9月11日(木) 午前10時30分。海に出る。 鎌倉は、まるでこれから夏が始まるかのように暑い。 でも、風があるので、海で日に焼いていても、我慢できる。 光る海がきれいだ。 遠く逗子マリーナが、くっきり見える。![]()
そういえば、サイモン&ガーファンクルが再結成して、全米ツアーに出たそうだ。 うーーん。飛行機に乗れればアメリカまで見に行きたいくらいだけど、たぶん日本にも そのうち来るだろう。 外国の音楽では、このサイモン&ガーファンクルと、ラヴィン・スプーンフルだけが 生で見たいアーティストとして残っているだけに、ぜひ日本に来てほしい。 午後12時。嫁と、江ノ電で鎌倉へ。 くそっ。やっぱり「仲の坂」は、定休日が木曜日だったか! 今年はさんまが豊漁と聞いて、このお店のさんまの刺身が食べたくなっていたのに。 午後12時30分。鎌倉紀伊国屋の隣りの「鎌倉丸山亭」へ。 鎌倉で20年以上続く、評判のフランス料理のお店だ。 お昼からフレンチはちょっとヘビィだけど、陽射しが強くて、鎌倉を歩きながらお店 を探す余裕がない。 でもどの料理も手が込んでいて、おいしい。 鎌倉ならではの、はまぐりや鱸(すずき)をつかった料理は、見事だ。 肉料理も、鴨、羊、牛肉と何種類も少しずつ食べられる趣向はうれしい。 間違いなく、鎌倉に定住していたら、常用したくなるようなお店だ。
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私たちの不幸は、「プティ・ポワン」を知っていることだ。 できることなら、ほかのフランス料理のお店を食べつくしたあとに「プティ・ポワン」 に出会いたかった。 贅沢な悩みだ。 午後2時8分。鎌倉駅から、湘南新宿ラインに乗車。 車中、『月刊噂の真相』を読む。 「休刊まであと6冊」と表紙に書いてあるのが、出版界にいた人間には、うらやましい コピーだ。黒字のまま休刊というのは、さらにうらやましい。 時々、政治家を退陣にまで追い込む記事は、出版界最後の気骨を見せた雑誌として記 憶に残るかもしれない。 午後3時8分。新宿に着く。 午後4時。近所の「らぴす」サンに寄って、コーヒーを飲んでから帰宅。 『桃鉄研究所』の原稿を執筆。 いつも思うけど、メールを読む時間って、長いんだね。 みんなが送ってくれたメールを読んで、ひとりかふたりにコメントをいれるだけで、 1時間ぐらいかかってしまう。 午後6時。嫁と、神宮球場へ。 横浜ベイスターズ戦ではない。 「阪神VSヤクルト」戦である。 とうとう阪神ハゲのオーナー・岩崎誠マジック3は、オーナー直々に球場に観戦に行 くと負けるジンクスを嘆き、きょうの神宮球場のチケットを持っているにもかかわらず、 自宅で観戦するという必死の応援態勢なんだそうだ。 けっきょく、今年熱狂的な阪神ファンの試合を私は一度も見ていないので、とにかく 「優勝の年の試合を見た!」という事実を残すために、やってきた。 それと、ハゲのオーナーに代わって、私が見に来て勝利を呼び込んで、岩崎誠ニコニ コ!に、恩を着せてやろうという魂胆もある。 まずは、崎陽軒のシウマイ弁当を買う。 横浜ベイスターズの試合でなくても、やっぱりシウマイ弁当を買ってしまうなあ。で もきょうはもうひとつ趣向があって、今朝、鎌倉の家の近所で、釜揚げしらすを買って きたので、シウマイ弁当にかけて食べたらおいしかろうと思ったのだ。わざわざ家から サランラップに包んで、釜揚げしらすを持ってきたんだよ。 おいしいよ〜!
