8月26日(火)

 昨日観たDVDは『デイ・アナザー・ディ』。
 007シリーズの評価をキープできる内容だけど、舞台が北朝鮮なので、どうも妙な
違和感がある。
 よく日本家屋といいながら、中国風の家屋になっている外国映画みたいだ。
 それだけ最近、北朝鮮の映像をわれわれがよく見ているということだろう。

 ついに、鎌倉ろう城、1週間。
 もはや頭の中は『桃太郎電鉄U(仮)』でいっぱいというより、何か憑かれたように、
私ではない誰かが、必死にキーボードを叩いている状態。
 昨夜、電話してきた柴尾英令くんが「さくまサン! 様子が変ですよ!」と言ってい
たけど、自分でも変だとわかるくらい、身体がぶるんぶるん、アイドリングしている感
じ。

 午前9時。気がつけば、でかけないといけない時間だ。
 仕様書を、外付けハードディスクに保存して、あわててでかける。

 午前9時41分。長谷駅から、江ノ電に乗車。

 午前9時45分。鎌倉駅。

 JR鎌倉駅のホームに、コーヒースタンドがある。  前から、ここでコーヒーをテイクアウトして、横須賀線の車内で飲みたいなあ!と 思っていた。  次の電車が、宇都宮行きで、方向が違うので、1本待っている間に、このコーヒース タンド「モナール」で、モカジャバ、200円を買う。  午前9時57分。鎌倉駅から、千葉行き横須賀線に乗車。  車中、VAIOを開いて、モカジャバを飲みながら、『桃太郎電鉄U(仮)』の仕様 書作り。昔観たアメリカ映画のビジネスマンみたいだ。  ただアメリカ映画のビジネスマンは、小型自家用ジェットだが、私は横須賀線。  ちょっとスケールが違うが、気分は映画の主人公。  午前10時55分。東京駅で下車。  午前11時30分。銀座の読売広告へ。  ここで、岩崎誠、柴尾英令くん、コイズミリュウジ、そして、なんと! 声優の松本 みなみチャンと待ち合わせ。  きょうは、読売広告で、札幌から届いたばかりのテスト・ロムを、プレイする。  待ち合わせたあと、読売広告の近くの「過門香(かもんか)」で食事。 「オレは、やっぱり豚バラのあんかけご飯を食べるべきかな?」と、柴尾英令くん。ど うも最近柴尾英令くんは、私が日記で1.5倍に誇張した「柴尾英令デブ像」を演じよ うとする節がある。

「せっかくだ。コイズミリュウジの隣りの席に、松本みなみチャンを座らせてあげよう!」 「コイズミリュウジ! みなみチャンとちゃんとお話しろよ!」と、からかったときに は、すでにコイズミリュウジの顔はこわばっていた。  わかりやすい男だ。  私は、飲茶セット。

 このお店のお粥は、素直においしい。  きょう、私がわざわざ鎌倉から早くでかけて来たのは、ここのお粥が食べたかったか らだ。  午後1時。食後、喫茶店でコーヒーを飲んだあと、読売広告の3Fへ。  1時集合組が、続々到着。  きょうの対戦メンバーは、コイズミリュウジ、石川キンテツ、読売広告の小池玲子さ ん、松本みなみチャンだ。

 いつも、むさ苦しい男同士でばかり対戦しているどっこいズ(井沢どんすけ、コイズ ミリュウジ、石川キンテツ)に、女性プレイヤーをぶつけてビビらそうという岩崎誠の 作戦である。  残念ながら、本日、井沢どんすけ多忙につき、欠席。  また最近、紹介し忘れているが、コイズミリュウジ、石川キンテツのコンビは『週刊 少年サンデー』の読者ページ『青春学園』を担当しているライターである。 別に、 『桃太郎電鉄』専用テスト・プレイヤーでもなければ、お笑い芸人の卵でもない。お笑 い芸人には見えるが。

