。 「おお! さすが甘いもの大臣・柴尾英令くん! ナイス提言! 今宮神社に行こう!」 午後3時。今宮神社へ。
毎度おなじみ「かざりや」のほうへ。 「ご注文は?」 「え〜と、4人だから、きょうは6皿くらいにしとこうか!」 「えっ? 6皿もですか?」と、友清哲くん。 「友清哲くん、すぐその発言を撤回するはめになるからね! へっへっへ!」 あぶり餅が来た。 「友清哲くん、どう?」 「うま!」 「すごい勢いで食べてますよ〜、友清哲さん!」と宮本さん。 「うま! これは、うま!」 「さあ! 友清哲くん、お代わりしたくなっただろう!」 「うーーーん! ボク、こういう甘いスナック的なもの大好きで、ものすごいスピード で食べてしまうんですよ〜!」
けっきょく、3皿追加。 ふっふっふ。このお店に来て、1人前でやめた人はいないのだ。 友清哲くんは、新幹線の車内販売のアイスクリームが大好きという甘いもの好きだか らな。ここのあぶり餅にはまらないわけがない。 食後、ヤサカタクシーの宮本さんに、錦小路に向かってもらう。 友清哲くんが、京都土産を買って行きたいだろうと思ったからだ。 すでに、「豆腐カフェ藤野」で、黒豆珈琲を買っていたけど。 錦市場に向かう途中、京都御所のあたりで、ヤサカタクシーの宮本さんが悪魔のよう なささやきをつぶやく。 「さくまサ〜〜〜ン! 宇治金時〜〜〜!」 「さくまサン、とらやですよ!」と、柴尾英令くん。 「カキ氷食べて行く?」 「さくまサン、そらあきまへん。カキ氷食べて行ったら、錦市場に寄って行かれなくな る!」と、宮本さん。 「えー、そうかー、どうしよー! とらやと、錦市場とどっちがいい?」 「えっ? その選択肢はボクにあるんですか?」と、友清哲くん。 「そうだよ!」 「じゃあ、とらやです!」と、友清哲くん、きっぱり! 「わっはっはっは〜! 友清哲くん、本当に甘いもの好きだねえ!」 友清哲くん。見るからにあんこ型の力士の柴尾英令くんとは、違った、そっぷ型(痩 せ型)タイプの甘いもの好きである。 わがチームには、珍しいタイプの甘党誕生である。 「とらや」での注文の仕方もお見事。 不動の名横綱・柴尾英令くんが「氷あずき白玉練乳がけ!」と、注文すれば、
西の新横綱・友清哲くんも「宇治金時白玉練乳がけ!」と、注文。
両者まったく譲らず。 私は、おとなしく氷あずきのみ。
午後4時。京都駅へ。 柴尾英令くんと、友清哲くんは、伊勢丹の地下2階で「はつだ」の特選和牛弁当を 買って、そのまま東京へ向かうそうである。 私と宮本さんは、錦市場へ。 私は晩ご飯を買う。 もう栗ご飯が出ていると、期待したんだけど、出てないねえ。 いつになったら秋になるの? 中央米穀で、おにぎりを買って、井上佃煮店で、お惣菜を買う。 午後4時30分。京都のマンションへ。 テレビで「阪神VS広島」を見る。 さっき、横浜スタジアムに到着した岩崎誠ピキピキ!から、阪神も負けているし、横 浜ベイスターズも負けているという報告を受けたばかりである。 ところが、私が見たら、阪神は2−2の同点になっていた。 片岡選手がホームラン打ったのか。 また岩崎誠ピキピキ!から電話がかかってきた。 「ウッズと、村田が連続ホームラン打ちましたあ!」 「得点差は?」 「4−2です!」 「何だよ、まだ横浜ベイスターズは負けているじゃないか!」 午後5時。また岩崎誠ピキピキ!から電話が入る。 「ウッズが、またホームランを打ちました! 横浜、逆転です〜〜〜!」 また岩崎誠ピキピキ!から電話が入った。 「これで電話は最後にします! 横浜ベイスターズ8−4で勝っていまーす!」 ガダルカナル島に残った日本兵じゃないんだから! そして、ついに阪神が9回裏1死、満塁。 赤星選手が、ライト前にヒットを打って、さよなら勝ち! 打った瞬間に、岩崎誠ピキピキ!に電話すると「ええ〜〜〜っ? ホントですかあ! ありがとうございます! ニコニコ! ぷちっ!」 あっという間に、電話が切れた! あとは、横浜ベイスターズが勝てば、阪神が優勝だ。 8−4でも、勝てるかほどうか心配してしまうのが、横浜ベイスターズ・ファンだ。 でもきょうここで勝てば、今年の阪神の優勝の30%は、横浜ベイスターズのおかげ だなっ! MVPは、矢野捕手でも、井川投手でも、金本外野手でもなく、横浜ベイスターズに あげるべきである。 午後7時30分。横浜ベイスターズが、ヤクルトに12−6で勝った瞬間、阪神が優 勝! ああ、いいねえ。優勝はっ! 人んちの優勝でもうれしいよ。 もちろん、5年前の横浜ベイスターズの優勝を重ね合わせて喜んでいるんだよ。 5年前までは、優勝ってどんな感じなのかわからなかったからね。 阪神が優勝した瞬間から、サンテレビが優勝特番に早代わりするのが、さすが関西だ ねえ。 あっはっはっは。ニュース番組は、どこでも道頓堀川に次々に飛び込む阪神ファンの 映像ばかりじゃないか! あれだけ「絶対に飛び込まないでください!」と言ったって、 放送したら誰だってやりたくなるよ。 あっちこっち優勝特番を見ているうちに、うとうと…。 午後9時。『桃鉄研究所』の原稿執筆。 今晩じゅうに終わらないかなあ? 明日の予定は未定だけど、東京には戻る。
-(c)2003/SAKUMA-