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えっ? もう試合始まったの? まだ? すごいなあ。応援歌を阪神の先発選手の順に、9番まで、試合が始まる前 に、歌うのか。 この調子で、昨日みたいに延長戦までずっと応援してたら、声出なくなっちゃうだろ うなあ。 しかし、超満員の球場は、人の熱気で暑い。 横浜ベイスターズの試合だと、ガラガラだから、風通しもよくて、涼しい。 人間の体温は熱いことを思い知らされるような満員ぶりだ。 1回表。阪神、0点。 1回裏。ヤクルト1点。 あれ? ひょっとして、ハゲのオーナー・岩崎誠は、球場に来ているのかなあ? 2回表。阪神2−1ヤクルト。
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おおっ! 阪神が逆転だ。やっぱりハゲのオーナー・岩崎誠は球場に来ていないよう だ。 それにしても、思ったより阪神ファンはマナーがいいねえ。 もっと柄の悪いイメージだった。 レフトにフライが上がると、「ラミレス、落とせ〜〜〜!」がふつうなのに、「ラミ レス、取らないでくれ〜〜〜!」には、好感度アップ! 2回裏。阪神2−2ヤクルト。 ありゃ。同点だ。 4回表。阪神3−2ヤクルト。 また阪神がリードだ。 どうもすっきりしない試合だなあ。 どっちも波に乗りかけては、残塁の山だ。 5回裏。阪神3−5ヤクルト。 あれれ。大きく逆転されてしまったぞ。 やっぱり、ハゲのオーナー・岩崎誠は、球場に来ているのかなあ? スタンドで、ハゲている人を探す。 けっこう多いなあ。 岩崎誠にメールする。 自宅で、応援しているようだ。 うーん。メールでは何とでも嘘が書けるからなあ。 頬っかむりして、その辺で小さくなって、固唾を呑んでいる男がいるかもしれない。 見当たらないなあ。 KOされた下柳投手が、とぼとぼベンチに帰ってくる。 「下柳〜、次は頼むぞ〜〜〜!」 へえ〜! 阪神ファンって、こんなやさしい言葉をかえてあげるんだ。 意外だね。またまた好感度アップ! 阪 神 020 101 ヤクルト 110 031 6回裏。阪神4−6ヤクルト。 追いつけば引き離され、逆転すれば追いつかれる苦しい戦いだなあ。 気の早い阪神ファンが、6回裏になったばかりだというのに、ジェット風船を膨らま せ始めた。 私と嫁の左の席の人が「いりますか?」と、ジェット風船をくれようとする。 ジェット風船の飛ぶさまは見たいけど、そこまでのファンではないので辞退する。いか し、三塁側の阪神サイドで、風船を膨らませていないのは、もはや私と嫁くらいなもの である。 6回裏2死。右のほうの席に座っていたおっさんが「お祭りだから!」といって私の 手にジェット風船を握らせて、戻って行った。 こうなりゃ、私もジェット風船を飛ばすしかない。 しかし、2死から、なかなかヤクルトがチェンジにならない。 右手で吸い口を押さえているのが、つらくなってきた。 待ちきれない阪神ファンが、そこらじゅうでパンパン風船を割っている。
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スタンドを埋め尽くしたジェット風船は、キノコの胞子みたいだ。 7回表。 そうか。まずは六甲おろしを歌ってから、飛ばすか。 ピーピー、チューチュー、すごい音だ。 ♪フレー、フレー、フレー! ピュウウウウ〜〜〜! ピュウウウウ〜〜〜!
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きれいだねえ。函館の夜景みたいだ。 午後9時になろうとしているので、私と嫁は球場を後にする。 応援を続けたいんだけど、満員の球場の暑さに耐えられなくなってきたのと、メガホ ンを叩く音のうるささに疲れてきた。 家に戻って、スカイ・パーフェクTVで「阪神VSヤクルト」戦を見る。 ありゃ? 8回表に、阪神が3点取って、また延長戦? 昨日に続いての延長戦は、大阪から遠征して来ているファンは、もうへとへとだろう なあ。 午後11時10分。あんれまあ。延長戦12回まで戦って、7−7の引き分け? お疲れさんだなあ。 でもマジックは、2なの? 引き分けで? マジックの仕組みはよくわからんなあ。 マジック対象チームが、広島とヤクルトの2チームになったとか言っていたけど。 でもこれで、明日中日と戦って勝って、広島とヤクルトも負ければ、阪神の優勝にな るのかなあ。 まあ、いずれにしても私は、阪神の優勝に、1998年の横浜ベイスターズ、38年 ぶりの優勝を重ね合わせているだけなので、じっくり優勝に近づいて行ってくれたほう が、うれしい。 いやあ。きょうの熱狂的な阪神ファンを見て、あのときの熱狂的な横浜ベイスターズ ・ファンの球場が浮くような声援を思い出したよ。 あのときたくさんいた横浜ベイスターズ・ファンは、どこに消えてしまったんだよ〜 〜〜!と、いつもの自虐的なギャグが決まったところで、本日の日記は終了でござんす。
-(c)2003/SAKUMA-