 観覧席は、私、土居ちゃん(土居孝幸)、柴尾英令くん、ハドソン宣伝部の藤原伸介 くん。  きょうは、試合の結果だけ書く。  実は、私の頭のなかの95%は『桃太郎電鉄U(仮)』で満ちていると連日、日記に 書いているが、柴尾英令くんに相談したいことがたくさんあるから、この場で、打ち合 わせがしたいのだ。  さっそく、柴尾英令くんと『桃太郎電鉄U(仮)』の打ち合わせ開始。  …と思ったら、岩崎誠ニコニコ!が「さくまサン! この途中経過見てくださいよ!  おもしろいですよ!」という。 <2年目> 1位・コイズミリュウジ     240万円 2位・小池玲子     −1億3400万円 3位・松本みなみ    −6億8560万円 4位・石川キンテツ  −13億4450万円 「なんじゃ、こりゃあ!」と、私も思わず叫んだよ!  キングボンビーを満遍なく、擦り付け合ったそうだ。  うーーん。仲がいいというか、どっこいズのあいかわらずの無為無策ぶりが浮き彫り になったというか、何ともいえない。  けっきょく、この試合は、最後にコイズミリュウジが、ハワイに入っただけで、優勝!  そりゃそうだわなっ! 1位・コイズミリュウジ  21億3110万円 2位・松本みなみ    −13億4020万円 3位・小池玲子     −14億8480万円 4位・石川キンテツ   −26億3080万円  実に珍しい結果だ。  しかし、「桃鉄」初心者に近い、松本みなみチャン、小池玲子さんに負けた石川キン テツのふがいなさには、あっけに取られる。  この間、元ハドソンの武田学くんに、鎌倉で勝ったときは、「おっ! 石川キンテツ も、上達したかな?」と思わせたのだが、初期化されたようだ。  第2戦のメンバーは、土居ちゃん(土居孝幸)、岩崎誠、コイズミリュウジ、石川キ ンテツ。  おなじく『桃鉄公式戦』をプレイ。  例によって、コイズミリュウジは第1戦を勝ったので、第2戦への出場を嫌がる!  コイズミリュウジは1位になったら、その日1日、勝利に酔いたい!という、まるで横 浜ベイスターズ・ファンのように負け根性が染み込んだ男である。 そういう消極的な 男を許せない体質の、岩崎誠ニコニコ!が、強引にコイズミリュウジを出場させる。  さて、土居ちゃんが参加するなら、珍プレイが出るぞ!と思ったら、やっぱり出まし た! わかりやすいように解説しましょう!  場所は、四国高松近辺。      │      │      │      │   高松   黄―ー赤ーー□         │         │         黄ーー青            │  岩崎誠は、高松駅の上。  土居ちゃんは、高松駅の左の赤マスにいた。  岩崎誠が、幸福な王子カードを引いてしまう。  何か1枚、自分が持っているカードを人に譲らないといけない。  悩んだあげく、土居ちゃんにうんちカードをプレゼントする。  すると、すかさず土居ちゃんは、うんちカードをつかったのである。  瀬戸大橋を封鎖された岩崎誠は、目的地である伊勢に向かえなくなって、四国に閉じ 込められてしまったのである! 「土居さん! いきなり、うんちカードつかうんだもん! ニコニコ!」 「岩崎誠! 土居ちゃんは、☆印カード売り場で、わざわざうんちカードを買うくらい、 いじわる系のカード大好き男だよ。どうかつかってください!と言ったようなものだよ!」 「まいったなあ! ニコニコ!」  それでも、なんとか岩崎誠が逃げ切る。 <結果> 1位・岩崎誠       15億5880万円 2位・土居ちゃん      9億4180万円  3位・石川キンテツ     4億0150万円 4位・コイズミリュウジ ー34億4520万円  コイズミリュウジは、やっぱり第1戦で、力尽きていたようだ。  午後3時30分。声優の柊瑠美ちゃんが到着。  第3戦は、コイズミリュウジ、石川キンテツ、松本みなみチャン、柊瑠美ちゃんの4 人で、『西日本編』を対戦。

 松本みなみチャンひとりでも緊張していた、コイズミリュウジと石川キンテツは、柊 瑠美ちゃんまで加わったものだから、口数が少なくなる。  途中、私と土居ちゃん、岩崎誠、藤原伸介くんは、読売広告の1Fで、『桃太郎電鉄 12〜西日本編もありまっせー!』のテレビCMの打ち合わせ。  今回、お笑い芸人さんをCMにつかうと言ったけど、そのマネージャーさんが同席。 絵コンテを見せて、綿密に打ち合わせ。  一応、まだ極秘なので、写真は無しね。  午後4時30分。なんと! 四国高松で、私や土居ちゃんに、たくさんおいしい讃岐 うどいのお店を教えてくれたのワ〜ッハッハ!の安藤芳樹さんが東銀座まで来ていると いうので、読売広告の1Fで、ご挨拶。

 つい最近、安藤芳樹さんは、長年勤めた広告代理店を退社したばかり。  どうしたのかと私も心配していたのだが、いろいろこれから、活動を再開するようだ。 安藤芳樹さんも45歳。けっこう人生の第4コーナーで、何か新しいことをしたくなる 年齢だ。  午後5時。読売広告の3Fに戻る。  まだ『西日本編』対戦は続いている。

 おっ! 松本みなみチャンが、『桃太郎電鉄』史上最強最悪のカードである「陰陽師 カード」を引き当てた!  これは、あまりにもむごいカードなので、手に入れられる確率を極端に低くした禁断 のカードなのだ。 「みなみチャン! つかって! つかって!」 「コイズミリュウジと、石川キンテツと、どっちでもいいから、陰陽師カードを喰らわ せて!」 「何すか! 何すか! どういうカードなんすか!」と、コイズミリュウジがうろたえ る。 「じゃあ! コイズミリュウジに喰らわせよう!」  どんなカードかというと、コイズミリュウジに呪いをかけて、松本みなみチャンが、 コイズミリュウジを操ることが出来てしまうのだ!  これだけでは、まだそのすごさがわからないでしょ?  へっへっへ。言ってしまうのが、もったいないなあ。  ここまで気を持たせたら、言ってしまうけどね。  まず、コイズミリュウジが持っているカードを、すべて捨ててしまう。  カードを選ぶと「つかう」のコマンドが出ることは知っていても、「つかう」の下に 「すてる」のコマンドがあることに気がついている人は少ない。  さらに「すてる」をつかったあとに、まだほかのカードを選んで「すてる」ことがで きることを知っている人は、ほとんどいなくなる。  さらに、さらに、さらに! 全部カードを捨てたら、「サイコロ」を振って、赤マス に突っ込ませることが、できるのだ! 「ひで〜〜〜ッ!」と、コイズミリュウジが叫ぶ。 「ひで〜〜〜ッ!」と言ったって、中田英寿ではない。  とにかくこの陰陽師カードは、ひどすぎるので、『西日本編』にしか登場しない。し かも確率は、むちゃくちゃ低い! 手に入れたら、自慢できるほど! ぜひ手に入れて いただきたい!  午後6時。柊瑠美ちゃんが、次の仕事の打ち合わせ時間が近づいてきたので、5年で 終了させることに。 【西日本編】 1位・柊瑠美ちゃん  18億8950万円 2位・石川キンテツ  16億6130万円 3位・コイズミリュウジ12億0970万円 4位・松本みなみ   10億4230万円  接戦ながら、コイズミリュウジ、石川キンテツが、16歳の女の子(柊瑠美ちゃん) に負けた事実は、歴史に残った。

 午後7時。柴尾デブ夫くんが、北海道旅行で開眼してしまったラムしゃぶを食べに行 こうと、銀座8丁目の「金の目」へ。  うちの嫁が、「金の目」に合流。  何でも、その後も原宿の我が家を建てた建築会社の手抜き工事が、さらに見つかった ようだ。ただ、お風呂自体は、つかえるようになったというので、今夜、私は自宅に帰 ることができるらしい。  ちょうど鎌倉にこもって1週間なので、きょうは自宅に戻るか。  ラムしゃぶのメンバーは、私、嫁、土居ちゃん、岩崎誠、柴尾英令くん、コイズミ リュウジ、石川キンテツ、松本みなみチャン。

 ラムしゃぶは、薄くスライスされた羊の肉を、鍋にくぐらせるので、しゅん!と肉は 縮んで、ほいほい胃のなかに入ってしまって、どこで止めたらいいかわからなくなる。  日本有数のラムしゃぶ食いの名人である柴尾英令くんは「ラム肉は太らないから!  太らないから!」を連呼しながら、わんこそばのように、肉をたいらげていく。  石川キンテツが「さくまサン! 本当にラム肉は太らないんですか?」と聞いてきた。 「まあ! 柴尾英令くんの場合、鉄1トンと、綿1トン、どっちが重いみたいなもんだ からさ。太るよ!」と、私。 「おっさん! おっさん! ラム肉1トンは食えない!」と、柴尾英令くん。  午後9時30分。1週間ぶりに、原宿の家に正式に帰還。この間、ちょっと立ち寄っ たからね。  でも今朝、鎌倉を出るときには、きょうも鎌倉に戻るつもりだったから、変な気分。  お風呂場は完成しているものの、まだ脱衣場が工事途中なので、やっぱりまだ工事現 場に帰ってきたような感じだ。  意外と、工事は長引いている。  午後10時。『ニュースステーション』で、久米宏さんの「降板宣言記者会見」を見 る。  55歳を過ぎたころから、衰えを感じてきたのが、降板の理由というのは、よくわか るなあ。私も51歳。この1週間で、神がかり的なパワーを発揮できたけど、疲労度は 激しいもん。  私もたぶん、あと2作か3作ぐらいが限界だろうなあ…。  というより、本当は50歳で引退するつもりだったんだけどね。  往生際の悪い男だ。

 

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